異世界陸軍活動記

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任務変更

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 ジョリ  ジョリ

 2か月の学校生活を終え、またカナル隊と合流し共に2か月の任務に当たることとなった

「で? お前何やってんの」

「見て分かりません? 毛を剃っているだけですよ」


 今回、急遽任務の変更があり、本来ならば前回と同じ大陸東部後方になるはずだったが、今回はカナル隊が通常時受け持っていた大陸中央に変更された。

 理由としては、敵国マシェルモビアに余り動きがなく、休める時に兵を休ませようということで、一時的に穴の空いたこの場所をカナル隊が受け持つことになったからだ。


「みりゃー分かるよ、何で召喚獣の髪の毛を剃ってるんだよ!」

「こっちの方が似合うから?」

 ブライが何やらわめいているが、なんて事はない、ノーム達の髪の毛と眉毛と髭を剃っているだけだ。

 体は子供だが顔はおっさん、しかも結構厳つい顔、学校にいる時ノーム達の装備を作ったのだが、その装備の内、兜がヘルメットの様になった。
 そしてどことなく自衛隊風に、それを今いるキャンプ地で着せてみたが気づいてしまった。

 駅の黒板に、XYZと書き込むと来てくれる都市の狩人の友達、陸坊主に似ていると、それで何となく1号の毛を剃ってみたが結構いけてると感じ、今2号が終わり3号に取り掛かっている最中だ。


「この容姿だと、ノームってよりは軍曹だな、お前たち名前変えてみるか?」

 ノーム3体は手と首をイヤイヤと横に振った

「何だ、嫌なのか? いいと思ったんだけどな、残念だよ君たちには失望した」

 すると突然許しを請うような動きで、俺にすがるノーム3体、顔の表情が全く変わらないので、自分の召喚獣でも正直不気味だ。


「‥‥お前の召喚獣はどれもアレだけど、お前も大概だな」

 アレって?

「そういえばさー、お前と合流する前さ、一週間の休暇を急に貰ったからさー」

 ‥‥知ってる、ミラから聞いた

「ハヤトも連れて、隊の皆で飲みに行こうってなってな、本部の学校のとこまでお前の事迎えに行ったんだよ」

「へ‥‥へぇー」

「そしたらお前いなかったじゃん、どこ行ってたんだ?」

「ちょっとだけ用事があって‥‥」

「一週間、休学届出してたみたいだけど、一週間も何してたんだ?」

「こ、今回の任務の準備とか‥‥あっ、ほら! ノームの武器とか色々‥‥」

「ふーん‥‥てか、ミラも実家に帰るとか言ってよ、せっかくの飲み会がお通夜みたいだったよ」

 丸々一週間ミラの部屋に入り浸っていたけど、実家には帰ってなかったよ。

「ニーアが居たんならそれは無いんじゃ?」

「そーいやぁそーだな、アイツ酒入るとウッセーからな! いや? いつでもウッセーな」

「誰が世界一イイ女だって?」
 丁度噂をしていたイイ女が、半目でこちらを見ていた

「イイ女? お前の事じゃ無いな━━」
 
 パーン!   

「いっってぇえええ!!」
 おでこを思いっきりはたかれたブライがひっくり返る

「夜のイカガワシイお店のお姉さんにしか相手にしてもらえない、あんたには言われたくわ無いわね」

「何だよ急に! 行きたいから行ってるだけなんだよ、お前だって行ったらあの良さが分かるはずだぞ!」

「あ、あたしが行ってどうすんのさ! 女用のお店なんてないし!」

 いや、あったよ? バールと一緒にあの辺回ってた時、それっぽいのあったし

 
 視界の端にノームの姿が映ったのか、ニーアはチラリとノームを見たあとすぐに二度見をする。

「うわ! なに、気持ちわる !アンタ何してんの!?」

「見て分かりません? 毛を剃っているだけですよ」

「そんなの見ればわかるよ! 何で召喚獣のを剃ってんのよ!」

「こっちの方が似合うから?」

 さっきの自分と同じやり取りにブライは何故か満足気だ、だろ~? と小声で頷いている。

「そんなことしてさー召喚獣にダメージ入るんじゃないの?」

「そこまで考えてはいなかったね、というか、もう剃り終わったから、今更どうしようもないよ」
 完成した3号の頭に迷彩のヘルメットを被せ顎紐を結ぶ。
 
「これを肩から掛けるんだ」
 そう言ってライフルの形に近い「銃」をノーム3体に渡す、魔法よりも火力も命中率も劣る銃だが、全く効果がないというわけではない、主力武器が刀剣、それにプラスして魔法がこのせかいでの最も効果のある攻撃方法とはいえ、それに劣る銃だってそこそこは改良はされていた。
 ノームには敵を牽制してもらうことを考えていたので、彼らの武器は銃にした。

「よし! 終わり、 さて、君たちにこれから任務を言い渡す」
 ノーム達は横一列に並び背筋を伸ばしている

「倉庫用のテントに向かい、パナン用のシロップを入手せよ!」
 ビシィ!!  と見事な敬礼をする3体、敬礼なんて教えた覚えがないんだけどな‥‥。

 「シロップ下さい」と書いた紙を一号に手渡す、ちなみに倉庫を管理する人には、俺の召喚獣が取りに来ますからと言ってサインはもうしてある。

 一号は俺から預かった紙を懐に乱雑にしまい込んだ、「クシャ」と音がして紙屑同然になってしまった

 もうちょっと丁寧に扱えよ


 駆け足のポーズを取り1号を先頭に縦一列に並ぶ、そしてそのまま地面に伏せ、匍匐前進ほふくぜんしんをはじめた。

 あ~あ、せっかく着せたのに服が汚れちゃうよ、帰ってきたら『洗浄』掛けてあげなきゃ、やんちゃな子供を持つお母さんの心境だよ。

 先頭を進んでいた1号がピタリと止まり、ハンドサインで「マテ」と後続に合図する、そのまま口の前に人差し指を当てから、お口にチャックのジェスチャーをした、というかお前ら元から喋れないだろ。

「ハヤト、あいつ等合図とか使ってるぞ、何の合図だ?マテと喋るな、でいいのか?」

「ええ、合ってます」

 そのまま1号は人差し指を隠し、そのあと小指を立て2号3後に見せたあと、そのままその小指をみぞおち辺りから、大きく弧を描く様に、お腹の前に持っていきそのままお腹の下に手を戻す、

「妻が、妊娠したそうです」

「「おいっ!!」」

 召喚獣モルフトは、自由奔放な性格だと言われているが、姿を変えノームになり「顔」を持った今、それは無いと俺は断言できる、時折チラチラとこちらを見て反応を伺っている、明らかに受けを狙っているのだ。

 まぁ、それはいいから早く行けよ。

 3分ぐらいで終わるはずだった「初めてのお使い」は、最終的には10分もかかった。最後は「俺に構わず先に行け」を披露しだした、3号が倒れ、そして2号が倒れ、どこから手に入れたのか木の棒を杖代わりにし、よれよれになった1号がもう限界だと言わんばかりに、震えながらシロップを俺に渡した瞬間倒れ、帰還を命じて無いにもかかわらず、勝手に光の粒となって消えていった。

 手渡されたシロップの瓶はほぼ空の状態だった、俺たちが見ているにも関わらず3体で譲りながら飲んでいたから、多分彼らの中では灼熱の砂漠という設定らしい、水筒に入った水を3体で分け合いながら、みたいな。

 俺は保存食用のパナンを収納から取り出し、シロップの入った瓶を保存食の上で逆さにする、瓶の中では雫がス~っと下に落ちてきたが、そこから垂れてこない、ちょっとだけ振ってみると、雫はパナンの上ではなくそのまま地面に落ちた。

 
「ぎゃははははっははははhh フゴッ!!」
 女とは思えない笑い方をするニーア

「・・・・ヒぃ‥‥ぃ・・・・ヒぃ・・・・ぃ・・」
 ブライは今、息も出来ない状態だ、苦しそう、たまに「フシュルー!」とか鳴き声がする



 パサリ

 簡易司令部のテントが開き、そこからカナル隊長が出てきた

「オリバーを呼んできてくれ、任務が急遽変更になった」
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