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「あぁ、それから」
王妃様はにっこりと笑った。
「婚約破棄されたというライラ・コンフォードには両家から慰謝料と損害賠償をきちんと支払ってね」
は?と言う声がいくつか聞こえた。家格の上の者が下の者へ支払うことはあまりないからだ。今回だってきっと何かをするつもりはなかったのだろう。
「当たり前じゃない?責任はレナードとメリアにあるんだから。金額が決まったらまずは私に知らせてね。問題なければ支払いも確認するわ」
たくさんの視線が私に向かっているのを感じた。王妃様は私に向かってにっこりと微笑んでくださる。その王妃様の笑みに私は身体中の血がものすごい勢いで流れるような感覚に陥った。寒気がする。気が遠くなる。でも倒れない。倒れたいのに足は踏ん張っている。
「あ、それからサントス」
またもや笑顔の王妃様の発言。サントス様はゆっくりと顔を上げた。
「はい・・・」
サントス様の声はやや嫌そうに聞こえた。それはそうだろうと思う。しかしレナード様、この先どうなるのだろうか。私もすでに傷ものになってしまったけど、騎士でもなくなり伯爵家からも追放されてしまっている。リオンヌ家が何かしてくださる保証もない。
「副団長の職が空いたでしょ」
ぼんやりしていたレナード様の肩が震えた。
「ジョセフ・クルーソンが適任と思うわ」
ジョセフ・クルーソン様?伯爵様にクルーソンというお名前はあるけど、ジョセフ様という方はいらっしゃったかしら?と、私は貴族年鑑を思い出す。確か領地は北の方、次男様は司祭になられたはず。ご長男様がジョセフ様?だっけ?
「みなさん、ご存じないのかしら?ジョセフはマイズ国との国境警備で活躍したのよ」
え?室内のざわめきが大きく聞こえる。
「それって、レナード様じゃ?」
「そうよね、彼がそう言ってたの聞いたわ」
「王妃様、間違えてる?」
そうだ、私と婚約する直前、レナード様は副団長に就任した。夜中の巡回中にマイズ国側から襲撃を受け、それをレナード様が1人で戦い食い止めたのだ。確かに私はそう聞いていた。
「あら、違うのよ」
王妃様はにこやかに否定した。
「だって彼は巡回をサボってメリアに会いに行ってたの。全てクルーソンに押しつけてよ。しかもその手柄をレナードは横取りしたのよ」
え?とレナード様を見ると真っ赤な顔で俯いている。手が小刻みに震えているし、額には汗をかいていた。
「嘘でしょ?」
「信じられない」
「俺たち、騙されていたのか?」
ざわめきが大きくなっていった。レナード様とメリア様は震えていた。ついさっき私に婚約破棄を宣言した時とは全く違う。同じ人物とは思えないほどだ。
同じ人物と言えば、さっきまで私を侮辱していた令嬢や令息方。今はレナード様とメリア様を諌めるのに必死になっている。その様子を見ていたら滑稽だなと思ってしまった。貴族の世界、誰かに追従しないと生き残れないのだ。
もし、私がレナード様と結婚していたら。きっと彼らの仲間になって、誰かの言動を褒めたり貶したりしてたのだろう。自分の意見に関係なく。
そう思ったら、そんな生活は嫌だなと思った。結婚しなくて正解だな。うん。
王妃様はにっこりと笑った。
「婚約破棄されたというライラ・コンフォードには両家から慰謝料と損害賠償をきちんと支払ってね」
は?と言う声がいくつか聞こえた。家格の上の者が下の者へ支払うことはあまりないからだ。今回だってきっと何かをするつもりはなかったのだろう。
「当たり前じゃない?責任はレナードとメリアにあるんだから。金額が決まったらまずは私に知らせてね。問題なければ支払いも確認するわ」
たくさんの視線が私に向かっているのを感じた。王妃様は私に向かってにっこりと微笑んでくださる。その王妃様の笑みに私は身体中の血がものすごい勢いで流れるような感覚に陥った。寒気がする。気が遠くなる。でも倒れない。倒れたいのに足は踏ん張っている。
「あ、それからサントス」
またもや笑顔の王妃様の発言。サントス様はゆっくりと顔を上げた。
「はい・・・」
サントス様の声はやや嫌そうに聞こえた。それはそうだろうと思う。しかしレナード様、この先どうなるのだろうか。私もすでに傷ものになってしまったけど、騎士でもなくなり伯爵家からも追放されてしまっている。リオンヌ家が何かしてくださる保証もない。
「副団長の職が空いたでしょ」
ぼんやりしていたレナード様の肩が震えた。
「ジョセフ・クルーソンが適任と思うわ」
ジョセフ・クルーソン様?伯爵様にクルーソンというお名前はあるけど、ジョセフ様という方はいらっしゃったかしら?と、私は貴族年鑑を思い出す。確か領地は北の方、次男様は司祭になられたはず。ご長男様がジョセフ様?だっけ?
「みなさん、ご存じないのかしら?ジョセフはマイズ国との国境警備で活躍したのよ」
え?室内のざわめきが大きく聞こえる。
「それって、レナード様じゃ?」
「そうよね、彼がそう言ってたの聞いたわ」
「王妃様、間違えてる?」
そうだ、私と婚約する直前、レナード様は副団長に就任した。夜中の巡回中にマイズ国側から襲撃を受け、それをレナード様が1人で戦い食い止めたのだ。確かに私はそう聞いていた。
「あら、違うのよ」
王妃様はにこやかに否定した。
「だって彼は巡回をサボってメリアに会いに行ってたの。全てクルーソンに押しつけてよ。しかもその手柄をレナードは横取りしたのよ」
え?とレナード様を見ると真っ赤な顔で俯いている。手が小刻みに震えているし、額には汗をかいていた。
「嘘でしょ?」
「信じられない」
「俺たち、騙されていたのか?」
ざわめきが大きくなっていった。レナード様とメリア様は震えていた。ついさっき私に婚約破棄を宣言した時とは全く違う。同じ人物とは思えないほどだ。
同じ人物と言えば、さっきまで私を侮辱していた令嬢や令息方。今はレナード様とメリア様を諌めるのに必死になっている。その様子を見ていたら滑稽だなと思ってしまった。貴族の世界、誰かに追従しないと生き残れないのだ。
もし、私がレナード様と結婚していたら。きっと彼らの仲間になって、誰かの言動を褒めたり貶したりしてたのだろう。自分の意見に関係なく。
そう思ったら、そんな生活は嫌だなと思った。結婚しなくて正解だな。うん。
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