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#9 百鬼夜行
#9-12 究極に至りし人の権能
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私はアルべリヒだった物の顔面に手榴弾を投げ付け、同時に地面に煙幕を巻いた。私は透哉の背中を掴んで、建物の隙間に隠れる。
「ど、どうする?あれ、相当厄介だよ?」
「霊力と魔力を併せ持った存在に関する研究……覚えてるか?」
その言葉に、私は小さく頷く。霊力と魔力は根本から違う物だ。霊力は感覚で操るのが容易だが、魔力はそうでもない。だから汎用性を落とす代わりに、確実に効果を発揮する、魔術という形態を取った。結果として、霊力でできない事ができるようにもなった。
教会の内部でも、霊力と魔力の両方を持った存在を作り出す実験は成されている。だが、それらは全て失敗に終わっている。簡単に言うと、拒否反応が起こるのだ。どちらも無くなるか、どちらか一方しか残らない。酷い物だと、体が内側から避けて死んでしまう事もあったらしい。
「だ、だけど、その拒否反応がアレで起こるとは……」
「だから、ここからはこちらも攻めに回る。拒否反応が起これば万々歳程度に考えるぞ」
詰まり、勝ち目の薄い勝負に真正面から挑むって訳ね。成程成程……
「わ、私でも流石に怒るよ?」
「だが、やるしか活路は無い」
なるべく危ない橋は渡りたくないんだけどな……しょうがない。幸い、ここ一帯には大量の武器の備蓄がある。やってやろうじゃないかこん畜生。
私達はビルの屋上へ登り、置いておいた大量の火器を手に取る。コレを使うつもりは無かったんだけどな……
「出し惜しみするなよ」
「し、しないよ」
私は引き金を引き、夢とロマンと火薬とその他諸々が詰まったロケット弾を発射する。アルべリヒだった物が移動している事も考え、先程の女の位置に向かって。どうやらギリギリ当たってくれなかったらしく、「どこから!?」という声が聞こえて来た。
「と、透哉」
「分かってる」
透哉は起爆スイッチを押し、事前に仕掛けていた無数の爆弾を一斉に爆破する。下から悲鳴が聞こえて来ると同時に、煙が晴れる。どうやら、女の方はやられてくれたらしい。だが、アルべリヒだった物はその場に居なかった。
「どこに……」
「I'm here」
その声が聞こえると同時に、私と透哉の頭はビルに叩き付けられた。成程。最初のロケランが陽動だと察していたのか。『次は下から』という結論に辿り着いたコイツは、二度目の攻撃が来る前に、煙幕の上に逃げ、私達を補足した。そして今、私達をほぼ詰みの状態まで持って来た。
「頑丈ダナ。頭ヲ潰スツモリダッタンダガ」
「残念だったね」
「イヤ?ナラ、コウスルマデ」
私達の頭を握る手に力が込められる。頭蓋を握り潰すつもりだ。それだけじゃない。上から押さえ付ける力も強くなっている。ビルの屋上にヒビが入り、それに応じて、私に掛かる負荷も増える。
痛い。それに辛い。何かが軋むような音がする。どうにかしないと。どうやって?どうにもならない。ああとんだクソゲーだ。どう足掻いても詰む。攻略できない。最低最悪のクソゲー……
などとは考えない。私は懐から、『最後の切り札』の軌道スイッチを押す。すると、アルべリヒだった物の胸に、大きな風穴が空いた。無論、私達の頭を掴む手からも力が抜ける。私達はアルべリヒだった物の手から抜け出し、少し距離を取る。
「What's going on?」
そう口から漏らす敵の顔には、怒りと疑問と焦りが浮かんでいた。私達は何も、対策無しに高所を取った訳ではない。無論FPSゲームの基本だからというのもあるけど、私達があそこに陣取ったのは、この切り札があったからだ。
九百五口径。二十ミリを超える対物ライフルが、このボタン一つで遠隔操作できる。狙いは私達が居た場所よりも少しだけ後ろ。平均的な成人男性が、真っ直ぐ立った状態で、私達に向かって腕を伸ばした時、丁度頭が来る位置だ。
肥大化した肉体とあの体勢のせいで、どうやら頭は吹き飛ばなかったらしい。心臓を丸々取り除くか潰すかすれば死ぬらしいけど、どうやらそのどちらも叶わなかったようで、敵の胸の穴は、見る見る内に塞がって行く。
「再生するんだな」
「し、心臓吹き飛ばなかったんだね」
「切り札使うか?」
「そ、それしか無いよね」
勝負は一瞬。私達は駆け出した。懐に手を入れ、残された四本のナイフを手に取る。それを見た敵は、怒りをその顔一面に浮かべていた。
「投ゲルツモリカ!?弾イテ終イダ!」
敵は腕を振りかぶり、恐らく飛んで来るであろうそのナイフを弾く為の体勢になる。私達はそれを確認した後、その手に持っていたナイフを、敵に向かって投げ付けた。それに反応した敵は、自分の前の空間諸共、投げ付けられたナイフを全て薙ぎ払った。
「……What?」
かに思えた。敵の首元には、一本のナイフが突き刺さっている。私達の、使うつもりの無かった切り札。アレは協会が保有する中でも、数少ない神殺しの武器だ。ロンギヌスの槍を源流としたあのナイフは、傷付けた相手の命を、一つ確実に持って行く。要するに、『チート』だ。
「貴様等ノ……術式カ……」
「ええ。協会の中でも会長しか知らない、とっておきですよ」
「だ、だけどもし貴方が仲間を助けていたら、き、きっと今頃……」
私達の術式は、何も瞬間移動とかじゃない。私の術式は光の屈折、透哉のは少しの風を起こす程度だ。透哉の術式は強力に思えるが、光を屈折させられる範囲はとても狭く、精々がナイフ一本程度でしかない。詰まり、バリアだったり巨大な壁だったりを展開されると、私達は何もできないのだ。
私の術式で敵が視認する像をずらし、透哉の術式で軌道を曲げた。敵の腕はナイフを捉えられず、結果、無防備な体に、私達の『切り札』が炸裂した。
「できれば、殺したくはなかったんですけどね。貴方は貴重な検体だ」
「で、でも死体さえあれば後から、い、いくらでも解剖できる……だ、だからその……大丈夫ですかね?」
「成程。ダガ残念ダッタナ。俺ハ今、コノ体ガ自壊スルノヲ堪エルノデ精一杯ナンダ。ソッチノ実験材料ニハナレナイ」
それは残念。だけどまあ、一時は霊力と魔力の両方を宿していたのに変わりはない。回収する価値はあるだろう。私は透哉に頼んで、近くの拠点から人を呼んでもらい、彼等が来るまでの間に、女の方を拘束した。まあ、もう動けそうにないけど。
数秒経った後、敵の体は宣言通りに溶けて、暗褐色の肉の塊になってしまった。私達はそれを確認すると、大きく息を吐き出しながら、その場に座り込んだ。
「疲れた……」
「そ、そうだね。み、皆が来たら拠点で、や、休ませてもらおう」
そう考えていた私達だったが、そんな余裕は無いようだった。アルべリヒの死体の回収に来た彼等から知らされたのは、『八神蒼佑が、敵の大将の座標を特定した』という報せだったからだ。
『記録
二〇二ニ年 十二月二十一日 百鬼夜行
金剛級退魔師 八谷道子
金剛級退魔師 如月透哉
十四時二分
連盟の魔術師アルべリヒ・クローバー、連盟の退魔師亜月葵と交戦。後、金剛級退魔師八神蒼佑の要請により、転移の術式を使用。』
「ど、どうする?あれ、相当厄介だよ?」
「霊力と魔力を併せ持った存在に関する研究……覚えてるか?」
その言葉に、私は小さく頷く。霊力と魔力は根本から違う物だ。霊力は感覚で操るのが容易だが、魔力はそうでもない。だから汎用性を落とす代わりに、確実に効果を発揮する、魔術という形態を取った。結果として、霊力でできない事ができるようにもなった。
教会の内部でも、霊力と魔力の両方を持った存在を作り出す実験は成されている。だが、それらは全て失敗に終わっている。簡単に言うと、拒否反応が起こるのだ。どちらも無くなるか、どちらか一方しか残らない。酷い物だと、体が内側から避けて死んでしまう事もあったらしい。
「だ、だけど、その拒否反応がアレで起こるとは……」
「だから、ここからはこちらも攻めに回る。拒否反応が起これば万々歳程度に考えるぞ」
詰まり、勝ち目の薄い勝負に真正面から挑むって訳ね。成程成程……
「わ、私でも流石に怒るよ?」
「だが、やるしか活路は無い」
なるべく危ない橋は渡りたくないんだけどな……しょうがない。幸い、ここ一帯には大量の武器の備蓄がある。やってやろうじゃないかこん畜生。
私達はビルの屋上へ登り、置いておいた大量の火器を手に取る。コレを使うつもりは無かったんだけどな……
「出し惜しみするなよ」
「し、しないよ」
私は引き金を引き、夢とロマンと火薬とその他諸々が詰まったロケット弾を発射する。アルべリヒだった物が移動している事も考え、先程の女の位置に向かって。どうやらギリギリ当たってくれなかったらしく、「どこから!?」という声が聞こえて来た。
「と、透哉」
「分かってる」
透哉は起爆スイッチを押し、事前に仕掛けていた無数の爆弾を一斉に爆破する。下から悲鳴が聞こえて来ると同時に、煙が晴れる。どうやら、女の方はやられてくれたらしい。だが、アルべリヒだった物はその場に居なかった。
「どこに……」
「I'm here」
その声が聞こえると同時に、私と透哉の頭はビルに叩き付けられた。成程。最初のロケランが陽動だと察していたのか。『次は下から』という結論に辿り着いたコイツは、二度目の攻撃が来る前に、煙幕の上に逃げ、私達を補足した。そして今、私達をほぼ詰みの状態まで持って来た。
「頑丈ダナ。頭ヲ潰スツモリダッタンダガ」
「残念だったね」
「イヤ?ナラ、コウスルマデ」
私達の頭を握る手に力が込められる。頭蓋を握り潰すつもりだ。それだけじゃない。上から押さえ付ける力も強くなっている。ビルの屋上にヒビが入り、それに応じて、私に掛かる負荷も増える。
痛い。それに辛い。何かが軋むような音がする。どうにかしないと。どうやって?どうにもならない。ああとんだクソゲーだ。どう足掻いても詰む。攻略できない。最低最悪のクソゲー……
などとは考えない。私は懐から、『最後の切り札』の軌道スイッチを押す。すると、アルべリヒだった物の胸に、大きな風穴が空いた。無論、私達の頭を掴む手からも力が抜ける。私達はアルべリヒだった物の手から抜け出し、少し距離を取る。
「What's going on?」
そう口から漏らす敵の顔には、怒りと疑問と焦りが浮かんでいた。私達は何も、対策無しに高所を取った訳ではない。無論FPSゲームの基本だからというのもあるけど、私達があそこに陣取ったのは、この切り札があったからだ。
九百五口径。二十ミリを超える対物ライフルが、このボタン一つで遠隔操作できる。狙いは私達が居た場所よりも少しだけ後ろ。平均的な成人男性が、真っ直ぐ立った状態で、私達に向かって腕を伸ばした時、丁度頭が来る位置だ。
肥大化した肉体とあの体勢のせいで、どうやら頭は吹き飛ばなかったらしい。心臓を丸々取り除くか潰すかすれば死ぬらしいけど、どうやらそのどちらも叶わなかったようで、敵の胸の穴は、見る見る内に塞がって行く。
「再生するんだな」
「し、心臓吹き飛ばなかったんだね」
「切り札使うか?」
「そ、それしか無いよね」
勝負は一瞬。私達は駆け出した。懐に手を入れ、残された四本のナイフを手に取る。それを見た敵は、怒りをその顔一面に浮かべていた。
「投ゲルツモリカ!?弾イテ終イダ!」
敵は腕を振りかぶり、恐らく飛んで来るであろうそのナイフを弾く為の体勢になる。私達はそれを確認した後、その手に持っていたナイフを、敵に向かって投げ付けた。それに反応した敵は、自分の前の空間諸共、投げ付けられたナイフを全て薙ぎ払った。
「……What?」
かに思えた。敵の首元には、一本のナイフが突き刺さっている。私達の、使うつもりの無かった切り札。アレは協会が保有する中でも、数少ない神殺しの武器だ。ロンギヌスの槍を源流としたあのナイフは、傷付けた相手の命を、一つ確実に持って行く。要するに、『チート』だ。
「貴様等ノ……術式カ……」
「ええ。協会の中でも会長しか知らない、とっておきですよ」
「だ、だけどもし貴方が仲間を助けていたら、き、きっと今頃……」
私達の術式は、何も瞬間移動とかじゃない。私の術式は光の屈折、透哉のは少しの風を起こす程度だ。透哉の術式は強力に思えるが、光を屈折させられる範囲はとても狭く、精々がナイフ一本程度でしかない。詰まり、バリアだったり巨大な壁だったりを展開されると、私達は何もできないのだ。
私の術式で敵が視認する像をずらし、透哉の術式で軌道を曲げた。敵の腕はナイフを捉えられず、結果、無防備な体に、私達の『切り札』が炸裂した。
「できれば、殺したくはなかったんですけどね。貴方は貴重な検体だ」
「で、でも死体さえあれば後から、い、いくらでも解剖できる……だ、だからその……大丈夫ですかね?」
「成程。ダガ残念ダッタナ。俺ハ今、コノ体ガ自壊スルノヲ堪エルノデ精一杯ナンダ。ソッチノ実験材料ニハナレナイ」
それは残念。だけどまあ、一時は霊力と魔力の両方を宿していたのに変わりはない。回収する価値はあるだろう。私は透哉に頼んで、近くの拠点から人を呼んでもらい、彼等が来るまでの間に、女の方を拘束した。まあ、もう動けそうにないけど。
数秒経った後、敵の体は宣言通りに溶けて、暗褐色の肉の塊になってしまった。私達はそれを確認すると、大きく息を吐き出しながら、その場に座り込んだ。
「疲れた……」
「そ、そうだね。み、皆が来たら拠点で、や、休ませてもらおう」
そう考えていた私達だったが、そんな余裕は無いようだった。アルべリヒの死体の回収に来た彼等から知らされたのは、『八神蒼佑が、敵の大将の座標を特定した』という報せだったからだ。
『記録
二〇二ニ年 十二月二十一日 百鬼夜行
金剛級退魔師 八谷道子
金剛級退魔師 如月透哉
十四時二分
連盟の魔術師アルべリヒ・クローバー、連盟の退魔師亜月葵と交戦。後、金剛級退魔師八神蒼佑の要請により、転移の術式を使用。』
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