133 / 281
銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
133 命と精霊
しおりを挟む
とりあえず授業を受ける。ユエと同じ科目もあるけど、違う科目は一人で移動。使い魔を連れて歩いてるし、特Aだからか、誰一人近付いて来ない。日に何度も行き来する廊下。何かを感じて立ち止まる。
「?」
この感じ、なんなんだ?
「キュウ」
「は?! なんだって?」
「キュウキュウ」
捕まえろって、意味分かんねぇって! 指を鳴らして杖を出す。ベニから流れてくる呪文を唱えて杖を一振り。目の前に光が集まって、小さな丸い石のようなものが現れた。左手を差し出すと、コロンっと落ちてくる。
「これ、なんだよ?」
色は白っぽい。指で摘むと硬いし。
「キュウ」
「待てよ。これがそうだっていうのかよ?」
「キュウキュウ」
「こんなのその辺に浮遊してたら、餌だらけじゃねぇか?!」
「キュウ」
大抵はその場に留まるって、じゃあ、なんで校内にいるんだよ?!
「キュウキュウキュ」
「たまたま、ここで解けたって。どういうことだよ?」
ベニと話していて、教室移動の途中だって、頭から抜け落ちてた。だからさ……。
「授業始まってるが?」
「へ?」
慌てて振り返ると、そこにいたのは特Aの担任。
「何やってんだ?」
「ベニに言われてさ」
「火の鳥にか? それに、左手の平の上のはなんだ?」
教師に覗き込まれて、言葉に休す。だってさ、本当にあるなんて思ってなかったし。
「……命の元?」
「なんで、疑問系だ」
「オレだって知らねぇんだもん」
あまりに不審者扱いの目で見られて、渋々、卵云々の話を廊下の真ん中でしたんだ。それで、仮説だけど、孵化しなかった卵は精霊に還る。つまり、消えるんじゃないかって、ルイと話してたって。
「お前等、二人で話してる内容が学生じゃないな」
「仕方ねぇじゃねぇか」
「命の元ね」
その白い塊。なぜが浮き上がって教師の周りを纏わり付く。なんでだ?
「キュウ!」
「はあ?!」
訳分かんねぇ! なんで教師の卵の欠片がここにあんだよ?! 特Aだったし、普通にしてんだから、循環相手がいるのは分かるけどよ?!
「あのよ。スゲェ個人的なことなんだけどさ」
「なんだ?」
「卵、受け取ってんだよな?」
「まあ、いい歳だしな」
「それどうしたんだよ?」
「消えたな」
……なに、軽く言ってんだよ。もしかしてよ。
「この場所か?」
「どうしてだ?」
「だってよ。纏わり付いてるじゃねぇか?」
オレが塊にしたのが、嬉しそうに教師の周りを飛んでるだろう!
「そうだな」
「なんで、学校に持ってきてんだよ!」
「仕方ないだろう。孵化しないって、半狂乱で殴り込んできたんだからな」
「……」
それ、循環相手だよな。殴り込んでくるって。グッタリだ。話の内容から夫役が教師で、妻役が循環相手だよな。
「あいつはな。一応、ここの養護教諭なんだが。感情の起伏が激しくてな」
カエデさんとシロガネさん見てるから、大抵のことでは驚かねぇけど。殴り込んでくるって。つまり、普段は教師の宿舎に置いてあった卵を、相手が学校に持ち込んで孵化しないから感情が爆発したと。
「多分さ。この、フユフユしてるの卵に戻したら成長するかも?」
「はあ?!」
そうなるよな。卵の機能不全で成長できなくて、卵としての姿を留めておけなくて解けて。遺伝子抱えた精霊が困り果ててここに留まってたんだからさ。
「とりあえず、それ、引き取ってくんね?」
「……」
教師のやつ、少し躊躇ったあと、右手を差し出した。教師の周りを飛び回っていた、それが、手の上に着地する。これで、よかったんだよな?
「?」
この感じ、なんなんだ?
「キュウ」
「は?! なんだって?」
「キュウキュウ」
捕まえろって、意味分かんねぇって! 指を鳴らして杖を出す。ベニから流れてくる呪文を唱えて杖を一振り。目の前に光が集まって、小さな丸い石のようなものが現れた。左手を差し出すと、コロンっと落ちてくる。
「これ、なんだよ?」
色は白っぽい。指で摘むと硬いし。
「キュウ」
「待てよ。これがそうだっていうのかよ?」
「キュウキュウ」
「こんなのその辺に浮遊してたら、餌だらけじゃねぇか?!」
「キュウ」
大抵はその場に留まるって、じゃあ、なんで校内にいるんだよ?!
「キュウキュウキュ」
「たまたま、ここで解けたって。どういうことだよ?」
ベニと話していて、教室移動の途中だって、頭から抜け落ちてた。だからさ……。
「授業始まってるが?」
「へ?」
慌てて振り返ると、そこにいたのは特Aの担任。
「何やってんだ?」
「ベニに言われてさ」
「火の鳥にか? それに、左手の平の上のはなんだ?」
教師に覗き込まれて、言葉に休す。だってさ、本当にあるなんて思ってなかったし。
「……命の元?」
「なんで、疑問系だ」
「オレだって知らねぇんだもん」
あまりに不審者扱いの目で見られて、渋々、卵云々の話を廊下の真ん中でしたんだ。それで、仮説だけど、孵化しなかった卵は精霊に還る。つまり、消えるんじゃないかって、ルイと話してたって。
「お前等、二人で話してる内容が学生じゃないな」
「仕方ねぇじゃねぇか」
「命の元ね」
その白い塊。なぜが浮き上がって教師の周りを纏わり付く。なんでだ?
「キュウ!」
「はあ?!」
訳分かんねぇ! なんで教師の卵の欠片がここにあんだよ?! 特Aだったし、普通にしてんだから、循環相手がいるのは分かるけどよ?!
「あのよ。スゲェ個人的なことなんだけどさ」
「なんだ?」
「卵、受け取ってんだよな?」
「まあ、いい歳だしな」
「それどうしたんだよ?」
「消えたな」
……なに、軽く言ってんだよ。もしかしてよ。
「この場所か?」
「どうしてだ?」
「だってよ。纏わり付いてるじゃねぇか?」
オレが塊にしたのが、嬉しそうに教師の周りを飛んでるだろう!
「そうだな」
「なんで、学校に持ってきてんだよ!」
「仕方ないだろう。孵化しないって、半狂乱で殴り込んできたんだからな」
「……」
それ、循環相手だよな。殴り込んでくるって。グッタリだ。話の内容から夫役が教師で、妻役が循環相手だよな。
「あいつはな。一応、ここの養護教諭なんだが。感情の起伏が激しくてな」
カエデさんとシロガネさん見てるから、大抵のことでは驚かねぇけど。殴り込んでくるって。つまり、普段は教師の宿舎に置いてあった卵を、相手が学校に持ち込んで孵化しないから感情が爆発したと。
「多分さ。この、フユフユしてるの卵に戻したら成長するかも?」
「はあ?!」
そうなるよな。卵の機能不全で成長できなくて、卵としての姿を留めておけなくて解けて。遺伝子抱えた精霊が困り果ててここに留まってたんだからさ。
「とりあえず、それ、引き取ってくんね?」
「……」
教師のやつ、少し躊躇ったあと、右手を差し出した。教師の周りを飛び回っていた、それが、手の上に着地する。これで、よかったんだよな?
10
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
神官姫と最強最弱の王
深也糸
BL
アズカヴァル国の王、リヴェラ・ライト・アズカヴァルは十八歳になり、成人したことで妃を娶らなければならなかった。
隣国のリゼルハイドの姫、シファ・ヴィオラ・リゼルハイドはリヴェラと娶せられるためにアズカヴァルに逗留することになる。リヴェラに城の中を案内してもらい親睦を深めようとするが、早々に男だとバレてしまい……。
※週一回 マイペース更新
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる