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第八章 終末のようなものについて
第百二十話 導きの小教会
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翌朝。
俺はガラテヤ様と二人で、他のメンバーも二人一組に分かれた上で、町の探索へ出かけた。
パーティ一同が町の端々へ散ることから、荷物の安全が懸念されたが、ケーリッジ先生とムーア先生に荷物番をしてもらっているため、そこは安心である。
「で、どこ行きましょうか」
「東端に小さな教会跡があるって聞いたのだけれど……そこなんてどうかしら」
俺とガラテヤ様は、馬車に乗って町の東へ。
ギルドで会員証を見せて、頼めば馬車を借りられるのは、王都でなくても同じらしい。
ゆっくりと走る馬車に身を揺られること十数分。
建物と建物に挟まれた小さな路地の先に、アロザラ町東の小教会跡が見えた。
「こんなとこに教会が」
「この町がどうやって出来たのか、少し興味が湧いてくるわね」
それは、サラっと周りを見回すだけでは、教会として認識できないような建物あった。
教会を隠すように建っているアパルトメントは、小教会が使われなくなってから建てられたのだろう。
外壁は葛のような植物に覆われ、もはや壁面そのものは見えない。
俺達は路地を進み、小教会の庭へ。
小屋よりは少し大きいくらいの建物だが、庭は意外と立派なものであり、町にとってはさぞ大きなデッドスペースになっているところだろう。
俺達は外れかかった扉を蹴破り、建物の中へ。
入るとすぐに、魔物に襲われる少女の壁画が目に飛び込んでくる。
構図のせいか、それは中央の少女へ視線を引き寄せるように描かれているように見えた。
周囲にはボロボロの長椅子に、窪んだ内壁、本が一冊も立てられていない埃を被った本棚、蜘蛛の巣に守られた皿の数々に、塗料が朽ち果てた少女の像。
いかにも教会といったもの……の成れの果てと言うに相応しいだろう。
「ガラテヤ様、何か気づくことは」
「やっぱりあの絵かしら?近くで見てみましょ」
ガラテヤ様は絵画に近づくと、絵画と壁の間に、少し隙間があることを発見したようだ。
俺は絵画を壁から取り外すと、少女が描かれていた辺りに、小さなハンドルのようなものが現れた。
「絵の裏に仕掛けが!」
「そ、そんな……。これは、うーん。何か……私達、導かれてるような感じがしない?」
「まあ上手く行きすぎな気もしますけど……とりあえず、ハンドル回してみますね」
訝しむガラテヤ様を横目に、俺は片手に丁度収まる程度の小さなハンドルを回す。
少し回したところで、「ゴゴゴゴゴゴ」と何かが動く音がした。
それと同時に、錆びた少女像が動き出し、部屋の隅に作られている謎の窪みに入り込み、まるで鍵のようにすっぽりとハマったそれは、すぐに地下室への扉を開く。
「こんな仕掛けが……結構大掛かりなのね」
「そうみたいですね……じゃ、行きますか」
この下に、何かアンドレアの友とやらに繋がる情報があれば良いものだ。
俺達は導かれるように、地下室へ進んでいくのであった。
俺はガラテヤ様と二人で、他のメンバーも二人一組に分かれた上で、町の探索へ出かけた。
パーティ一同が町の端々へ散ることから、荷物の安全が懸念されたが、ケーリッジ先生とムーア先生に荷物番をしてもらっているため、そこは安心である。
「で、どこ行きましょうか」
「東端に小さな教会跡があるって聞いたのだけれど……そこなんてどうかしら」
俺とガラテヤ様は、馬車に乗って町の東へ。
ギルドで会員証を見せて、頼めば馬車を借りられるのは、王都でなくても同じらしい。
ゆっくりと走る馬車に身を揺られること十数分。
建物と建物に挟まれた小さな路地の先に、アロザラ町東の小教会跡が見えた。
「こんなとこに教会が」
「この町がどうやって出来たのか、少し興味が湧いてくるわね」
それは、サラっと周りを見回すだけでは、教会として認識できないような建物あった。
教会を隠すように建っているアパルトメントは、小教会が使われなくなってから建てられたのだろう。
外壁は葛のような植物に覆われ、もはや壁面そのものは見えない。
俺達は路地を進み、小教会の庭へ。
小屋よりは少し大きいくらいの建物だが、庭は意外と立派なものであり、町にとってはさぞ大きなデッドスペースになっているところだろう。
俺達は外れかかった扉を蹴破り、建物の中へ。
入るとすぐに、魔物に襲われる少女の壁画が目に飛び込んでくる。
構図のせいか、それは中央の少女へ視線を引き寄せるように描かれているように見えた。
周囲にはボロボロの長椅子に、窪んだ内壁、本が一冊も立てられていない埃を被った本棚、蜘蛛の巣に守られた皿の数々に、塗料が朽ち果てた少女の像。
いかにも教会といったもの……の成れの果てと言うに相応しいだろう。
「ガラテヤ様、何か気づくことは」
「やっぱりあの絵かしら?近くで見てみましょ」
ガラテヤ様は絵画に近づくと、絵画と壁の間に、少し隙間があることを発見したようだ。
俺は絵画を壁から取り外すと、少女が描かれていた辺りに、小さなハンドルのようなものが現れた。
「絵の裏に仕掛けが!」
「そ、そんな……。これは、うーん。何か……私達、導かれてるような感じがしない?」
「まあ上手く行きすぎな気もしますけど……とりあえず、ハンドル回してみますね」
訝しむガラテヤ様を横目に、俺は片手に丁度収まる程度の小さなハンドルを回す。
少し回したところで、「ゴゴゴゴゴゴ」と何かが動く音がした。
それと同時に、錆びた少女像が動き出し、部屋の隅に作られている謎の窪みに入り込み、まるで鍵のようにすっぽりとハマったそれは、すぐに地下室への扉を開く。
「こんな仕掛けが……結構大掛かりなのね」
「そうみたいですね……じゃ、行きますか」
この下に、何かアンドレアの友とやらに繋がる情報があれば良いものだ。
俺達は導かれるように、地下室へ進んでいくのであった。
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