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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
193 染まる色
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ルイの言葉に言葉を失う。そうだ。過去の出来事がなければ、オレはここにはいないんだ。その事実が、急に現実味を帯びた。
「調べれば、特A生は私達になにかしら関係のある存在なんだと思うよ。調べる気はないけどね」
ルイは静かに告げた。そうだよな。もう、終わったことだし。穏やかに話していたルイがいきなり、眉間に皺を寄せた。表情が険しいし。
「……嘘でしょう?」
ルイがいきなり腰を上げた。どうしたんだ?
「トウヤ。一時間したら、ユエを私達の部屋に連れてきて」
「どうかしたのか?」
「それも後で」
ルイはそう言うとオレの腕を取った。
「部屋に魔法使いの気配だよ」
オレの耳元でルイが囁く。魔法使いの気配って、クレハさんとカエデさんか? でも、さっき、ユエを連れてくるように言ったよな? 特Aの部屋を足早に出て、ルイは振り返る。
「ライカだよ。まだ、三日しか経ってない。早すぎるし、それに……」
「なんだよ?」
「普通じゃない」
ルイは指を鳴らし杖を出すと、移動魔法を使った。いきなり視界が変わって、目に飛び込んで来たモノ。ルイがすぐに動いた。
「ライカ?!」
「ルイ? さすがに今回は無傷ってわけにはいかなかったよ」
「なに悠長なことを言ってるの?!」
「……サクヤのおかげで助かったよ」
オレは慌てて指を鳴らすと杖を出す。ルイがオレを連れてきたのは副会長の怪我をなんとかするためだ。
「なに無茶してんだよ!」
「……無茶をしないと駄目だった。ドラゴンに説明して、納得してもらいはしたけど、俺の力を試される。生きるのに飽いているとは言っていたけど、命を捨てる気はないってね……」
そんなの当たり前だろう?!
「傷を塞ぐから。出血が止まってねぇ」
「お願い」
「……ルイにも感謝してる。あの水晶を渡されなかったら、ここに移動できなかった」
いつの間にそんな物渡してたんだ? オレは息を整えて魔法の詠唱を始める。オレが近くにいれば怪我の治りは早いけど、すぐに傷口が塞がるわけじゃねぇし。
「……?!」
嘘だろう。内臓も傷付いてる。これ、ツユハ先生に……。いや、ツユハ先生は駄目だ。絶対、パニックを起こす。ここは、将来、内科医のセイトに来てもらって、診てもらわねぇと分からねぇ。相当、やり合ったんだ。目立つ傷口は塞いだけど、内臓はオレではお手上げだ。専門知識なんかねぇもん。
「オレ、セイトを連れて来る」
「どうして? 傷口は塞がったでしょう?」
「内臓までやられてる。オレは専門知識がねぇから、手を出せないし」
「外傷だけじゃないの?」
「魔法使って分かった。傷が深いんだ」
特Aの部屋に移動して、セイトの腕を取った。セイトはいきなり現れたオレに驚いたような表情を見せる。当然、隣にいるユエも驚いたようにオレに視線を向けてきた。
「一緒に来てくれ」
「なんだ?」
「説明は後!」
有無を言わさずに、寮の部屋に移動した。血に濡れた床と、その上にいる副会長にセイトは瞬時に察してくれた。
「内臓まで達してるのか?」
「そうなんだ。出血は止めたけど、オレじゃあ、体の中はどうすることもできねぇし」
「傷の深さが分かっただけでも上出来だよ」
セイトは杖を出して、副会長に近付いた。杖を使い体の中を探ってるみてえ。
「どんな感じなの?」
「命に関わるものはないけど。随分、器用に攻撃されたんだな」
ん? 器用に攻撃? って?
「致命傷を避けて攻撃してる」
それを聞いた副会長が、可笑しそうに喉の奥で笑った。
「……最後までひよっこ扱いか。……参ったね……」
副会長の顔に映るの、寂しそうな色だった。やっぱり、長い間、関わってきたドラゴンに引導を渡すのは辛かったんだろうな。
「内臓の傷を塞ぐから、少し痛みと熱さを感じる。覚悟してくれよ」
「分かってるよ」
副会長はそう言うと静かに瞳を閉じだ。
「調べれば、特A生は私達になにかしら関係のある存在なんだと思うよ。調べる気はないけどね」
ルイは静かに告げた。そうだよな。もう、終わったことだし。穏やかに話していたルイがいきなり、眉間に皺を寄せた。表情が険しいし。
「……嘘でしょう?」
ルイがいきなり腰を上げた。どうしたんだ?
「トウヤ。一時間したら、ユエを私達の部屋に連れてきて」
「どうかしたのか?」
「それも後で」
ルイはそう言うとオレの腕を取った。
「部屋に魔法使いの気配だよ」
オレの耳元でルイが囁く。魔法使いの気配って、クレハさんとカエデさんか? でも、さっき、ユエを連れてくるように言ったよな? 特Aの部屋を足早に出て、ルイは振り返る。
「ライカだよ。まだ、三日しか経ってない。早すぎるし、それに……」
「なんだよ?」
「普通じゃない」
ルイは指を鳴らし杖を出すと、移動魔法を使った。いきなり視界が変わって、目に飛び込んで来たモノ。ルイがすぐに動いた。
「ライカ?!」
「ルイ? さすがに今回は無傷ってわけにはいかなかったよ」
「なに悠長なことを言ってるの?!」
「……サクヤのおかげで助かったよ」
オレは慌てて指を鳴らすと杖を出す。ルイがオレを連れてきたのは副会長の怪我をなんとかするためだ。
「なに無茶してんだよ!」
「……無茶をしないと駄目だった。ドラゴンに説明して、納得してもらいはしたけど、俺の力を試される。生きるのに飽いているとは言っていたけど、命を捨てる気はないってね……」
そんなの当たり前だろう?!
「傷を塞ぐから。出血が止まってねぇ」
「お願い」
「……ルイにも感謝してる。あの水晶を渡されなかったら、ここに移動できなかった」
いつの間にそんな物渡してたんだ? オレは息を整えて魔法の詠唱を始める。オレが近くにいれば怪我の治りは早いけど、すぐに傷口が塞がるわけじゃねぇし。
「……?!」
嘘だろう。内臓も傷付いてる。これ、ツユハ先生に……。いや、ツユハ先生は駄目だ。絶対、パニックを起こす。ここは、将来、内科医のセイトに来てもらって、診てもらわねぇと分からねぇ。相当、やり合ったんだ。目立つ傷口は塞いだけど、内臓はオレではお手上げだ。専門知識なんかねぇもん。
「オレ、セイトを連れて来る」
「どうして? 傷口は塞がったでしょう?」
「内臓までやられてる。オレは専門知識がねぇから、手を出せないし」
「外傷だけじゃないの?」
「魔法使って分かった。傷が深いんだ」
特Aの部屋に移動して、セイトの腕を取った。セイトはいきなり現れたオレに驚いたような表情を見せる。当然、隣にいるユエも驚いたようにオレに視線を向けてきた。
「一緒に来てくれ」
「なんだ?」
「説明は後!」
有無を言わさずに、寮の部屋に移動した。血に濡れた床と、その上にいる副会長にセイトは瞬時に察してくれた。
「内臓まで達してるのか?」
「そうなんだ。出血は止めたけど、オレじゃあ、体の中はどうすることもできねぇし」
「傷の深さが分かっただけでも上出来だよ」
セイトは杖を出して、副会長に近付いた。杖を使い体の中を探ってるみてえ。
「どんな感じなの?」
「命に関わるものはないけど。随分、器用に攻撃されたんだな」
ん? 器用に攻撃? って?
「致命傷を避けて攻撃してる」
それを聞いた副会長が、可笑しそうに喉の奥で笑った。
「……最後までひよっこ扱いか。……参ったね……」
副会長の顔に映るの、寂しそうな色だった。やっぱり、長い間、関わってきたドラゴンに引導を渡すのは辛かったんだろうな。
「内臓の傷を塞ぐから、少し痛みと熱さを感じる。覚悟してくれよ」
「分かってるよ」
副会長はそう言うと静かに瞳を閉じだ。
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