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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
156 ウィル オ ウィプス
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「好きで来たんじゃねぇけど」
ちびっ子爺さん、もとい! ウィル オ ウィプスにオレは不本意なんだと態度で示しつつ言ってみた。
『ふむ。精霊王の所望はあの足を踏み外した魔法使いの一族か?』
「そうみたいだけどさ」
『そこにいる者は実験で孵化した存在ではないな? 少しばかり波動が違う。で、お前はまた、変わった魔力を持っているな?』
「好きでこう生まれたんじゃねぇよ」
オレの言葉に軽く目を見開いたウィル オ ウィプス。どこが目かよく分んねぇけど。
『お前は卵から孵化した魔法使いではないのか?!』
「違うけど」
ウィル オ ウィプスは少し驚いた? ような仕草をした。そして、リッカとコウガに視線? を向けて直ぐ、オレに向き直る。
『たまたま、ここに閉じ込められてな。結界を張ったのが魔法使いの中でも特殊な一族だったらしく、儂も出られんくてな』
「妖精? 精霊?」
『儂はどっちになるのか? だがな、妖精も精霊も紙一重よ』
ウィル オ ウィプスはカラカラと楽しげに笑う。微妙に純粋さを感じねぇのは気のせいか?
『なにを感じ取っておる?』
「今まで見たどの精霊や妖精よりも黒い!」
オレは思ったままを口にした。一瞬の沈黙。それを破ったのはウィル オ ウィプスだった。
『隠し事が出来ぬ奴だな。まあ、いい。儂も本当の意味で外に出たいのでな。協力してやる』
「なあ、なんで、この屋敷、廊下しかねぇの?」
『そこの者が迷宮と言ってただろう。この屋敷の主人が、どうやってもお前達に会いたくないらしい。当たり前といえば当たり前だ』
「それは感知しているということか?」
リッカが唸るように言った。
『ふむ。お前がここの結界を解いた奴だな。変な魔法は違う者が解いたようだが』
「まあな」
『あの者は少々、厄介だぞ。自分の身から出た錆とは言え、一族の者を巻き込み、挙句、この屋敷に入り込んだ者を手当たり次第に取り込んだ。儂の仕事を増やしおったからな』
ウィル オ ウィプスの仕事ってなんだ?
『浮かばれぬ魂や罪を犯した者の魂を本来の場所に導く。愚者の火に相応しい仕事だろう』
……なんで黒く感じたのか、今の言葉で納得。
「この迷宮を作り出しているのは?」
ルイは探るようにウィル オ ウィプスに問い掛ける。
『そんなもの。あの愚か者に決まっておるだろう?』
「後悔から自殺したはずでしょう?」
コウガが納得できないように反論する。
『後悔……。それはちと違うぞ』
……話が違うんじゃねぇの。
『あやつは自慢していた。破壊の魔力だけを持つ存在を、そう、意図的に創り出せたと。そのあとの惨劇をお前達は知らないだろう?』
「知らないだろう、ってさ、身をもって体験した後だけど」
知らないどころか、ルイは被害者でオレはそのせいでここにいんだよ。オレが魔法使いになったのは、あいつのせいなんだからさ。本当にここに閉じ込められてたんだな。外でなにがあったのか、全く分かってねぇんだもん。
『体験?』
「それはいいだろう?」
『よくはないぞ。隠さねばならないことか?』
「口外は極力避けたいのが本音だよ」
ルイが憮然と言い放つ。
『儂は人ではない』
「そんなのは言われなくても分かるよ」
コウガが当たり前のことを言ったウィル オ ウィプスにうんざりしたように言った。
『仕方ない。外に出れば自ずと知れるだろう』
やっぱりか。ウィル オ ウィプスは手に持っていた青白い鬼火を廊下の先に向け、次いで背後に向けた。小さく唸って、次は左右の壁に鬼火を向ける。オレ達について来るように言って、スッと右の壁に姿を消した。
ちびっ子爺さん、もとい! ウィル オ ウィプスにオレは不本意なんだと態度で示しつつ言ってみた。
『ふむ。精霊王の所望はあの足を踏み外した魔法使いの一族か?』
「そうみたいだけどさ」
『そこにいる者は実験で孵化した存在ではないな? 少しばかり波動が違う。で、お前はまた、変わった魔力を持っているな?』
「好きでこう生まれたんじゃねぇよ」
オレの言葉に軽く目を見開いたウィル オ ウィプス。どこが目かよく分んねぇけど。
『お前は卵から孵化した魔法使いではないのか?!』
「違うけど」
ウィル オ ウィプスは少し驚いた? ような仕草をした。そして、リッカとコウガに視線? を向けて直ぐ、オレに向き直る。
『たまたま、ここに閉じ込められてな。結界を張ったのが魔法使いの中でも特殊な一族だったらしく、儂も出られんくてな』
「妖精? 精霊?」
『儂はどっちになるのか? だがな、妖精も精霊も紙一重よ』
ウィル オ ウィプスはカラカラと楽しげに笑う。微妙に純粋さを感じねぇのは気のせいか?
『なにを感じ取っておる?』
「今まで見たどの精霊や妖精よりも黒い!」
オレは思ったままを口にした。一瞬の沈黙。それを破ったのはウィル オ ウィプスだった。
『隠し事が出来ぬ奴だな。まあ、いい。儂も本当の意味で外に出たいのでな。協力してやる』
「なあ、なんで、この屋敷、廊下しかねぇの?」
『そこの者が迷宮と言ってただろう。この屋敷の主人が、どうやってもお前達に会いたくないらしい。当たり前といえば当たり前だ』
「それは感知しているということか?」
リッカが唸るように言った。
『ふむ。お前がここの結界を解いた奴だな。変な魔法は違う者が解いたようだが』
「まあな」
『あの者は少々、厄介だぞ。自分の身から出た錆とは言え、一族の者を巻き込み、挙句、この屋敷に入り込んだ者を手当たり次第に取り込んだ。儂の仕事を増やしおったからな』
ウィル オ ウィプスの仕事ってなんだ?
『浮かばれぬ魂や罪を犯した者の魂を本来の場所に導く。愚者の火に相応しい仕事だろう』
……なんで黒く感じたのか、今の言葉で納得。
「この迷宮を作り出しているのは?」
ルイは探るようにウィル オ ウィプスに問い掛ける。
『そんなもの。あの愚か者に決まっておるだろう?』
「後悔から自殺したはずでしょう?」
コウガが納得できないように反論する。
『後悔……。それはちと違うぞ』
……話が違うんじゃねぇの。
『あやつは自慢していた。破壊の魔力だけを持つ存在を、そう、意図的に創り出せたと。そのあとの惨劇をお前達は知らないだろう?』
「知らないだろう、ってさ、身をもって体験した後だけど」
知らないどころか、ルイは被害者でオレはそのせいでここにいんだよ。オレが魔法使いになったのは、あいつのせいなんだからさ。本当にここに閉じ込められてたんだな。外でなにがあったのか、全く分かってねぇんだもん。
『体験?』
「それはいいだろう?」
『よくはないぞ。隠さねばならないことか?』
「口外は極力避けたいのが本音だよ」
ルイが憮然と言い放つ。
『儂は人ではない』
「そんなのは言われなくても分かるよ」
コウガが当たり前のことを言ったウィル オ ウィプスにうんざりしたように言った。
『仕方ない。外に出れば自ずと知れるだろう』
やっぱりか。ウィル オ ウィプスは手に持っていた青白い鬼火を廊下の先に向け、次いで背後に向けた。小さく唸って、次は左右の壁に鬼火を向ける。オレ達について来るように言って、スッと右の壁に姿を消した。
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