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六時近くまで勉強を続けた二人は、玄関チャイムの音を合図に片付けを始めた。
「私、受け取ってくるね。佑奈はゆっくりしてていいから」
佳子が料理を受け取りに行き、ダイニングへ持っていく。繰り返し鳴らされるインターホンに、佑奈が少しの違和感を抱き始め、ダイニングへ向かうと……。
「あ、佑奈。全部そろったよ」
ダイニングテーブルに並べられた料理の数々を見て、佑奈は言葉を失った。
桶に入った寿司、宅配ピザが二枚分、二人前のパスタ、唐揚げやローストビーフが入ったオードブル——どれもこれも豪華なものばかり。まるでパーティーのようだが、ここにいるのはたった二人だけだった。
「……佳子、ちょっと多すぎない? ううん、ちょっとどころじゃないよ、これ」
驚き混じりの問いかけに、佳子は悪びれもせず、むしろ嬉しそうに微笑んで答えた。
「食べきれなかったら捨てるから、気にしないで。佑奈の食べたいものから食べて」
その言葉を聞いた瞬間——佑奈の中で、何かが弾けた。
「……は? 捨てる……?」
佑奈にとってそれは自分の耳を疑うような発言だった。
「佳子、それ本気で言ってるの?」
「えっ?」
佳子が一瞬きょとんとした顔をする。
「だって、佑奈に喜んでほしくて……」
その言葉に、佑奈の心の奥がじくじくと痛む。
「お昼の時だって、食べられる量だけ注文しようって言ったじゃん!」
「でも、佑奈が好きなものがあったらって……」
「でももだっても聞きたくない!」
胸の奥からせり上がってくる、熱い感情。それは怒りだった。
「……食べ物を粗末にするなんて、許せない」
思わず、語気が強まる。しかし、佑奈は止まらなかった。
「佳子はお金持ちだから、そんなこと平気なんでしょ? でも私は、そんな考え方、大っ嫌い!」
——その瞬間だった。佳子の顔色が、さっと青ざめた。まるで世界が崩れ落ちる音が聞こえたかのような、そんな表情だった。佑奈もその表情にハッとして、自分が言い過ぎてしまったことを自覚した。
佳子が佑奈にお金を使うことは、これまで佳子が抱いてきた寂しさの裏返しであることに、佑奈は気付いていたのに、なのに叱ってしまった。
「やだ……嫌わないで……」
謝ろうとした佑奈の耳朶に佳子の震えた声が響いた。
次の瞬間、佳子は佑奈の足元に崩れ落ち、目に大粒の涙を浮かべながら佑奈に縋りついてきた。
「お願い、嫌わないで……っ!」
肩が震え、脚を掴む手はあまりにも必死だった。ひとりぼっちを恐れる幼子のようだった。佑奈は呆然としながらも、その細い指の感触を感じていた。
——そんなに、怖かったんだ。
佑奈は佳子のなめらかな髪に指を滑らせながら、初めての感情に戸惑っていた。
佑奈が佳子に対して怒りを見せたのは、これが初めてだった。これまでどんなことがあっても、優しく受け入れてくれていた佑奈が、自分に怒った。佳子にとって、それは想像もしなかった出来事だった。自分は佑奈にとって特別で、何をしても許される——そんな甘えを、心のどこかで抱いていたのかもしれない。
だが、違った。佑奈は、決して無条件に自分を受け入れてくれる存在ではなかった。佳子は息が詰まりそうになった。
佑奈を怒らせた。嫌われたかもしれない。このままでは、見捨てられるかもしれない。そんな恐怖が、佳子を突き動かした。
このお泊り会は、佳子にとってただの楽しい一夜ではなかったのだ。一緒に住む——それが現実になったときに、二人はうまくやっていけるのか。その予行演習みたいなものだったのだ。だからこそ、ここで佑奈に嫌われることは、佳子にとって絶望に等しい。
嫌わないでと泣き縋る彼女の言葉は、ただの駄々ではなかった。錯乱に近いほどの必死さが、そこにはあった。
「お願い、嫌わないで……っ、佑奈……!」
佳子はボロボロと涙を零し声を震わせる。両親の海外赴任が決定した時でさえ、これほど涙したか定かではない。それほどまでに、佳子は佑奈からの愛を喪うことに怯えていた。
「ごめんなさい……ごめんなさい、ごめん、なさい……佑奈ぁ、ごめんなさい……」
佑奈はそんな佳子を見つめながら、戸惑いを覚えていた。佳子の言葉には、ただの謝罪ではない、切羽詰まった感情があった。それは、依存。
佳子は本当に、自分に依存しているのだと、佑奈はこのとき初めて理解した。こんなに必死になるなんて。 佑奈の胸の奥で、何かが芽生えた。これまでの佳子への想いとは、どこか違う感情だった。
「捨てないで……嫌わないで、佑奈ぁ……」」
足元にしがみつく佳子をそっと引きはがす佑奈。佳子は謝罪を拒まれたと思い込み、表情にますます絶望が浮かび上がる。佑奈はしゃがみこんで佳子に目線を合わせる。伏し目がちの佳子からは分からないが、佑奈の笑みには、どこかうっとりとしたものが滲んでいるかのように見えた。
「嫌わないよ」
静かにそう言いながら、佑奈は佳子の背中にそっと手を回し、優しくさすった。
佳子の震えはなかなか収まらなかった。だが、佑奈の手の温もりを感じると、次第に肩の力が抜けていくのが分かった。
「……本当に?」
涙声のまま、佳子が問いかける。
「本当に、嫌いになってない……?」
佑奈は小さく頷き、佳子の髪をそっと撫でた。
「うん。怒ったけど、嫌ってないよ」
その言葉に、ようやく佳子は顔を上げ佑奈と見つめあった。佑奈はそっと、涙に濡れた佳子の頤に指を添えた。
「安心して。佳子のこと、大好きだから」
佳子には私がいなきゃダメなんだ。佳子と唇を重ねながら、これまでの純粋な愛とは違う、何か歪んだものが、佑奈の胸の奥で芽生えていた。
それは少し甘くて、少し冷たくて、どこか心地よかった。
「私、受け取ってくるね。佑奈はゆっくりしてていいから」
佳子が料理を受け取りに行き、ダイニングへ持っていく。繰り返し鳴らされるインターホンに、佑奈が少しの違和感を抱き始め、ダイニングへ向かうと……。
「あ、佑奈。全部そろったよ」
ダイニングテーブルに並べられた料理の数々を見て、佑奈は言葉を失った。
桶に入った寿司、宅配ピザが二枚分、二人前のパスタ、唐揚げやローストビーフが入ったオードブル——どれもこれも豪華なものばかり。まるでパーティーのようだが、ここにいるのはたった二人だけだった。
「……佳子、ちょっと多すぎない? ううん、ちょっとどころじゃないよ、これ」
驚き混じりの問いかけに、佳子は悪びれもせず、むしろ嬉しそうに微笑んで答えた。
「食べきれなかったら捨てるから、気にしないで。佑奈の食べたいものから食べて」
その言葉を聞いた瞬間——佑奈の中で、何かが弾けた。
「……は? 捨てる……?」
佑奈にとってそれは自分の耳を疑うような発言だった。
「佳子、それ本気で言ってるの?」
「えっ?」
佳子が一瞬きょとんとした顔をする。
「だって、佑奈に喜んでほしくて……」
その言葉に、佑奈の心の奥がじくじくと痛む。
「お昼の時だって、食べられる量だけ注文しようって言ったじゃん!」
「でも、佑奈が好きなものがあったらって……」
「でももだっても聞きたくない!」
胸の奥からせり上がってくる、熱い感情。それは怒りだった。
「……食べ物を粗末にするなんて、許せない」
思わず、語気が強まる。しかし、佑奈は止まらなかった。
「佳子はお金持ちだから、そんなこと平気なんでしょ? でも私は、そんな考え方、大っ嫌い!」
——その瞬間だった。佳子の顔色が、さっと青ざめた。まるで世界が崩れ落ちる音が聞こえたかのような、そんな表情だった。佑奈もその表情にハッとして、自分が言い過ぎてしまったことを自覚した。
佳子が佑奈にお金を使うことは、これまで佳子が抱いてきた寂しさの裏返しであることに、佑奈は気付いていたのに、なのに叱ってしまった。
「やだ……嫌わないで……」
謝ろうとした佑奈の耳朶に佳子の震えた声が響いた。
次の瞬間、佳子は佑奈の足元に崩れ落ち、目に大粒の涙を浮かべながら佑奈に縋りついてきた。
「お願い、嫌わないで……っ!」
肩が震え、脚を掴む手はあまりにも必死だった。ひとりぼっちを恐れる幼子のようだった。佑奈は呆然としながらも、その細い指の感触を感じていた。
——そんなに、怖かったんだ。
佑奈は佳子のなめらかな髪に指を滑らせながら、初めての感情に戸惑っていた。
佑奈が佳子に対して怒りを見せたのは、これが初めてだった。これまでどんなことがあっても、優しく受け入れてくれていた佑奈が、自分に怒った。佳子にとって、それは想像もしなかった出来事だった。自分は佑奈にとって特別で、何をしても許される——そんな甘えを、心のどこかで抱いていたのかもしれない。
だが、違った。佑奈は、決して無条件に自分を受け入れてくれる存在ではなかった。佳子は息が詰まりそうになった。
佑奈を怒らせた。嫌われたかもしれない。このままでは、見捨てられるかもしれない。そんな恐怖が、佳子を突き動かした。
このお泊り会は、佳子にとってただの楽しい一夜ではなかったのだ。一緒に住む——それが現実になったときに、二人はうまくやっていけるのか。その予行演習みたいなものだったのだ。だからこそ、ここで佑奈に嫌われることは、佳子にとって絶望に等しい。
嫌わないでと泣き縋る彼女の言葉は、ただの駄々ではなかった。錯乱に近いほどの必死さが、そこにはあった。
「お願い、嫌わないで……っ、佑奈……!」
佳子はボロボロと涙を零し声を震わせる。両親の海外赴任が決定した時でさえ、これほど涙したか定かではない。それほどまでに、佳子は佑奈からの愛を喪うことに怯えていた。
「ごめんなさい……ごめんなさい、ごめん、なさい……佑奈ぁ、ごめんなさい……」
佑奈はそんな佳子を見つめながら、戸惑いを覚えていた。佳子の言葉には、ただの謝罪ではない、切羽詰まった感情があった。それは、依存。
佳子は本当に、自分に依存しているのだと、佑奈はこのとき初めて理解した。こんなに必死になるなんて。 佑奈の胸の奥で、何かが芽生えた。これまでの佳子への想いとは、どこか違う感情だった。
「捨てないで……嫌わないで、佑奈ぁ……」」
足元にしがみつく佳子をそっと引きはがす佑奈。佳子は謝罪を拒まれたと思い込み、表情にますます絶望が浮かび上がる。佑奈はしゃがみこんで佳子に目線を合わせる。伏し目がちの佳子からは分からないが、佑奈の笑みには、どこかうっとりとしたものが滲んでいるかのように見えた。
「嫌わないよ」
静かにそう言いながら、佑奈は佳子の背中にそっと手を回し、優しくさすった。
佳子の震えはなかなか収まらなかった。だが、佑奈の手の温もりを感じると、次第に肩の力が抜けていくのが分かった。
「……本当に?」
涙声のまま、佳子が問いかける。
「本当に、嫌いになってない……?」
佑奈は小さく頷き、佳子の髪をそっと撫でた。
「うん。怒ったけど、嫌ってないよ」
その言葉に、ようやく佳子は顔を上げ佑奈と見つめあった。佑奈はそっと、涙に濡れた佳子の頤に指を添えた。
「安心して。佳子のこと、大好きだから」
佳子には私がいなきゃダメなんだ。佳子と唇を重ねながら、これまでの純粋な愛とは違う、何か歪んだものが、佑奈の胸の奥で芽生えていた。
それは少し甘くて、少し冷たくて、どこか心地よかった。
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