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第24話 リリース(6)帰り道
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時刻は朝の九時半。
朝八時半に昼間の対応を行うメンバーが出勤してきて、九時のサービス開始は問題なく終わった。
今は、サービス開始後の状態を見守る日中組に、昨夜のことを引き継いでいる所だった。
「――以上で引き継ぎを終わります。夜勤組のみなさん、お疲れ様でした。日中組のみなさん、見守りよろしくお願いします」
早苗は頭を下げた。
「お疲れ様でしたー!」
「あとはよろしくー!」
口々に言い合い、日中組の見送りを受けて、夜勤組はそろってオフィスを後にした。
エレベーターが一階に着いたとき、目の前のエレベーターも同時に開いた。
「あれ、早苗じゃん」
「加世子?」
数人で降りてきたのは、同期の営業の加世子だった。少し顔がやつれている。
「早苗も今終わり?」
「早苗も、って加世子も夜勤だったの?」
「うちの所も今日サービス開始。ちょっと大きな改修で、いつもの昼間のリリースにならなかった」
言われてみれば、一緒に降りて来たのは、加世子の担当しているプロジェクトの開発メンバーだった。
合流し、みんなでビルを出た。
土曜日の朝なので、駅方面からオフィス街に向かってくる人たちは少ない。一目でサラリーマンだとわかるのは早苗たちくらいのものだった。
徹夜明けの視界に真夏の太陽は眩しすぎる。網膜に陽光が刺さってきて、早苗は目を眇めた。
熱気に包まれる。体がまだ冷えているためそこまでは暑くないが、ここから急激に暑くなるのだと覚悟する。
早苗の両脇を加世子と桜木が歩いた。
「加世子は営業だからリリース関係ないでしょ?」
「だって桜木くんがそっちに出るっていうからさぁ。私は出ませんなんて言えないじゃない」
「すいません」
加世子が恨めしそうに桜木を見ると、桜木は悪びれた様子もなく答えた。
「寝不足はお肌の大敵だっていうのに! 早苗もそろそろ日中隊にしてもらいなよ」
「私はリーダーだからそういうわけにはいかないよ」
早苗は苦笑した。
「いやでも今回初めて見たけどさ、リリースって大変だねぇ……。開発部隊の苦労が少しわかったわ。早苗のとこ、トラブったんでしょ? 無事終わってよかったね」
「取りあえずの仮の対処だけどね」
なんとか応急処置を済ませた、といったところだ。
犯人――と言うと言い方が悪いが、連絡ミスが起きた原因は、川口が相手からもらった変更連絡を、早苗たちの方へと連携するのを忘れたことだった。
オンライン会議の向こうの川口は、顔を真っ青にして謝っていた。
早苗としては、自分たちのせいではなくて、ほっと一安心である。
「それで、うちの桜木くんは役に立ったかね?」
「立った立った! 議事録取ってくれたり、資料作ってくれたり。極めつきはトラブルの解決策の提案までしてくれてね。本当いてくれてよかったよー」
「うわー、桜木くん、顔にやけすぎでしょ。ほんと早苗のこと大好きだよねー」
「え!?」
「ちょ、久保さん、そういうのはっ!」
早苗が驚いて声を上げると、桜木が慌てて加世子を止めようとした。
「いいじゃん、別に」
加世子が早苗を見て、にやにやと笑う。
「あのね、桜木くん、やっぱり早苗目当てで戻ってきたんだって」
「え?」
「久保さん、言い方! それじゃまるで俺が……! 先輩、違いますからね!? そんな不純な動機じゃなくて――」
「あー、はいはい。ちゃんと説明しますぅ」
早苗は加世子の言葉を待った。
桜木が自分を目当てで戻ってきた、というのはどういうことなのだろう。
「営業やってみたら、まだまだ足りないってことに気づいて、早苗の下でまた勉強したかたんだって」
「ああ、そういう……」
「あとね、営業に出された時に早苗の推薦だって知ってショックだった、って言ってた!」
「久保さん!!」
桜木に怒られた加世子が、きゃー、とふざけて逃げていく。
徹夜明けなのに元気だなぁ。
「もう、あの人はペラペラと……。この前飲み会で話すんじゃなかった……」
逃げていった加世子に、桜木がぶつぶつと文句を言った。
そして、早苗の方を見て、言い訳のように話し始める。
「いや、あの、俺、異動になったときはマジでショックでしたけど、今は営業行けてよかったと思ってます。俺に合ってると思うし、色々学べたし」
「そう、よかった」
「それで、先輩の下で勉強したいっていうのはちょっと違ってて、どちらかと言うと、横に並びたいっていうか……」
「横に?」
「そうです。俺、おく――」
桜木が、離れて歩く奥田の方をちらりと見て、声を落とした。
「奥田さんみたいになりたいんです」
「奥田さん? 技術者になりたいの?」
「そうじゃなくて。えぇと、先輩の補佐ができる人っていうか……み、右腕……みたいな。まだまだ奥田さんには及ばないですけど……」
「奥田さんは無理だよー」
早苗は笑った。
「なんでですか」
桜木が悲しそうな顔をする。
「だって奥田さんは開発で、桜木くんは営業でしょ。立ち位置が違うもん。開発に戻りたいっていうなら口添えはするけど、そしたら社員である桜木くんは別のプロジェクトでリーダーやることになるよ」
「ですよね……」
早苗の説明に、桜木ががっくりと肩を落とした。
「でも、営業としてなら、もう横に立ってくれてるよ?」
「えっ?」
「次期システムの提案のときは検討に入ってくれたし、プレゼンの時も助けてくれたし、今日も色々助かった。要件定義を奥田さんに任せたのも、営業側が桜木くんだからだよ」
「そうなんですか……?」
「うん。桜木くんなら、社員目線っていうか、プロジェクト全体のこと考えてやってくれるかなって思った。奥田さんだとどうしても開発とか技術寄りに偏っちゃうからね。右腕っていうのとは違うけど、今の感じでいってくれると私は助かるな。っていうか、このまま助け合えたらいいなって思う」
「先輩がそんな風に思ってくれてたなんて……」
「よくここまで成長してくれたね。外に出した甲斐があるよ。元トレーナーとして鼻が高い」
「ありがとうございます……! 俺、頑張ります!」
「うん、頑張って」
桜木が感動したように言い、早苗は微笑んだ。
「よかったねぇ、桜木くん」
バシバシと加世子が桜木の背中を叩く。
「痛っ! 久保さん、酔ってるんじゃないですか?」
「徹夜ハイってヤツよ。――酔うって言えば、これから飲みに行く人もいるっぽいよ。桜木くんも行けば?」
「いや、俺は……」
加世子に勧められた桜木は、一瞬早苗に視線を向けた。
視線が絡んでドキリとした。
この後、二人は桜木の家でセックスをするのだ。
「俺は用事があるんで、このまま帰ります」
「これから用事って……元気ねぇ」
「若いんで」
「それを三十路越えの女子に言うか!?」
加世子が手を振り上げ、今度は桜木が、きゃー、とふざけて逃げた。
二人とも元気だなぁ、とまたも早苗は苦笑した。
朝八時半に昼間の対応を行うメンバーが出勤してきて、九時のサービス開始は問題なく終わった。
今は、サービス開始後の状態を見守る日中組に、昨夜のことを引き継いでいる所だった。
「――以上で引き継ぎを終わります。夜勤組のみなさん、お疲れ様でした。日中組のみなさん、見守りよろしくお願いします」
早苗は頭を下げた。
「お疲れ様でしたー!」
「あとはよろしくー!」
口々に言い合い、日中組の見送りを受けて、夜勤組はそろってオフィスを後にした。
エレベーターが一階に着いたとき、目の前のエレベーターも同時に開いた。
「あれ、早苗じゃん」
「加世子?」
数人で降りてきたのは、同期の営業の加世子だった。少し顔がやつれている。
「早苗も今終わり?」
「早苗も、って加世子も夜勤だったの?」
「うちの所も今日サービス開始。ちょっと大きな改修で、いつもの昼間のリリースにならなかった」
言われてみれば、一緒に降りて来たのは、加世子の担当しているプロジェクトの開発メンバーだった。
合流し、みんなでビルを出た。
土曜日の朝なので、駅方面からオフィス街に向かってくる人たちは少ない。一目でサラリーマンだとわかるのは早苗たちくらいのものだった。
徹夜明けの視界に真夏の太陽は眩しすぎる。網膜に陽光が刺さってきて、早苗は目を眇めた。
熱気に包まれる。体がまだ冷えているためそこまでは暑くないが、ここから急激に暑くなるのだと覚悟する。
早苗の両脇を加世子と桜木が歩いた。
「加世子は営業だからリリース関係ないでしょ?」
「だって桜木くんがそっちに出るっていうからさぁ。私は出ませんなんて言えないじゃない」
「すいません」
加世子が恨めしそうに桜木を見ると、桜木は悪びれた様子もなく答えた。
「寝不足はお肌の大敵だっていうのに! 早苗もそろそろ日中隊にしてもらいなよ」
「私はリーダーだからそういうわけにはいかないよ」
早苗は苦笑した。
「いやでも今回初めて見たけどさ、リリースって大変だねぇ……。開発部隊の苦労が少しわかったわ。早苗のとこ、トラブったんでしょ? 無事終わってよかったね」
「取りあえずの仮の対処だけどね」
なんとか応急処置を済ませた、といったところだ。
犯人――と言うと言い方が悪いが、連絡ミスが起きた原因は、川口が相手からもらった変更連絡を、早苗たちの方へと連携するのを忘れたことだった。
オンライン会議の向こうの川口は、顔を真っ青にして謝っていた。
早苗としては、自分たちのせいではなくて、ほっと一安心である。
「それで、うちの桜木くんは役に立ったかね?」
「立った立った! 議事録取ってくれたり、資料作ってくれたり。極めつきはトラブルの解決策の提案までしてくれてね。本当いてくれてよかったよー」
「うわー、桜木くん、顔にやけすぎでしょ。ほんと早苗のこと大好きだよねー」
「え!?」
「ちょ、久保さん、そういうのはっ!」
早苗が驚いて声を上げると、桜木が慌てて加世子を止めようとした。
「いいじゃん、別に」
加世子が早苗を見て、にやにやと笑う。
「あのね、桜木くん、やっぱり早苗目当てで戻ってきたんだって」
「え?」
「久保さん、言い方! それじゃまるで俺が……! 先輩、違いますからね!? そんな不純な動機じゃなくて――」
「あー、はいはい。ちゃんと説明しますぅ」
早苗は加世子の言葉を待った。
桜木が自分を目当てで戻ってきた、というのはどういうことなのだろう。
「営業やってみたら、まだまだ足りないってことに気づいて、早苗の下でまた勉強したかたんだって」
「ああ、そういう……」
「あとね、営業に出された時に早苗の推薦だって知ってショックだった、って言ってた!」
「久保さん!!」
桜木に怒られた加世子が、きゃー、とふざけて逃げていく。
徹夜明けなのに元気だなぁ。
「もう、あの人はペラペラと……。この前飲み会で話すんじゃなかった……」
逃げていった加世子に、桜木がぶつぶつと文句を言った。
そして、早苗の方を見て、言い訳のように話し始める。
「いや、あの、俺、異動になったときはマジでショックでしたけど、今は営業行けてよかったと思ってます。俺に合ってると思うし、色々学べたし」
「そう、よかった」
「それで、先輩の下で勉強したいっていうのはちょっと違ってて、どちらかと言うと、横に並びたいっていうか……」
「横に?」
「そうです。俺、おく――」
桜木が、離れて歩く奥田の方をちらりと見て、声を落とした。
「奥田さんみたいになりたいんです」
「奥田さん? 技術者になりたいの?」
「そうじゃなくて。えぇと、先輩の補佐ができる人っていうか……み、右腕……みたいな。まだまだ奥田さんには及ばないですけど……」
「奥田さんは無理だよー」
早苗は笑った。
「なんでですか」
桜木が悲しそうな顔をする。
「だって奥田さんは開発で、桜木くんは営業でしょ。立ち位置が違うもん。開発に戻りたいっていうなら口添えはするけど、そしたら社員である桜木くんは別のプロジェクトでリーダーやることになるよ」
「ですよね……」
早苗の説明に、桜木ががっくりと肩を落とした。
「でも、営業としてなら、もう横に立ってくれてるよ?」
「えっ?」
「次期システムの提案のときは検討に入ってくれたし、プレゼンの時も助けてくれたし、今日も色々助かった。要件定義を奥田さんに任せたのも、営業側が桜木くんだからだよ」
「そうなんですか……?」
「うん。桜木くんなら、社員目線っていうか、プロジェクト全体のこと考えてやってくれるかなって思った。奥田さんだとどうしても開発とか技術寄りに偏っちゃうからね。右腕っていうのとは違うけど、今の感じでいってくれると私は助かるな。っていうか、このまま助け合えたらいいなって思う」
「先輩がそんな風に思ってくれてたなんて……」
「よくここまで成長してくれたね。外に出した甲斐があるよ。元トレーナーとして鼻が高い」
「ありがとうございます……! 俺、頑張ります!」
「うん、頑張って」
桜木が感動したように言い、早苗は微笑んだ。
「よかったねぇ、桜木くん」
バシバシと加世子が桜木の背中を叩く。
「痛っ! 久保さん、酔ってるんじゃないですか?」
「徹夜ハイってヤツよ。――酔うって言えば、これから飲みに行く人もいるっぽいよ。桜木くんも行けば?」
「いや、俺は……」
加世子に勧められた桜木は、一瞬早苗に視線を向けた。
視線が絡んでドキリとした。
この後、二人は桜木の家でセックスをするのだ。
「俺は用事があるんで、このまま帰ります」
「これから用事って……元気ねぇ」
「若いんで」
「それを三十路越えの女子に言うか!?」
加世子が手を振り上げ、今度は桜木が、きゃー、とふざけて逃げた。
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