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ルナソレイユの別れとソルティエの第一歩
しおりを挟む日記 四十一日目
ルナソレイユでセリナさん、シエルヴェインさんと別れ、僕たちは交易都市ソルティエにたどり着いた。
市場の喧騒とサフランシュガーのスパイシーな甘さが、新しい旅の始まりを告げている。
エルフのハーブを手に、ヴィエルロワイヤルの騒動を遠くで見守り、みんなで新しいレシピに挑んだ。
キラのピピッという鳴き声が、まるで「この味、僕も味わいたい!」って囁いてるみたいだ。
仲間たちとの時間が、そっと胸に響く。
---
朝、ルナソレイユの丘陵でセリナとシエルヴェインに別れを告げる。月光と霧が交錯する丘に、エルフの集落へ続く小道が伸びていて、セリナがブリヤントワールのタルトを手に、穏やかに微笑んでいる。
「優さん、エルフの地で教えたハーブと料理、集落のみんなに伝えるわ。セドラリーフ、フォンブランシュ、ヴィオレソルト、全部大切に使うね。ソルティエでも、優さんの味、楽しみに待ってるわ。」
シエルヴェインが優の作ったタルトを手に、目を細める。
「優さんの料理はルナソレイユの光そのものだったわ。霧オーブンや光の盛り付け、集落で再現してみるね。いつかまた、どこかで会えたら、優さんの新しい味、食べさせて。」
僕が二人を見ながら言う。
「セリナさん、シエルヴェインさん、エルフのハーブと魔法の料理、ほんとに勉強になりました。ありがとう。集落でみんなに伝えてください。僕も、ソルティエで新しい味を頑張って作ってみるよ。」
リナがタルトの包みを渡しながら、目を潤ませる。
「セリナさん、シエルヴェインさん、寂しいよ…。でも、優のタルト、すっごくすっごく美味しいから集落でみんなで食べてね! ……また会えるよね?」
「ええ、リナ。勿論よ。また一緒に料理しましょうね。」
トムが荷台から顔を出しながら笑う。
「おいリナ、泣くなよ! セリナ、シエルヴェイン、エルフの料理、すげえ勉強になったぜ。優の味、集落でちゃんと広めてくれよ!」
カイラがスキャナーを手に、静かに言う。
「セリナさん、シエルヴェインさん、これ、ハーブの魔力データです。良かったら集落で使ってください。色々教えてくれてありがとう。とても勉強になったわ。」
「カイラ…!ずっと記録していたのね?こんないいものを貰っていいのかしら…ありがとう。活用させてもらうわね!」
エリックが拳を握り、笑う。
「セリナ、シエルヴェイン、優の料理、集落でドカンと広めろよ! ソルティエでも、俺たち負けねえぜ!」
ローラが微笑みながら言う。
「セリナさん、シエルヴェインさん、優の料理にエルフの知恵をくれてありがとう。ソルティエでも、私たちが引き継ぐわ。」
セリナがリナの手を握り、言う。
「リナ、カイラ、優さん、みんな、ありがとう。この味、集落の子どもたちにも教えるわ。ソルティエの旅、気をつけてね。」
シエルヴェインがキラに手を振る。
「キラ、優さんのそばで元気でね。」
キラがピピッと鳴き、ふわふわの羽を揺らす。まるで「セリナ、シエルヴェイン、バイバイ!」って囁いてるみたいだ。エルフの二人が小道を去って馬車はソルティエへ向かう。
---
昼、馬車がソルティエに到着。石畳の広場は商人や旅人で賑わい、屋台にはサフランシュガーの黄色い結晶、セドラリーフ、フォンブランシュ、ヴィオレソルトが並ぶ。スパイスや焼き肉の香りが漂う。僕は市場を見回しながら言う。
「わあ…ソルティエ、活気すごいな。サフランシュガーってどんな味なんだろう? ローラ、都市の料理ってどんな感じなの?」
ローラが屋台を眺めながら答える。
「ソルティエはスパイスや濃い味が特徴よ。サフランシュガーは甘さとスパイスのバランスがいいわ。エルフのハーブと合わせたら、面白いタルトになるわよ。」
リナが屋台に近づき、目を輝かせる。
「優! サフランシュガー、キラキラしてる! タルトにしたら美味しそう! ローラ、買い物のコツも教えて!」
ローラが微笑む。
「リナ、新鮮な結晶は色が鮮やかよ。値引き交渉は落ち着いてね。」
カイラがスキャナーを手に言う。
「優、セドラリーフとヴィオレソルトは市場の専門店で買うわ。魔力強いものを選ぶわ。トム、エリック、近郊でフォンブランシュ採取に行かない?」
トムが市場の外を眺め、笑う。
「カイラ、いいぜ! 俺、フォンブランシュ見つけるぜ。エリック、丘陵で掘ってみね? 甘い香りが強そうな場所だぞ。」
「トム、力仕事は俺の得意分野だ! フォンブランシュ、ガッツリ掘り出すぜ! 優、市場でいい食材見つけておけよ!」
買い物と採取が始まる。リナとローラが屋台でサフランシュガーを吟味。リナが結晶を手に言う。
「優! サフランシュガー、甘い香りがすごい!ね!ローラ、この結晶はタルトにどうやって混ぜるの?」
ローラが指導する。
「リナ、よく選んだわ。サフランシュガーは生地に混ぜるとスパイシーな甘さが出るのよ。タルトの層にするなら、クレームフルールで滑らかさを加えるのがコツよ。」
カイラが専門店からセドラリーフとヴィオレソルトを持ち帰り、言う。
「セドラリーフの魔力がとても安定してるわ。ヴィオレソルトは少量でスパイシー。タルトにどれくらい入れる?」
トムとエリックが丘陵からフォンブランシュを持ち帰り、トムが笑う。
「カイラ、セドラリーフいいな! 俺、フォンブランシュたっぷり採ったぜ。甘い香り、タルトにもグリルにも合いそう!」
その時、市場の路地で騒ぎが起きた。ヴィエルロワイヤルが屋台の食材を狙い、商人たちが慌てて叫んでいる。光る尾を持つ魔獣が、路地の影を素早く動き回る。トムが追跡ランタンを構え、言う。
「エリック、カイラ、ヴィエルロワイヤルだ! 路地の混雑で動きが読みにくいぞ! 俺が光で牽制する!」
カイラが風魔法を準備して言う。
「トム、了解! 私が尾を鈍らせるわ。エリック、剣で動きを止めて!」
エリックが剣を握り、笑う。
「カイラ、トム、任せろ! 優、リナ、ローラ、食材守ってくれ!」
僕が荷台のサフランシュガーを抱え、言う。
「トム、エリック、カイラ、気をつけて! 僕、リナ、ローラで食材守るよ!」
リナがセドラリーフを手に、叫ぶ。
「優、食材大丈夫! トム、早くやっつけて!」
カイラの風魔法がヴィエルロワイヤルの尾を鈍らせ、トムのランタンの光が魔獣を路地の角に追い込む。エリックが剣で尾を狙い、動きを止める。数分後、魔獣は気絶し、商人たちが安堵の声を上げる。エリックが笑う。
「ハハ! トム、カイラ、ナイス連携だ! 優、食材無事か? こいつ、グリルにピッタリだぜ!」
僕がサフランシュガーを確認し、言う。
「食材は全部無事だよ。みんな、すごいよ! ヴィエルロワイヤル、グリルにしたら香ばしそうだね。」
---
市場近くの広場でキャンプを設営し、焚き火を囲む。トムとエリックがヴィエルロワイヤルを解体し、僕がサフランシュガー、クレームフルール、セドラリーフ、フォンブランシュ、ヴィオレソルトを準備。キラがサフランシュガーを嗅ぎ、ピピッと鳴く。まるで「この結晶、美味しそう!」って囁いてるみたいだ。
僕が食材を並べながら言う。
「サフランシュガーのスパイシーな甘さ、ソルティエの市場にぴったりだね。タルトにクレームフルールで滑らかさ、セドラリーフで爽やかさ、フォンブランシュで甘み、ヴィオレソルトで締めたいな。」
ローラが微笑む。
「優、サフランシュガーは生地に混ぜるとスパイシーな甘さが出るわ。リナ、一緒に生地をこねてみる? 軽く混ぜるのがポイントよ。」
リナが目を輝かせる。
「ローラ、ありがとう! 優、タルトにサフランシュガーを散らして、市場の明かりみたいな模様描きたい! カイラ、魔力で何かアイデアある?」
「市場の明かり、いいわね。優、サフランシュガーの魔力は癒し効果が強いから、フォンブランシュを多めに使うとバランス良いわ。ヴィオレソルトは表面に軽く振って、味を引き締めて。」
トムがヴィエルロワイヤルの肉を手に、笑う。
「カイラ、分析助かるぜ! 俺はこの肉にサフランシュガーとフォンブランシュで甘スパイシーな味にしたい。ヴィオレソルトでピリッと締めるぜ。エリック、焼き加減どう思う?」
エリックが焚き火を調整し、笑う。
「甘スパイシーか、最高だな!優、強めの火でサクッと焼いて、香ばしさ全開にしようぜ!」
試作開始。サフランシュガーを砕き、クレームフルール、セドラリーフ、フォンブランシュ、ヴィオレソルトを混ぜ、スターオーブンで焼いてタルトに。ローラがリナに生地のこね方を指導し、リナがセドラリーフを散らして市場の明かりの模様を描く。食べると甘さとスパイスの調和が広がり、癒し効果を感じる。ヴィエルロワイヤルの肉は薄く切り、サフランシュガー、フォンブランシュ、セドラリーフ、ヴィオレソルトで味付けし、強めの焚き火で焼く。濃厚な香りが漂い、食べるとスタミナアップ効果が広がる。
僕がタルトを食べて言う。
「このタルト、サフランシュガーのスパイシーな甘さがソルティエの活気みたいだ。リナ、ローラ、市場の明かりの模様、最高だよ! トム、エリック、グリルどうだった?」
リナがタルトを食べ、笑う。
「ローラの指導、ほんと勉強になった! このタルト、市場の夜みたい! みんな、もっと食べて!」
カイラがタルトを食べ、頷く。
「クレームフルールの滑らかさ、絶妙ね。グリルも香ばしくて良いわよ。」
トムがグリルを頬張り、笑う。
「優、このヴィエルロワイヤル、香ばしくて最高! 」
エリックが焚き火のそばで笑う。
「ハハ! 優、このタルトとグリル、ソルティエの喧騒より輝いてるぜ! 市場の連中、ビックリするな!」
ローラが微笑む。
「優、リナ、タルトの生地、よくできたわ。ソルティエのスパイスもいい刺激ね。次も新しい食材で試してみましょう。」
---
市場の明かりが瞬く中、焚き火を囲む。ローラが市場の話を始める。
「ソルティエの市場には明日フルールドラジェって甘い果実が入るらしいわ。サフランシュガーと合わせると、素敵なムースになるわよ。」
僕が焚き火を見つめながら言う。
「フルールドラジェ、ジューシーな甘さ、楽しみだね。ムースなら、どんな食感や見た目がいいかな?ローラ、都市のムース作りってどんなコツがある?」
ローラが微笑む。
「優、フルールドラジェは果汁を活かすと良いわ。リナはムースの層、どんな模様にしたい?」
リナが少ししんみり言う。
「ローラ、優、フルールドラジェでムース作って、市場の光みたいな層にしたいな。でも…セリナさんたちと別れて、なんか寂しいよ。この旅、いつまでみんなでいられるんだろう。」
カイラがスキャナーを手に、静かに言う。
「リナ、わかるわ。ソルティエに来て、この旅、いつか終わるのかなって思うの。……優、フルールドラジェの魔力は癒し効果が強そうよ。フォンブランシュで甘さ引き出す? 」
トムが焚き火に薪をくべ、笑う。
「カイラまでしんみりすんなよ! 優、フルールドラジェで派手なムース作ろうぜ! 」
「お前ら考える前に食え! 優、ソルティエでまだまだ料理作って、市場を驚かせようぜ! もしいつか別れても、俺は優の味、忘れねえぞ!」
僕がみんなを見ながら言う。
「セリナさんたちとの別れ、寂しかったけど、ソルティエの市場、ほんと賑やかだね。みんなとこうやって料理作ったり、笑ったりする時間、ずっと覚えてたい。フルールドラジェ、楽しみだな。」
誤魔化すように笑ったけれどもキラには無理して笑ったのがわかったのかいつもよりもずっと僕にスリスリと体を寄せていた。
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ルナソレイユでの別れと、ソルティエのサフランシュガーのスパイシーな甘さは僕たちの旅に新たな一ページを刻んでくれた。
明日はフルールドラジェを探しに市場へ向かう。
この旅がいつまで続くのかわからないけど、仲間たちと作る料理は、僕の胸に深く残る。
次の食材は僕達にどんな瞬間をくれるんだろう。
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