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三十八話〜医師か呪術師か〜
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九日前ーー
ユーリウスは仕事が終わりいつも通り女性を伴いとある屋敷へと向かう。
城から然程離れていないここは、ブロンダン家が所有している屋敷だ。
昔から女性と過ごす時は大体この屋敷と決まっている。
大した理由はないが、強いて言えば他の場所よりも城に少し近い事だろうか。
「どうなさったんですか?」
組み敷いた状態で微動だにしないユーリウスを不審に思っただろう彼女は、不思議そうにこちらを見上げている。
手入れの行き届いたさらさらの金色の長い髪と、白い肌、しなやかに動く肢体はまさに女性らしく美しい。
彼女はドーリス・オーブリー伯爵令嬢で、ユーリウスの愛人の一人だ。
食事を済ませ湯浴みをし二人でベッドに入ったまでは良かった。
ただその間、いや昨日の夜から朝、仕事中もずっと昨日の出来事が脳裏から離れないでいる。
馬鹿らしいと打ち消しても、直ぐにまた芋娘の顔が浮かんでしまう。
「いや、何でもない」
「ふふ、おかしなユーリウス様」
鈴を転がしたような声で笑う様子に、やはり女性はこうあるべきだと実感する。あんなガサツな芋は絶対に認めない。
気を取り直しドーリスの薄い夜着に手を掛けるが、やはり手が止まってしまった。
ダメだ……どうしても芋娘の顔やすみれ色の瞳が脳裏にチラついて集中出来ない。
(まさか病か⁉︎ いや、芋の呪いかも知れない……)
「……」
「ユーリウス様?」
「すまない、疲れているようだ」
「え、あの、ユーリウス様……」
困惑した様子のドーリスを尻目に、ユーリウスは部屋を出た。
その後、身支度を整えドーリスを馬車に乗せ、自身もまた帰宅する為に別の馬車に乗り込む。本来は屋敷まで送り届けるべきだが、今は到底そんな気分にはなれなかった。
窓の外を眺めながらため息を吐く。
女性に恥をかかせるなど情けない。これまでこんな事は一度もなかった。それに男としての矜持にも関わる。
(これも全てあの芋娘のせいだ。芋娘のせいで、萎えてしまった……)
無性に苛々する。
ユーリウスは帰宅すると出迎えた執事長のスチュアートにお茶の準備とエレノラを呼ぶように言った。
本当は休日だけのつもりだったが、顔を見て文句の一つでも言わなくては気が済まない。
だがいざエレノラの顔を見ると、苛々は収まりそんな気も起きずにただ黙ってお茶をした。
翌日の仕事終わり、昨日とは別の女性と会った。だが、何もせずに帰宅した。その翌日も、更にその翌日も女性と会うも、結局萎えてしまい何もしないまま帰宅した。そしてそのままエレノラとお茶をする。
(私は一体、どうしてしまったんだ……。医師を呼ぶべきか、いやいっそ呪術師でも呼ぶべきか⁉︎)
そんな下らない事を考えてしまう。
苛々するのに何故か毎日エレノラとお茶をしている。自分がおかしい事は分かっている。
このままでは仕事にも私生活にも影響が出る、いや既に出始めている状態だ。
一刻も早く原因を突き止めなくてはならない。
翌日、ユーリウスはセルジュと会っていた。
いつもの店で、いつも通り待ち合わせをして食事をしているだけだが、どうにも落ち着かない。
「そういえば、店に奥方と一緒に来たんだろう?」
「……」
「どういう風の吹き回しだ? お前が店に女性を連れてくるなんて」
意味深長な笑みを浮かべるセルジュにユーリウスは眉根を寄せる。
話の出所は大体察しがつくのでわざわざ追及するつもりはないが、返答に困る。
セルジュの言動から分かるように、店はユーリウスにとって特別な場所でありフラヴィを含む女性達はもとよりセルジュ以外の友人知人も連れては来ない。理由は単純で、この空間を共有したくないからだ。
因みにセルジュは元々店の常連だった為、特に気にはならない。
「深い意味はない」
そんな場所にエレノラを連れてきた理由は、ただ何処の店にするか考えた時に、真っ先に頭に浮かんだのが店だった。それだけだ。
「ふ~ん?」
納得いかないのかニヤニヤしながらこちらを見てくるが、無視をする。構えば喜ぶだけだ。
「セルジュ」
「どうした?」
暫し食事をしていたが、不意にユーリウスは深刻な面持ちで口を開いた。
「……どうすれば、友好的に見える?」
「あーなるほど」
脈略のない質問に思えるが、流石は旧友、何かを察したように笑った。
「お前の場合、ニコニコすると逆に困惑されそうだからな。取り敢えずプレゼントとか良いと思うぞ。後、ペットとか飼っているなら、そのペットを手懐けるのも効果的だな」
「ペットを手懐けるか……。因みにネズミの好物は知っているか?」
見透かされたように言われ羞恥心が湧き起こるが、開き直ったユーリウスはついでとばかりに質問をした。
「ネズミ? う~ん、ネズミっていえば、やっぱりチーズじゃないか?」
「チーズか……そうか、参考にしてみる。後、そろそろ私は帰らせて貰う」
来た時から視界に入り落ち着かなかった壁時計を見てユーリウスは席を立つ。
「随分、早いな。まだ来たばかりだろう」
「すまない、この後用があるんだ」
別に大した用事ではない。
芋娘とお茶をするという罰ゲームだ。
「頑張れよ、ユーリウス」
別にそんなんじゃないと言おうとするが、口を噤む。反論した所で信じないだろう。
ユーリウスは原因究明には先ずエレノラとの関係を見直す必要があるとの結論に達した。その上で、医師を呼ぶか呪術師を呼ぶか決める。
適当に返事をすると、ユーリウスは足早に店を後にした。
ユーリウスは仕事が終わりいつも通り女性を伴いとある屋敷へと向かう。
城から然程離れていないここは、ブロンダン家が所有している屋敷だ。
昔から女性と過ごす時は大体この屋敷と決まっている。
大した理由はないが、強いて言えば他の場所よりも城に少し近い事だろうか。
「どうなさったんですか?」
組み敷いた状態で微動だにしないユーリウスを不審に思っただろう彼女は、不思議そうにこちらを見上げている。
手入れの行き届いたさらさらの金色の長い髪と、白い肌、しなやかに動く肢体はまさに女性らしく美しい。
彼女はドーリス・オーブリー伯爵令嬢で、ユーリウスの愛人の一人だ。
食事を済ませ湯浴みをし二人でベッドに入ったまでは良かった。
ただその間、いや昨日の夜から朝、仕事中もずっと昨日の出来事が脳裏から離れないでいる。
馬鹿らしいと打ち消しても、直ぐにまた芋娘の顔が浮かんでしまう。
「いや、何でもない」
「ふふ、おかしなユーリウス様」
鈴を転がしたような声で笑う様子に、やはり女性はこうあるべきだと実感する。あんなガサツな芋は絶対に認めない。
気を取り直しドーリスの薄い夜着に手を掛けるが、やはり手が止まってしまった。
ダメだ……どうしても芋娘の顔やすみれ色の瞳が脳裏にチラついて集中出来ない。
(まさか病か⁉︎ いや、芋の呪いかも知れない……)
「……」
「ユーリウス様?」
「すまない、疲れているようだ」
「え、あの、ユーリウス様……」
困惑した様子のドーリスを尻目に、ユーリウスは部屋を出た。
その後、身支度を整えドーリスを馬車に乗せ、自身もまた帰宅する為に別の馬車に乗り込む。本来は屋敷まで送り届けるべきだが、今は到底そんな気分にはなれなかった。
窓の外を眺めながらため息を吐く。
女性に恥をかかせるなど情けない。これまでこんな事は一度もなかった。それに男としての矜持にも関わる。
(これも全てあの芋娘のせいだ。芋娘のせいで、萎えてしまった……)
無性に苛々する。
ユーリウスは帰宅すると出迎えた執事長のスチュアートにお茶の準備とエレノラを呼ぶように言った。
本当は休日だけのつもりだったが、顔を見て文句の一つでも言わなくては気が済まない。
だがいざエレノラの顔を見ると、苛々は収まりそんな気も起きずにただ黙ってお茶をした。
翌日の仕事終わり、昨日とは別の女性と会った。だが、何もせずに帰宅した。その翌日も、更にその翌日も女性と会うも、結局萎えてしまい何もしないまま帰宅した。そしてそのままエレノラとお茶をする。
(私は一体、どうしてしまったんだ……。医師を呼ぶべきか、いやいっそ呪術師でも呼ぶべきか⁉︎)
そんな下らない事を考えてしまう。
苛々するのに何故か毎日エレノラとお茶をしている。自分がおかしい事は分かっている。
このままでは仕事にも私生活にも影響が出る、いや既に出始めている状態だ。
一刻も早く原因を突き止めなくてはならない。
翌日、ユーリウスはセルジュと会っていた。
いつもの店で、いつも通り待ち合わせをして食事をしているだけだが、どうにも落ち着かない。
「そういえば、店に奥方と一緒に来たんだろう?」
「……」
「どういう風の吹き回しだ? お前が店に女性を連れてくるなんて」
意味深長な笑みを浮かべるセルジュにユーリウスは眉根を寄せる。
話の出所は大体察しがつくのでわざわざ追及するつもりはないが、返答に困る。
セルジュの言動から分かるように、店はユーリウスにとって特別な場所でありフラヴィを含む女性達はもとよりセルジュ以外の友人知人も連れては来ない。理由は単純で、この空間を共有したくないからだ。
因みにセルジュは元々店の常連だった為、特に気にはならない。
「深い意味はない」
そんな場所にエレノラを連れてきた理由は、ただ何処の店にするか考えた時に、真っ先に頭に浮かんだのが店だった。それだけだ。
「ふ~ん?」
納得いかないのかニヤニヤしながらこちらを見てくるが、無視をする。構えば喜ぶだけだ。
「セルジュ」
「どうした?」
暫し食事をしていたが、不意にユーリウスは深刻な面持ちで口を開いた。
「……どうすれば、友好的に見える?」
「あーなるほど」
脈略のない質問に思えるが、流石は旧友、何かを察したように笑った。
「お前の場合、ニコニコすると逆に困惑されそうだからな。取り敢えずプレゼントとか良いと思うぞ。後、ペットとか飼っているなら、そのペットを手懐けるのも効果的だな」
「ペットを手懐けるか……。因みにネズミの好物は知っているか?」
見透かされたように言われ羞恥心が湧き起こるが、開き直ったユーリウスはついでとばかりに質問をした。
「ネズミ? う~ん、ネズミっていえば、やっぱりチーズじゃないか?」
「チーズか……そうか、参考にしてみる。後、そろそろ私は帰らせて貰う」
来た時から視界に入り落ち着かなかった壁時計を見てユーリウスは席を立つ。
「随分、早いな。まだ来たばかりだろう」
「すまない、この後用があるんだ」
別に大した用事ではない。
芋娘とお茶をするという罰ゲームだ。
「頑張れよ、ユーリウス」
別にそんなんじゃないと言おうとするが、口を噤む。反論した所で信じないだろう。
ユーリウスは原因究明には先ずエレノラとの関係を見直す必要があるとの結論に達した。その上で、医師を呼ぶか呪術師を呼ぶか決める。
適当に返事をすると、ユーリウスは足早に店を後にした。
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