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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
168 淡々としてる?
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「これが卵?」
ユエと副会長が卵の入った籠を覗き込む。二人には事情を話しているし、隠す必要もないからなぁ。
「見た目、鶏の卵に近いけどさ、半透明? がかってる」
「それに、これ、力の塊だね。ビシバシ感じるし」
そんなに凝視してさ、卵に穴空いたらどうすんだよ?
「はいはい。魔力の強い魔法使いが、力の塊を凝視しない。変質したらどうするの?」
ルイが呆れたように、籠の上に布を被せた。やっぱり、変質するかもしれないのな。
「許可は得てないんでしょう?」
「得てるとでも思ってるの? ユグドラシルがさっさと作れって、ノリノリで言ってきたんだよ。拒絶できるわけがないでしょう?」
ユグドラシルって、かなり軽いノリな上に、隔離されてたから、反動が半端ねぇんだろうな。妖精王と妖精女王が呆れ気味だったしさ。
「本当に魔力の強い魔法使いが凝視したくらいで変質なんてするの?」
副会長が疑問を口にする。それ、俺も気になる。
「そんな話は聞いたことないけど、ライカのガン見は危険だと思うよ」
ルイ、面っと凄いこと言った!
「どうして?」
「もう、蛇に睨まれてるみたいで」
「言うようになったね」
「そりゃあ、サクヤ仕込みなんで」
待て、なぜにそこでオレが出てくる?! 副会長が睨んできてるじゃねぇか! でも、なんで、緩く首を横に振ってんだよ?
「サクヤってより、ルイの本性でしょう?」
どうしてだ?
「嫌味とか言えるような性格? 裏表どころか、隠し事もできなそうじゃない?」
副会長の言葉にユエが吹き出した。そして、盛大に大笑い。失礼だろう。確かに隠し事とか器用なことはできねぇけど。
「ライカのサクヤに対する認識が的を得すぎてる」
そんなに腹抱えるほど可笑しいか?
「まあ、いいよ。それより、私達が不在にしていた期間ってどれくらい?」
うん、ルイって軽く流すところあるよな。
「いきなり会話を変えるのもルイの特徴だね」
「きっかり一ヶ月」
「一ヶ月?!」
おいおい。それって、ある意味、ヤバい不在期間じゃねぇの。来る、絶対にルイの両親が速攻、ここに来る。予告なしに……。
「ルイ!」
ほら。やっぱりだ。オレは頭を抱えた。移動魔法で躊躇いなく寮の部屋かよ。まあ、長期滞在してたもんだから、部屋自体が拒絶しねぇもんな。
「無事だったんだね」
カエデさんがルイの両手を取って、潤んだ瞳で見詰めてる。それ見たユエと副会長が目を見開いた。当たり前の反応だよな。その後に現れたクレハさんは右手を額に当てて溜め息。予想通りの行動だったんだろうな。
「カエデ、まず、話を聞くのが先だろう」
「何を言ってるの?! 一ヶ月も姿をくらませたんだよ?!」
「今回は連絡があっただろう?」
「それでも、心配だったんだよ?!」
もう、ここに養護教諭とシロガネさんがいたら、かなりの煩さだろうな? 想像だけにしてぇけど。
「会長の両親って見た目いいけど、激しいよな」
ユエがポツリと感想を述べる。まあ、オレとルイが寝込んでる時に顔は合わせてたんだろうけどさ。
「主にカエデさんだろう? クレハさんは落ち着いてるしさ」
「そうだけどさ。こう、魔法使いの親子関係って冷めてんだけど。会長のところは、ちょっと違うからさ」
まあ、魔法省に奪われてた期間が長いから、若干、カエデさんの反応が過剰なんだよな。
「五体満足。どこも変わったところはないから安心して」
で、ルイが淡々と答えるのもいつものことだよな。落ち着いたから、更に淡々としてるしさ。ほら、カエデさんの表情がマズイことになってるって。泣き出したらどうすんだよ?!
ユエと副会長が卵の入った籠を覗き込む。二人には事情を話しているし、隠す必要もないからなぁ。
「見た目、鶏の卵に近いけどさ、半透明? がかってる」
「それに、これ、力の塊だね。ビシバシ感じるし」
そんなに凝視してさ、卵に穴空いたらどうすんだよ?
「はいはい。魔力の強い魔法使いが、力の塊を凝視しない。変質したらどうするの?」
ルイが呆れたように、籠の上に布を被せた。やっぱり、変質するかもしれないのな。
「許可は得てないんでしょう?」
「得てるとでも思ってるの? ユグドラシルがさっさと作れって、ノリノリで言ってきたんだよ。拒絶できるわけがないでしょう?」
ユグドラシルって、かなり軽いノリな上に、隔離されてたから、反動が半端ねぇんだろうな。妖精王と妖精女王が呆れ気味だったしさ。
「本当に魔力の強い魔法使いが凝視したくらいで変質なんてするの?」
副会長が疑問を口にする。それ、俺も気になる。
「そんな話は聞いたことないけど、ライカのガン見は危険だと思うよ」
ルイ、面っと凄いこと言った!
「どうして?」
「もう、蛇に睨まれてるみたいで」
「言うようになったね」
「そりゃあ、サクヤ仕込みなんで」
待て、なぜにそこでオレが出てくる?! 副会長が睨んできてるじゃねぇか! でも、なんで、緩く首を横に振ってんだよ?
「サクヤってより、ルイの本性でしょう?」
どうしてだ?
「嫌味とか言えるような性格? 裏表どころか、隠し事もできなそうじゃない?」
副会長の言葉にユエが吹き出した。そして、盛大に大笑い。失礼だろう。確かに隠し事とか器用なことはできねぇけど。
「ライカのサクヤに対する認識が的を得すぎてる」
そんなに腹抱えるほど可笑しいか?
「まあ、いいよ。それより、私達が不在にしていた期間ってどれくらい?」
うん、ルイって軽く流すところあるよな。
「いきなり会話を変えるのもルイの特徴だね」
「きっかり一ヶ月」
「一ヶ月?!」
おいおい。それって、ある意味、ヤバい不在期間じゃねぇの。来る、絶対にルイの両親が速攻、ここに来る。予告なしに……。
「ルイ!」
ほら。やっぱりだ。オレは頭を抱えた。移動魔法で躊躇いなく寮の部屋かよ。まあ、長期滞在してたもんだから、部屋自体が拒絶しねぇもんな。
「無事だったんだね」
カエデさんがルイの両手を取って、潤んだ瞳で見詰めてる。それ見たユエと副会長が目を見開いた。当たり前の反応だよな。その後に現れたクレハさんは右手を額に当てて溜め息。予想通りの行動だったんだろうな。
「カエデ、まず、話を聞くのが先だろう」
「何を言ってるの?! 一ヶ月も姿をくらませたんだよ?!」
「今回は連絡があっただろう?」
「それでも、心配だったんだよ?!」
もう、ここに養護教諭とシロガネさんがいたら、かなりの煩さだろうな? 想像だけにしてぇけど。
「会長の両親って見た目いいけど、激しいよな」
ユエがポツリと感想を述べる。まあ、オレとルイが寝込んでる時に顔は合わせてたんだろうけどさ。
「主にカエデさんだろう? クレハさんは落ち着いてるしさ」
「そうだけどさ。こう、魔法使いの親子関係って冷めてんだけど。会長のところは、ちょっと違うからさ」
まあ、魔法省に奪われてた期間が長いから、若干、カエデさんの反応が過剰なんだよな。
「五体満足。どこも変わったところはないから安心して」
で、ルイが淡々と答えるのもいつものことだよな。落ち着いたから、更に淡々としてるしさ。ほら、カエデさんの表情がマズイことになってるって。泣き出したらどうすんだよ?!
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