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第三十六話 Aランク
しおりを挟む「馬鹿馬鹿馬鹿!アホ!あんぽんたん!おたんちん!」
「ごめんって、あの時は口が滑って……」
パーティーで恋人宣言をされた僕は、恥ずかしさに耐えられなくなってその場から逃げた。
「お前あとで絶対誤解解かせるからな……」
「分かったよ、ごめんって」
……まぁ、こいつなりに僕を助けようとしたんだよな……
でもだからって恋人はないだろう。
ラブコメの主人公かよ……
「お前はエネマが好きなんだろ?じゃあ他の女に簡単に好きとか間違っても言うなよ」
「うん。……そうする……」
ハァッ………
明日からどんな顔してギルドに入れば良いんだよ
「でも……意外だった」
「ん?何が?」
「えっと、ケインが女の子だった事……ごめん、僕ずっと男の子だとばかり……だからエネマと初対面の時から仲良かったのか……」
「気にすんなよ。別に今更女の子扱いされたいわけじゃないしさ」
暫く謝り続けたパウロ。
なんとか誤解を解かせる事に、その後2時間もかかってしまった……
………………………………………
……………………
………
2日後、僕は冒険者ギルドに呼び出された。
「えっと……何故僕は呼ばれたのですかね」
ギルド長と並んで、横にいる女の人に尋ねた。
「私は現ギルドマスターのマナバよ。ああ、緊張しなくて大丈夫だから……今日は貴方に話があるの」
「もしかして、またテクストの件ですか?」
「いえ、まあそれもあるけど、今回はね、貴方のランクアップについてよ」
「ああ、なるほど。僕はBランク冒険者になれそうですか?」
「いえ、貴方はAランクよ」
「は?えええええええ!!!!!なんでBランク飛ばすんですか!?おかしいでしょう!」
「何もおかしくないわ。というよりもね、四天王はAランクの冒険者でも倒せるかどうか怪しいのよ。それを貴方達は倒してしまった。それなのに、主力だった貴方をCランクに、いえBランクにもしておけないのよ。冒険者には実績も必要だけど……四天王討伐なら、十分過ぎるほどの実績よ」
「は、はぁ……ありがとうございます」
「それで貴方の二つ名を考えたいのよ」
き、来たーーー
Aランク冒険者からは、ギルドに認められると二つ名を語ることができる……Bランク以下でも勝手に名乗る人はいるけど、公式に記載される様になるのはAランクからだ。
二つ名は、自分の好きな様にも決められるし、ギルドに決めてもらうこともできる……
でも今のAランクは、全員自分で考えたそうだ。
「それで、貴方は自分で決める?それともギルドに提案してもらう?」
自分で決めたい気もするが、それをするとなんだか厨二感が出てしまいそうだ……
ここはやはりギルドに決めてもらおう……
「ギルドに頼みたいです」
「そう、じゃあこの中から二つ名を選んで」
提示された二つ名……それは
筋力のケイン
力のケイン
パワーのケイン
女の子のケイン
投げのケイン
……ネーミングセンス皆無か!
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