極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。

 だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。

「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」

 優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。



 ……これは一体どういう状況なんですか!?



 静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん

 できるだけ目立たないように過ごしたい

 湖宮結衣(こみやゆい)

 ×

 文武両道な学園の王子様

 実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?

 氷堂秦斗(ひょうどうかなと)



 最初は【仮】のはずだった。

「結衣さん……って呼んでもいい?

 だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」

「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」

「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、

 今もどうしようもないくらい好きなんだ。」

 ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
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