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後編
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公爵様の胸元を手で触り頬に口づけしよう。これでリリィに落ちなかった貴族はいないのだから。はぁちょろい人生ってなんでこんなにうまくいくんだろう?やっぱりリリィが賢くて綺麗だからだよね~。
そう思っていたのに公爵様は私の手首を掴むと、そのまま動けなくさせた。あ、もしかして乱暴にしたいタイプなのかな公爵様は。やだなーまぁでもお金持ちだし我慢しよう。私だって流行りのものは欲しい。はぁ罪な女だよリリィは。
「今までの男たちと同じだと思うなよ。義妹になるからマリィへの贈り物を奪っていることも、それをマリィがいつも謝罪してくれるから許してきたんだ。全ての男が自分のものになると思っているのか?」
「は? 急にどうしたんですか公爵様、寂しさのあまり変なこと仰っていますよ」
「確かに君も魅力的だとは思うよ。でもそれは外見的なものだけで中身が何一つ伴っていない。2人とも双子でどちらも美しい、けれどもマリィにある教養や心根の優しさに僕は惹かれたんだ。それに……マリィには他に好きな人がいるって話前もしたよね」
「してませんけど?」
「お前は本当に美しいけれど脳みそが空っぽなんだな。一度吐いた嘘はちゃんと覚えておかないと設定が破綻するぞ」
何言ってんの公爵様は。というか早く私に落ちなさいよ。お姉ちゃんに部屋に連れ込んだことバレたら大変じゃない、せっかく金で黙らせている使用人たちに上手くお姉ちゃんの邪魔するように伝えたのに。あぁ金が勿体無い、今月のお小遣い使ったのに。お父様に追加のお小遣いおねだりしないと
「嘘って何ですの? 私嘘なんて吐いたことないですのに」
「マリィに好きな人がいるってことは嘘じゃないんだ」
「嘘じゃありませんわ。だってお姉ちゃんから聞いたもの、お姉ちゃん公爵様が嫌いで仕方がないから妹の私に婚約させようとしているんですよ」
公爵様は私を床へ突き飛ばすと大きなため息をついた。頭を床にぶつけたせいでズキズキする。何でこんな可愛い私にこんなことするの? 許せない、お姉ちゃんにこのこと言われたく無かったらって脅して慰謝料取ってやる!
そう思っていたら私の寝室の扉は開けられ、青ざめた顔をしたお父様とお母様、そして顔を真っ赤にさせているジェイミー様がそこにいた。ああぁヤバイ怒っているかも。とりあえずご機嫌とっておけばいいか。どうせこいつ私に抱きしめられただけではわわ~ってなるし。
「やだジェイミー様……リリィに会いにきてくれたんですか! ジェイミー様大好きです!」
そう言って抱きつこうとしたとき、頬に衝撃が走る。ジンジンとした痛みに驚き、そのまま床へ倒れ込む。目をパチパチさせて驚いている私の肩を掴みジェイミー様は歯を強く食いしばりながら泣いていた。泣きたいのこっちなんですけ
ど、頭は痛いし初めて殴られたしお父様もお母様も誰も助けてくれない。はぁ?何なのこれ。
「今まで君を愛していたのに」
「……痛い……痛いじゃない! 女性に暴力振るうなんて最低よ! あ~もう最悪。何なの? お父様もお母様も何か言ってよ! 娘が殴られたのに何も言わないわけ?」
「僕が受けた心の傷がわからないのか! 騙されてマリィを傷つけてしまった……でもやっぱり君を愛しているんだ。リリィ」
「この暴力男! 絶対に嫌よ! アンタなんて顔も見たくない! 早く帰って! 二度と顔見せないで!」
そう怒鳴ってやったら傷ついたのか項垂れているし、邪魔だな。早く家にかえりなさいよ。
「僕からしたらどっちもどっちだよ。騙される側も騙した側もマリィを裏切り傷つけていたのに変わりない。お似合いだと思うけどね」
何なのコイツ急に説教し出して。というか私が殴られたんだから心配しなさいよ!もしも顔にに傷でも残った時はどうするつもりなの? 頭悪っ。物事何も考えられないのかしら?
「リリィ、公爵様がお前にぴったりのお相手を見つけて下さったんだ。お前はこの二人と結婚ではなくその人と一緒にいるんだよ」
「え! お金持ちですかその人!」
「あぁお金持ちだ。お前の話を公爵さまがしてくださった時興味がわいたようで、お前と結婚するためにと沢山の金をくださったんだ。貴族ではないがお前を大事にしてくださるし、十分なお金を用意するらしいよ。公爵さまとは比べ物にならないほど自由に使えるお金があるんだとか。今日もうその方も呼んで下で待ってらっしゃる。早く準備をするんだ」
なーんだ公爵様ってば良いの紹介してくれるんじゃん。じゃあまあいいか。ジェイミーも殴ってきたし最低のやつだし、公爵さまは何か嫌味だし? もしそのお金持ちと合わなければ家に帰ればいいだけだしね~。もっと吟味して相手を選びたかったけれども、傷物にされたうわさが社交界に出まわったら大変。そうなったら修道院しかないし仕方ない。
「ありがとうございます公爵様! ジェイミーお前関係ないんだから早く帰ってくださる? 暴力をふるった罪は後ほど慰謝料として請求しますからね!」
そういった時の絶望したジェイミーの表情ってば傑作。ゆっくりと立ち上がるととぼとぼと彼は部屋を出て行った。
みんなを部屋から追い出し、あざが見えないように肌を塗り化粧して。使用人にコルセットを縛り上げてもらって完璧な状態となった私はお父様に案内されて応接間に入る。
そこには見るからに醜悪な顔の陰険そうな男がこちらを見てにやにやと笑っていた。だらしない体にてかてかとした口が何とも言えないぐらい気持ち悪い! 何こんな人を使用人に用意している男なの? 趣味が悪いみたいね本当。
「この方がお前を買ってくださったんだリリィ。今日からお前はこの人の妾だ」
「え? 何言ってるのお父様、というか妾って」
顔の気持ち悪い男はニヤニヤと笑いながら舐めるように私の全身を見る。気持ち悪い。視線が合うだけで気分が悪くなる。
「お前の親は多額の借金があるんだよ。公爵には姉を、俺に妹を渡すという約束で俺たちが借金の肩代わりをしたんだ。姉は地味だがお前みたいに性格の悪そうな派手な女が俺は好きでな。こういう気が強いわがまま放題な女を屈服させたいんだよ俺。いい買い物させてくださってありがとうございます! ははははは!」
意味わからない。なんで私がこんな不細工と、しかも妾にならないといけないの? なんでよ。こんなかわいいし性格だっていいし素敵な私とこの金しかない貧乏人が結婚しないといけない意味が分からない。
「お父様何かの冗談ですよね? こんなことありえないですもの」
「冗談ではない。リリィ愛しているよ」
そう言ってにっこりと笑ったお父様を見た直後、油まみれでぶよぶよとした手が私を掴む。
そこからは急に記憶が飛んだように、何も思い出せなくなった。妾と言っていたからまだ贅沢させてもらって離れに住めるのかと思ったけれどもそんなことは無かった。
小さな小さな館、私が自由に外を出歩くのも許されない。好きなものも買ってもらえない。趣味じゃない宝石やドレスを押し付けられる日々、お姉ちゃんの結婚式にすら参加させてもらえない。
「リリィ、お花のように可愛らしい」
もう何言われても何されても、この気持ち悪い男とこの狭くて汚いところで暮らしていかないといけない。段々どうでも良くなってきた。私自身のことも。
「リリィどうせ逃げられないのだから教えてやろう。お前のことを俺に売ると決めさせたのは姉のマリィの口添えだぞ。お前の両親が最後まで拒んだ。しかしマリィが公爵からの援助を無しにすると脅したからお前は俺のものになったんだリリィ。お前姉のことずっと馬鹿にしていたんだろ?」
「お姉ちゃんがそんなこと……」
「リリィ絶望しているお前は本当に美しいな。また二週間後可愛がってやるからな」
ガサガサの唇でキスされて、その後は乱暴に引き剥がされて床に私は叩きつけられる。
お姉ちゃん私のこと裏切ったの? 何で? 可愛い妹じゃん私、何でも持っていたのにずるい。ずるい。ずるい!
枕を掴んで壁へと投げつける。イライラして泣き喚いても誰も助けてくれない。
もしやり直せる人生があれば私はどうしただろう。お姉ちゃんみたいなカスに負けないようにやりたいのに時は戻ることもない。死ぬことも許されないこの鳥籠で私は姉を呪い続ける。
そう思っていたのに公爵様は私の手首を掴むと、そのまま動けなくさせた。あ、もしかして乱暴にしたいタイプなのかな公爵様は。やだなーまぁでもお金持ちだし我慢しよう。私だって流行りのものは欲しい。はぁ罪な女だよリリィは。
「今までの男たちと同じだと思うなよ。義妹になるからマリィへの贈り物を奪っていることも、それをマリィがいつも謝罪してくれるから許してきたんだ。全ての男が自分のものになると思っているのか?」
「は? 急にどうしたんですか公爵様、寂しさのあまり変なこと仰っていますよ」
「確かに君も魅力的だとは思うよ。でもそれは外見的なものだけで中身が何一つ伴っていない。2人とも双子でどちらも美しい、けれどもマリィにある教養や心根の優しさに僕は惹かれたんだ。それに……マリィには他に好きな人がいるって話前もしたよね」
「してませんけど?」
「お前は本当に美しいけれど脳みそが空っぽなんだな。一度吐いた嘘はちゃんと覚えておかないと設定が破綻するぞ」
何言ってんの公爵様は。というか早く私に落ちなさいよ。お姉ちゃんに部屋に連れ込んだことバレたら大変じゃない、せっかく金で黙らせている使用人たちに上手くお姉ちゃんの邪魔するように伝えたのに。あぁ金が勿体無い、今月のお小遣い使ったのに。お父様に追加のお小遣いおねだりしないと
「嘘って何ですの? 私嘘なんて吐いたことないですのに」
「マリィに好きな人がいるってことは嘘じゃないんだ」
「嘘じゃありませんわ。だってお姉ちゃんから聞いたもの、お姉ちゃん公爵様が嫌いで仕方がないから妹の私に婚約させようとしているんですよ」
公爵様は私を床へ突き飛ばすと大きなため息をついた。頭を床にぶつけたせいでズキズキする。何でこんな可愛い私にこんなことするの? 許せない、お姉ちゃんにこのこと言われたく無かったらって脅して慰謝料取ってやる!
そう思っていたら私の寝室の扉は開けられ、青ざめた顔をしたお父様とお母様、そして顔を真っ赤にさせているジェイミー様がそこにいた。ああぁヤバイ怒っているかも。とりあえずご機嫌とっておけばいいか。どうせこいつ私に抱きしめられただけではわわ~ってなるし。
「やだジェイミー様……リリィに会いにきてくれたんですか! ジェイミー様大好きです!」
そう言って抱きつこうとしたとき、頬に衝撃が走る。ジンジンとした痛みに驚き、そのまま床へ倒れ込む。目をパチパチさせて驚いている私の肩を掴みジェイミー様は歯を強く食いしばりながら泣いていた。泣きたいのこっちなんですけ
ど、頭は痛いし初めて殴られたしお父様もお母様も誰も助けてくれない。はぁ?何なのこれ。
「今まで君を愛していたのに」
「……痛い……痛いじゃない! 女性に暴力振るうなんて最低よ! あ~もう最悪。何なの? お父様もお母様も何か言ってよ! 娘が殴られたのに何も言わないわけ?」
「僕が受けた心の傷がわからないのか! 騙されてマリィを傷つけてしまった……でもやっぱり君を愛しているんだ。リリィ」
「この暴力男! 絶対に嫌よ! アンタなんて顔も見たくない! 早く帰って! 二度と顔見せないで!」
そう怒鳴ってやったら傷ついたのか項垂れているし、邪魔だな。早く家にかえりなさいよ。
「僕からしたらどっちもどっちだよ。騙される側も騙した側もマリィを裏切り傷つけていたのに変わりない。お似合いだと思うけどね」
何なのコイツ急に説教し出して。というか私が殴られたんだから心配しなさいよ!もしも顔にに傷でも残った時はどうするつもりなの? 頭悪っ。物事何も考えられないのかしら?
「リリィ、公爵様がお前にぴったりのお相手を見つけて下さったんだ。お前はこの二人と結婚ではなくその人と一緒にいるんだよ」
「え! お金持ちですかその人!」
「あぁお金持ちだ。お前の話を公爵さまがしてくださった時興味がわいたようで、お前と結婚するためにと沢山の金をくださったんだ。貴族ではないがお前を大事にしてくださるし、十分なお金を用意するらしいよ。公爵さまとは比べ物にならないほど自由に使えるお金があるんだとか。今日もうその方も呼んで下で待ってらっしゃる。早く準備をするんだ」
なーんだ公爵様ってば良いの紹介してくれるんじゃん。じゃあまあいいか。ジェイミーも殴ってきたし最低のやつだし、公爵さまは何か嫌味だし? もしそのお金持ちと合わなければ家に帰ればいいだけだしね~。もっと吟味して相手を選びたかったけれども、傷物にされたうわさが社交界に出まわったら大変。そうなったら修道院しかないし仕方ない。
「ありがとうございます公爵様! ジェイミーお前関係ないんだから早く帰ってくださる? 暴力をふるった罪は後ほど慰謝料として請求しますからね!」
そういった時の絶望したジェイミーの表情ってば傑作。ゆっくりと立ち上がるととぼとぼと彼は部屋を出て行った。
みんなを部屋から追い出し、あざが見えないように肌を塗り化粧して。使用人にコルセットを縛り上げてもらって完璧な状態となった私はお父様に案内されて応接間に入る。
そこには見るからに醜悪な顔の陰険そうな男がこちらを見てにやにやと笑っていた。だらしない体にてかてかとした口が何とも言えないぐらい気持ち悪い! 何こんな人を使用人に用意している男なの? 趣味が悪いみたいね本当。
「この方がお前を買ってくださったんだリリィ。今日からお前はこの人の妾だ」
「え? 何言ってるのお父様、というか妾って」
顔の気持ち悪い男はニヤニヤと笑いながら舐めるように私の全身を見る。気持ち悪い。視線が合うだけで気分が悪くなる。
「お前の親は多額の借金があるんだよ。公爵には姉を、俺に妹を渡すという約束で俺たちが借金の肩代わりをしたんだ。姉は地味だがお前みたいに性格の悪そうな派手な女が俺は好きでな。こういう気が強いわがまま放題な女を屈服させたいんだよ俺。いい買い物させてくださってありがとうございます! ははははは!」
意味わからない。なんで私がこんな不細工と、しかも妾にならないといけないの? なんでよ。こんなかわいいし性格だっていいし素敵な私とこの金しかない貧乏人が結婚しないといけない意味が分からない。
「お父様何かの冗談ですよね? こんなことありえないですもの」
「冗談ではない。リリィ愛しているよ」
そう言ってにっこりと笑ったお父様を見た直後、油まみれでぶよぶよとした手が私を掴む。
そこからは急に記憶が飛んだように、何も思い出せなくなった。妾と言っていたからまだ贅沢させてもらって離れに住めるのかと思ったけれどもそんなことは無かった。
小さな小さな館、私が自由に外を出歩くのも許されない。好きなものも買ってもらえない。趣味じゃない宝石やドレスを押し付けられる日々、お姉ちゃんの結婚式にすら参加させてもらえない。
「リリィ、お花のように可愛らしい」
もう何言われても何されても、この気持ち悪い男とこの狭くて汚いところで暮らしていかないといけない。段々どうでも良くなってきた。私自身のことも。
「リリィどうせ逃げられないのだから教えてやろう。お前のことを俺に売ると決めさせたのは姉のマリィの口添えだぞ。お前の両親が最後まで拒んだ。しかしマリィが公爵からの援助を無しにすると脅したからお前は俺のものになったんだリリィ。お前姉のことずっと馬鹿にしていたんだろ?」
「お姉ちゃんがそんなこと……」
「リリィ絶望しているお前は本当に美しいな。また二週間後可愛がってやるからな」
ガサガサの唇でキスされて、その後は乱暴に引き剥がされて床に私は叩きつけられる。
お姉ちゃん私のこと裏切ったの? 何で? 可愛い妹じゃん私、何でも持っていたのにずるい。ずるい。ずるい!
枕を掴んで壁へと投げつける。イライラして泣き喚いても誰も助けてくれない。
もしやり直せる人生があれば私はどうしただろう。お姉ちゃんみたいなカスに負けないようにやりたいのに時は戻ることもない。死ぬことも許されないこの鳥籠で私は姉を呪い続ける。
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