乙女ゲーの世界に聖女様として召喚されたけど興味がないので妹に譲ります

ゆずぽんず

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神様ありがとう

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ドアが開かれて現れたのは茶髪の青年。黄色のマントと白いスーツを見に纏った優しそうな青年は二人を見るとにこりと微笑んだ。


「こんにちは、聖女様…が二人?」
「は?聖女様?誰のこと?」
「君たちのこと、かな」


誰だこいつ、と疑い深い姉は妹を腕に隠す。
青年はゆっくりとこちらに近づいてくる。


「この部屋はね、聖女様を召喚する部屋なんだよ。今日、それが行われたはずなんだけど二人いるなんて聞いてないな」
「…?意味がわからないな。聖女様なんて漫画の読みすぎなんじゃない」
「まあ、初めましての人にこんなこと言われてすぐ信じる人なんていないよね」


姉は眉を顰めて青年を睨む。彼が目の前に来ると手を差し伸べられる。姉は冷や汗を流して、それを受け入れられずにいると


「お姉ちゃん!邪魔!!」
「ぶへ」


妹にどんと突き飛ばされた。床に顔面をぶつけた姉を無視して妹は青年にもとに駆け寄る。
「なんでや…」とか細い声を漏らす姉は口から魂が出ていた。


「きゃーー!本物!?すごい!!超イケメン!!」
「あれ、君は俺のこと疑わないんだね」
「勿論!攻略対象のこと疑うわけないです!」
「コウリャクタイショウ?」


「ほんとかっこいい!やばい!うれしい!」ときゃっきゃと喜んでいる妹に姉は床に這いつくばりながら問う。


「い、妹よ…お姉ちゃんを突き飛ばすとはどういうことなん…」
「あ!ごめん!つい!でもこんな夢みたいなことがあるなんて!」


目をキラキラさせた妹が天に向かって言う。


「神様ありがとう!まさか乙女ゲーの世界に召喚されるなんて!!!」


は?と姉が一瞬で呆れたようにあんぐりと口を開けた。
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