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#6 存在してはいけない駅
#6ー12 『人類保護連盟』
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人間が残す痕跡は、案外分かり易い部分に残る。いくら隠しても、霊力で強化された感覚なら、追えない物でもない。足も速くなっているし、追い付ける筈だ。
「見つけたぞ!」
「もうか……速いな」
敵はフードを被っている。顔は見えないが、恐らく男性だろう。それも若い。フードには何かの術が付与されているらしい。どうやら、敵は相当面倒な相手のようだ。
「何者だ!」
「答えるとでも?」
彼はそう言うと、複数の手榴弾をこっちに投げ付けた。俺はそれが爆発する前に、それのさらに向こうへ踏み出した。手榴弾は直ぐに爆発したが、俺は少し体が浮く感覚がしただけで済んだ。
相手は霊力を使えるだろう。だがそれを使わないという事は、使えない事情があるのだろう。恐らく、霊力から個人が特定できる程の人物か、或いは協会のデータベースに残っている神という事だろう。
俺が爆弾を避けたのを見た相手は、懐から刃物を取り出して、投げ付けて来た。爆弾は無駄だと悟っての行動だろう。だが、それを避けられない訳も無い。俺は軽々とそれを避けて、相手に追い付く。俺は平屋の屋根瓦に相手を叩き付け、動きを止める。
「流石ですね」
「ようやく捕まえた!目的と正体を聞かせてもらおう!」
俺はフードに手を掛け、素顔を明かさせようとする。だが、そう上手くは行かせてもらえないようだ。
フードを上げて、素顔が見えるその瞬間、この神隠しが崩れた。どうやらあそこは、あの神が居たから成り立っていた神隠しだったようだ。崩壊に気を取られた俺の力が一瞬弱まると同時に、敵は俺の腕を解いて、俺と距離を取った。
神隠しが消えるとそこは、神隠しの中の光景と似た田んぼだった。先生達は無事だろうか。一般人はどうなったんだろう。気絶でもしててくれると良いんだけど。
「初めまして……ですね」
「生憎と、俺はアンタの事を知らない。誰だ?」
そう聞くと、奴は懐から一つのバッジを取り出した。
「私達は『人類保護連盟』。神、霊、怪異、妖怪を皆殺しにして、人類だけの世界を作る事を目的とした協会です」
聞いた事の無いグループだ。当たり前か。そんな危険因子、協会が野放しにしておく訳が無い。ていうか不可能だ。この世界を管理しているのは神で、その権限を人間は持てない。自身の精神世界なら兎も角、世界全体の情報を処理する能力が、人間には無いからだ。
しかし、同時に合点も行った。その目的なら、あの神を殺そうとした理由になる。敵は『神殺し』を所持した上で実行しているのだし、神を殺すだけなら可能だろう。
「何故情報をそんな軽々しく言う?」
「隠す事でも無いからです。私達は近い将来、人類の英雄となるのだから。それに、貴方は欲しい」
「俺を?」
敵は小さく頷くと、俺を指差して、誇らし気に説明を始めた。
「私達は、人でありながら神でもある、そんな存在が必要なのです。それに、貴方は合致できる」
「面白い冗談だ。俺は純粋な人間だ。神になれる器じゃない」
俺がそう答えても、敵は態度を崩さない。俺がこう答えるのは想定内なのだろう。
「私と来てください。貴方は、『力』を欲する筈だ」
「断る。俺は今の生活に満足している。お前達の考えには賛同しない」
俺がそう言うと、彼は残念そうに首を振りながら、立ち去ろうとする。
「なら、今はここで失礼します。また会いましょう。八神蒼佑様」
「逃がすとでも?」
俺は敵の懐まで潜り、霊力を込めた拳を繰り出す。しかし、敵の中々の手練れ。俺の拳を避けて、逃げる。
「待て!」
「今はここに長居できないのです。失礼は詫びましょう」
そう言って走り去ろうとする彼の体が、動きを止めた。俺は咄嗟に後ろを振り向き、彼の動きを止めた人物を目に写す。
「お姉ちゃん参上!待たせたね八神君!」
「お姉ちゃん!」
「すまない八神くん。遅くなった」
「新手ですか……」
七海さんの術式は、決まった形の無い物の動きにある程度干渉するという物だ。操れる訳ではないが、七海さん自身の戦闘能力が高い為、術式の弱さは余り苦にならない。今は、彼の周りの空気の動きを止めて、彼が動けなくしている状態だ。
七海さん達は俺の方に歩み寄りながら、術式の出力を更に強める。
「あの人達は?」
「神隠しが無くなったら皆消えた。恐らく、全員元の時代に戻ったのだろう」
成程。アレでも神か。矛盾が起きない程度に根回ししていたらしい。それなら、多少気が楽だ。
しかし、今はコイツだ。目的は自分で言っていたが、とてもコイツがトップとは考えられない。協会に持ち帰って尋問するか。手段はとびきり残虐にしようかな。
「大人しくしろ。協会で身柄を預からせてもらおう」
「私がただで捕まっているとでも?」
そう言って彼は、七海さんの拘束を外した。空気に込められていた霊力が弾けて、衝撃となって俺達に襲い掛かる。彼は地面に煙玉を投げ付け、俺達の視界を殺した。
「やはり先に殺すべきは貴女でしたか。岩戸咲良」
狙いは先生?いや、先生が油断していない今の状況で、先生をどうこうできる訳が無い。会話を挟んでいるという事は、できるだけ相手に無駄な思考を増やさせたいという事だろう。恐らく、焦っている。
だが、霊力の隠蔽は続いている。煙で視界は無いし、声もまるで、四方八方から聞こえて来ているようだ。奴の位置が分からない。
「今は状況が悪い。またお会いする日を待つとしましょう」
「ではさらばです。『怪しい二人』と、その仲間」
俺はその声がした方向に、咄嗟に蹴りを入れる。しかし、相手はもう退却していたようで、俺の蹴りは、虚しく空を切るだけだった。
「二人共、無事だな!?」
「はい!」
「大丈夫だよ!」
逃げられた。相手の手札を、何一つ明かせないまま。七海さんの拘束を解いたのが奴の武器の特性である確証も無い。何か細工をしたのは間違い無いだろうが、それでも分からない。
俺は奴の言動の全てを思い出す。『人類保護連盟』という団体、特性が不明な『神殺し』、目的に至るまでの手段、しかし、奴は核に触れる事だけはしなかった。推測の域すら出る事ができない。俺は更なる手掛かりを探す為、思考を巡らせる。
煙も晴れた頃、俺を見つけた先生は、俺の視界に飛び込んでから、俺に手を伸ばした。
「八神くん、今は考えても仕方無い。奴の仲間が居ない確証も無い。早く帰ろう」
「……分かりました」
俺は、考えを一旦腹の内側に押し込んで、先生の手を取った。
空は、少し明るくなり始めていた。
「見つけたぞ!」
「もうか……速いな」
敵はフードを被っている。顔は見えないが、恐らく男性だろう。それも若い。フードには何かの術が付与されているらしい。どうやら、敵は相当面倒な相手のようだ。
「何者だ!」
「答えるとでも?」
彼はそう言うと、複数の手榴弾をこっちに投げ付けた。俺はそれが爆発する前に、それのさらに向こうへ踏み出した。手榴弾は直ぐに爆発したが、俺は少し体が浮く感覚がしただけで済んだ。
相手は霊力を使えるだろう。だがそれを使わないという事は、使えない事情があるのだろう。恐らく、霊力から個人が特定できる程の人物か、或いは協会のデータベースに残っている神という事だろう。
俺が爆弾を避けたのを見た相手は、懐から刃物を取り出して、投げ付けて来た。爆弾は無駄だと悟っての行動だろう。だが、それを避けられない訳も無い。俺は軽々とそれを避けて、相手に追い付く。俺は平屋の屋根瓦に相手を叩き付け、動きを止める。
「流石ですね」
「ようやく捕まえた!目的と正体を聞かせてもらおう!」
俺はフードに手を掛け、素顔を明かさせようとする。だが、そう上手くは行かせてもらえないようだ。
フードを上げて、素顔が見えるその瞬間、この神隠しが崩れた。どうやらあそこは、あの神が居たから成り立っていた神隠しだったようだ。崩壊に気を取られた俺の力が一瞬弱まると同時に、敵は俺の腕を解いて、俺と距離を取った。
神隠しが消えるとそこは、神隠しの中の光景と似た田んぼだった。先生達は無事だろうか。一般人はどうなったんだろう。気絶でもしててくれると良いんだけど。
「初めまして……ですね」
「生憎と、俺はアンタの事を知らない。誰だ?」
そう聞くと、奴は懐から一つのバッジを取り出した。
「私達は『人類保護連盟』。神、霊、怪異、妖怪を皆殺しにして、人類だけの世界を作る事を目的とした協会です」
聞いた事の無いグループだ。当たり前か。そんな危険因子、協会が野放しにしておく訳が無い。ていうか不可能だ。この世界を管理しているのは神で、その権限を人間は持てない。自身の精神世界なら兎も角、世界全体の情報を処理する能力が、人間には無いからだ。
しかし、同時に合点も行った。その目的なら、あの神を殺そうとした理由になる。敵は『神殺し』を所持した上で実行しているのだし、神を殺すだけなら可能だろう。
「何故情報をそんな軽々しく言う?」
「隠す事でも無いからです。私達は近い将来、人類の英雄となるのだから。それに、貴方は欲しい」
「俺を?」
敵は小さく頷くと、俺を指差して、誇らし気に説明を始めた。
「私達は、人でありながら神でもある、そんな存在が必要なのです。それに、貴方は合致できる」
「面白い冗談だ。俺は純粋な人間だ。神になれる器じゃない」
俺がそう答えても、敵は態度を崩さない。俺がこう答えるのは想定内なのだろう。
「私と来てください。貴方は、『力』を欲する筈だ」
「断る。俺は今の生活に満足している。お前達の考えには賛同しない」
俺がそう言うと、彼は残念そうに首を振りながら、立ち去ろうとする。
「なら、今はここで失礼します。また会いましょう。八神蒼佑様」
「逃がすとでも?」
俺は敵の懐まで潜り、霊力を込めた拳を繰り出す。しかし、敵の中々の手練れ。俺の拳を避けて、逃げる。
「待て!」
「今はここに長居できないのです。失礼は詫びましょう」
そう言って走り去ろうとする彼の体が、動きを止めた。俺は咄嗟に後ろを振り向き、彼の動きを止めた人物を目に写す。
「お姉ちゃん参上!待たせたね八神君!」
「お姉ちゃん!」
「すまない八神くん。遅くなった」
「新手ですか……」
七海さんの術式は、決まった形の無い物の動きにある程度干渉するという物だ。操れる訳ではないが、七海さん自身の戦闘能力が高い為、術式の弱さは余り苦にならない。今は、彼の周りの空気の動きを止めて、彼が動けなくしている状態だ。
七海さん達は俺の方に歩み寄りながら、術式の出力を更に強める。
「あの人達は?」
「神隠しが無くなったら皆消えた。恐らく、全員元の時代に戻ったのだろう」
成程。アレでも神か。矛盾が起きない程度に根回ししていたらしい。それなら、多少気が楽だ。
しかし、今はコイツだ。目的は自分で言っていたが、とてもコイツがトップとは考えられない。協会に持ち帰って尋問するか。手段はとびきり残虐にしようかな。
「大人しくしろ。協会で身柄を預からせてもらおう」
「私がただで捕まっているとでも?」
そう言って彼は、七海さんの拘束を外した。空気に込められていた霊力が弾けて、衝撃となって俺達に襲い掛かる。彼は地面に煙玉を投げ付け、俺達の視界を殺した。
「やはり先に殺すべきは貴女でしたか。岩戸咲良」
狙いは先生?いや、先生が油断していない今の状況で、先生をどうこうできる訳が無い。会話を挟んでいるという事は、できるだけ相手に無駄な思考を増やさせたいという事だろう。恐らく、焦っている。
だが、霊力の隠蔽は続いている。煙で視界は無いし、声もまるで、四方八方から聞こえて来ているようだ。奴の位置が分からない。
「今は状況が悪い。またお会いする日を待つとしましょう」
「ではさらばです。『怪しい二人』と、その仲間」
俺はその声がした方向に、咄嗟に蹴りを入れる。しかし、相手はもう退却していたようで、俺の蹴りは、虚しく空を切るだけだった。
「二人共、無事だな!?」
「はい!」
「大丈夫だよ!」
逃げられた。相手の手札を、何一つ明かせないまま。七海さんの拘束を解いたのが奴の武器の特性である確証も無い。何か細工をしたのは間違い無いだろうが、それでも分からない。
俺は奴の言動の全てを思い出す。『人類保護連盟』という団体、特性が不明な『神殺し』、目的に至るまでの手段、しかし、奴は核に触れる事だけはしなかった。推測の域すら出る事ができない。俺は更なる手掛かりを探す為、思考を巡らせる。
煙も晴れた頃、俺を見つけた先生は、俺の視界に飛び込んでから、俺に手を伸ばした。
「八神くん、今は考えても仕方無い。奴の仲間が居ない確証も無い。早く帰ろう」
「……分かりました」
俺は、考えを一旦腹の内側に押し込んで、先生の手を取った。
空は、少し明るくなり始めていた。
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