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外伝51話時間稼ぎ
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言われた通り後ろを見てみる。
だが、やはりそこには何もいない。
「……?何の……」
シムがケインの方を向こうと振り返った瞬間顔面に強烈な痛みが走る。
どうやらケインに殴られた様で、思いっきり攻撃を喰らってしまった。
「グフッ……け、ケイン!貴様!」
「悪い悪い、ちょっと意地悪したくなってね。散々人間を殺され、ルーナも殺された。それに君だってさっき僕達に不意打ちを仕掛けてきたんだ。お互い様だろう?」
「……」
「そんな顔するなよ。ルーナの死体が無くなったカラクリについては教えてやるさ」
「NO、教えてもらう必要はないですね。大方神鈴木サイドの誰かが戦闘中に回収しただけでしょう?人間の浅知恵です」
「どうやって?神鈴木の転移はタイムラグがある。一瞬で回収なんてできないさ」
「But、簡単な事、マレトを使ったのです。彼の能力ならタイムラグも無しに灰色の世界とこちらの世界の行き来が可能ですからね」
「……正解だよ」
「But……随分と無茶な賭けですね。もしワタシに気づかれていたら即座に即死させられていたというのに」
「いいや、そこだ。そこが違うんだ」
「What?何ですって?」
「お前は知らないかもしれないが、此方には孝勇という頼もしい味方がいてな。彼のオリジナルスキルは『不死』あらゆる能力を使おうと孝勇を殺すことは叶わないんだ」
「I see、その孝勇がいるから簡単に迎えがこられたのですか。勝算があったのは分かりましたが、やはり人間です。もっと他に使い方があったでしょうに」
「分かるよ。お前の言いたい事は。孝勇を戦闘に参加させれば拮抗してる現状が一転、お前が不利になるだろうって事」
「Why?それが分かっているなら何故……」
「だから僕達は最善を尽くしたんだ」
「What?理解不能ですね」
「そうだな……『縮地』!」
その途端、上空から超高火力の魔法が飛んできた。
その威力はケインの剣にヴィクターの魔法剣でガルドの魔法を上乗せし、ルーナのスキル制御で火力底上げしたものより更に高い。
しかし、魔法自体は単なる風魔法の『圧縮砲』である。
何故この様な火力になったのか?
その答えは孝勇とクリフと恭弥である。
マレトによって転送された孝勇、クリフ、恭弥は上空にクリフの能力で足場を作り、恭弥のスキルで孝勇の杖(新調した)に魔力を集め続け、クリフが空気自体を制御し威力を底上げ。
孝勇は魔力をかき集めて魔力器官を壊し、回復を繰り返してさらに火力を上げたのだ。
ケインが長々と話をしていたのも、最初にシムを騙して殴ったのもこの為である。
全ては時間稼ぎだったのだ。
「なっ!」
直前までケインと話していたシムはまともに喰らってしまった。
放たれた『圧縮砲』はもはや本来の威力とは別次元になっており、地形ごと抉りながら、圧縮された空気がシムの体をズタズタにした。
直前に上空に退避したケインがそれを見ながら恐ろしげに言う。
「ふぅ……流石に終わったか?」
「ケインさん、それフラグです」
だが、やはりそこには何もいない。
「……?何の……」
シムがケインの方を向こうと振り返った瞬間顔面に強烈な痛みが走る。
どうやらケインに殴られた様で、思いっきり攻撃を喰らってしまった。
「グフッ……け、ケイン!貴様!」
「悪い悪い、ちょっと意地悪したくなってね。散々人間を殺され、ルーナも殺された。それに君だってさっき僕達に不意打ちを仕掛けてきたんだ。お互い様だろう?」
「……」
「そんな顔するなよ。ルーナの死体が無くなったカラクリについては教えてやるさ」
「NO、教えてもらう必要はないですね。大方神鈴木サイドの誰かが戦闘中に回収しただけでしょう?人間の浅知恵です」
「どうやって?神鈴木の転移はタイムラグがある。一瞬で回収なんてできないさ」
「But、簡単な事、マレトを使ったのです。彼の能力ならタイムラグも無しに灰色の世界とこちらの世界の行き来が可能ですからね」
「……正解だよ」
「But……随分と無茶な賭けですね。もしワタシに気づかれていたら即座に即死させられていたというのに」
「いいや、そこだ。そこが違うんだ」
「What?何ですって?」
「お前は知らないかもしれないが、此方には孝勇という頼もしい味方がいてな。彼のオリジナルスキルは『不死』あらゆる能力を使おうと孝勇を殺すことは叶わないんだ」
「I see、その孝勇がいるから簡単に迎えがこられたのですか。勝算があったのは分かりましたが、やはり人間です。もっと他に使い方があったでしょうに」
「分かるよ。お前の言いたい事は。孝勇を戦闘に参加させれば拮抗してる現状が一転、お前が不利になるだろうって事」
「Why?それが分かっているなら何故……」
「だから僕達は最善を尽くしたんだ」
「What?理解不能ですね」
「そうだな……『縮地』!」
その途端、上空から超高火力の魔法が飛んできた。
その威力はケインの剣にヴィクターの魔法剣でガルドの魔法を上乗せし、ルーナのスキル制御で火力底上げしたものより更に高い。
しかし、魔法自体は単なる風魔法の『圧縮砲』である。
何故この様な火力になったのか?
その答えは孝勇とクリフと恭弥である。
マレトによって転送された孝勇、クリフ、恭弥は上空にクリフの能力で足場を作り、恭弥のスキルで孝勇の杖(新調した)に魔力を集め続け、クリフが空気自体を制御し威力を底上げ。
孝勇は魔力をかき集めて魔力器官を壊し、回復を繰り返してさらに火力を上げたのだ。
ケインが長々と話をしていたのも、最初にシムを騙して殴ったのもこの為である。
全ては時間稼ぎだったのだ。
「なっ!」
直前までケインと話していたシムはまともに喰らってしまった。
放たれた『圧縮砲』はもはや本来の威力とは別次元になっており、地形ごと抉りながら、圧縮された空気がシムの体をズタズタにした。
直前に上空に退避したケインがそれを見ながら恐ろしげに言う。
「ふぅ……流石に終わったか?」
「ケインさん、それフラグです」
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