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終章 ガラテヤの騎士、ジィン
第百五十一話 救世主たちの目覚め
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まず初めに向かったのは、女子寮。
本来ならばこんなことはしてはならない、しかし今はなりふり構ってはいられない。
俺はガラテヤ様の部屋を探し、ノックする。
「ガラテヤ様!ガラテヤ様、無事ですか!?」
「ひゃんっ!ふ、ふぁぁ……じ、ジィン!?どうしたの、一人で入り込んでくるなんて……」
「ね、寝てたの?」
「そうよ……ふぁぁぁ……」
扉越しに大欠伸をしながら、ガラテヤ様はゆっくりと鍵を開ける。
「って、そんなことよりも!聞いてよ!俺が何で一人でここまで入ってきたかって、時間が!止まったみたいに」
「お、落ち着いてジィン。何があったの……?時間……?」
「そうなんだよ!皆、時間が止まったみたいにピッタリ止まって動かなくて!日の当たり方も不自然に一定だし、何が起きたのか……」
「ちょ、冗談じゃあないわよね?」
「だったら朝っぱらから女子寮の中まで入って来ないって!窓開けて、外見ればイッパツで分かるから!ほら、見て!」
「そ、そんな……ッ!?な、何よ、これ」
扉を俺に持たせたまま、窓を開けたガラテヤ様はしばらく唖然としていた。
窓を開けると、生温かい風。
そして下へ目をやると、ピタリと動きを止めた人々。
「ね、言ったでしょ」
「絶対に……何か、おかしい、わよね」
「おかしいね、間違いなく。……とりあえず、現時点で動ける人間が俺とガラテヤ様以外にいないか、探してみない?」
「そうね!こうしちゃあいられないわ。行きましょ、ジィン」
「うん、ガラテヤ様!」
目の前ですぐに動きやすい装いへ着替えたガラテヤ様は、部屋を飛び出し、ファーリちゃんの部屋へ。
「ファーリちゃん!無事!?ガラテヤよ、返事をして!」
ガラテヤ様はドアを叩き、叫ぶようにファーリちゃんを呼ぶ。
しかし、返事は無い。
「ファーリちゃんも、止まって……?」
「そんな、動けるのは私達だけだって言うの……?」
「かも、知れませんね」
俺が腕を組んでいる間に、ガラテヤ様は何か思いついたらしく、全身に風を纏う。
「いざとなれば、よ」
「ちょ、何をする気」
「チェストォォォォォォォ!」
そして止める間もなく手に風を集め、ドアを突き破るように掌底。
粉々に吹き飛んだドアの向こうには、呑気にベッドで目を擦るファーリちゃんがいた。
「な、なに……?」
「はぁ、良かったぁ……!」
「おいらの部屋は良くない」
駆け寄るガラテヤ様をスルリと躱して飛び上がり、ファーリちゃんは天井を蹴って俺の元へ。
「いやあ……ごめんごめん。止める間も無くて」
「ぷーっ」
「「あははは……」」
目の前で頬を膨らませるファーリちゃんだったが、少し伸びた髪を掻き上げ、何かを察したかのようにガラテヤ様の方を向く。
「ふん、でも良い。何か、あったんでしょ」
「そう、そうなのよ!実は……」
ガラテヤ様は事情を説明し、ファーリちゃんもひとしきり驚くところまでは、彼女が俺から話を聞いた時とほぼ同じであった。
「だいたいわかった。ドアは後で何とかしてもらう。あと、動ける人がどれくらいいるか、探す。先生達はもしかしたら、動けるかも」
「そうね!何とかして、情報を集めないと……」
「そうと決まったら、とっとと行きましょう!先生達の家は分かりませんけど……学校に来ているなら、きっと!」
俺達は寮を飛び出し、教室棟へ向かう。
突如として訪れた緊急事態。
ロディアが言っていたのは、まさか……このことだったのだろうか。
様々な考えが脳内を巡る。
しかし今はまず、話せる人を探さなければ。
情報も状況も、何もかも分からない。
とにかく今は、この窮地を少しは脱さなければならないのである。
本来ならばこんなことはしてはならない、しかし今はなりふり構ってはいられない。
俺はガラテヤ様の部屋を探し、ノックする。
「ガラテヤ様!ガラテヤ様、無事ですか!?」
「ひゃんっ!ふ、ふぁぁ……じ、ジィン!?どうしたの、一人で入り込んでくるなんて……」
「ね、寝てたの?」
「そうよ……ふぁぁぁ……」
扉越しに大欠伸をしながら、ガラテヤ様はゆっくりと鍵を開ける。
「って、そんなことよりも!聞いてよ!俺が何で一人でここまで入ってきたかって、時間が!止まったみたいに」
「お、落ち着いてジィン。何があったの……?時間……?」
「そうなんだよ!皆、時間が止まったみたいにピッタリ止まって動かなくて!日の当たり方も不自然に一定だし、何が起きたのか……」
「ちょ、冗談じゃあないわよね?」
「だったら朝っぱらから女子寮の中まで入って来ないって!窓開けて、外見ればイッパツで分かるから!ほら、見て!」
「そ、そんな……ッ!?な、何よ、これ」
扉を俺に持たせたまま、窓を開けたガラテヤ様はしばらく唖然としていた。
窓を開けると、生温かい風。
そして下へ目をやると、ピタリと動きを止めた人々。
「ね、言ったでしょ」
「絶対に……何か、おかしい、わよね」
「おかしいね、間違いなく。……とりあえず、現時点で動ける人間が俺とガラテヤ様以外にいないか、探してみない?」
「そうね!こうしちゃあいられないわ。行きましょ、ジィン」
「うん、ガラテヤ様!」
目の前ですぐに動きやすい装いへ着替えたガラテヤ様は、部屋を飛び出し、ファーリちゃんの部屋へ。
「ファーリちゃん!無事!?ガラテヤよ、返事をして!」
ガラテヤ様はドアを叩き、叫ぶようにファーリちゃんを呼ぶ。
しかし、返事は無い。
「ファーリちゃんも、止まって……?」
「そんな、動けるのは私達だけだって言うの……?」
「かも、知れませんね」
俺が腕を組んでいる間に、ガラテヤ様は何か思いついたらしく、全身に風を纏う。
「いざとなれば、よ」
「ちょ、何をする気」
「チェストォォォォォォォ!」
そして止める間もなく手に風を集め、ドアを突き破るように掌底。
粉々に吹き飛んだドアの向こうには、呑気にベッドで目を擦るファーリちゃんがいた。
「な、なに……?」
「はぁ、良かったぁ……!」
「おいらの部屋は良くない」
駆け寄るガラテヤ様をスルリと躱して飛び上がり、ファーリちゃんは天井を蹴って俺の元へ。
「いやあ……ごめんごめん。止める間も無くて」
「ぷーっ」
「「あははは……」」
目の前で頬を膨らませるファーリちゃんだったが、少し伸びた髪を掻き上げ、何かを察したかのようにガラテヤ様の方を向く。
「ふん、でも良い。何か、あったんでしょ」
「そう、そうなのよ!実は……」
ガラテヤ様は事情を説明し、ファーリちゃんもひとしきり驚くところまでは、彼女が俺から話を聞いた時とほぼ同じであった。
「だいたいわかった。ドアは後で何とかしてもらう。あと、動ける人がどれくらいいるか、探す。先生達はもしかしたら、動けるかも」
「そうね!何とかして、情報を集めないと……」
「そうと決まったら、とっとと行きましょう!先生達の家は分かりませんけど……学校に来ているなら、きっと!」
俺達は寮を飛び出し、教室棟へ向かう。
突如として訪れた緊急事態。
ロディアが言っていたのは、まさか……このことだったのだろうか。
様々な考えが脳内を巡る。
しかし今はまず、話せる人を探さなければ。
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とにかく今は、この窮地を少しは脱さなければならないのである。
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