13 / 22
第二章・和の国
港町でデート
しおりを挟む
「ユーリア殿、今夜はこの宿に泊まり、明日我が領地に出立致そう。丹羽も動ける状態ではないのでな。ここからは歩きですが大丈夫ですか?」
船を降りた私達は港町の宿に来ています。私は到着直前まで寝ていたのでそれほどでも無いのですが、丹羽様は大変辛そうでとてもこの後すぐに歩ける状態ではありません。
「普通の貴族令嬢よりは体力があると思いますけれど、ここからどれ位の距離なのですか?」
「まぁ、おなごの足なら歩いて二時間といった所であろうか。木島が先に到着を知らせに向ったので、迎えの者が明日の朝来る事になっておる」
この港町のある長江のお隣が藤堂様の治める領地なのだそうです。浅い海に面した土地なので直接船で着ける事が出来ないらしく、ここからは歩きで移動です。なんと荷物は馬車ではなく荷車を人力で引いて運ぶのだそうで、とても驚いてしまいました。私の持参した荷物は少ないけれど、その事を知っていればバラを持ち出すのは諦めましたのに。
休息を十分に取った私とナタリーは体力が有り余っており、加えて見慣れぬ町並みを見て少々気分が高揚しておりました。
「ねぇナタリー、少し外を歩かない? 町の様子を見てみたいの」
「ええ、私も先ほどチラッと見ただけでしたので、散策してみたいと思っていました。藤堂様、この辺りは治安がそれほど悪く無いと言っておられましたよね? 宿の前の通りだけでもお嬢様と散策に出かけてよろしいでしょうか?」
この港町は国内外からの船の出入りが頻繁にありますが、たくさんの役人の目が常に光っており犯罪などは比較的少ないのだそうです。騒ぎを起こせば港の利用を禁止されてしまうので、船乗りや商人達は揉め事を起こさぬよう気をつけています。逆に気をつけねばならないのは町に住む貧しい人によるスリなどの窃盗です。それは私の国でも同じで、人ごみでは注意しなければなりません。
「女二人で出かけるのは止めた方が良い。私も一緒に行く。案内も必要であろうしな」
「あらまぁ。では私は遠慮いたしましょうね。私は丹羽様のお世話をしておりますからお二人で楽しんできてくださいな。お嬢様、私何か甘い物が食べたいです。お土産よろしくお願いしますね」
ナタリーは私にウインクして二人で行けと言います。それはつまり藤堂様とデートをして来なさいと言う意味です。私は途端に恥ずかしくなり藤堂様を見ましたが、藤堂様の方は涼しいお顔で外に出る用意を済ませていました。船を降りる時初めて見ましたが腰には刀という剣を大小2本差すものなのだそうです。
「では参ろうか、ユーリア殿。この町には名物の蒸し饅頭などもありますぞ」
藤堂様に付添われ、私は町の様子を興味深く観察いたしました。わが国とは建物の造りが全然違います。レンガや石で出来た建物は無く、全て木造で二階建て以上の高い建物は一切ありません。店に並ぶ商品はどれも興味を引く物ばかりで、私は夢中で品物を見て回りました。
「ユーリア殿、何か欲しい物はありますか?」
「目に映るもの全てが目新しくてつい夢中になってしまいました。あの湯気の立つ木の箱はなんですか?」
「ああ、あれが名物の蒸し饅頭ですよ。一つ如何ですか?」
藤堂様はそう言って、饅頭を幾つか買って下さいました。紙の袋に詰めてもらい、ナタリーへのお土産にするようです。
「少し行った所に神社があります。そこで休憩しましょう。久しぶりに人ごみの中を歩いて疲れたでしょう」
神社と言う場所が何なのかわかりませんでしたが、藤堂様の後をついて行くと赤いアーチの入り口があり、石段を登ると奥に荘厳な雰囲気の建物が建っていました。その前には建物を守るように二匹の犬のような石像があります。
「犬? にしては何だか怖い顔。これは何の動物かしら……」
「これは神を守る狛犬と言います。この建物には神が祀られておるのですよ」
「まぁ。神様が……」
「折角来たのだ、お参りするか。ユーリア殿はこの国に移り住む事になったのだし、土地の神に挨拶して行こう」
藤堂様はこの国の神様についてお話して下さいました。何だか不思議な気分でした。神様は一柱だけではなく、たくさんいらっしゃるのだそうです。参拝するにも細かな作法があり、教えて頂きながら神様にこれからよろしくお願い致しますと挨拶をします。
「なんだか神聖な気持ちになりますね。藤堂様、改めて、これからよろしくお願い申し上げます」
「ああ、こちらこそよろしく頼む。そろそろ戻ろう、ナタリー殿も待っておるしな」
神社を出て宿に戻る途中で誰かの叫び声が聞こえました。財布を盗まれたようで、その男を捕まえてと言っているように聞こえました。声の聞こえる方向から、犯人は私達の方へ近付いてきているようです。
「ユーリア殿、危ないから隠れていなさい」
「藤堂様はどうなさるおつもりなのですか?」
「スリを捕まえます」
藤堂様は私を建物の陰に隠し、道を塞ぐようにして盗人を待ち受けました。私はハラハラしながらその様子を見守るしかありません。
「藤堂様……」
盗人はすぐに藤堂様の前に姿を見せました。財布を盗まなければならないほどひもじい思いをした者かと思えば、逞しい体躯の山賊のような大男です。その男の後ろからは余裕の表情の少年が一人付いて来て、刀に手をかけた藤堂様を見てギョッとして大男の影に隠れました。
周囲に人は居ましたが誰も手を貸してくれそうにありません。
「盗った物を出せ。大人しくいう事を聞けば痛い目は見ないで済むぞ」
「へっ、そんな事言われて大人しく従うやつがいるか、馬鹿め。こっちは二人だ、一人で何ができる」
大男は少年をガッと掴んだと思えば彼を振り回して藤堂様に投げつけました。
「あ!」
私は思わず建物の陰から出ようとすると、誰かに肩を掴まれてしまったのです。
船を降りた私達は港町の宿に来ています。私は到着直前まで寝ていたのでそれほどでも無いのですが、丹羽様は大変辛そうでとてもこの後すぐに歩ける状態ではありません。
「普通の貴族令嬢よりは体力があると思いますけれど、ここからどれ位の距離なのですか?」
「まぁ、おなごの足なら歩いて二時間といった所であろうか。木島が先に到着を知らせに向ったので、迎えの者が明日の朝来る事になっておる」
この港町のある長江のお隣が藤堂様の治める領地なのだそうです。浅い海に面した土地なので直接船で着ける事が出来ないらしく、ここからは歩きで移動です。なんと荷物は馬車ではなく荷車を人力で引いて運ぶのだそうで、とても驚いてしまいました。私の持参した荷物は少ないけれど、その事を知っていればバラを持ち出すのは諦めましたのに。
休息を十分に取った私とナタリーは体力が有り余っており、加えて見慣れぬ町並みを見て少々気分が高揚しておりました。
「ねぇナタリー、少し外を歩かない? 町の様子を見てみたいの」
「ええ、私も先ほどチラッと見ただけでしたので、散策してみたいと思っていました。藤堂様、この辺りは治安がそれほど悪く無いと言っておられましたよね? 宿の前の通りだけでもお嬢様と散策に出かけてよろしいでしょうか?」
この港町は国内外からの船の出入りが頻繁にありますが、たくさんの役人の目が常に光っており犯罪などは比較的少ないのだそうです。騒ぎを起こせば港の利用を禁止されてしまうので、船乗りや商人達は揉め事を起こさぬよう気をつけています。逆に気をつけねばならないのは町に住む貧しい人によるスリなどの窃盗です。それは私の国でも同じで、人ごみでは注意しなければなりません。
「女二人で出かけるのは止めた方が良い。私も一緒に行く。案内も必要であろうしな」
「あらまぁ。では私は遠慮いたしましょうね。私は丹羽様のお世話をしておりますからお二人で楽しんできてくださいな。お嬢様、私何か甘い物が食べたいです。お土産よろしくお願いしますね」
ナタリーは私にウインクして二人で行けと言います。それはつまり藤堂様とデートをして来なさいと言う意味です。私は途端に恥ずかしくなり藤堂様を見ましたが、藤堂様の方は涼しいお顔で外に出る用意を済ませていました。船を降りる時初めて見ましたが腰には刀という剣を大小2本差すものなのだそうです。
「では参ろうか、ユーリア殿。この町には名物の蒸し饅頭などもありますぞ」
藤堂様に付添われ、私は町の様子を興味深く観察いたしました。わが国とは建物の造りが全然違います。レンガや石で出来た建物は無く、全て木造で二階建て以上の高い建物は一切ありません。店に並ぶ商品はどれも興味を引く物ばかりで、私は夢中で品物を見て回りました。
「ユーリア殿、何か欲しい物はありますか?」
「目に映るもの全てが目新しくてつい夢中になってしまいました。あの湯気の立つ木の箱はなんですか?」
「ああ、あれが名物の蒸し饅頭ですよ。一つ如何ですか?」
藤堂様はそう言って、饅頭を幾つか買って下さいました。紙の袋に詰めてもらい、ナタリーへのお土産にするようです。
「少し行った所に神社があります。そこで休憩しましょう。久しぶりに人ごみの中を歩いて疲れたでしょう」
神社と言う場所が何なのかわかりませんでしたが、藤堂様の後をついて行くと赤いアーチの入り口があり、石段を登ると奥に荘厳な雰囲気の建物が建っていました。その前には建物を守るように二匹の犬のような石像があります。
「犬? にしては何だか怖い顔。これは何の動物かしら……」
「これは神を守る狛犬と言います。この建物には神が祀られておるのですよ」
「まぁ。神様が……」
「折角来たのだ、お参りするか。ユーリア殿はこの国に移り住む事になったのだし、土地の神に挨拶して行こう」
藤堂様はこの国の神様についてお話して下さいました。何だか不思議な気分でした。神様は一柱だけではなく、たくさんいらっしゃるのだそうです。参拝するにも細かな作法があり、教えて頂きながら神様にこれからよろしくお願い致しますと挨拶をします。
「なんだか神聖な気持ちになりますね。藤堂様、改めて、これからよろしくお願い申し上げます」
「ああ、こちらこそよろしく頼む。そろそろ戻ろう、ナタリー殿も待っておるしな」
神社を出て宿に戻る途中で誰かの叫び声が聞こえました。財布を盗まれたようで、その男を捕まえてと言っているように聞こえました。声の聞こえる方向から、犯人は私達の方へ近付いてきているようです。
「ユーリア殿、危ないから隠れていなさい」
「藤堂様はどうなさるおつもりなのですか?」
「スリを捕まえます」
藤堂様は私を建物の陰に隠し、道を塞ぐようにして盗人を待ち受けました。私はハラハラしながらその様子を見守るしかありません。
「藤堂様……」
盗人はすぐに藤堂様の前に姿を見せました。財布を盗まなければならないほどひもじい思いをした者かと思えば、逞しい体躯の山賊のような大男です。その男の後ろからは余裕の表情の少年が一人付いて来て、刀に手をかけた藤堂様を見てギョッとして大男の影に隠れました。
周囲に人は居ましたが誰も手を貸してくれそうにありません。
「盗った物を出せ。大人しくいう事を聞けば痛い目は見ないで済むぞ」
「へっ、そんな事言われて大人しく従うやつがいるか、馬鹿め。こっちは二人だ、一人で何ができる」
大男は少年をガッと掴んだと思えば彼を振り回して藤堂様に投げつけました。
「あ!」
私は思わず建物の陰から出ようとすると、誰かに肩を掴まれてしまったのです。
0
あなたにおすすめの小説
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
婚約者はやさぐれ王子でした
ダイナイ
恋愛
「お前の婚約者が決まった。相手はレオン・クライトン王子殿下だ」
アーヴァイン公爵令嬢のシルヴィアは、父親に勝手に婚約者を決められてしまう。
しかもその相手は、クライトン王国でやさぐれ王子と悪名高い第二王子のレオン・クライトンだった。
いつかまた、幸せな日常に戻れると信じていたシルヴィアは、突然の婚約に抵抗しようとする。
しかし父親がそれを許すはずもなく、抵抗むなしく婚約が決まってしまう。
こうしてシルヴィアは、やさぐれ王子との婚約生活が始まってしまった。
役立たずと捨てられた万能建築士、隣国で「聖域」を造って無双する。今さら復興のために戻れ? ご自分たちで瓦礫でも積んでいればよろしいのでは?
しょくぱん
恋愛
「お前の魔法は石を積むだけの土木作業だ」と婚約破棄されたので、城を支えていた『構造維持結界』をすべて解除して出て行きますね。今さら「城が崩れる!」と泣きつかれても、私は隣国で氷結の皇帝陛下と「世界最高の聖域」を造っていますので、一切知りません。
王国唯一の建築魔導師アニエスは、その地味な見た目と能力を理由に、王太子シグムンドから婚約破棄と国外追放を言い渡される。 彼の隣には、派手な光魔法を使う自称聖女の姿があった。
「お前の代わりなどいくらでもいる。さっさと出て行け!」 「……分かりました。では、城にかけていた『自動修復』『耐震』『空調』の全術式を解約しますね」
アニエスが去った直後、王城は音を立てて傾き、噴水は泥水に変わり、王都のインフラは崩壊した。 一方、アニエスは隣国の荒野で、呪われた皇帝レオンハルトと出会う。彼女が何気なく造った一夜の宿は、呪いを浄化するほどの「聖域」だった。
「君は女神か? どうか私の国を救ってほしい」 「喜んで。ついでに世界一快適な住居も造っていいですか?」
隣国がアニエスの力で黄金の国へと発展する一方、瓦礫の山となった母国からは「戻ってきてくれ」と悲痛な手紙が届く。 だが、アニエスは冷ややかに言い放つ。 「お断りします。契約外ですので、ご自分で支えていればよろしいのでは?」
これは、捨てられた万能建築士が隣国で溺愛され、幸せを掴む物語。 そして、彼女を捨てた者たちが、物理的にも社会的にも「崩壊」し、最後には彼女が架ける橋の『礎石』として永遠に踏まれ続けるまでの、壮絶な因果応報の記録。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
断罪なんて嘘でしょ!?
あい
恋愛
5歳の誕生日前日、楽しみすぎてはしゃぎすぎ、当日高熱を出し倒れた際に前世の記憶を取り戻す。
前世は高校生で、病弱だったので、病院でゲームをして過ごす事が多かった。そして、そのゲームの悪役令嬢と今の自分が同じ名前である事に気づく。
いやいやいや。これってたまたまだよね?断罪されないよね??
断罪回避の為に戦う1人の少女の物語。
裏切りの先にあるもの
マツユキ
恋愛
侯爵令嬢のセシルには幼い頃に王家が決めた婚約者がいた。
結婚式の日取りも決まり数か月後の挙式を楽しみにしていたセシル。ある日姉の部屋を訪ねると婚約者であるはずの人が姉と口づけをかわしている所に遭遇する。傷つくセシルだったが新たな出会いがセシルを幸せへと導いていく。
【完結】恋の終焉~愛しさあまって憎さ1000倍~
つくも茄子
恋愛
五大侯爵家、ミネルヴァ・リゼ・ウォーカー侯爵令嬢は第二王子の婚約者候補。それと同時に、義兄とも婚約者候補の仲という複雑な環境に身を置いていた。
それも第二王子が恋に狂い「伯爵令嬢(恋人)を妻(正妃)に迎えたい」と言い出したせいで。
第二王子が恋を諦めるのが早いか。それとも臣籍降下するのが早いか。とにかく、選ばれた王子の婚約者候補の令嬢達にすれば迷惑極まりないものだった。
ミネルヴァは初恋の相手である義兄と結婚する事を夢見ていたというに、突然の王家からの横やりに怒り心頭。それでも臣下としてグッと堪えた。
そんな中での義兄の裏切り。
愛する女性がいる?
その相手と結婚したい?
何を仰っているのでしょうか?
混乱するミネルヴァを置き去りに義兄はどんどん話を続ける。
「お義兄様、あなたは婿入りのための養子縁組ですよ」と言いたいのをグッと堪えたミネルヴァであった。義兄を許す?許さない?答えは一つ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる