水色オオカミのルク

月芝

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152 ミラ・レポート

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 対象の水色オオカミの子ども。
 天の国から地の国へと降りてきた正確な日時は不明。
 野ウサギの兄弟およびカラスとともに西の森の魔女エライザと接触した後に、野ウサギらを住処の森に送り、すぐに別れたらしい。

 対象の水色オオカミの子ども。
 バロニア王国の古代遺跡に滞在中、神像ガァルディアが復活。
 建国の父、からくり王の異名を持つクラフトが制作したらしいが詳細不明。
 ただしこれにより一部都市機能が回復した模様。
 なお潜入調査は失敗。山間の高台にある土地による濃霧のせいか?

 対象の水色オオカミの子ども。
 荒地の古城に住み着いているグリフォンに接触。
 グリフォンの信任を得る。
 聖剣を持つ光の勇者一行とも懇意になった模様。
 なお対象の造り出す氷にはふしぎなチカラが宿っており、魔力を散らす効果があると推察されるが、詳細は不明。

 対象の水色オオカミの子ども。
 翡翠のオオカミと旅を続けて各地をめぐる。
 そのなかで指導を受けてメキメキ実力をのばす。
 二頭の動きは速く追跡は困難。待ち伏せにて網をはり、動向を探った。
 水色オオカミを捕獲するには、数による人海戦術が効果的かもしれない。

 対象の水色オオカミの子ども。
 風の草原にてウマたちと接触。しばし滞在の後に去る。
 なお彼の地にては、部外者への目がきびしく、どうしても対象に近づけず。
 監視は、高所からか遠目のみゆえに、草原で何をしていたのかは詳細不明。

 対象の水色オオカミの子ども。
 迷いの森と悪魔の山に立ち寄った模様。
 森は深く暗くとても入り組んでおり、追跡困難。
 悪魔の山にいたっては、得体のしれないチカラが働いているらしく、近寄ることもかなわなかった。あの山には何かがあるのは明白。注意されたし。

 対象の水色オオカミの子ども。
 火の国にてはじめて本格的に人間と接触。
 狩人の娘の家に滞在して、街の祭事にも参加していた。
 途中から女戦士がこれに加わる。
 この両名、妙にカンがするどく、あまり対象の近くには寄れなかった。
 数日、姿を消したとおもったら戻ってきたときにはウマを一頭つれていた。

 対象の水色オオカミの子ども。
 火の山の噴火にて、火口からあふれだした赤い川をチカラにて封じ込めることに成功。
 山の姿を一変させるほどの強大なチカラ。
 だがかなりムリをしたらしく、ボロボロになってしまった。
 そこを誤解して錯乱、暴徒と化した民衆におそわれるも、あわやというところに赤サビ色をしたドラゴンが飛来し、その身を連れ去ってしまった。

 対象の水色オオカミの子ども。
 赤サビ色のドラゴンに連れられ飛行中。
 あまりの速度にて、追跡は途中で断念せざるを得なくなった。

 対象の水色オオカミの子ども。
 赤サビ色のドラゴンの手により、竜の谷に運び込まれたことが判明。
 ガロンさまが捕獲に動くも、潜入を見破られて失敗。
 なおドラゴンたちの住処には特殊な結界が張りめぐらされており、ガロンさま以外には潜入をはたせず。
 内部での詳細は不明。

 対象の水色オオカミの子ども。
 ひさしぶりに山岳部にて対象を発見。ふたたび追跡を開始する。
 カラダがすこし大きくなってたくましくなっている。
 それにともない能力もあがったのか、妙にカンがするどくなり、あまり近づきすぎると視線に反応するような素振りがみられる。今後の監視のときには注意されたし。
 あと気のせいかもしれないが、雰囲気も若干かわった?

 対象の水色オオカミの子ども。
 人里へと降りて、なにやらコソコソと動いていたものの、詳細は不明。
 おそらくは谷底にて拾った銀の髪飾りを、村の女に届けていたと思われる。
 どうしてそんな行動をとっていたのかはわからない。

 対象の水色オオカミの子ども。
 ひたすら北へと進路をとっている。日によって移動距離はまちまちながらも、動きがはやく気まぐれゆえに追跡がムズかしい。応援を求む。



 次々と送られてきては、机の上に山積みにされていた報告書。
 その一枚一枚に目を通しては書かれている内容を精査して、時系列ごとに簡潔にレポートにまとめていたのはミラ。
 白銀の魔女王レクトラムの配下にして、大蛇が化身した赤髪の美しい女。
 主人の命令にて、あちこちに女官として潜り込んだりしているうちに、この手の書類仕事はひと通りこなせるようになっているから、どうってことはないのですが、いかんせん情報が雑多。
 おかげ目を通すだけでも、とってもたいへん。
 ちょっと休憩と、ペンを置き、ミラはにらめっこしていた書類から顔をあげました。
 細かい文字を読み続けたせいで、眉間に出来たシワを指先にてグリグリとモミほぐす。

「ふぅ。コークスみたいに自分の羽で分身体を造れるのって、便利かもとかずっと思っていたけれども、こうなると考えものね。手下が増えるのはいいけれども、意識が共有できないのはダメだわ。結局、直接話しを聞くか、報告書の形になるからひと手間もふた手間もかかるのよね」

 そうボヤきつつ、残っている書類の山を見て、げんなりするミラ。
 この分だと、まだまだ机の前から離れられそうにもありません。


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