最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)

排他的経済水域

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外伝50話 即死!

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『転移』……とは、本来あらかじめ設定した場所に対象を送り届けるスキルだ。
勿論自分自身も送ることができる。

毎回決まった魔力量を消費する代わりにどんなに離れていても転移が可能なのだ。

しかし、シムが使った『転移』は本来の『転移』とは違っていた。
ルーナから『模倣』した『反転』を用いて『転移』の効果を変えていたのだ。

その効果とは……

「ルーナ!大丈夫か!」

「ケイン……大丈夫です」

そう、ルーナとケインの位置が入れ替わっていたのである。
そして、咄嗟の転移に対応できなかったルーナは体をシムに押さえつけられていた。

「NO…ワタシは逃げる途中に罠を張っていたのです。貴方には触れることさえできればこちらの勝ちですから」

「何を……」

「『即死』!」

シムは発動した。ルーナには本来効かない筈の『即死』を。
ルーナは『スキル制御』のスキルを持っている。
だから、『即死』の効果は無効化されて意味のない物になる筈であった。

だが、現実は『即死』を喰らったルーナが、あっけなく倒れてしまったのである。

「ルーナ!返事をしろ!」

「NO、ケイン無駄です」

「シム……お前何をした!」

「YES、もう敵はいません。貴方くらいになら教えても構わないでしょう。確かにルーナには『即死』が効かない。故にワタシはまずルーナに触れる事で『スキル制御』のスキルを模倣したのです」

「っ!?」

「そうして、『スキル制御』の効果を得たワタシの『即死』は威力が120%増しになります。更に、『スキル制御』を使ってルーナの大量のスキル群を妨害したのです」

「そんな事……出来るはずがない。仮にルーナのスキルに干渉出来たとしても、『スキル制御』は本来そんな使い方出来ない!」

「NO、それが出来るのです。理由は二つ。ワタシが彼女に触れていた。これだけでスキルの及ぼす効果は大なり小なり大きくなります。そしてもう一つ……ワタシは『スキル制御』の効果を『反転』させました。これによって本来の効果から『反転』された別スキルへと進化して、他者のスキルへも制限を掛けることが出来たというわけです」

なんて事だ。
つまり、シムに触られている間、実質スキルの使用が不可能になるという事だ。

そんなのとても勝てると思えない。

「諦めて殺されなさいケイン」

「嫌だね」

「Oh……残念です。貴方なら分かってくれると思っていたのですがね」

「何がだ」

「YES、ワタシはまだ彼女を殺してはいません。いえ、正確には殺したのですがワタシの持つ『即死』のスキルを『反転』させてルーナに持たせれば生き返るのです」

「っ!?」

「さあ、彼女を生き返らせて欲しければ大人しく殺されなさい」 

「……僕が死んだ後、ルーナが生き返る保証はどこにある?」

「……ワタシの目的は人類の殲滅。ルーナや神鈴木は神である為その目的の範囲外……と言えばよろしいでしょうか?」

「違う、ルーナを生き返らせる理由じゃ無くて保証がどこにあると聞いてるんだ!」

ケインは理解していた。
十中八九シムの言っている事はブラフであると。
シムはいつもルーナに攻撃を仕掛けていた。
宇宙に来た時もである。
宇宙空間にいた時のケインは無重力に逆らえず、ただ浮いていただけだったのに、何故か先にルーナの方を攻撃した。
つまり、シムはケインよりルーナを優先して殺そうとしていたのだ。そんな奴が突然ルーナは殺しの範囲外などと言っても信じられない。
偶々かもしれない。
それが単純にルーナとの戦闘に必死でその余裕がなかった可能性もある。
だが、シムの言う事は信じるにはあまりにも危険なのだ。

「悪いけど、自力で取り返す事にするよ!」

「NO、させません」

ケインはシムに向かい剣を抜く。
コイツに触れてはいけない。
シムの『反転スキル制御』の及ぼす効果が詳しく分からない以上触られたら負けと考えて戦うくらいでなければいけないのだ。

そう判断して剣での戦闘に持ち込んだのだ。
手始めにフェイントをかけながら斬りかかる。
意外にもシムはそれに騙されまともに喰らっていた。

その後も何度か同じような攻防を続けたが、
シムは剣での戦闘に慣れていないのか、防戦一方だ。

ケインはケインで何度も致命傷を負わせているはずなのにシムは喰らう側から回復させている。

「厄介だな」

「NO、ワタシこそ貴方を少しみくびっていました。ですが……これで終わりです」

シムはケインの剣を片腕を犠牲にして受け止めた。かなり右腕の深くまで刺さっているが、ギリギリ止めれたようである。

「しまっ…」

シムはケインの剣に側面から闇魔法の『ダークレイ』を当てる事で、破壊してしまった。

たまらずケインは後ろに下がる。

「YES、勝負アリですね。ワタシに触れたら貴方は終わりですから」

「……フッ」

「Why?何故笑うのです」
 
シムは警戒していた。この期に及んでまさか諦めたから笑ったというわけではなかろう。

「……まさか!」

シムは辺りを見渡す……が、無いのである。
どこにもルーナの死体が。

「そのまさかさ。残念だったな」

「Why?どうやったのです」

「敵に教えてやる馬鹿はいない……だったっけ?でもまあ、さっきは僕に手の内教えてくれたし良いよ。ヒントをあげる。後ろを見てみな」
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