優の異世界ごはん日記

風待 結

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ルミエールの市場探検

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日記、十七日目。


ルミエールの料理コンテストでの優勝から二日、街の活気はまだ止まらない。  
リナ、カイラ、トム、キラとのチームワークで僕の料理が輝いたけど、ルミエールにはまだまだ知らない魅力が溢れてる。  
今日はチーム・クローヴェールのエリックとローラと一緒にルミエールの広大な市場を探索したよ。 
市場の奥深くで新しい食材を見つけてトムがエリックから狩りのコツを学び、リナがローラの料理テクニックに目を輝かせていた。  
ルミエールの規模と人の温かさにほんと圧倒されるよ。
この街での料理と出会いをもっともっと楽しみたいよね!


---



朝、宿屋「ムーンライトイン」の食堂でいつものようにキラのピピッという鳴き声で目覚めた。  
キラは僕の枕の上でふわふわの羽を揺らしてまるで「早く市場行こう!」って言ってるみたい。  
リナは優勝トロフィーをテーブルに置きいて朝食のパンをかじりながらニコニコ眺めてる。
ま、まだ余韻に浸ってるんだね…。
カイラは魔法のメモを広げてルミエールの市場の地図をチェックしてる。  
トムは剣を磨きながら市場の裏通りについて考え込んでいるみたい。

「ルミエールの市場はさー、まだまだ見てないとこいっぱいあるよね! 昨日のクローヴェールのエリックとローラ、楽しかったし今日一緒に市場誘って行かない?」  

リナが目を輝かせながら提案した。  

「いいね、リナ! エリックとローラなら市場の面白い屋台とか知ってそうだよね。一緒に探したらすごい食材見つかるかも?ねえカイラ、エリックたちと連絡取れる?」  

カイラが微笑んで杖を軽く振った。  

「コンテストのギルド経由で、朝のうちに連絡しておいたわ。エリックとローラは市場の奥の『ハンターズストリート』ってエリアに行きたいそうよ。そこは魔獣の肉や珍しいスパイスが豊富らしいの。さて、優はどんな料理作るのか、楽しみね。」  

トムが剣を鞘に収めてニヤリ。  

「ハンターズストリートか。俺の得意分野だな。エリックと狩りの話で盛り上がりそう。 優、市場でいい肉見つけたらでかいステーキ頼むぜ。」  

「了解! キラも市場でいい匂いの食材があるか探してね。」  

キラがピピッと鳴いて、テーブルを跳ね回る。  
まるで「匂いは僕に任せて!」って言ってるみたい。  
うーん可愛い。


---



朝食後、チーム・クローヴェールのエリックとローラと合流してルミエールの市場へ向かった。  
ルミエールの市場は、中央広場から何本もの通りが放射状に伸びててまるで迷宮みたいだ。  
今日はエリックおすすめの「ハンターズストリート」を目指す。  
中央広場から少し離れた市場の西側に広がるエリアで、魔獣の肉や狩猟用の道具、魔法のスパイスを扱う屋台が並ぶ。  
通りに入ると巨大なドラゴンの角やゴールデンホークの羽が飾られた屋台が目に入ってきて冒険者たちの熱気で空気が震えてる。  

「うっわー!優、この通りめっちゃカッコいいね!見て!あの屋台になんかでっかい牙売ってる!」  

リナが興奮して指差したのは、巨大な「シルバーファングベア」の牙らしい。
その隣ではゴールデンホークの新鮮な肉が魔法の冷気でキラキラ輝いて並んでる。  
別の屋台では、「ファイアペッパー」という真っ赤なスパイスが火花を散らすようなエフェクトで陳列されてる。  
気分を高揚させる効果があるらしい。  

エリックが豪快に笑いながら言った。  

「ハンターズストリートはルミエールの市場でも一番ワイルドなエリアだぜ!ゴールデンホークの肉は昨日俺らがスライダーに使ったやつだ。今日は、もっとレアな『スターホーンエルク』の肉を狙ってるんだ。」  

ローラが微笑んで付け加えた。  

「スターホーンエルクの肉は、柔らかくて集中力アップの魔力があるの。ハンターズストリートなら、新鮮なのが手に入るよ。  
あなたがどんな料理にするかとても楽しみ!」  

カイラが杖でファイアペッパーをスキャンした。  

「このファイアペッパーは強い刺激と魔力高揚効果があるね。ステーキやスープに少し加えるだけでも味にパンチが出そうね。スターホーンエルクと合わせたら面白い料理になるかも。」  

トムが屋台の奥を覗き込んでニヤリ。  

「スターホーンエルクかー、狩るの難しそうな獲物だな。なあエリック、どんなコツで仕留めたんだ? 俺も剣の腕を磨きてえぜ。」  

エリックがニヤッと笑ってトムの肩を叩いた。  

「トム!いい目の付け所だな! スターホーンエルクは、動きが速くて角から光の魔法を放つんだ。ハンターズストリートのギルドで追跡術と罠の使い方教えるぜ。今度、一緒に狩りに行かねえ?」  

トムが目を輝かせて頷いた。  

「マジか! その技、絶対覚えたい! 優、狩りでいい肉ゲットしたら料理頼むぜ!」  

市場を進むと、別の屋台で「クリスタルハニー」を見つけた。  
ルミナフラワーの蜜より濃厚で甘さにほのかな輝きがある。  
デザートやソースに使うと癒し効果がアップするらしい。  
キラがピピッと鳴いて、クリスタルハニーの瓶に突進した。
まるで「これ、絶対美味しい!」って言ってるみたい。  

「クリスタルハニーかあ、デザートに良さそうだね!スターホーンエルクのステーキに、ファイアペッパーとクリスタルハニーのソース、うん、試してみたいね!」  


---


ハンターズストリートを歩きながらエリックとトムは狩りの話で盛り上がった。  
エリックがスターホーンエルクの追跡術を説明する。  

「エルクは夜に光る足跡を残すんだ。ハンターズストリートのギルドで、足跡を追う魔法の道具売ってるぜ。剣の腕もいいけど、こういう道具使いこなすと狩りが楽になる。」  

トムが真剣な顔で頷いた。  

「道具か…。剣だけで戦ってきたけど、確かに効率上がるよな、うん。エリック、ギルドの道具屋を案内してくれよ。」  

二人は屋台の奥にあるハンターギルドの道具屋へ。  
トムが魔法の追跡ランタンを手に取り、エリックから使い方を教わってる。  
トムの目がいつもよりキラキラしてる。  
新しいスキルを学ぶチャンスに興奮してるみたいだ。  

一方、リナはローラと一緒にファイアペッパーやクリスタルハニーの屋台を回る。  
ローラがリナにスパイスの使い方を教えてくれた。  

「リナ、ファイアペッパーは入れすぎると辛さが強すぎるから、少量を最初に加えて味を見ながら調整するの。クリスタルハニーは、ソースの仕上げに少し垂らすと甘さが引き立つよ。」  

リナがスプーンでファイアペッパーを味見して目を丸くした。  

「うっわ!すっご!めっちゃピリッとする! ローラ、これってステーキにどうやって合わせるの? 教えて教えて!」  

ローラが笑いながら実演してくれた。  

「ステーキを焼く前にファイアペッパーを肉に軽く擦り込むの。焼き上がったらクリスタルハニーを薄く塗って甘さと辛さのバランスを取るのよ。優の料理にはこういうテクニックも合うと思うよ。」  

リナがノートにメモを取りながら興奮気味に言った。  

「ローラ、ありがとう!めっちゃ勉強になる! このテクニック、絶対試すよ!」  

僕とカイラは市場の食材をチェックしながら、クローヴェールとアイデアを交換。  
エリックがスターホーンエルクのステーキの焼き方を提案してきた。  

「スターホーンエルクは脂が少ないから、中火でじっくり焼くのがコツだ。表面に焼き色をつけて、クリスタルハニーでコーティングすると魔力も味も引き立つぜ。」  

カイラが微笑んで言った。  

「その焼き方、いいわね。私の火魔法で、焼き加減を均一にできそうだわ。優、ファイアペッパーとクリスタルハニーのソース、魔法でエフェクト加えてみようか?」  

「いいね!ルミエールの食材とみんなのアイデアで、すごい料理作れそう!」  


---



夕方、ムーンライトインの食堂に戻って市場で買った食材で試作を始めた。  
スターホーンエルクのステーキをエリックのコツで中火でじっくり焼いて、ファイアペッパーを擦り込んでピリッとした風味を。  
仕上げにクリスタルハニーを薄くコーティングし、カイラの火魔法でキラキラ光るエフェクトを加えた。  
サイドにはシルバーヴァインのサラダと、サファイアグレープのジュースを用意。  

エリックが、ステーキを食べて目を輝かせた。  

「こいつはハンターズストリートでもトップクラスだぜ!クリスタルハニーの甘さがエルクの肉にめっちゃ合うな!」  

ローラがサラダとジュースを食べて微笑んだ。  

「シルバーヴァインのシャキッと感と、サファイアグレープの爽やかさ、最高だよ。  
優、ルミエールの食材、ほんと活かしてるね。」  

リナが、ステーキを食べて跳ね回った。  

「ね、ね、このステーキ、めっちゃ美味しい! やっばい!ローラのスパイスの使い方、すっごい勉強になったよ! 次はもっとすごいの作ろう!」  

トムがニヤリと笑って言った。  

「エリックの狩りの話もすげー参考になったぜ。このステーキも狩りに行きたくなる味だな!」  

カイラが微笑んでグラスを掲げた。  

「ルミエールの市場とクローヴェールとの交流でもっと強くなったわね。」  

キラがピピッと鳴いて、クリスタルハニーを舐めて跳ね回る。  
まるで「もっと食べたい!」って言ってるみたい。  

---


試作の後は食堂でクローヴェールと語り合った。  
エリックがルミエールの市場の裏話を教えてくれる。  

「ハンターズストリートの奥にな、夜だけ開く『ミッドナイトマーケット』ってのがあるんだ。レアな魔獣の食材やら魔法の調理器具が手に入るぜ。明日、俺らと一緒に行かねえ?」  

ローラが笑いながら付け加えた。  

「ミッドナイトマーケットはちょっと怪しいけど面白い食材がいっぱいだよ。優ならきっとすごいもの作れる!」  

リナが目を輝かせて叫んだ。  

「ミッドナイトマーケット!? めっちゃ行きたい! 優!絶対行こうよ!」  

トムがニヤリと笑って言った。  

「へえ、夜の市場か。エリック、怪しいやつがいたら俺の剣でカバーするぜ。」  

カイラが微笑んで言った。  

「ルミエールの市場はどこまで深いんだろうね。ミッドナイトマーケットでどんな食材見つけるか楽しみだわ。」

そんなわけで満場一致で、明日はクローヴェールとミッドナイトマーケットへ行くことになった。
ルミエールの奥深さをもっと味わいたいな。
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