銀の鳥籠

善奈美

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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編

169 誰もち?!

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 あの後、泣くことはなかったカエデさんだけど、卵に関しては当面は秘密にするべきだという話になった。魔法大臣の方にはクレハさんから話すと言ってくれた。
 
 そのままだと卵に何かしらの影響が出るだろうという判断から、オレが魔法で結界を張ることを提案された。理由が、ルイの魔力では卵に何かしらの影響が出るかもしれないから。そんなところも魔力で影響の仕方が違うんだな。
 
 キンとギンはさすがに成獣化してしまったから、学校内に連れて歩くわけにはいかなくなった。子狼の時は子犬感覚でもさ、大人になったらまんま、狼だもんな。で、キンとギンは卵の番兵をしている。大丈夫だとは思うけどさ。大事をとってだ。
 
 卵の魔法使いとしての仕事は学校を卒業するまではしない方向で調整しているという。ただ、勝手に卵を作ることは実質できなくなったから、一定年齢に達するともらえる卵は、一時的に停止することに決まった。まあ、当たり前といえば当たり前だけどさ。
 
 オレはといえば、一般教養で格闘中。がっつり一ヶ月の授業の穴はなかなか埋まらねぇんだって! ルイも特Aのやつらの意見で、オレが基本が破壊的なことに気がついて、本当に初等部の生徒か? ってくらい丁寧かつ、適切に説明してくれる。
 
 春から夏。秋へと季節が移っていって、オレとユエ的には近づいてほしくない季節がやってくる。そう、魔法学校卒業だ。卒業自体が嫌ってわけじゃねぇよ。問題は結婚式だ! しかも、卒業後の学校とは別に行う両家主催の結婚式まで控えてる。
 
「本当にやらないと駄目なのかよ」
 
 悪足搔きだと分かっていても、言わずにはいられない! まあ、サイズを計られながら言ったところで覆らないだろうけどさ。
 
「仕方ないでしょう?」
「これ、誰もちなんだよ?」
「私だけど」
「はあ?!」
 
 待てよ。ある意味、学校行事なんだろう?!
 
「結婚式って、特Aの生徒特有なんだよ。大抵が高等部に入学時点で収入を得てる場合が多いからね。そうなると、本人、この場合、夫役が出すのが伝統なんだよ」
「じゃあ、リッカとコウガの時は?」
「リッカが出したに決まってるでしょう。全校生徒に振舞われる食べ物も飲み物も夫役が出すんだよ」
 
 魔法使いって分かんねぇ! 待てよ……。
 
「もし、収入がない場合は?」
「そんなの親が出すんだよ。高等部卒業までに相手が見つかるのは本当に稀なんだ。喜んで出すだろうね」
 
 ……オレの育った環境ではあり得ない。でも、これが通常なんだよな。
 
「それに、今回はライカとユエと合同の結婚式だから、出費は半分だよ」
「そういう場合は折半なのかよ?」
「当たり前でしょう。どちらかが多く負担するってことはないけど、同時にする場合は、そこそこ、いいものを用意するんだ。ライカと相談して、最高級のものを用意する方向で決まってるから」
 
 一つ気になってたんだけどよ。副会長の収入源ってなんなんだ?
 
「個人的なことだけどさ。副会長の収入源ってなんだよ?」
「知らなかったの?」
「ユエも知らねぇみたいだけど」
「ライカは杖の核を採集する一族なんだ」
 
 杖の核?!
 
「結構、危険な職業だよ。杖を作ることもあるみたいだけど、ライカは採集するだけみたいだね。時々、不在にしてる時があったと思うんだけど」
「核だけなのか?」
「魔法の媒介になるもの全般って聞いてるけどね。鉱石やらなんやら。それらの加工なんかも請け負ってるみたいだけど」
 
 ユエが部屋に籠ってて訊けなかったって言ってたけどさ、それ、加工作業だったんだな。意外に地味な職業。根気は入りそうだけど。
 
「ライカは危険な場所専門って言ってたから、高収入らしいよ」
 
 ……ユエ、早く本人に訊いた方がいいと思う。いろんな意味で。
 
 
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