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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
182 無意味な攻防戦
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「どうして俺なんだ?!」
その叫びとともに引きずられるようにして入って来たのは風紀委員長。
「え? だって、親族でするのはあっちがドレスでしょう? 身長も大差ないし、一度、体験してもらわないと、僕達の気持ち分からないでしょう?」
なんとも凄い持論を持ち出したのはコウガ。つまり、風紀委員長が着せられたのか……。お気の毒。スタイリストの人達も腕が良いんだろうな。素材は最高でも、それを活かせないと意味ないんだけどさ。見事な花嫁に変身してるわ。
「似合ってる似合ってる」
意地悪な笑みを浮かべながら言ったのは副会長。確実に軽いよな。
「モデルみたいだよ」
これはルイだ。どっちにしても我が身じゃないから軽い。
「ふざけるな! 求愛したのは俺だぞ!」
「だから、彼には自分で用意したドレスを着せなよ。それ、僕が使用したドレスなんだし」
「そうだ! サイズが全く違うだろうが?!」
「魔法でチョイチョイ」
それを聞いた風紀委員長の顔が蒼白。
「魔法の効果が切れたらどうしてくれる?!」
「さあ? 半日は持つと思うから。僕としても思い出のドレスだしね」
「だったら、そんなものに魔法をかけて、俺に着せるな!」
風紀委員長が言ってることは真っ当だよな。で、続いて会場に入って来たセイトは風紀委員長の姿に吃驚してる。そりゃあ、吃驚だろうよ。
「何がどうなって……」
「平和な解決方法?」
「どうして疑問系だ?」
オレの言葉につかさず突っ込み入れてくるセイト。
「だってさ。オレ的には楽しくねぇけど、これ、イベントなんだろう? あのままだったら確実に魔法合戦じゃねぇか。まあ、ルイと副会長が結界なりで被害はなかっただろうけど、迷惑だろう」
だから、最も平和でかつ、イベントとして盛り上がる方法を取ったんだよ。まさか、採用されるとは思わなかったけどさ。
「求愛云々はこのイベントが終わってから、二人で話し合えよ。でも、覚悟はした方が良いと思うけどさ」
「両親に相手を見付けてこいって言われてたんでしょう?」
オレの後にユエがケーキを食べながら訊いてくる。まず、食べるのやめたらどうだ?
「言われたけど、それはあくまで俺が求愛すること前提で」
「じゃあ、自分でAクラス以下の生徒を探せばよかったじゃん」
「……面倒だろう」
本音はそこか。無理に求愛相手を探す必要がない魔力。オレもだけどさ。で、風紀委員長はルイや副会長より切羽詰まってなくても、破壊の魔力に傾倒してんだし、そのままだと闇に落ちるってことだよな。
「委員長は医者の家系で親が内科医なんだろう?」
「ユエか?」
「そう。じゃあ、風紀委員長の家業、なんだと思う?」
セイトは首を傾げた。最初から知ろうという意思がなかったんだし、首傾げるよな。
「ユエが委員長の家業を知ってるように、ルイは風紀委員長の家業を知ってんだよ」
セイトは軽く目を見開き、首を振った。
「知らなくて良い」
「どうしてだよ?」
「逃げ道塞がれそうな気が……」
「医者だよ。外科医」
ルイは良い笑顔でサラリと言い切った。その言葉にセイトは固まる。ちなみに、風紀委員長はコウガとまだ、言い合ってる。
「……え?」
「本能じゃねぇの。似た者の香りでも嗅ぎ分けたんじゃね?」
「それ、本当の話?」
「嘘ついても仕方ないでしょう?」
諦めの悪いセイトに、ルイが若干、呆れ気味。時には諦めも必要だよな。オレなんて話聞いた時点で諦めたし。そのあと、大変だったけど、今思えばルイの側にいたのは間違いじゃねぇって思うしさ。
「スパッと腹くくったら」
セイトが機械仕掛けの人形のように風紀委員長に視線を向けた。まだ繰り広げている攻防戦に、諦めたように息を吐き出した。
その叫びとともに引きずられるようにして入って来たのは風紀委員長。
「え? だって、親族でするのはあっちがドレスでしょう? 身長も大差ないし、一度、体験してもらわないと、僕達の気持ち分からないでしょう?」
なんとも凄い持論を持ち出したのはコウガ。つまり、風紀委員長が着せられたのか……。お気の毒。スタイリストの人達も腕が良いんだろうな。素材は最高でも、それを活かせないと意味ないんだけどさ。見事な花嫁に変身してるわ。
「似合ってる似合ってる」
意地悪な笑みを浮かべながら言ったのは副会長。確実に軽いよな。
「モデルみたいだよ」
これはルイだ。どっちにしても我が身じゃないから軽い。
「ふざけるな! 求愛したのは俺だぞ!」
「だから、彼には自分で用意したドレスを着せなよ。それ、僕が使用したドレスなんだし」
「そうだ! サイズが全く違うだろうが?!」
「魔法でチョイチョイ」
それを聞いた風紀委員長の顔が蒼白。
「魔法の効果が切れたらどうしてくれる?!」
「さあ? 半日は持つと思うから。僕としても思い出のドレスだしね」
「だったら、そんなものに魔法をかけて、俺に着せるな!」
風紀委員長が言ってることは真っ当だよな。で、続いて会場に入って来たセイトは風紀委員長の姿に吃驚してる。そりゃあ、吃驚だろうよ。
「何がどうなって……」
「平和な解決方法?」
「どうして疑問系だ?」
オレの言葉につかさず突っ込み入れてくるセイト。
「だってさ。オレ的には楽しくねぇけど、これ、イベントなんだろう? あのままだったら確実に魔法合戦じゃねぇか。まあ、ルイと副会長が結界なりで被害はなかっただろうけど、迷惑だろう」
だから、最も平和でかつ、イベントとして盛り上がる方法を取ったんだよ。まさか、採用されるとは思わなかったけどさ。
「求愛云々はこのイベントが終わってから、二人で話し合えよ。でも、覚悟はした方が良いと思うけどさ」
「両親に相手を見付けてこいって言われてたんでしょう?」
オレの後にユエがケーキを食べながら訊いてくる。まず、食べるのやめたらどうだ?
「言われたけど、それはあくまで俺が求愛すること前提で」
「じゃあ、自分でAクラス以下の生徒を探せばよかったじゃん」
「……面倒だろう」
本音はそこか。無理に求愛相手を探す必要がない魔力。オレもだけどさ。で、風紀委員長はルイや副会長より切羽詰まってなくても、破壊の魔力に傾倒してんだし、そのままだと闇に落ちるってことだよな。
「委員長は医者の家系で親が内科医なんだろう?」
「ユエか?」
「そう。じゃあ、風紀委員長の家業、なんだと思う?」
セイトは首を傾げた。最初から知ろうという意思がなかったんだし、首傾げるよな。
「ユエが委員長の家業を知ってるように、ルイは風紀委員長の家業を知ってんだよ」
セイトは軽く目を見開き、首を振った。
「知らなくて良い」
「どうしてだよ?」
「逃げ道塞がれそうな気が……」
「医者だよ。外科医」
ルイは良い笑顔でサラリと言い切った。その言葉にセイトは固まる。ちなみに、風紀委員長はコウガとまだ、言い合ってる。
「……え?」
「本能じゃねぇの。似た者の香りでも嗅ぎ分けたんじゃね?」
「それ、本当の話?」
「嘘ついても仕方ないでしょう?」
諦めの悪いセイトに、ルイが若干、呆れ気味。時には諦めも必要だよな。オレなんて話聞いた時点で諦めたし。そのあと、大変だったけど、今思えばルイの側にいたのは間違いじゃねぇって思うしさ。
「スパッと腹くくったら」
セイトが機械仕掛けの人形のように風紀委員長に視線を向けた。まだ繰り広げている攻防戦に、諦めたように息を吐き出した。
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