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15話 家を買いました
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1番安く借りられる家を聞いたら、森の近くだった。
要するに、町のド外れ。
毎月銀貨1枚で借りるか、金貨2枚で買うかと聞かれ、買うことにした。
単に毎月支払うの忘れてしまいそうだったからである。俺ズボラだから……。
そしてあまりの安さに不安は不安だ。
家についてみると、ボロっちいけど広い。
小さいけどお風呂までついていた。水は出ないかもしれないけどな。
なんと言っても安いし。
「2千カーネ(約2万円)で買える家だから期待していなかったけど、そんなに悪くなかったな」
「そうですね。サフィ様と暮らせるのですから、どんな場所でも天国みたいなものですよね」
ん?
なんとなく意思疎通できてなかったような……まあ、いいか。
「なあ、リク。俺ちょっと掃除してるから、買い物してきてくれ」
一通り部屋を見て、掃除は俺がやった方がはやいと判断した。
もちろん町をよく知っているリクが買い物をした方が効率もいいからだけどな。
「はい。何を買ってきましょうか」
「まずは主食だろ?野菜と果物も見てきて欲しいかな。肉はまだあるからいらないし、布類は買ってきたから、あ!歯ブラシとか石鹸とか日用品かな」
さすがに浄化だけじゃなくて歯も身体もゴシゴシしたい。
「急いで行ってまいります」
「いや、久しぶりの町でリクも見たい物もあるだろう?ゆっくりしてきていいからな」
鬼気迫る買い物客とか、俺が店主なら怖えよ。
「サフィ様と離れてるとか耐えられませんから、早く帰ります」
「あ、うん、そ、そっか」
俺と離れるの、まだ不安なのかもな、うん。
俺が悪いんだから仕方ないな。
ぎゅーとかほっぺにちゅーとか、仕方ないな。
ンなわけあるか!早く行け。
さて、リクが出かけたから掃除を始めるか。
まずはリビングだろうな。
「浄化!」
軽く拭いて浄化をかけると、少しだけ広く綺麗になる。木目とかピカピカで新品みたいになる。
掃除もしないで浄化だけかけると、狭い範囲しか浄化できないんだよな。新品みたいになるのは一緒だけどさ。
結果、何度も何度もやる羽目になるから、家の掃除に対して俺の魔力じゃ足りなくなってしまうと思うんだ。
だから地道な掃除自体も必要だ。
よし、綺麗になった。
森で使っていた切り出し机と丸太椅子を並べると、あまりの違和感にいつかちゃんとした物を揃えようと決心することにはなったが。
家具がピクニック仕様では、ちゃんとした家には合わないもんなんだな。
次はキッチンだ。
埃はまとめて、布巾でひと通り拭う。これでいいかな?
「浄化!」
おお、ピカピカ。新品。
便利だよなー、浄化。
2階に上がってぐるりと見たけど、部屋の中ですぐにでも寝室になりそうなのは、2つベッドがあるこの部屋だけだ。
俺とリク、同じ部屋の方がいいかな?
森でも一緒に寝てたし、なんかべったりだし。
嫌って言われてから移動すればいいだろ。俺から離れる選択するのはなんか怖えぇんだよな。
そうと決まれば掃除掃除と。
「浄化!」
ふう。
敷布団を敷いてベッドを包む。
クッションはそんなによくないけど、テント生活に比べれば文句もない。
あ、枕を買ってくるの忘れてた。
掛け毛布を出して、ん、ひとまず今日寝るには問題ないか。
他の部屋は後回しでいいかなー。
魔力も心許ないし、まだまだ他にやらないといけないことがあるから、魔力の温存しよっと。
他の部屋は掃き掃除だけしておいて、浄化は明日だな。
軽く部屋の掃除が終わると、家の裏に回って屋根に覆い被さるように生えている木を何本か引き抜いた。
根っこを引き抜いてできた穴を綺麗にならすと、ボーボーだった家の周りに裏庭ができあがった。
今日は入れないけど、明日にはお風呂にも入りたいし、切った木を薪状にして積んでおくことにする。
もちろん乾燥もさせておく。
これで俺がいない時、リクだけでも火を得る心配はなくなった。
それにしても、平垣も何も無いから森から獣が来た時が心配だよなあ。
すぐ隣が森なのに、この家、あのテントみたいに動物避け魔獣避けはされていないし。
……垣根でも作るか?
森の中には太い木もあれば細い木もある。
俺は間引きをする感じで、細い方の木を切ると、俺の背の高さくらいに切って玄関前に突き立ててみた。
一気にめり込んだ。
「力入れ過ぎて腰までの高さになっちまった」
これでは獣除けにならない。獣なら軽く飛び越えられるだろ。
もう少し長さがいるな。
サクッと切ってポスッと刺す。
家の前と右、2面分木を刺したところで考えた。
庭の大きさをどうしようかと。
間引いたら、何も無いところがけっこう広くなったのだ。
庭にしてもいいし、何か育ててもいいか。
目指せ、自給自足!となると、そこそこ広く囲んだ方がいいか?
じゃあ、この大きい木も邪魔かなと結局太い木も何本か切ることにした。
木を抜いて枝を払い、上をちょん切って丸太にすると塀の横に転がしておく。
もう薪もたくさん作ったし、使い道がないんだよなー。
そうやって転がした丸太が300本。
丸太から出た枝や葉っぱ、根っこを広くなった庭の真ん中に集めると結構な量になった。
焼いて灰にしたら肥料になる?農業わかんないけど。
……なることにしよう。
乾燥スキルで一気に枯らすと、火をつけた。
風の盾で火が飛び散らないようにすると、それを囲うように畑にするために耕し始めた。
農具がないから、土を掘るのも丸太だけどな!
家の横に家3個分、家の後ろに家2個分の土地を広げたところで、2人分の自給自足にはなるだろうと庭を垣根で囲むことにした。
せっせと杭を打ち込むこと2時間。ようやく形になった。
森の中のボロ屋ではなくなって、広い庭付きのボロ屋にレベルアップだ。
その内には家の外観も磨きあげたいけど、しばらくは内装に力を入れたい。
俺、見た目より使い勝手重視派だからな。
要するに、町のド外れ。
毎月銀貨1枚で借りるか、金貨2枚で買うかと聞かれ、買うことにした。
単に毎月支払うの忘れてしまいそうだったからである。俺ズボラだから……。
そしてあまりの安さに不安は不安だ。
家についてみると、ボロっちいけど広い。
小さいけどお風呂までついていた。水は出ないかもしれないけどな。
なんと言っても安いし。
「2千カーネ(約2万円)で買える家だから期待していなかったけど、そんなに悪くなかったな」
「そうですね。サフィ様と暮らせるのですから、どんな場所でも天国みたいなものですよね」
ん?
なんとなく意思疎通できてなかったような……まあ、いいか。
「なあ、リク。俺ちょっと掃除してるから、買い物してきてくれ」
一通り部屋を見て、掃除は俺がやった方がはやいと判断した。
もちろん町をよく知っているリクが買い物をした方が効率もいいからだけどな。
「はい。何を買ってきましょうか」
「まずは主食だろ?野菜と果物も見てきて欲しいかな。肉はまだあるからいらないし、布類は買ってきたから、あ!歯ブラシとか石鹸とか日用品かな」
さすがに浄化だけじゃなくて歯も身体もゴシゴシしたい。
「急いで行ってまいります」
「いや、久しぶりの町でリクも見たい物もあるだろう?ゆっくりしてきていいからな」
鬼気迫る買い物客とか、俺が店主なら怖えよ。
「サフィ様と離れてるとか耐えられませんから、早く帰ります」
「あ、うん、そ、そっか」
俺と離れるの、まだ不安なのかもな、うん。
俺が悪いんだから仕方ないな。
ぎゅーとかほっぺにちゅーとか、仕方ないな。
ンなわけあるか!早く行け。
さて、リクが出かけたから掃除を始めるか。
まずはリビングだろうな。
「浄化!」
軽く拭いて浄化をかけると、少しだけ広く綺麗になる。木目とかピカピカで新品みたいになる。
掃除もしないで浄化だけかけると、狭い範囲しか浄化できないんだよな。新品みたいになるのは一緒だけどさ。
結果、何度も何度もやる羽目になるから、家の掃除に対して俺の魔力じゃ足りなくなってしまうと思うんだ。
だから地道な掃除自体も必要だ。
よし、綺麗になった。
森で使っていた切り出し机と丸太椅子を並べると、あまりの違和感にいつかちゃんとした物を揃えようと決心することにはなったが。
家具がピクニック仕様では、ちゃんとした家には合わないもんなんだな。
次はキッチンだ。
埃はまとめて、布巾でひと通り拭う。これでいいかな?
「浄化!」
おお、ピカピカ。新品。
便利だよなー、浄化。
2階に上がってぐるりと見たけど、部屋の中ですぐにでも寝室になりそうなのは、2つベッドがあるこの部屋だけだ。
俺とリク、同じ部屋の方がいいかな?
森でも一緒に寝てたし、なんかべったりだし。
嫌って言われてから移動すればいいだろ。俺から離れる選択するのはなんか怖えぇんだよな。
そうと決まれば掃除掃除と。
「浄化!」
ふう。
敷布団を敷いてベッドを包む。
クッションはそんなによくないけど、テント生活に比べれば文句もない。
あ、枕を買ってくるの忘れてた。
掛け毛布を出して、ん、ひとまず今日寝るには問題ないか。
他の部屋は後回しでいいかなー。
魔力も心許ないし、まだまだ他にやらないといけないことがあるから、魔力の温存しよっと。
他の部屋は掃き掃除だけしておいて、浄化は明日だな。
軽く部屋の掃除が終わると、家の裏に回って屋根に覆い被さるように生えている木を何本か引き抜いた。
根っこを引き抜いてできた穴を綺麗にならすと、ボーボーだった家の周りに裏庭ができあがった。
今日は入れないけど、明日にはお風呂にも入りたいし、切った木を薪状にして積んでおくことにする。
もちろん乾燥もさせておく。
これで俺がいない時、リクだけでも火を得る心配はなくなった。
それにしても、平垣も何も無いから森から獣が来た時が心配だよなあ。
すぐ隣が森なのに、この家、あのテントみたいに動物避け魔獣避けはされていないし。
……垣根でも作るか?
森の中には太い木もあれば細い木もある。
俺は間引きをする感じで、細い方の木を切ると、俺の背の高さくらいに切って玄関前に突き立ててみた。
一気にめり込んだ。
「力入れ過ぎて腰までの高さになっちまった」
これでは獣除けにならない。獣なら軽く飛び越えられるだろ。
もう少し長さがいるな。
サクッと切ってポスッと刺す。
家の前と右、2面分木を刺したところで考えた。
庭の大きさをどうしようかと。
間引いたら、何も無いところがけっこう広くなったのだ。
庭にしてもいいし、何か育ててもいいか。
目指せ、自給自足!となると、そこそこ広く囲んだ方がいいか?
じゃあ、この大きい木も邪魔かなと結局太い木も何本か切ることにした。
木を抜いて枝を払い、上をちょん切って丸太にすると塀の横に転がしておく。
もう薪もたくさん作ったし、使い道がないんだよなー。
そうやって転がした丸太が300本。
丸太から出た枝や葉っぱ、根っこを広くなった庭の真ん中に集めると結構な量になった。
焼いて灰にしたら肥料になる?農業わかんないけど。
……なることにしよう。
乾燥スキルで一気に枯らすと、火をつけた。
風の盾で火が飛び散らないようにすると、それを囲うように畑にするために耕し始めた。
農具がないから、土を掘るのも丸太だけどな!
家の横に家3個分、家の後ろに家2個分の土地を広げたところで、2人分の自給自足にはなるだろうと庭を垣根で囲むことにした。
せっせと杭を打ち込むこと2時間。ようやく形になった。
森の中のボロ屋ではなくなって、広い庭付きのボロ屋にレベルアップだ。
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