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第六十三話 海
しおりを挟む蒸し暑い中馬車で揺られる4人、
「あっつ~」
「夏ですからね」
「どうにかなりませんかこの暑さ、流石に焼け死にそうですよ……なんか良い感じの魔法ないすか?」
「と言われましても……私は火魔法しか扱えませんので……それでもよければ」
「そんなことしたら死んじゃいますよ!ただでさえ生きるか死ぬかの狭間だったのに!!」
文句を言うガルドにエネマから救いの声が入る
「私……最近氷魔法覚えた。あれ使えばちょっとマシになるかも……」
「お願げぇします!エネマさん!それ使ってくだせえ!」
なんだかガルドの話し方がおかしくなっていく
「うん、言われなくても使う」
そう言うと、彼女の手から冷気が出始めて、馬車全体を少し冷やした。体感的には4、5度下がった程度だろうか?
「ああ……最高っすエネマさん……」
顔色が戻ってきたガルドが一時の天国を楽しんでいたが、魔法が発動してから数分後に冷気が消えてしまう。
「あれ?どうしたんすか?」
「……魔力が切れた」
「えええ!そんなぁ~なんとかなりませんか?」
「無理。諦める」
エネマの冷たい返しに再び絶望が訪れたのだった……
クニトラについた僕達は真っ先に海に行った。
「こんな日に山なんか登れるわけないっす」
提案した張本人がそう言い、僕もまだ滞在に余裕があるので海に行く、と言ったら今度はエネマが「私を仲間外れにしないで」と怒ったので結局全員で海に行くことになった。
更衣室に着くと男女で分かれて着替えに行った。
「じゃあ、ガルドさん、また後で」
ガルドが少し嬉しそうな顔で更衣室に入っていく。
「僕達も着替えよう」
僕とエネマは水着が無いので近くの売店にて安めの物を買った。
更衣室に入るとまだ着替え終わっていなかったエルナと鉢合わせる。
「……エルナ、胸大きい」
自分の胸をジロジロ見られて恥ずかしそうにするエルナ。
「そ、そうですか?普通だと思っていたのですが……」
「いや、でかい」 「うん。でかい」
僕とエネマが同時に返事を返すとエレナが顔を赤めて着替えを高速で済ませた。
「私……」
「エネマは普通だから良いよ。僕なんて……」
エネマも空気を読んだのか、その後は何も話さずに着替えを済ませた………
外に出るとガルドとエルナが待っていた。
「じゃあ、泳ごう!」
僕達は思いっきり海に向かって走り出した。
飛び込むと水が冷たすぎるくらいだった。
「うえええ!しょっぱ!」
海水を大量に飲んでしまったガルドがすごい苦しんでいる。
「「「あははは」」」
「ちょ、笑わないでくださいよぉ!まじでしょっぱいっすコレ!」
しばらくビーチボールで遊んだ僕達は、各自自由行動になった。
エルナはビーチパラソルの下でフルーツを食べている。
エネマは砂でお城を作っている。
僕とガルドはどこまで泳げるか勝負していた。
すると、浜辺の何処からか悲鳴が聞こえる。
「きゃあああ!何よアレ!」
悲鳴の先にいたのは水を纏った巨大な魚だった。
アレは……リュウグウ!
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