優の異世界ごはん日記

エルフの森への旅支度

日記 二十二日目


ルミエールの喧騒は、まるで星が地上で輝くような活気で溢れている。  
昨日、スターダストバザールで手に入れたクリムゾンミントやグロウベリーを手に、今日はエルフの森への旅のための携行食を準備した。  
セリナの話す森の神秘、ムーンストーンフルーツの輝きが、僕たちの心を掴んで離さない。  
キラがピピッと鳴きながら、まるで「旅の準備、僕も手伝うよ！」って言ってるみたい。  
エルフの森への長い旅、どんな冒険と料理が待っているんだろう？  

---


朝の光が宿屋「ムーンライトイン」の窓から差し込み、キラがテーブルの上でふわふわの羽を揺らしてピピッと鳴く。まるで「美味しいもの作るよ！」と張り切ってるみたいだ。  
リナは朝食のサラダを食べながら、目をキラキラさせて言う。  

「ねえ、優！ エルフの森！セリナが言ってたムーンストーンフルーツさーめっちゃ気になる！ でもさー？馬車で2～3日かかるんなら絶対美味しい携行食が必要だよね！ エナジーバーとか、キラキラでテンション上がるやつ作ろうよ！」  

カイラが魔法のメモと地図を手に、穏やかに微笑む。  

「リナの言う通り、長い旅には栄養たっぷりの携行食が必須ね。クリムゾンミントで清涼感、グロウベリーで魔力回復を加えたエナジーバーなら、森への道も元気に乗り切れるわ。優、どんなレシピにする？」  

トムが地図を広げ、追跡ランタンを手にニヤリと笑う。  

「2～3日の馬車旅か。星見の丘とか途中の村で野営するなら、食材や装備もバッチリ準備しねえとな。セリナ、森までの道で何か気をつけることあるか？」  

「うん、エナジーバー、いいアイデアだね！ クリムゾンミントとクリスタルハニーで、軽くて美味しいやつ作ろう。キラ、食材の匂いチェックも頼むよ！」  

キラがピピッと鳴いて、テーブルを跳ねる。まるで「僕がバッチリ見つけるよ！」って言ってるみたいだ。  

---


今日はスターダストバザールが開いている土曜だが、昨日の買い出しで十分な食材（クリムゾンミント、グロウベリー、クリスタルハニー、ナイトクロウの燻製、サンライムのドライフルーツ）を確保済み。宿屋の厨房で、クローヴェールのエリックとローラ、グリーンソングのセリナと合流し、携行食の試作を始める。  

セリナが穏やかに微笑み、クリムゾンミントを手に取る。  

「エルフの森への道は、ルミエールの交易路を外れて森の奥に入るから、静かで神秘的なの。クリムゾンミントは森でもよく使っていて、エナジーバーにすると旅の疲れを癒してくれるわ。」  

リナが目を輝かせて言う。  

「森の奥！ ロマンチック！エナジーバーにクリムゾンミントたっぷり入れて、キラキラさせようよ！ ねーねーセリナ、ムーンストーンフルーツってどんな味？」  

セリナが静かに目を細める。  

「ムーンストーンフルーツは月光を吸収して、甘酸っぱくて柔らかい輝きがあるの。癒しと魔力増強の効果があって、デザートやジュースにすると本当に素敵。森に着いたら、摘みたてで試してみましょう。」  

カイラが地図を見ながら言う。  

「ルミエールから森まで2～3日なら、星見の丘と途中の小さな村で休憩できそうね。セリナ、エルフって人間とどのくらい交流してるの？ 森に招待されるなんて特別な感じがするわ。」  

セリナが穏やかに答える。  

「エルフは人間と友好的だけど、森の文化を守るためにもあまり都市には出ないの。私はルミエールの料理コンテストに興味があって出てきたけど、森の仲間は滅多に外に出ないわ。優さんたちの料理への情熱を森のみんなにも見せたいなって思ったの。」  

エリックが豪快に笑う。  

「ハハッ！ セリナ、いい奴だな！ 優の料理ならエルフもメロメロだろ！ 俺も森の食材が楽しみだぜ！ トム、途中で狩りでもやるか？」  

トムがニヤリと笑う。  

「星見の丘の近くならスタードロウって魔獣が出るって話だろ？ 追跡ランタンでバッチリ追うぜ。優、そん時はグリル頼むな！」  

ローラが微笑んで言う。  

「長い旅には、軽くて美味しいエナジーバーがぴったりね。リナ、クリスタルハニーの混ぜ方、しっかり教えるから、試作頑張りましょう。」  


---


宿屋の厨房で、スターオーブンを使って携行食の試作開始。
クリムゾンミントを細かく刻み、グロウベリーとクリスタルハニーを混ぜ、ナイトクロウの燻製を砕いて生地に練り込む。スターオーブンの低温機能で焼き上げ、軽くて栄養満点のエナジーバーを作る。カイラが風魔法で表面に星屑のような輝きを加えると、まるで夜空を閉じ込めたような見た目だ。  

セリナがサンライムのドライフルーツとクリアリーフを細かく刻み、持ち運びやすいサラダバーを作ってみせる。クリムゾンミントを軽く振りかけ、爽やかな酸味が旅の疲れを癒すだろう。ローラがリナにハニーの混ぜ方を指導している。

「リナ、ハニーは温めてから生地に混ぜると、滑らかに馴染むわ。クリムゾンミントは焼き上がりに軽く振ると、香りが長持ちするよ。」  

リナがメモを取りながら目を輝かせる。  

「ハニーを温める！ 了解！ ローラ、セリナ、ありがとう！ このエナジーバー、みんなで星見の丘で食べたら絶対テンション上がるよね！」  

トムが旅の装備を整理しながら言う。  

「へー、エナジーバー、いい感じだな！ 俺は追跡ランタンと小型の調理キットを馬車に積んどくぜ。星見の丘でスタードロウを見つけたらすぐグリルできるようにさ。」  

エリックがナイトクロウの燻製を手に豪快に笑う。  

「この燻製はスタミナアップ効果があるぜ！旅の途中で腹減ったら、これ食ってガッツリ動こうぜ！」  

カイラが地図を指差しながら言う。  

「星見の丘は魔力が強い場所みたいね。野営中にエナジーバーの魔力効果を試してみたいわ。セリナ、ムーンストーンフルーツの魔力ってどんな感じ？」  

セリナが穏やかに答える。  

「ムーンストーンフルーツは、月光を浴びると魔力が強まるの。摘みたてを食べると、心と体が軽くなるわ。森に着いたら、優さんのレシピで試すのが楽しみ。」  

キラがピピッと鳴いて、エナジーバーの欠片を舐めながら跳ね回る。まるで「旅のバー、僕も食べるよ！」って言ってるみたいだ。  


---


試作の後、食堂で地図を広げて旅の最終確認をする。セリナが静かに切り出した。

「エルフの森までは馬車で2～3日。明日、朝早く出発して、初日は星見の丘で野営。2日目に小さな村、ウィンドウィスパーを通過して、3日目の朝に森の入り口に着く予定。ムーンストーンフルーツは夜に摘むのが一番よ。準備は大丈夫？」  

リナが目を輝かせて言う。  

「星見の丘で野営！ ウィンドウィスパー！ めっちゃ冒険っぽい！ 優、エナジーバーとサラダバーで、旅を最高にしようよ！」  

カイラが地図を見ながら言う。  

「ウィンドウィスパーって村はどんなところ？ 食材や魔法の情報などは手に入りそう？ 森に近づくにつれて、魔力の変化も感じてみたいわ。」  

「ウィンドウィスパーはエルフの森の入り口に近い小さな村なの。ハーブや地元の果物が手に入るし、旅人向けの宿もあるわ。星見の丘では、夜露の花が採れるかもしれない。トムさんの追跡ランタンで探してみて。」  

トムがニヤリと笑う。  

「夜露の花か、いいな！ スタードロウもその辺にいるだろ？ 優、野営で何か一品作れるか？ グリル楽しみだぜ！」  

エリックが豪快に笑う。  

「馬車の手配は俺に任せろ！ 優のエナジーバー持って、星見の丘でガッツリ食うぜ！ セリナ、森のグリルも頼むな！」  

ローラが微笑む。  

「長い旅には、癒しのデザートもね。リナ、アンバーローズのシロップ、魔法瓶に入れて持っていく？ 星見の丘の夜にぴったりよ。」  

「絶対絶対いれる！！」


---


クリムゾンミントの清涼な香りと、グロウベリーの輝きを詰め込んだエナジーバーが、僕たちの旅への期待を高めてくれる。  
明日、朝早く馬車でルミエールを出発し、星見の丘での野営へ。そこからウィンドウィスパーを経て、エルフの森へ向かう。  
ムーンストーンフルーツ、夜露の花、スタードロウのグリル。  
静かな森の魔法と、どんな料理が生まれるのかな？