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面倒なことになった、とジョセフは馬を走らせながら考えていた。レナードとメリアがマイズ国へ密入国し、レナードが暴行罪でマイズ国に拘束されたという。そのうえメリアはマイズ国の犯罪組織に拉致され、身代金がリオンヌ家へ要求された。2人をどうするか、ジョセフだけではなく騎士団や大臣たちが一斉に国王に召喚されたのだ。
「密入国したんだから本人たちの意思ですよね。無視していいのでは?」
途中で合流したレイモンドはそう言って笑った。ジョセフもそうしたいが、国としては問題である。密入国しただけではなく現地で暴行罪となれば、謝罪して済む話ではない。
「あの2人とは完全に縁が切れたと思っていたんですけどねぇ」
と、レイモンドは何度もため息をついていた。ジョセフもため息をつきたかったが、面倒なのでやめた。ため息をついても状況が変わるわけではない。
「それはそうと・・・」
レイモンドはジョセフの方を向くと、じっと見つめてきた。何かを探るような目だ。
「何食べてるんですか?」
ジョセフはライラが持たせてくれたサンドイッチを食べていた。夕飯を大量に食べはしたが、レナードたちの話を聞いて急激に空腹を感じたのだ。そこにサンドイッチがあった。食べないわけにいかない。
「ライラが持たせてくれたんだ」
ジョセフはモグモグと口を動かしながら答えた。食べながら話すのは行儀が悪いのは承知しているが、相手がレイモンドならいいかと思う。レイモンドもそこは気にしていないようだ。
「ライラ様が?」
レイモンドはにっこり笑う。
「ではプロポーズは成功したのですね」
王命とはいえきちんとプロポーズをしてライラと距離を縮めるべきだ、と再三レイモンドはジョセフに忠告してきた。2人きりで話をする時間もとれないまま、ライラはおそらくジョセフよりも他の隊員と話をしている方が多い。食事は2人で食べているのだろうとレイモンドは思っていたが、よくよく聞けばセオとメイリンも一緒だという。結婚をするのは決定事項とはいえ、ジョセフからは何の贈り物もしていないという。レイモンドはこの機会にきちんと距離を縮めるべきだと主張した。
「いや、プロポーズはしていない」
しかし、ジョセフの答えは違った。
「は?していない?」
「まずは本当に俺でいいのか確認をしておきたかったんだ」
ジョセフは真顔でそんなことを言い出した。面と向かって、あなたじゃ嫌ですと言いたくても言えないだろう。
「嫌だと思われながら過ごすのは俺も嫌だし、ライラも嫌だろう。もし俺が嫌だったなら、できるだけ負担のない生活の方法を探すしかない」
ジョセフはそう言いながら、できるなら自分を好いてもらいたいと思っていた。人の気持ちを思い通りにできるわけがないが、ライラには嫌われたくない。
「でも何か贈り物をしたんですよね、ドレスとか貴金属とか」
「あぁ、母が張り切っていたな」
「母ぁ?」
レイモンドの声が大きく響いた。
「自分では渡さなかったんですか?」
「母が渡したんだから、いいだろう?」
「そういう問題じゃありません!」
ジョセフが女心を理解していないのはわかっている。わかっているからこそ、レイモンドはジョセフに色々と指南した。ドレスや装飾品を自分からだと言って渡すこと。自分からだと言うことに意味がある、レイモンドは懇切丁寧に説明したはずだった。
「言われた通り、ドレスを着たライラに綺麗だと誉めたぞ」
まるで子どものようにジョセフは胸を張った。
「それは礼儀というものです。朝起きておはようと言うくらいに当たり前のことです!」
「そうなのか?」
レイモンドは頭を抱えた。ライラはジョセフをどう思っているのだろうか。ただでさえ宿舎で使用人扱いをしてきたのだ。普通の令嬢なら怒ってるはずだ。レナードやメリアのことより、今はこちらの方が重要だと思う。レイモンドはまたもやため息をつきながら上司を眺めたのだった。
「密入国したんだから本人たちの意思ですよね。無視していいのでは?」
途中で合流したレイモンドはそう言って笑った。ジョセフもそうしたいが、国としては問題である。密入国しただけではなく現地で暴行罪となれば、謝罪して済む話ではない。
「あの2人とは完全に縁が切れたと思っていたんですけどねぇ」
と、レイモンドは何度もため息をついていた。ジョセフもため息をつきたかったが、面倒なのでやめた。ため息をついても状況が変わるわけではない。
「それはそうと・・・」
レイモンドはジョセフの方を向くと、じっと見つめてきた。何かを探るような目だ。
「何食べてるんですか?」
ジョセフはライラが持たせてくれたサンドイッチを食べていた。夕飯を大量に食べはしたが、レナードたちの話を聞いて急激に空腹を感じたのだ。そこにサンドイッチがあった。食べないわけにいかない。
「ライラが持たせてくれたんだ」
ジョセフはモグモグと口を動かしながら答えた。食べながら話すのは行儀が悪いのは承知しているが、相手がレイモンドならいいかと思う。レイモンドもそこは気にしていないようだ。
「ライラ様が?」
レイモンドはにっこり笑う。
「ではプロポーズは成功したのですね」
王命とはいえきちんとプロポーズをしてライラと距離を縮めるべきだ、と再三レイモンドはジョセフに忠告してきた。2人きりで話をする時間もとれないまま、ライラはおそらくジョセフよりも他の隊員と話をしている方が多い。食事は2人で食べているのだろうとレイモンドは思っていたが、よくよく聞けばセオとメイリンも一緒だという。結婚をするのは決定事項とはいえ、ジョセフからは何の贈り物もしていないという。レイモンドはこの機会にきちんと距離を縮めるべきだと主張した。
「いや、プロポーズはしていない」
しかし、ジョセフの答えは違った。
「は?していない?」
「まずは本当に俺でいいのか確認をしておきたかったんだ」
ジョセフは真顔でそんなことを言い出した。面と向かって、あなたじゃ嫌ですと言いたくても言えないだろう。
「嫌だと思われながら過ごすのは俺も嫌だし、ライラも嫌だろう。もし俺が嫌だったなら、できるだけ負担のない生活の方法を探すしかない」
ジョセフはそう言いながら、できるなら自分を好いてもらいたいと思っていた。人の気持ちを思い通りにできるわけがないが、ライラには嫌われたくない。
「でも何か贈り物をしたんですよね、ドレスとか貴金属とか」
「あぁ、母が張り切っていたな」
「母ぁ?」
レイモンドの声が大きく響いた。
「自分では渡さなかったんですか?」
「母が渡したんだから、いいだろう?」
「そういう問題じゃありません!」
ジョセフが女心を理解していないのはわかっている。わかっているからこそ、レイモンドはジョセフに色々と指南した。ドレスや装飾品を自分からだと言って渡すこと。自分からだと言うことに意味がある、レイモンドは懇切丁寧に説明したはずだった。
「言われた通り、ドレスを着たライラに綺麗だと誉めたぞ」
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「それは礼儀というものです。朝起きておはようと言うくらいに当たり前のことです!」
「そうなのか?」
レイモンドは頭を抱えた。ライラはジョセフをどう思っているのだろうか。ただでさえ宿舎で使用人扱いをしてきたのだ。普通の令嬢なら怒ってるはずだ。レナードやメリアのことより、今はこちらの方が重要だと思う。レイモンドはまたもやため息をつきながら上司を眺めたのだった。
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