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「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
文字数 233,105
最終更新日 2026.02.02
登録日 2026.01.03
『旧約聖書』創世記 第3章1節(新共同訳より)
「主なる神が造られた野の生き物のうちで、蛇が最も賢かった。」
……それ自体が、最初の呪いだったのではないか。
黒瀬凪には、世界が「透けて」見えてしまう。
他人の笑顔の裏にある打算、優しさという名の自己満足、そして誰もが目を逸らしている醜い本性。開きっぱなしの聖書と哲学書に囲まれた彼の自室は、知恵という名の孤独で満たされていた。
彼の通う学園には、眩しいほどの「無垢」を纏う二人がいた。
搾取されていることに気づかない善人・安堂朔夜。
踏みにじられていることを自覚しない聖女・一ノ瀬唯花。
何も知らぬまま「楽園」を享受する彼らが、黒瀬には耐え難かった。
「君たちが信じているその楽園は、ただの書き割りに過ぎない」
黒瀬は蛇となり、二人に「知恵の実」を食わせる。
それは悪意か、それとも救済か。
やがて訪れるのは、責任のなすりつけ合いと、対話の断絶。
だが、その絶望の果てに、黒瀬は自分すら予期しなかった「他人の熱」に触れることになる――。
これは、楽園を追放された者たちが、泥沼の中で初めて「自分」を見つけるまでの、残酷で温かい再生の物語。
文字数 64,425
最終更新日 2026.01.02
登録日 2025.12.28
没なので完結しない予定です
気が向いたら続き書きます
「君を救えるなら、世界中に嫌われたってかまわない」
子爵家の三男・リアムは、幼い頃から自分を選んでくれた公爵家の次男・カイルを心から愛していた。しかし、カイルが不治の呪いに倒れたあの日、リアムは彼を救うために悪魔ヴォルガスと禁忌の契約を交わす。
契約の代償は、一年の間、カイルに関わるすべての行動を悪魔に明け渡すこと。
それからの一年、リアムの体は悪魔に乗っ取られ、愛するカイルを罵り、傷つけ、その心を徹底的に破壊し尽くした。意識だけを内側に閉じ込められたリアムは、自分の手で最愛の人を絶望させる地獄を味わう。
一年後、契約が解けたリアムに残されたのは、カイルからの「大嫌いだ」という冷酷な言葉と、家からの追放、そして腹部に刻まれた醜い悪魔の契約印だけだった。
すべてを失い、平民として行き倒れていたリアムを拾ったのは、今や冷徹な伯爵となったカイルだった。
「俺の屋敷で使用人になれ」
復讐心に燃えるカイルと、真実を隠し通し、ただ彼が生きてそばにいるだけで幸せだと微笑むリアム。
二人の止まっていた時間が、再び歪に動き出す――。
文字数 17,310
最終更新日 2026.01.01
登録日 2026.01.01
「感謝すら忘れた者たちに、明日を語る資格はない」
自らの都合で聖王セシルを追放し、異世界から新たな「勇者」を召喚したアドレアン聖王国。
しかし、その身勝手な選択が、国を、大地を、そして人々の心を根底から腐らせていく。
壊れゆく少年勇者と、彼を歪に愛した騎士。
二人の執着が交わったとき、聖王国は二度と再生不能な終焉へと突き進む。
裏切り者たちには、因果応報という名の、容赦なき報いが下る。
これは、傲慢な国が崩壊するまでの、無慈悲な記録。
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『嘘つき王と影の騎士』から引き続き読んでくださる皆様へ
この物語は、セシルを虐げた者たちが、ただただ因果応報の末路を辿るだけの物語です。
本編に救いはありません。
セシルたちのその後が気になるという方は、本編は飛ばして、最終話の後に掲載する「閑話」のみをお読みいただくことをお勧めいたします。
本作は『嘘つき王と影の騎士』の続編となりますが、前作をお読みでない方でも一つの物語としてお楽しみいただけます。
文字数 41,763
最終更新日 2025.12.29
登録日 2025.12.26
「俺の役割は、貴方を守ることだ。……例え、貴方自身からも」
国の平穏を一身に背負い、十二年間「聖王」という偶像を演じ続けてきたセシル。
酷使し続けた心身はすでに限界を迎え、その命の灯火は今にも消えようとしていた。
そんな折、現れたのは異世界からの「転移者」。
代わりを見つけた国は、用済みとなったセシルからすべてを剥奪し、最果ての地へと追放する。
死を待つためだけに辿り着いた冬の山。
絶望に沈むセシルの前に現れたのは、かつて冷徹に王を監視し続けていた近衛騎士団長、アルヴィスだった。
守るべき王も、守るべき国も失ったはずの二人が過ごす、狭い小屋での夜。
無価値になり、壊れかけた自分を、なぜこの男は、そんな瞳で見つめるのか。
なぜ、そんなにも強く、抱きしめるのか。
これは、すべてを失った「聖王」が、一人の男の熱に暴かれ、再生していくまでの物語。
文字数 118,749
最終更新日 2025.12.26
登録日 2025.12.20
貴族を騙して破滅させるのが趣味だったスラムの詐欺師が、ある日「上には上がいる」ことを知る。
自分を捕らえた謎のマダム。彼女は、彼が最も欲するものを知っていた。
「いい子ね、ポチ」
そう呼ばれるたび、心が、本能が、彼女に支配されていく。
例え「犬」と呼ばれても、元貴族のペットたちに馬鹿にされても構わない。
すべては、最愛のご主人様が用意してくれる「最高の絶望」を味わうために――。
一人の男が完璧なペットへと仕上がっていくまでの、転落と恍惚の物語。
文字数 3,401
最終更新日 2025.12.26
登録日 2025.12.26
予言の魔王として闇に閉ざされた屋敷に隔離されていたノアール。孤独な日々の中、彼は唯一の光であった少年セレを、手元に鎖で繋ぎ留めていた。
3年後、鎖を解かれ王城に連れ去られたセレは、光の勇者としてノアールの前に戻ってきた。それは、ノアールの罪を裁く、滅却の剣。
ノアールが死を受け入れる中、勇者セレが選んだのは、王城の命令に背き、彼を殺さずに再び鎖で繋ぎ直すという、最も歪んだ復讐だった。
「お前は俺の獲物だ。誰にも殺させないし、絶対に離してなんかやらない」
孤独と憎悪に囚われた勇者は、魔王を「復讐の道具」として秘密裏に支配下に置く。しかし、制御不能な力を持つ勇者を恐れた王城は、ついに二人を排除するための罠を仕掛ける。
歪んだ愛憎と贖罪が絡み合う、光と闇の立場が逆転した物語――彼らの運命は、どこへ向かうのか。
文字数 55,533
最終更新日 2025.12.19
登録日 2025.12.16
「ねえ、もっと私を壊して。私の中に、佐倉さんの色以外、何も残らないくらいに」
大学の演劇サークルで脚本を書く佐倉梨沙は、周囲から「聖女」と崇められる看板女優・瀬戸詩織の完璧すぎる笑顔に、言いようのない嫌悪感を抱いていた。
ある日、梨沙は詩織の「完璧な仮面」が剥がれ落ちる瞬間を目撃する。
それを機に、二人の関係は「脚本家と女優」から、もっと暗く、歪なものへと変質していく。
詩織の正義を剥ぎ取り、毒を注ぎ込み、解体していく梨沙。
けれど、梨沙は気づいていなかった。
支配しているつもりの自分こそが、詩織という底なしの虚無に、呼吸の仕方さえ忘れさせられるほど依存し始めていることに――。
これは、美しき「聖女」を壊そうとした脚本家が、逆に彼女の檻に閉じ込められていく、共依存と執着の物語。
文字数 17,819
最終更新日 2025.12.18
登録日 2025.12.18
天界の至宝と謳われた高潔な天使・エルリエルは、反逆の罪に問われた親友・ベルフェゴールを救うため、自らの手で彼の翼を焼き、地獄へと突き落とした。それが彼に与えられる唯一の「慈悲」だと信じて。
数百年の時を経て、堕天使となったベルフェゴールが復讐のために帰還する。
再会した彼の手によって、エルリエルは翼を毟られ、霧に閉ざされた館へと監禁される。
「あんたを壊し、俺と同じ地獄へ引き摺り込んでやる」
冷酷な復讐者を演じるベルフェ。だがその執着の裏側には、独り残された地獄で抱き続けた、狂おしいほどの孤独と渇望が隠されていた。
一方、エルリエルもまた、己の犯した「慈悲という名の罪」を購うため、静かにその身を捧げていく。
憎しみと愛が溶け合い、魂が一つに縫い合わされていく果てに、二人が辿り着くのは救済か、それとも永遠の堕落か――。
文字数 25,025
最終更新日 2025.12.18
登録日 2025.12.18
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