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撤退?
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「!?」
戦闘をしながらトンプソンからの撤退をしていたライカ・ダーモンは、小さな爆発音を聞いた。
その音は遠くから、南側から聞こえたように感じた
リクレク大隊の第二中隊、その第二小隊に所属するライカの部隊は、常にリクレク隊の先頭を務める為、撤退に関してもしんがりを担当する事になる。
そしてしんがりという事はそこが撤退する時の最前線でもある。にもかかわらず南側から聞こえた爆発音。
作戦道りならその場所には自軍の兵士も敵の兵士もいないはず
「今南側から爆発音がしたか?」
同じ小隊の隊員に聞いてみるが
「いや音などしなかった」
「俺も聞いてない、そもそも南側? には部隊は展開していなはずだ」
部隊の誰もが音を聞いていないと言う、しかしライカは確かにその音を聞いた
今までライカが所属した部隊の隊長は全員『勘』で動く事が多い。
最初に所属した『フレックス隊』のフレックスは『予感』。
次に所属した『ハヤト隊』のハヤトは『直感』。
そして今所属する『リクレク隊』のオーバは『経験から来る勘』。
勘で動くのは良い事ばかりではないが、それでも今までライカが所属していた部隊が全滅していない事がその証明だろう。物事を引き当てたり回避したりという勘は、命を賭ける職業としては有効な能力ともいえる。
しかし、ライカには勘という運任せの能力は無い。どちらかと言えば運が悪い方になる。
以前のライカは自分の剣技の能力に自信があり、自分が行けると思えば自身の判断で敵中に突っ込む事が多かった。
その事でフレックス隊長には「周りをよく見た方がいい」と言われていたが、素直に忠告を聞かずにいた結果、ベルフ・ラーベが命を落としてしまった。
それ以降、ライカは自分の勘を頼らず目と耳で確認する事を徹底した。そしてそれは大陸深部の横断で研ぎ澄まされる事になる。
極限の状態の中、その目に映る光景で、微かに聞こえる音でライカは状況を判断し見事に横断に成功した。
ライカの周りの状況をよく確認すると言う能力は、ハルツールの兵士達の中でもトップクラスだろう。
そのライカが聞いた小さな爆発音、今の作戦の状況からして南から音は有りえないだろう。
もしこれがフレックスだったら
「嫌な予感がするから進路をちょっと北側に取ろうか」
と言うだろうし、ハヤトだったら
「ちょっとあっち側行ってくるね」
1人で召喚獣に乗って行ってしまうだろうし、現隊長のオーバなら
「南側を警戒しつつ後退しよう」
となるだろう
勘の良い彼らに対し、ライカは少し羨ましいという感情が多少なりとはあった。
しかし自分にはそれが無い、だから目と耳で確認し今の状況を考えた結果
「小隊長、召喚獣のカーネロを手配してくれませんか?」
「音のしたって場所に行くのか?」
「はい、確認したいのですが」
「分かった直ぐに手配する」
◆◇◆◇
「会いたかった会いたかった会いたかった━━!!」
男は手に黄色に光る召喚者殺しを持ち、顔には不気味と思えるほどの化粧をし、奇声染みた声を上げ持っていた召喚者殺しを打ち込んできた
『勇者』ルイバ・フロルドとの会敵であった
俺は十字槍の蜻蛉切りで叩き込むように打ち込む
「こっちは会いたく無かったよ!」
「そんな事言わないで! 私ねずっと待ってたの、ずっとずっと暗いじめじめとした場所で、閉じ込められて!
私は貴方が死んだなんて信じて無かった、だからあの人は死んでない! だからこの場所から出してって言っても出してくれなかったの!」
「当たり前だろこの犯罪者が!」
全てはマシェルモビア領土に行った時、トルリ・シルに会った時すべて聞いている。
功績を称え表彰されている場所に乗り込んできて、手当たり次第にその場にいた者達の首を刎ねたと。
普通なら死罪になるはずだったが、マシェルモビア王が直接『勇者』の称号を与え、流石に称号を持つ者を死罪には出来ないとし幽閉されていた。
はずだったが‥‥
クッソ! 勘で南側に進むんじゃなかった
勘を頼りにしたばかりに、今一番会いたくない粘着者に結果的に会ってしまった。
フロルドが槍を突き、それを俺が弾く。それが3度続き俺は後ろに飛ぶように跳ねた
「隊長加勢します!」
レンダルとケンタ君が離れた瞬間に魔法を放とうとし━━
その瞬間一気にムワッとした熱気のような物が肌に触れた
「やめ━━」
止めようとしたがそれは遅かった。フロルドによる湿気魔法が一瞬で辺りを支配し、魔法を放ったレンダルとケンタ君の手元で自分の魔法が爆発を起こした
「ぐあっ!」
「っ!」
フロルドの水魔法に反応した二人の魔法は使用者を後方に吹き飛ばした。
フロルドは吹き飛んだ二人を元々いないかのように俺にその槍を向けてくる
「チッ! クッ!」
突き出される槍を弾きながら
「属性魔法は使うな! コトン!」
続けて放とうとしていたコトンを止める。ビクッと反応したコトンは直ぐにその手を止めた
「他の奴なんかほっといて今は私だけを見てよ!」
フロルドの槍の速度が上がる、『身体強化』を使ったのだろう。俺もその速さに合わせる為に同じく使うが、元々の速さが向こうの方が上なので状況はやはり変わらない。
防戦一方になり、いなすのが精一杯だった
爆発で吹き飛ばされたレンダルとケンタ君だったが、起き上がりいつの間にかフロルドの後方にいた。
そして二人一斉に声も出さず後ろから切りかかるが
フロルドは後ろも見ず、俺を見たまま召喚者殺しを自身の後方に振るう
ギャン!
振るわれた槍はレンダルの刀とぶつかりそのままレンダルの体ごと弾き飛ばす。
レンダルの真横にいたケンタ君も、弾き飛ばされたレンダルの体にぶつかり二人いっぺんに倒れた。
そのふたりの攻撃など意味が無いと言わんばかりに、振り戻した槍を今度は俺に振るう
「ねぇねぇ聞いて! ティンパーもアンナも寂しがっていると思うの! だからあなたも一緒に二人の元に行ってほしいのよ。
大丈夫あなたが死んだら私も一緒に行くから安心して!」
「なにがっ! 安心してだ! 死ぬなら一人で死ね!」
第一アンナって誰だよ!
「なんでフロルドがここに‥‥」
俺は小さな声で呟く
それよりもこの場に留まるのが不味い、この後に味方の砲撃が来るのに
「3人共この場から直ぐに撤退しろ」
隊員達に命令するが
「だ、大丈夫です隊長! 確かに強いみたいですが4人でかかれば」
違う、そうじゃない
「コトン分かるな! 撤退だ」
この場で俺の他に作戦内容を知っているコトンに命令する
「俺は後でも空から逃げられる、だから先に行け! 第三中隊に合流しろ」
コトンは少しだけ考えた後、コクっと頷いた
「レンダル、ケンタ君行くよ」
「そんな事出来る訳が無い、グース隊長が━━」
そのコトンの言葉にレンダルが食い下がる
「何々? 私が目の前にいるのに他の奴に‥‥気を取られているの?」
フロルドの目の色が変わる、それまで俺しか見ていなかったのがスッと隊員の方に目が移る
やべっ!
それまで防戦一方だったが、思い切って踏み込みフロルドに対する最初の攻撃をした。
隊員に意識を向かせる訳にはいかない
この場に3人いたとしてもこのフロルドには勝てないだろう、自分も含めてあまりにも未熟すぎる。
オーバと二人がかりで戦っても勝てなかったのに、だから行ってほしいのに行ってくれない、先に作戦内容を話してしまえば良かったか?
行かないなら無理やりにでも行かせる
「竜騎士隊隊長ウエタケ・ハヤトが命ずる! 指揮権をコトン・ラティウスに一時的に譲渡、コトン・ラティウスを隊長にしこの場から退却、すぐさま第3中隊に合流せよ!」
部隊長が強制的に発動できる命令を行使する。これに従わなかった場合は命令違反として裁判に掛けられる場合がある
「うっ‥‥」
俺のこの命令により、戦いに加わろうとしていたレンダルとケンタ君はその動きを止めた
「レンダル、ケンタクン退却よ急いで!」
絶対的なコトンの命令に二人はためらったものの撤退を決めた
走り去る3人を確認したフロルドは
「邪魔な子達を追い払ってくれたのね、ありがとう。これで二人っきりで殺し合えるわね」
槍を打ち込みながら気持ちの悪い笑顔になる
「本当に邪魔なのはお前だけどなフロルド!」
ギリギリ躱しながらそう答える。完全に嫌味で言ったのだが
「キャアー! 私の名前を憶えていてくれたのね! 大好きよ、今すぐ殺してあげるから」
槍の速度がさらに増す
フロルドの一撃が俺の右足を狙ったのだろう、その一撃を蜻蛉切で叩き落し、そのまま接触している蜻蛉切を通して『重力』魔法を発動。
フロルドの持つ槍はその力によって地面に叩き落され、そのまま縫い付けられる。
その隙にソルセリー式の槍を左手に持ち、そのままフロルドに向けて突き刺した。
だがフロルドは蜻蛉切によって押さえつけられている槍・召喚者殺しを一旦消し、直ぐに再召喚。
突き出したソルセリ―式の槍を弾いた
「凄い凄い! 今の攻撃は凄かった! 流石ね。そんな事出来るのってマシェルモビアに居ないからかなり感じちゃった! ああーどうしよう早く殺してあげたいけど、もっと楽しみたい!」
まるで子供の様に嬉しそうにするフロルドだが、言い方とその顔の化粧のせいで身震いするほどの気色悪さを感じる。
化粧もそうだがその性格は一体どうしたのだろうか? 前はそんな感じではなかった。
何かしらの原因があっての事だろうが、前はもっとダレた感じの話し方だったし‥‥。だが今の攻撃でやはりと感じたのが、俺ではフロルドには勝てないという事だった。
今の一撃は普通だったら対処できたとしても、傷の一つ位は付けられたはず、なのにフロルドは何でもないかのように俺の一撃を弾いた
『勇者』の称号を受け取る前、フロルドには別の呼び名があった。
『天才』フロルド。そう呼ばれていたと
それを聞いたのはトルリの家に招待された2度目の訪問の時。何でも再教育として軍学校で特訓をし、教官3人に対し一撃も攻撃を喰らわず、一瞬で3人を倒せるまでに成長したと言う。
その他にもマシェルモビアでは、もうフロルドの相手を出来る者はもういないとされている。
故に天才なんだそうだ
そんな奴を俺一人でどうこう出来ようとはもちろん思ってはいない、砲撃が始まったら召喚獣のガルーダに乗り直ぐに逃げようと思っていた。
だが、どうやらそれも出来なさそうな気配がする。
と言うのもフロルドは槍をメインで使っているが、間合いを全く取ろうとしない、俺が下がるとフロルドが前にでてくるため、召喚自体が出来ないのだ。
奴の持つ槍は召喚者殺し、召喚獣を一突きで消滅させることの出来る恐ろしい武器。
竜騎士隊の3人が撤退した後、さっきからその隙を見て逃げ出そうと試みているが全くその隙を見せない、何とかして作り出さなければ今いるこの場所にも味方艦の砲撃が飛んで来てしまう。
少しでも距離を取ろうと先ほどから『放出』魔法を使い、吹き飛ばそうと試みているが、フロルドには何故か通用しなかった。
若干だが体を押している感じはするのだが、吹き飛ばすまでには至っていない。
多分だが‥‥その槍、『召喚者殺し』で魔法自体を切っているのだろうか? 実際にそんな事が可能なのか? 漫画みたいなバカげた技を使えると言うのだろうか?。
だが元々召喚者殺しは、召喚獣を代償としている事は何となく察している。
もしかしたら召喚獣の力で‥‥いやいやそんな事は無いはず‥‥しかし、実際にはフロルドを吹き飛ばす事が出来ていない
まさか実際にそんな事が‥‥
そしてこの瞬間にも俺が放った『放出』魔法が、その槍によって切り裂かれた
やっぱり━━
「ハハハハァ―ッ!」
俺と戦うのが楽しいのか、奇妙な笑い方で目を限界まで見開き、そのまま槍を突きだす
『照明』
カッ!!
一瞬で輝いた魔法は二人の真ん中で発動し、目が開けられない程の光を放つ
「ッ!!」
流石に突然の目くらましには対処は出来なかったのか、フロルドからの声が漏れる
俺は右手の手首にはめていたブレスレッドに向け、魔力を通した。
特性のブレスレッドであり、魔力に反応してその蓋が開くようになっている。
そこから飛び出したのは様々な種類の植物の種、そこに━
『成長・促進』
植物を魔力量によって成長を促す魔法を掛ける
『ドライアド』
同時に植物を自在に操ることの出来る、召喚獣のドライアドを呼び出した
ブレスレッドから飛び出した種は地面に落ちた瞬間、『成長・促進』魔法の力で急激に成長した
「きゃぁぁぁ!!」
響くフロルドの悲鳴、成長した植物はドライアドの力も相まってフロルドを取り込み、天高く成長する。
ブレスレッドに入れていた種は様々な種類を入れており、30メートル程に成長する巨木の種から、ツタを這う植物の種、茨を持つ植物など様々。
その植物達は、フロルドを完全にその中に捉えた
これで撤退が━━
出来る。
そう思えたのは、ほんの一瞬だけだった
『シュン! シュン!』
風を切るような音がし、完全に捕えていたはずのフロルドの体が植物から離れる
「え?」
10メートル近くまで持ち上げられていたフロルドは、地面にキレイに着地した
「こんな事までできるなんて‥‥凄い! ねぇ他には何が出来るの!? もっと見せてよ!」
そう言ってフロルドは槍を振るった
完全に捕えたはずだったが、フロルドは植物の中から出て来た。一瞬何をしたのか俺には分からなかったが、後から理解が追い付いて来た。
フロルドは持っていた『召喚者殺し』を一旦消し、自分に絡まってきている植物の場所に再召喚していた。
それを瞬間的に何度も繰り返し、あの植物の中から出て来たのであった
召喚獣のドライアドは植物を更に操作しフロルドを再度捕縛しようと試みるが━━
伸びてきた枝やツタに対し、フロルドは持っていた『召喚者殺し』を一旦消し、先程のように再召喚し植物を処理した。
しかも再召喚しただけではなく、その槍・『召喚者殺し』はフロルドが確かに触れてもいないのに動いていた。
召喚獣を触媒にして作られた『道具』、というだけの存在であったはずだったが‥‥
確かにソレはフロルドの意思ではなく自身の力で動いていた
『召喚者殺し』は伸びてくる枝やツタを払った後、その種をまいた場所に飛んで行き、木の幹ごと切り倒した。
そして、フロルドの場所まで戻り、空中で停止した
「ねえ、次は何を見せてくれるの?」
フロルドは嬉しそうに俺を見つめる
「何だよそれ‥‥完全にファ○ネルじゃん」
◆◇
隊長であるハヤトの命令で、第3中隊に合流をする為に撤退をしていた竜騎士隊の3名であったが、急に一時的に隊長権限を任されていたコトン・ラティウスがその場で止まった
「おい、どうしたコトン!」
ケントゥアルクゥ・アルカシャーツが足が止まったコトンを怪訝に思う
「‥‥やっぱり戻ろう」
「は?」
「何を言っているコトン、グース隊長は第3中隊に合流しろと言っただろう。しかも隊長権限を使っている、命令違反は許されないぞ」
「命令は守る」
「守ってないだろ、隊長は退却して第3に合流しろと言ったんだぞ! 戻ったら命令違反だ」
「違反じゃない、ちゃんと撤退はしたし第3には後で合流すればいい」
「そんな屁理屈通用するか!」
「それに━━」
コトンの声のトーンが下がる
「それに?」
「ハヤトはあの気持ち悪い人には勝てない」
「は!? 何言っている、深部を抜けて来た英雄だぞ? 兵士たった一人に━━」
「フロルドって聞こえた」
「ん?」
「ハヤトはあの敵兵の事をフロルドって言ってた。叔父さんから━━ロメ攻略の総司令から前に聞いたことがある、召喚者殺しを持ったハヤトの天敵だって、魔法も全部効かない相手だって」
「だからって‥‥隊長は6万の敵兵と戦った相手だぞ!? たった一人の兵士に━━」
「それでも駄目なんだよ‥‥それでも勝てないって‥‥」
「‥‥」
「‥‥」
「それに、もうすぐトンプソンには海軍の艦砲射撃がくる」
「‥‥は?」
「どういう事だコトン」
コトンの言っている事が理解できないレンダルとケンタクン
「それが今回の作戦なの、トンプソンを放棄して入り込んだマシェルモビア兵を海軍の砲撃で叩くのが」
「何を言って‥‥そんな事が」
「ブレドリア」
コトンのその一言で二人はハッとする。確かにハルツール軍はブレドリアをあの赤い柱で跡形も無く消した。自国の都市一つを敵兵ごと葬り去った
「ハヤトは当然その事を知ってたから私達を逃がしたの」
レンダルとケンタクンは互いの顔を見つめ、しばし沈黙した後
「よし、戻ろう」
「ああ」
迷いなく決断した
戦闘をしながらトンプソンからの撤退をしていたライカ・ダーモンは、小さな爆発音を聞いた。
その音は遠くから、南側から聞こえたように感じた
リクレク大隊の第二中隊、その第二小隊に所属するライカの部隊は、常にリクレク隊の先頭を務める為、撤退に関してもしんがりを担当する事になる。
そしてしんがりという事はそこが撤退する時の最前線でもある。にもかかわらず南側から聞こえた爆発音。
作戦道りならその場所には自軍の兵士も敵の兵士もいないはず
「今南側から爆発音がしたか?」
同じ小隊の隊員に聞いてみるが
「いや音などしなかった」
「俺も聞いてない、そもそも南側? には部隊は展開していなはずだ」
部隊の誰もが音を聞いていないと言う、しかしライカは確かにその音を聞いた
今までライカが所属した部隊の隊長は全員『勘』で動く事が多い。
最初に所属した『フレックス隊』のフレックスは『予感』。
次に所属した『ハヤト隊』のハヤトは『直感』。
そして今所属する『リクレク隊』のオーバは『経験から来る勘』。
勘で動くのは良い事ばかりではないが、それでも今までライカが所属していた部隊が全滅していない事がその証明だろう。物事を引き当てたり回避したりという勘は、命を賭ける職業としては有効な能力ともいえる。
しかし、ライカには勘という運任せの能力は無い。どちらかと言えば運が悪い方になる。
以前のライカは自分の剣技の能力に自信があり、自分が行けると思えば自身の判断で敵中に突っ込む事が多かった。
その事でフレックス隊長には「周りをよく見た方がいい」と言われていたが、素直に忠告を聞かずにいた結果、ベルフ・ラーベが命を落としてしまった。
それ以降、ライカは自分の勘を頼らず目と耳で確認する事を徹底した。そしてそれは大陸深部の横断で研ぎ澄まされる事になる。
極限の状態の中、その目に映る光景で、微かに聞こえる音でライカは状況を判断し見事に横断に成功した。
ライカの周りの状況をよく確認すると言う能力は、ハルツールの兵士達の中でもトップクラスだろう。
そのライカが聞いた小さな爆発音、今の作戦の状況からして南から音は有りえないだろう。
もしこれがフレックスだったら
「嫌な予感がするから進路をちょっと北側に取ろうか」
と言うだろうし、ハヤトだったら
「ちょっとあっち側行ってくるね」
1人で召喚獣に乗って行ってしまうだろうし、現隊長のオーバなら
「南側を警戒しつつ後退しよう」
となるだろう
勘の良い彼らに対し、ライカは少し羨ましいという感情が多少なりとはあった。
しかし自分にはそれが無い、だから目と耳で確認し今の状況を考えた結果
「小隊長、召喚獣のカーネロを手配してくれませんか?」
「音のしたって場所に行くのか?」
「はい、確認したいのですが」
「分かった直ぐに手配する」
◆◇◆◇
「会いたかった会いたかった会いたかった━━!!」
男は手に黄色に光る召喚者殺しを持ち、顔には不気味と思えるほどの化粧をし、奇声染みた声を上げ持っていた召喚者殺しを打ち込んできた
『勇者』ルイバ・フロルドとの会敵であった
俺は十字槍の蜻蛉切りで叩き込むように打ち込む
「こっちは会いたく無かったよ!」
「そんな事言わないで! 私ねずっと待ってたの、ずっとずっと暗いじめじめとした場所で、閉じ込められて!
私は貴方が死んだなんて信じて無かった、だからあの人は死んでない! だからこの場所から出してって言っても出してくれなかったの!」
「当たり前だろこの犯罪者が!」
全てはマシェルモビア領土に行った時、トルリ・シルに会った時すべて聞いている。
功績を称え表彰されている場所に乗り込んできて、手当たり次第にその場にいた者達の首を刎ねたと。
普通なら死罪になるはずだったが、マシェルモビア王が直接『勇者』の称号を与え、流石に称号を持つ者を死罪には出来ないとし幽閉されていた。
はずだったが‥‥
クッソ! 勘で南側に進むんじゃなかった
勘を頼りにしたばかりに、今一番会いたくない粘着者に結果的に会ってしまった。
フロルドが槍を突き、それを俺が弾く。それが3度続き俺は後ろに飛ぶように跳ねた
「隊長加勢します!」
レンダルとケンタ君が離れた瞬間に魔法を放とうとし━━
その瞬間一気にムワッとした熱気のような物が肌に触れた
「やめ━━」
止めようとしたがそれは遅かった。フロルドによる湿気魔法が一瞬で辺りを支配し、魔法を放ったレンダルとケンタ君の手元で自分の魔法が爆発を起こした
「ぐあっ!」
「っ!」
フロルドの水魔法に反応した二人の魔法は使用者を後方に吹き飛ばした。
フロルドは吹き飛んだ二人を元々いないかのように俺にその槍を向けてくる
「チッ! クッ!」
突き出される槍を弾きながら
「属性魔法は使うな! コトン!」
続けて放とうとしていたコトンを止める。ビクッと反応したコトンは直ぐにその手を止めた
「他の奴なんかほっといて今は私だけを見てよ!」
フロルドの槍の速度が上がる、『身体強化』を使ったのだろう。俺もその速さに合わせる為に同じく使うが、元々の速さが向こうの方が上なので状況はやはり変わらない。
防戦一方になり、いなすのが精一杯だった
爆発で吹き飛ばされたレンダルとケンタ君だったが、起き上がりいつの間にかフロルドの後方にいた。
そして二人一斉に声も出さず後ろから切りかかるが
フロルドは後ろも見ず、俺を見たまま召喚者殺しを自身の後方に振るう
ギャン!
振るわれた槍はレンダルの刀とぶつかりそのままレンダルの体ごと弾き飛ばす。
レンダルの真横にいたケンタ君も、弾き飛ばされたレンダルの体にぶつかり二人いっぺんに倒れた。
そのふたりの攻撃など意味が無いと言わんばかりに、振り戻した槍を今度は俺に振るう
「ねぇねぇ聞いて! ティンパーもアンナも寂しがっていると思うの! だからあなたも一緒に二人の元に行ってほしいのよ。
大丈夫あなたが死んだら私も一緒に行くから安心して!」
「なにがっ! 安心してだ! 死ぬなら一人で死ね!」
第一アンナって誰だよ!
「なんでフロルドがここに‥‥」
俺は小さな声で呟く
それよりもこの場に留まるのが不味い、この後に味方の砲撃が来るのに
「3人共この場から直ぐに撤退しろ」
隊員達に命令するが
「だ、大丈夫です隊長! 確かに強いみたいですが4人でかかれば」
違う、そうじゃない
「コトン分かるな! 撤退だ」
この場で俺の他に作戦内容を知っているコトンに命令する
「俺は後でも空から逃げられる、だから先に行け! 第三中隊に合流しろ」
コトンは少しだけ考えた後、コクっと頷いた
「レンダル、ケンタ君行くよ」
「そんな事出来る訳が無い、グース隊長が━━」
そのコトンの言葉にレンダルが食い下がる
「何々? 私が目の前にいるのに他の奴に‥‥気を取られているの?」
フロルドの目の色が変わる、それまで俺しか見ていなかったのがスッと隊員の方に目が移る
やべっ!
それまで防戦一方だったが、思い切って踏み込みフロルドに対する最初の攻撃をした。
隊員に意識を向かせる訳にはいかない
この場に3人いたとしてもこのフロルドには勝てないだろう、自分も含めてあまりにも未熟すぎる。
オーバと二人がかりで戦っても勝てなかったのに、だから行ってほしいのに行ってくれない、先に作戦内容を話してしまえば良かったか?
行かないなら無理やりにでも行かせる
「竜騎士隊隊長ウエタケ・ハヤトが命ずる! 指揮権をコトン・ラティウスに一時的に譲渡、コトン・ラティウスを隊長にしこの場から退却、すぐさま第3中隊に合流せよ!」
部隊長が強制的に発動できる命令を行使する。これに従わなかった場合は命令違反として裁判に掛けられる場合がある
「うっ‥‥」
俺のこの命令により、戦いに加わろうとしていたレンダルとケンタ君はその動きを止めた
「レンダル、ケンタクン退却よ急いで!」
絶対的なコトンの命令に二人はためらったものの撤退を決めた
走り去る3人を確認したフロルドは
「邪魔な子達を追い払ってくれたのね、ありがとう。これで二人っきりで殺し合えるわね」
槍を打ち込みながら気持ちの悪い笑顔になる
「本当に邪魔なのはお前だけどなフロルド!」
ギリギリ躱しながらそう答える。完全に嫌味で言ったのだが
「キャアー! 私の名前を憶えていてくれたのね! 大好きよ、今すぐ殺してあげるから」
槍の速度がさらに増す
フロルドの一撃が俺の右足を狙ったのだろう、その一撃を蜻蛉切で叩き落し、そのまま接触している蜻蛉切を通して『重力』魔法を発動。
フロルドの持つ槍はその力によって地面に叩き落され、そのまま縫い付けられる。
その隙にソルセリー式の槍を左手に持ち、そのままフロルドに向けて突き刺した。
だがフロルドは蜻蛉切によって押さえつけられている槍・召喚者殺しを一旦消し、直ぐに再召喚。
突き出したソルセリ―式の槍を弾いた
「凄い凄い! 今の攻撃は凄かった! 流石ね。そんな事出来るのってマシェルモビアに居ないからかなり感じちゃった! ああーどうしよう早く殺してあげたいけど、もっと楽しみたい!」
まるで子供の様に嬉しそうにするフロルドだが、言い方とその顔の化粧のせいで身震いするほどの気色悪さを感じる。
化粧もそうだがその性格は一体どうしたのだろうか? 前はそんな感じではなかった。
何かしらの原因があっての事だろうが、前はもっとダレた感じの話し方だったし‥‥。だが今の攻撃でやはりと感じたのが、俺ではフロルドには勝てないという事だった。
今の一撃は普通だったら対処できたとしても、傷の一つ位は付けられたはず、なのにフロルドは何でもないかのように俺の一撃を弾いた
『勇者』の称号を受け取る前、フロルドには別の呼び名があった。
『天才』フロルド。そう呼ばれていたと
それを聞いたのはトルリの家に招待された2度目の訪問の時。何でも再教育として軍学校で特訓をし、教官3人に対し一撃も攻撃を喰らわず、一瞬で3人を倒せるまでに成長したと言う。
その他にもマシェルモビアでは、もうフロルドの相手を出来る者はもういないとされている。
故に天才なんだそうだ
そんな奴を俺一人でどうこう出来ようとはもちろん思ってはいない、砲撃が始まったら召喚獣のガルーダに乗り直ぐに逃げようと思っていた。
だが、どうやらそれも出来なさそうな気配がする。
と言うのもフロルドは槍をメインで使っているが、間合いを全く取ろうとしない、俺が下がるとフロルドが前にでてくるため、召喚自体が出来ないのだ。
奴の持つ槍は召喚者殺し、召喚獣を一突きで消滅させることの出来る恐ろしい武器。
竜騎士隊の3人が撤退した後、さっきからその隙を見て逃げ出そうと試みているが全くその隙を見せない、何とかして作り出さなければ今いるこの場所にも味方艦の砲撃が飛んで来てしまう。
少しでも距離を取ろうと先ほどから『放出』魔法を使い、吹き飛ばそうと試みているが、フロルドには何故か通用しなかった。
若干だが体を押している感じはするのだが、吹き飛ばすまでには至っていない。
多分だが‥‥その槍、『召喚者殺し』で魔法自体を切っているのだろうか? 実際にそんな事が可能なのか? 漫画みたいなバカげた技を使えると言うのだろうか?。
だが元々召喚者殺しは、召喚獣を代償としている事は何となく察している。
もしかしたら召喚獣の力で‥‥いやいやそんな事は無いはず‥‥しかし、実際にはフロルドを吹き飛ばす事が出来ていない
まさか実際にそんな事が‥‥
そしてこの瞬間にも俺が放った『放出』魔法が、その槍によって切り裂かれた
やっぱり━━
「ハハハハァ―ッ!」
俺と戦うのが楽しいのか、奇妙な笑い方で目を限界まで見開き、そのまま槍を突きだす
『照明』
カッ!!
一瞬で輝いた魔法は二人の真ん中で発動し、目が開けられない程の光を放つ
「ッ!!」
流石に突然の目くらましには対処は出来なかったのか、フロルドからの声が漏れる
俺は右手の手首にはめていたブレスレッドに向け、魔力を通した。
特性のブレスレッドであり、魔力に反応してその蓋が開くようになっている。
そこから飛び出したのは様々な種類の植物の種、そこに━
『成長・促進』
植物を魔力量によって成長を促す魔法を掛ける
『ドライアド』
同時に植物を自在に操ることの出来る、召喚獣のドライアドを呼び出した
ブレスレッドから飛び出した種は地面に落ちた瞬間、『成長・促進』魔法の力で急激に成長した
「きゃぁぁぁ!!」
響くフロルドの悲鳴、成長した植物はドライアドの力も相まってフロルドを取り込み、天高く成長する。
ブレスレッドに入れていた種は様々な種類を入れており、30メートル程に成長する巨木の種から、ツタを這う植物の種、茨を持つ植物など様々。
その植物達は、フロルドを完全にその中に捉えた
これで撤退が━━
出来る。
そう思えたのは、ほんの一瞬だけだった
『シュン! シュン!』
風を切るような音がし、完全に捕えていたはずのフロルドの体が植物から離れる
「え?」
10メートル近くまで持ち上げられていたフロルドは、地面にキレイに着地した
「こんな事までできるなんて‥‥凄い! ねぇ他には何が出来るの!? もっと見せてよ!」
そう言ってフロルドは槍を振るった
完全に捕えたはずだったが、フロルドは植物の中から出て来た。一瞬何をしたのか俺には分からなかったが、後から理解が追い付いて来た。
フロルドは持っていた『召喚者殺し』を一旦消し、自分に絡まってきている植物の場所に再召喚していた。
それを瞬間的に何度も繰り返し、あの植物の中から出て来たのであった
召喚獣のドライアドは植物を更に操作しフロルドを再度捕縛しようと試みるが━━
伸びてきた枝やツタに対し、フロルドは持っていた『召喚者殺し』を一旦消し、先程のように再召喚し植物を処理した。
しかも再召喚しただけではなく、その槍・『召喚者殺し』はフロルドが確かに触れてもいないのに動いていた。
召喚獣を触媒にして作られた『道具』、というだけの存在であったはずだったが‥‥
確かにソレはフロルドの意思ではなく自身の力で動いていた
『召喚者殺し』は伸びてくる枝やツタを払った後、その種をまいた場所に飛んで行き、木の幹ごと切り倒した。
そして、フロルドの場所まで戻り、空中で停止した
「ねえ、次は何を見せてくれるの?」
フロルドは嬉しそうに俺を見つめる
「何だよそれ‥‥完全にファ○ネルじゃん」
◆◇
隊長であるハヤトの命令で、第3中隊に合流をする為に撤退をしていた竜騎士隊の3名であったが、急に一時的に隊長権限を任されていたコトン・ラティウスがその場で止まった
「おい、どうしたコトン!」
ケントゥアルクゥ・アルカシャーツが足が止まったコトンを怪訝に思う
「‥‥やっぱり戻ろう」
「は?」
「何を言っているコトン、グース隊長は第3中隊に合流しろと言っただろう。しかも隊長権限を使っている、命令違反は許されないぞ」
「命令は守る」
「守ってないだろ、隊長は退却して第3に合流しろと言ったんだぞ! 戻ったら命令違反だ」
「違反じゃない、ちゃんと撤退はしたし第3には後で合流すればいい」
「そんな屁理屈通用するか!」
「それに━━」
コトンの声のトーンが下がる
「それに?」
「ハヤトはあの気持ち悪い人には勝てない」
「は!? 何言っている、深部を抜けて来た英雄だぞ? 兵士たった一人に━━」
「フロルドって聞こえた」
「ん?」
「ハヤトはあの敵兵の事をフロルドって言ってた。叔父さんから━━ロメ攻略の総司令から前に聞いたことがある、召喚者殺しを持ったハヤトの天敵だって、魔法も全部効かない相手だって」
「だからって‥‥隊長は6万の敵兵と戦った相手だぞ!? たった一人の兵士に━━」
「それでも駄目なんだよ‥‥それでも勝てないって‥‥」
「‥‥」
「‥‥」
「それに、もうすぐトンプソンには海軍の艦砲射撃がくる」
「‥‥は?」
「どういう事だコトン」
コトンの言っている事が理解できないレンダルとケンタクン
「それが今回の作戦なの、トンプソンを放棄して入り込んだマシェルモビア兵を海軍の砲撃で叩くのが」
「何を言って‥‥そんな事が」
「ブレドリア」
コトンのその一言で二人はハッとする。確かにハルツール軍はブレドリアをあの赤い柱で跡形も無く消した。自国の都市一つを敵兵ごと葬り去った
「ハヤトは当然その事を知ってたから私達を逃がしたの」
レンダルとケンタクンは互いの顔を見つめ、しばし沈黙した後
「よし、戻ろう」
「ああ」
迷いなく決断した
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