最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域

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第三十五話 宴

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僕の宿には現在、第3騎士団の団長さん(この街に1番近く配属されているのは第3騎士団)が来ている。四天王について知りたかったようだ。

「なるほど、遺跡にはレベル上げに行っていたと……そこで四天王テクストに会い、目的を知った奴を止めようとしたが、操られてしまった」

パウロは静かに頷いた。

「そしてケイン君……あ、ちゃんだったかな……君がほとんど1人で四天王と打ち合ったんだね?」

「君で良いです。まぁ、そうです」

「なるほど、……大体分かったよ。ありがとう、これでおしまいだ。君たちには国から褒賞が貰えると思うよ」

パウロが長めの前髪で顔を隠して答えた、、

「僕は……良いんです……」

「まあ、そういうな。貰えるものはもらっておけ。分けあえるものでも無い。ガンジス君も、もちろん討伐者として報告するよ」

……こうして、事情聴取は終わった。

「……ところで、テクストは何か言いましたか?」

「ああ、彼ね……初めのうちは反抗的な態度が目立ったが、『仕方ない、ケインを呼ぶか……』的な事を言ったら大人しくなったよ。と言っても、本当に目的はこの街の占拠だったようで、他に有益な情報と言えば魔王軍の戦力について教えてもらったくらいだな」

「そうですか……」

「まあ、こんなに早く四天王の1人を倒せるとは思っていなかったよ。君達には礼を言いたい」

「よしてください。当たり前の事をしただけですから……」

それからしばらく話をした後、団長さんはでていった。

…………………………………………
………………………
…………
次の日、
ケイン達は街中の人達の英雄になった。
国が、冒険者ケイン、ガンジス、パウロが四天王の1人を倒した英雄として大々的に発表したのだ。
それと同時に、この街の危険を救ってくれたヒーローとしてケイン達に街をあげてパーティーを開いてくれた。

「はっはっはっ、今日は新たな英雄の登場を祝うとしよう!」

「さあ、たっぷり飲んでくれ……なに?酒は飲まない?そりゃぁ残念だな」
 
「なぁどうだい?うちの剣今度買いに行こないかい?」

町長をはじめとする、色々な人がご馳走をしてくれた。
こういうのもたまには悪く無いな……

しかし、宴にトラブルとは付き物の様で……

「なんでスキル適性Gのあいつが……」

「絶対嘘だよなぁ」

そんな批判的な声も聞こえてくる。主に同業者から……
いや、街の人たちも本当はケインが倒していようがいまいが、どうでも良いと思っているのかもしれない。
彼等にすれば、間違いでも良いから街から英雄が生まれたという事実が欲しいのだろう。
すると……前に僕のことを馬鹿にしていた金髪冒険者が近寄ってきた。

「ふん、流石だな」

「は?」

「俺は前々からお前達はやってくれると思ってたんだよ。その為にあえて厳しくやってたのさ。でもどうやら強くなったみたいだし、これからは弟分にしてやっても良いぜ?」

「調子が良い……」

「あ?何だと?もういっぺん言ってみろよ」

「散々馬鹿にした相手が、今更お前に下るとでも思ってんのかよ?それともそこまで馬鹿だと思ってんのか?」

「良いぜ、言う通りにするなら少し良い扱いしてやっても良かったが……てめぇ今から殺してやる」

「おいやめろよ!こんな日に」

「そうだ。君は彼の成した事をわかっているのか!?」

周りの人達は口では止めているが、本気で止める気は無さそうだな
冒険者達も、僕が四天王に勝ったのは何かの間違いだとでも思っているみたいだ……

「好きにすれば?」

その一言でニヤリと笑った金髪は、腰の剣を抜き頭に斬りかかった。

……が、遅い。それに弱い。指1本で難なく止めると、

「な、そんな馬鹿な」

デコピンで数メートルふき飛ばしてやった。

「ま、マジかよ」

気絶した金髪の側に駆け寄った誰かが言ったようだ。

そこで、また不快な奴が近づいてくる。

「はっはっはっ、流石、我が娘だな」

「ええ、今まで愛情込めて育てた甲斐があったわ」

両親だ。

「失礼しますが、どちら様でしょう?私に両親はいませんが……」

「何を言うか、私達家族の仲じゃないか」

「そうよ、仲良くしましょうケインちゃん。今日からうちで一緒に暮らしましょうよ。愛してあげるから……」

気持ち悪いな。あからさまな掌返しなんかしやがって……
どうせこれから家に金を入れろとか言い出すだろう

「おっしゃる意味がわかりません。家族の縁を切った貴方方をもう私は家族とは思いませんので、ではお引き取りを」

「そんな事言わないで……」

しつこく引き戻そうとする両親、
面倒臭いがここはガツンと……
その時、隣に座っていたパウロが立ち上がった。

「ふざけないでください!ケインさんを捨てたあなた達が愛を語るな!あなた達は自分のためににケインさんを利用するつもりなだけだろ!子供を大切にできない奴に、子供に頼る資格なんてない!」

「何よあんた。何様のつもり?こいつは私達の娘よ?部外者は黙ってなさい」

「ぶ、部外者じゃない……」

「じゃあ何?」

「ぼ、僕は……ケインさんの恋人だ!」

「「「「「は?」」」」」」



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