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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
189 あれで焦ってる
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風紀委員長も何がしたいんだか。部屋にまで引き摺り込んだんだし、目的なんてはっきりしてるよな。ルイや副会長みたいに切羽詰まってないから、のんびり構えてんだろうけど。
「ライカに逆らえなかった俺が思うに、折れた方が身のため」
ユエの言葉は御尤もだ。
「ユエはずいぶん簡単に折れたよな?」
セイトが疑うような視線を向けてくる。
「だってさ、簡単に鍵を外しちゃったんだもん。逆らう以前の問題だよ」
ユエの告白に固まったセイト。予想外の言葉だったんだろうな。
「あれ、簡単に外したのか?」
「一瞬で。逆らう気力も削がれたっていうの」
「恐ろしい人だな」
「会長は外して掛け直してもいたけどな」
「は?!」
セイトが思いっきり目を見開いてオレを凝視。そんなに見られたら照れるだろう。
「オレもユエと同じだったみてぇ」
「化け物並みの珍獣魔力が、更に隠れてたのか?」
「その言い方もどうよ?!」
癒しの魔力のみ、はかなり珍しいのは分かるけど、オレ的にはずっとこの魔力で生きてきたんだ。珍獣扱いは非常に不愉快だ。
「大体さ。部屋に連れ込まれて、じんわりじんわり、真綿で首絞めるように追い詰められてるって、自覚あるんだろう?」
「……それは、気がついてはいる」
「絶対、委員長がワタワタしてるの楽しんで見てんじゃね?」
オレの言葉にセイトがガックリと肩を落とした。外堀は完全に埋められてんだしさ。大体、親に話が通ってるあたりで、逃げるのは不可能だって。風紀委員長はそこを狙ったんだろうし。
「本人通り越して、親を味方につけたんだろう? その時点で、負け決定じゃねぇの?」
風紀委員長ももっと早くにセイトに会っていれば、親を味方につけはしなかっただろうな。学校生活も一ヶ月切ってんだし。セイトが実家に戻ってしまうと、不都合なんだろうし。下手したら卒業後に相手を見つける可能性もある。
「あれで、焦ってんだと思うけど」
「焦ってるようには、どんなに斜めに見ても見えない!」
「焦ってるだろう? 親を味方につけたって時点で焦ってんだよ」
ルイと副会長は本当に切羽詰まってた。魔力に呑まれる寸前だ。だから、強硬手段に出たんだ。今は納得してるけど、あの時は本当にどうして?! って、思ったからな。
「ルイから聞いたけどさ、内科は癒しの魔力で、外科は破壊の魔力の魔法使いが多いって」
「そうだ。内科は魔法を使うことが多いが、外科は人の手で処理する場合が多い。ある意味、技術職だ」
そう言うことか。
「あれ? 薬とかはまた、別か?」
「おまっ、俺の幼馴染みでそこ知らないのか?!」
「俺はあくまで幼馴染みで、そんなん、知る必要ないじゃん」
ユエ、軽い。
「薬は薬師の領分だ。簡単な調合や緊急を要するときならするけどな」
なるほど。分担してんだな。
「諦めて受け入れたら」
ユエがジッとセイトを見詰めて諭すように言う。
「それに、病院を使う人にしたら、内科と外科が一緒だと便利だろうし。何より、他の科も併設されたら便利だろう」
「患者側からすれば一つの建物の中に多くの科があるのは良いことだっていうのは分かってるんだ」
問題はセイトの気持ちだよな。魔法使いって気持ちが後回しだし。まず、既成事実で、気持ちは後から育むって感じだ。周りはオレ達の結婚式で風紀委員長が求愛したから、いつ纏まるかって固唾を飲んで見守ってる。まあ、ユエのように野次馬が多いと思うけどさ。
「それに、俺が受け入れる側だっていうのが、まだ、ちょっと……」
「慣れると受ける方も良いと思う」
ユエは無害な微笑みをセイトに向け、セイトはその言葉に完全に固まった。
「ライカに逆らえなかった俺が思うに、折れた方が身のため」
ユエの言葉は御尤もだ。
「ユエはずいぶん簡単に折れたよな?」
セイトが疑うような視線を向けてくる。
「だってさ、簡単に鍵を外しちゃったんだもん。逆らう以前の問題だよ」
ユエの告白に固まったセイト。予想外の言葉だったんだろうな。
「あれ、簡単に外したのか?」
「一瞬で。逆らう気力も削がれたっていうの」
「恐ろしい人だな」
「会長は外して掛け直してもいたけどな」
「は?!」
セイトが思いっきり目を見開いてオレを凝視。そんなに見られたら照れるだろう。
「オレもユエと同じだったみてぇ」
「化け物並みの珍獣魔力が、更に隠れてたのか?」
「その言い方もどうよ?!」
癒しの魔力のみ、はかなり珍しいのは分かるけど、オレ的にはずっとこの魔力で生きてきたんだ。珍獣扱いは非常に不愉快だ。
「大体さ。部屋に連れ込まれて、じんわりじんわり、真綿で首絞めるように追い詰められてるって、自覚あるんだろう?」
「……それは、気がついてはいる」
「絶対、委員長がワタワタしてるの楽しんで見てんじゃね?」
オレの言葉にセイトがガックリと肩を落とした。外堀は完全に埋められてんだしさ。大体、親に話が通ってるあたりで、逃げるのは不可能だって。風紀委員長はそこを狙ったんだろうし。
「本人通り越して、親を味方につけたんだろう? その時点で、負け決定じゃねぇの?」
風紀委員長ももっと早くにセイトに会っていれば、親を味方につけはしなかっただろうな。学校生活も一ヶ月切ってんだし。セイトが実家に戻ってしまうと、不都合なんだろうし。下手したら卒業後に相手を見つける可能性もある。
「あれで、焦ってんだと思うけど」
「焦ってるようには、どんなに斜めに見ても見えない!」
「焦ってるだろう? 親を味方につけたって時点で焦ってんだよ」
ルイと副会長は本当に切羽詰まってた。魔力に呑まれる寸前だ。だから、強硬手段に出たんだ。今は納得してるけど、あの時は本当にどうして?! って、思ったからな。
「ルイから聞いたけどさ、内科は癒しの魔力で、外科は破壊の魔力の魔法使いが多いって」
「そうだ。内科は魔法を使うことが多いが、外科は人の手で処理する場合が多い。ある意味、技術職だ」
そう言うことか。
「あれ? 薬とかはまた、別か?」
「おまっ、俺の幼馴染みでそこ知らないのか?!」
「俺はあくまで幼馴染みで、そんなん、知る必要ないじゃん」
ユエ、軽い。
「薬は薬師の領分だ。簡単な調合や緊急を要するときならするけどな」
なるほど。分担してんだな。
「諦めて受け入れたら」
ユエがジッとセイトを見詰めて諭すように言う。
「それに、病院を使う人にしたら、内科と外科が一緒だと便利だろうし。何より、他の科も併設されたら便利だろう」
「患者側からすれば一つの建物の中に多くの科があるのは良いことだっていうのは分かってるんだ」
問題はセイトの気持ちだよな。魔法使いって気持ちが後回しだし。まず、既成事実で、気持ちは後から育むって感じだ。周りはオレ達の結婚式で風紀委員長が求愛したから、いつ纏まるかって固唾を飲んで見守ってる。まあ、ユエのように野次馬が多いと思うけどさ。
「それに、俺が受け入れる側だっていうのが、まだ、ちょっと……」
「慣れると受ける方も良いと思う」
ユエは無害な微笑みをセイトに向け、セイトはその言葉に完全に固まった。
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