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第4章 魔王視点
第1話:再び繋がれた罪
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目を覚ますと、全身の闇の魔力は、体内で奇妙に凍りついていた。意識を失う直前、セレの放った強力な光の波動が、俺の魔力の奔流を一時的に封印したのだろう。その感覚は、冷たく、不快だったが、同時に、もう誰も傷つけないという、絶望的な安堵を俺にもたらした。
俺は、頭上の冷たい石の天井を見上げた。教会か、何か古い廃墟のようだった。
そして、首筋に感じる、異様な冷たさ。
首に巻かれた、光沢を放つ銀色の首輪と、そこから伸びて、重い石柱に括り付けられた鎖。
セレが俺を討伐せず、連れ去ったのだと理解した瞬間、俺の胸は激しく締め付けられた。
彼は、俺の裏切りによって、勇者という過酷な運命を背負った。その彼が、王城の命令を無視してまで、俺の命を奪わずに、再び鎖で繋ぎ直した。
それは、俺への最も残酷な復讐であり、俺が受けるべき罪の罰だった。
鎖の限界まで視線を動かすと、祭壇の端に、少年が座っていた。セレだ。彼は、以前の幼い姿とは似ても似つかない、冷徹な表情をしていた。その瞳の奥に時折走る金色の光は、俺を貫く刃のように鋭かった。
「……セレ。これは……」
俺の声は、魔力の封印のせいで弱々しかった。
彼は、剣の手入れをしながら、冷たい視線を向けた。
「見たままだ。お前は、俺の獲物だ。王城に引き渡すつもりはないし、お前の望み通り、殺してやるつもりもない」
その言葉は、俺の望む死による解放を、完全に否定していた。俺は、彼に絶望を与えた報いとして、彼が最も苦痛だと考える形で罰を受けるしかない。
俺は、鎖を付けられたまま、静かに息を吸った。
「君は、僕を殺さなかったのか……。なぜだ?王城の命を無視してまで……君がこんな苦しい生き方を続ける必要はないのに」
「俺に指図するな、ノアール」
彼は立ち上がり、俺の目の前に屈み込んだ。その瞳は、俺の罪悪感を深く抉る。
「三年前、お前は俺を裏切り、鎖を解いた。その結果、俺は勇者という道具になった。お前は、俺から幸福を奪ったんだ」
「その代償として、お前は今後、俺が求める鎖になる。お前が望む死も、王城が望む処刑も、俺は与えない。お前は、俺の復讐の道具として、俺のそばにいるんだ」
俺は目を閉じた。彼の怒りの深さが、俺の胸に突き刺さる。彼の言葉に抵抗する権利は、俺にはなかった。
「……わかった。君が、この三年間で受けた苦しみを思うと、僕はどんな罰でも受け入れなければならない。君の望み通りにすればいい」
俺は、彼の復讐を受け入れた。俺の罪の深さは、俺自身が死を選ぶことで終わらせられるものではない。彼の孤独な執着の鎖に繋がれることこそが、俺の贖罪なのだろう。
「ここでの俺たちの役割だ。お前は、この場所から一歩も動かない魔王。俺は、その魔王を監視し、王城から隠し続ける勇者だ。そして、お前は、俺の唯一の話し相手だ」
彼はそう言い放ち、俺との間に一定の距離を保って座り直した。
俺を繋ぎ止める鎖は冷たいが、彼の孤独を考えると、俺はこの鎖に繋がれたまま、彼を支え続けるしかない。彼が、俺への憎しみをぶつけることで、少しでも心が軽くなるのなら。
俺は、頭上の冷たい石の天井を見上げた。教会か、何か古い廃墟のようだった。
そして、首筋に感じる、異様な冷たさ。
首に巻かれた、光沢を放つ銀色の首輪と、そこから伸びて、重い石柱に括り付けられた鎖。
セレが俺を討伐せず、連れ去ったのだと理解した瞬間、俺の胸は激しく締め付けられた。
彼は、俺の裏切りによって、勇者という過酷な運命を背負った。その彼が、王城の命令を無視してまで、俺の命を奪わずに、再び鎖で繋ぎ直した。
それは、俺への最も残酷な復讐であり、俺が受けるべき罪の罰だった。
鎖の限界まで視線を動かすと、祭壇の端に、少年が座っていた。セレだ。彼は、以前の幼い姿とは似ても似つかない、冷徹な表情をしていた。その瞳の奥に時折走る金色の光は、俺を貫く刃のように鋭かった。
「……セレ。これは……」
俺の声は、魔力の封印のせいで弱々しかった。
彼は、剣の手入れをしながら、冷たい視線を向けた。
「見たままだ。お前は、俺の獲物だ。王城に引き渡すつもりはないし、お前の望み通り、殺してやるつもりもない」
その言葉は、俺の望む死による解放を、完全に否定していた。俺は、彼に絶望を与えた報いとして、彼が最も苦痛だと考える形で罰を受けるしかない。
俺は、鎖を付けられたまま、静かに息を吸った。
「君は、僕を殺さなかったのか……。なぜだ?王城の命を無視してまで……君がこんな苦しい生き方を続ける必要はないのに」
「俺に指図するな、ノアール」
彼は立ち上がり、俺の目の前に屈み込んだ。その瞳は、俺の罪悪感を深く抉る。
「三年前、お前は俺を裏切り、鎖を解いた。その結果、俺は勇者という道具になった。お前は、俺から幸福を奪ったんだ」
「その代償として、お前は今後、俺が求める鎖になる。お前が望む死も、王城が望む処刑も、俺は与えない。お前は、俺の復讐の道具として、俺のそばにいるんだ」
俺は目を閉じた。彼の怒りの深さが、俺の胸に突き刺さる。彼の言葉に抵抗する権利は、俺にはなかった。
「……わかった。君が、この三年間で受けた苦しみを思うと、僕はどんな罰でも受け入れなければならない。君の望み通りにすればいい」
俺は、彼の復讐を受け入れた。俺の罪の深さは、俺自身が死を選ぶことで終わらせられるものではない。彼の孤独な執着の鎖に繋がれることこそが、俺の贖罪なのだろう。
「ここでの俺たちの役割だ。お前は、この場所から一歩も動かない魔王。俺は、その魔王を監視し、王城から隠し続ける勇者だ。そして、お前は、俺の唯一の話し相手だ」
彼はそう言い放ち、俺との間に一定の距離を保って座り直した。
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