最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域

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番外編 とある街のトラブル4

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「貴方……一体何者?」

ナタリーは確信は得ていなかった。
ただ、なんとなくそうではないかと思っただけだ。
目の前の少女がAランク冒険者なのではないか……と。

「何者?………と言われましても……、強いて言えばAランク冒険者のケインです」

ナタリーの予想通り、目の前の少女は世界的に見ても数少ないAランク冒険者であった。
しかし、ケインという名。どこかで聞いたことがある……

「ケイン……………!?もしかして、四天王を討伐したと言われている?」

「あぁ……まあそうです」

予想以上の大物だ。
たしか数年前に四天王を単独討伐した者として名を馳せていた。最近は噂を聞かなかったが……
四天王と言えばその全てがAランク上位の実力を持っている。
その四天王を単独討伐出来るケインにとって、目の前にいるフレイムドラゴンは、難なく倒せる相手なのだ。
自分も強くなったと思っていたが、フレイムドラゴンには敵わない。
そのフレイムドラゴンを軽くあしらうとは……

「ケイン…さん。助けて頂きありがとうございました。……ケインさんには借りが出来てしまいました。何か困ったことがあったら何でも言ってください。私は恩を忘れません」

そう言ってナタリーは土下座の姿勢をとった。

「ちょ、やめて下さい。大したことはしてませんから……」

「いいえ、大した事です。命を……救ってもらったのですから」

「……それなら僕もさっきナタリーさんに助けてもらいましたよ?チンピラから」

「あ、あんなものでは釣り合いが……」

「僕にとっては嬉しかったので別に構いませんよ。それに、冒険者は助けられる人を助けるのが筋でしょう?今回はルールに則っただけですよ」

「……それも……そうですね。でも、私は貴方にとても感謝しています。それだけは忘れないでください」

「はい。覚えておきます」

こうして、2人はギルドに戻った。
フレイムドラゴンをケインが討伐したという話を聞いた他の冒険者達は青ざめていった様だ……

ケインは目当てのドラゴンを倒したが、あまり嬉しくはなかった。ドラゴンが予想以上に弱かったからだ。
否、ケインが強くなり過ぎただけかもしれない。
大して実践経験を積めなかったな……
と思い街を出ようとする。
その時、ナタリーがケインを引き止めた。

「この街に……残ってはもらえませんか?」

「……ごめんなさい。僕は魔王を討伐しないと」

「そ、そうですよね…」

「弟さんの事が気掛かりなんですか?」

「はい。………そんなわけ無いのに、まだ何処かで生きてると思ってしまう自分が何処かにいます」

「弟さんの事は僕は知りません。でも、誰よりも弟の事を思っている貴方がそう考えるなら、きっと生きてるんじゃ無いですか?」

「……フフッ…そうかもしれないですね。信じてみます。いつかまたどこかで会えると」

「そうしてください。良かったら弟さんの特徴、教えてもらえませんか?」

「…弟は、少し短い黒髪で、低めの身長、そして闇魔法を使っていました」

(なんだか…あいつに似ているな)

「名前は…ガルド」

「!?」

「どうかしたのですか?」

「……ガルド、ですか」

「はい!きっと信じてます」

「……ええ、………僕も信じます……ガルド…さんが生きてると」

そんなわけは無いのに、僕は亡き友の生存を願った……
しかし、この一年後に、ケインはこの言葉が嘘ではなかったと知るのだった,

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