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今彼は何と言った?このアザが何なのか知っている?この忌々しいアザを治す方法が……そんな事、本当にあるの……?
「……」
フィオナはヴィレームの真意を探る様に見遣る。期待なんてしては、ダメだ。また裏切られて終いだ。
「悪いとは思ったけど、君の事を調べさせて貰った」
射抜く様な真っ直ぐな彼の目と目が合った。
「⁉︎……」
「フィオナ・ヴォルテーヌ。ヴォルテーヌ侯爵の次女。家族構成は、父、母、姉、弟、妹がいて六人家族。幼い頃に、屋敷の開かずの間と呼ばれていた部屋に妹と一緒に悪戯で忍び込み、木箱を開けた事により『魔女の呪い』なるものをその身に受け、顔半分をも覆う消えないアザを負った」
淡々と自分の話をされたフィオナは、唇を噛む。確かに、間違ってなどいない。だが、違う。そうじゃない。
そうじゃない。
頭がくらくらして、目眩を感じた。
「そうです。でも、違います……。違、う……違う‼︎私はミラベルを止めたのっ。入ってはダメって言われていたから……でも、あの子は昔から我儘で言う事なんてまるで聞いてくれなくて。ほっといても良かったけど、もし何かあったらお父様達に責められるのは私で……それにやっぱり私はミラベルの姉だからっ、だから仕方なく一緒に入って、そうしたらあの子、部屋に置かれていた物を次から次に触ったり弄り出して……。やめなさいって言ったけど、やっぱりやめなくて……。ミラベルが木箱を手にした時、心臓が煩いくらい脈打ったの、怖いって思った……だから『開けたらダメ』って叫んだけど、やっぱり私の言う事なんて聞いてくれなくて、開けようとしたから慌てて取り上げたの……その時木箱が床に落ちて、蓋が開いて……私が、呪いを、アザを負った……まさかこんな事になるなんて思わなかったっ……あの子を庇ったのに……あの時、あの子笑ったのよ⁉︎『お姉さま、変な顔!』って、どうして⁉︎お父様達も私を醜い、穢いって蔑むのっ、どうして⁉︎好きでこんな風になった訳じゃないのにっ‼︎」
フィオナは、気持ちが昂り握っていたカップを床に落とした。ガチャンっと音を立てて割れる。
「ぁ……わたし、どうして……」
そこで我に返った。
こんな事、言うつもりなんて無かった……。だが気付いた時には、口を突いていた。ヨハンにすら、こんな事を話した事は無かったのに……どうして……。
呆然としたままヴィレームを見遣るが、向かい側に座っていた筈の彼がいない。ふわりと風を感じた時には、彼はフィオナの前に膝をついていた。
「己の中にある本当の想いを暴く心理的魔法を、君にかけたんだ。きっと君は何を聞いても、本当の事は教えてくれないと思ったから」
優しく両手を、ヴィレームの手で包まれる。彼の瞳はどこまでも澄み渡り、悪意は感じない。
「フィオナ、君は頑張ったよ。一人で必死に、耐えてきた。だから……もう我慢する必要なんてないんだよ」
その瞬間、重くて重くて、仕方なかったモノが、ストンと落ちた音が聞こえた。
「……」
フィオナはヴィレームの真意を探る様に見遣る。期待なんてしては、ダメだ。また裏切られて終いだ。
「悪いとは思ったけど、君の事を調べさせて貰った」
射抜く様な真っ直ぐな彼の目と目が合った。
「⁉︎……」
「フィオナ・ヴォルテーヌ。ヴォルテーヌ侯爵の次女。家族構成は、父、母、姉、弟、妹がいて六人家族。幼い頃に、屋敷の開かずの間と呼ばれていた部屋に妹と一緒に悪戯で忍び込み、木箱を開けた事により『魔女の呪い』なるものをその身に受け、顔半分をも覆う消えないアザを負った」
淡々と自分の話をされたフィオナは、唇を噛む。確かに、間違ってなどいない。だが、違う。そうじゃない。
そうじゃない。
頭がくらくらして、目眩を感じた。
「そうです。でも、違います……。違、う……違う‼︎私はミラベルを止めたのっ。入ってはダメって言われていたから……でも、あの子は昔から我儘で言う事なんてまるで聞いてくれなくて。ほっといても良かったけど、もし何かあったらお父様達に責められるのは私で……それにやっぱり私はミラベルの姉だからっ、だから仕方なく一緒に入って、そうしたらあの子、部屋に置かれていた物を次から次に触ったり弄り出して……。やめなさいって言ったけど、やっぱりやめなくて……。ミラベルが木箱を手にした時、心臓が煩いくらい脈打ったの、怖いって思った……だから『開けたらダメ』って叫んだけど、やっぱり私の言う事なんて聞いてくれなくて、開けようとしたから慌てて取り上げたの……その時木箱が床に落ちて、蓋が開いて……私が、呪いを、アザを負った……まさかこんな事になるなんて思わなかったっ……あの子を庇ったのに……あの時、あの子笑ったのよ⁉︎『お姉さま、変な顔!』って、どうして⁉︎お父様達も私を醜い、穢いって蔑むのっ、どうして⁉︎好きでこんな風になった訳じゃないのにっ‼︎」
フィオナは、気持ちが昂り握っていたカップを床に落とした。ガチャンっと音を立てて割れる。
「ぁ……わたし、どうして……」
そこで我に返った。
こんな事、言うつもりなんて無かった……。だが気付いた時には、口を突いていた。ヨハンにすら、こんな事を話した事は無かったのに……どうして……。
呆然としたままヴィレームを見遣るが、向かい側に座っていた筈の彼がいない。ふわりと風を感じた時には、彼はフィオナの前に膝をついていた。
「己の中にある本当の想いを暴く心理的魔法を、君にかけたんだ。きっと君は何を聞いても、本当の事は教えてくれないと思ったから」
優しく両手を、ヴィレームの手で包まれる。彼の瞳はどこまでも澄み渡り、悪意は感じない。
「フィオナ、君は頑張ったよ。一人で必死に、耐えてきた。だから……もう我慢する必要なんてないんだよ」
その瞬間、重くて重くて、仕方なかったモノが、ストンと落ちた音が聞こえた。
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