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067 レッドクィーンを攻略せよ!
しおりを挟むカラン、カラン、カラン……
――しまった!
うっかり落ちていた小石ならぬ小さなブロックを蹴飛ばしてしまう。
足音に気をつけながら建物の外通路を移動していたときのことである。
女王がいるという場所まで、あと少しという地点でポカをやらかしてまった。
とっさに身を伏せて、わたしはドキドキ。
いつでも攻撃に転じられるように、武器に手をかける。
が、デカアリどもが駆けつけてくる様子はなかった。
どうやら取り越し苦労であったらしく、「ふぅ、セーフ」と額に浮かんだ汗を拭う。
自覚はなかったけれども、いつのまにやら視野が狭くなって気も急いていたらしい。
わたしは深呼吸をくり返しては、心身を落ち着かせてからゆっくりと立ち上がった。
ほどなくして一枝さんの見つけた絶好の狙撃ポイントへと到着した。
壁にはちょうど人がひとり通り抜けられそうな大きなひび割れがある。
首だけをのばして、こっそりのぞいてみる。
室内にいるレッドクイーンを斜めうしろから見下ろす位置にて、後頭部が丸見え。
「大きいね……二階建ての家ぐらいもあるじゃない。しかも全身が真っ赤だ」
さすがは赤の女王さま。
貫禄の巨体にて、デカアリと比べたらまるで大人と子ども。
でも、お腹やお尻がぷっくり膨らんでおり体は重たそうだ。あの図体ではあまり素早くは動けないはず。
そんな威容のうちでも、特に目立っていたのが青い宝石のようなパーツ。
他がブロック特有の凹凸のある形状なのに、これだけ表面がツルツルしてキレイであった。
「あれがレッドクィーンの弱点……」
「だね。チチチ、ほら、気づかれちまう前にさっさと仕留めちまいなよ、ミユウ」
「う、うん」
うなづきわたしはさっそく武器を構えた。
光線銃を両手で持ち、片目をつむっては舌なめずりにてしっかりと狙いを定める。
牙寿郎との第三の試練の儀で散々にドンパチをやった経験が、よもやここで活きてくるとは思いもしなかった。
長い人生、何事も一度ぐらいは体験しておいて損はないものだ。
なんぞと考えつつ、わたしは引き金をひいた。
ヴィヴィヴィ~ン。
発射された白緑の怪光線は狙いあやまたず、レッドクィーンの弱点へとヒットする。
とたんに女王さまは声にならない悲鳴をあげて、その身をブルブル震わせた。
――よかった、ちゃんと効いている!
だからわたしは、このままたたみかけるべく、さらに一歩前へと踏み出したのだけれども、その時のことであった。
バキっという不穏な音がして、いきなり足下が崩れたもので「あっ」
なにせここは廃工場跡である。
建物全体がモロくなっていたところで、大きなレッドクィーンが激しく貧乏ゆすりなんてしちゃったものだから、その影響が周囲にまでおよぶ。
レッドクィーンを震源地として、局所的な地震が発生し、建物がガラガラと半壊してしまった。
とはいえ、ここはブロックランドである。
すべてがブロックで構成され再現されている世界なので、本当の崩壊とはちがうから巻き込まれたとしても死ぬことはない。
ただただ大量のブロックに埋もれるだけである。
ブロックの瓦礫の山から「ぷはーっ」
わたしが顔を出せば景色が一変していた。
工場の母家の屋根は落ち、壁もあちこち崩れており、瓦礫の山もできている。
これにより母家の入り口の方とは完全に分断されてしまい、警護のデカアリどももすぐには駆けつけられないのは都合がいいけれども、それすなわちレッドクィーンとわたしだけが隔離されてしまった状況でもあるわけで……
ギチギチと口元の牙を打ち鳴らしては威嚇してくるレッドクィーン。
すっかりお冠のご様子にて、わたしは顔を引きつらせ冷や汗たらり。
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