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1結婚生活をするにあたり~一緒に住むための条件③-2~
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「そもそも、BL世界における男同士のカップルはとても多い。それが話の売りだから、文句を言うつもりはありません。それでも、これを現実世界に当てはめてしまうことがあるのです。」
そう、BLで男同士のカップルでの一番の問題は同性同士ということである。同性同士で困ることは、子孫を残せないということだ。その問題に葛藤する男たちがBLの魅力でもあるのだが、あまりにもBL漫画での同性同士のカップルは多いので、少子化が進んでしまうのではないかといつも考えていたことだ。
私は独自に解決策を思いついた。それなら、先に異性、女性と結婚して子供を産んで、何かの理由で離婚すればいい。その後に同性同士、男同士の恋愛を始めればいいのではないかと考えた。
最初に子供を作っておけば、自分の子孫を残しているので、少子化にならないのではないかと思うのだ。だからこそ、それを現実世界で実現しようと思うのだが、いかんせん私はそれを実践することはない。
実践したいのだが、自分の子供はいらないからだ。そうなると、大鷹さんには申し訳ないが、先に女性を捕まえてもらい、私と離婚して子どもを作ってもらうしかない。ただし、大鷹さんは私より若いので、先に男性同士で恋愛をしてもいいかなと思ったのだ。
私は自分の価値観を思わず大鷹さんに押し付けてしまった。まあ、すでにいろいろ大鷹さんには私の秘密や性癖はばれているので、今更何を言おうと関係ない。少し、変な部分が追加されただけだ。
黙って話を聞いていた大鷹さんはここで、予想外のことを質問してきた。
「ところで、紗々さんは、学生時代、女子高、女子大で育ってきたのですか。いや、確かお見合いの履歴書は、公立の男女共学、大学も男女共学の名前だったと思いますが、念のため。」
いったい、この話になんの関係があるのだろうか。まあ、質問されたからには答えるしかない。
「それと、さっきは、宅配の人のせいで、話が途中でしたが、名前呼びをいい加減にして欲しいです。結婚したのにいつまでも苗字呼びは、悲しいです。それに、いつまでも敬語で話されるのも寂しいです。僕の方が年下なので、話すときは敬語でなくても大丈夫ですよ。」
「ぐっ。」
何か、いい言い訳はないだろうか。どうしても、大鷹さんのことを名前呼びするのは、気恥ずかしくて実行できない。それに、大鷹さんに敬語ではなく、タメ口で話すのも気が引ける。
「ええと、それはですね……。」
「言い訳はいいので、ちゃんと僕のことを名前で呼んで、敬語抜きで話して下さい。」
「そうだ。そう、私がコミュ障ボッチということは、すでに承知のこととは思いますけど、それが原因なんです。そう、それが私からいろいろと話し方に制約をかけているのです。」
こうなったら、コミュ障ボッチの恐ろしさを大鷹さんにわからせるまで。コミュ障ボッチだからといって、私が大鷹さんのことを苗字で呼ぶのも、敬語で話すのもあまり関係ないのだが、この際、仕方ない。
「長くなりそうですが、聞きましょう。」
大鷹さんはすでにあきらめたような表情をしていた。また、私の意味不明な持論が展開されることを予測しているのだ。それでも、聞いてくれるのが大鷹さんの良いところだ。
「コミュ障ボッチの私は、身を守る術として、相手の苗字呼びと敬語を身につけました。」
そうなのだ。今、大鷹さんに対する言い訳として話しているが、我ながら説得力ある内容だ。
「私は基本的に、相手を名前呼びしません。もちろん、家族や親せきのことは名前で呼びはしますが、それ以外ということです。だって、その方が、後々別れるときに後腐れがなくていいでしょう。ああ、でもさすがに小学校、中学校では名前呼びをしていましたよ。私も幼かったですし、周りが名前呼びが多かったですから。ああ、でも、呼び捨てとかはしたことないですね。さんとか、君はつけていました。」
「本当に長くなりそうですね。それで、敬語なのはなぜですか。」
「ええと、それは、そう。相手に不快感を与えないためです。だって、そうでしょう。普通、コミュ障ボッチが突然、タメ口で話しかけてきたら、不快でしょう。敬語なら大抵大丈夫なので、つい話すときに敬語になってしまうというわけです。」
エッヘン。どうだ、と言い訳を話しきった満足感に浸っていた私だが、その満足感はすぐに大鷹さんの言葉によってつぶされてしまった。
「わかりました。でも、僕はタメ口でも、敬語抜きでも不快に思ったりはしません。なので、僕限定でその話し方を辞めてもらえないでしょうか。」
「無理でス。イママデの話し方をスグにカエルことはデキマセン。アキラメテクダサイ。」
「はあ。」
なぜか、大鷹さんは、私の話を聞くたびにため息をついている。やはり、心の中では、私のことを軽蔑しているのか、あきれているのか。
「いや、努力はしますけど、そう簡単にかわ。」
「すいません。そうですよね。もう言いません。僕が言いすぎました。今度も大鷹さん呼びで、話し方もそのままでいいので、今まで通り話しかけてください。」
私の意見はあっさりと通ることになった。あまりにもあっけなく、今までの話し方を変えなくていいと言われて、疑問は残るが、言質は取ったので、大鷹さん呼びと話し方はそのままでいこう。
「話を途中で止めてしまってすいません。それで、話し方と呼び方の前に、質問した、学校が共学だったかということですが。」
話は戻って、大鷹さんの質問に答えていこう。
「いえ、別に女子だけの学校には通ったことはありません。幼稚園から大学まで、すべて男女共学の学校です。それに職場も女性だけでなく、男性も働いています。」
「そうですか。」
「何を聞きたかったのですか。」
「いえ、どうして、紗々さんがこんなにも自分の子供を欲しがらなかったり、他人との接触を嫌がるのかと思いまして。」
そこで思いついたわけです。と大鷹さんは続けた。
「もしかしたら、女子が多い環境で育ってきたので、男性恐怖症なのかと思ったのですが、違いますね。僕と話していても特に嫌悪感もなさそうですし。」
「はあ、多少の男性恐怖症はあると思いますよ。何せ、今まで彼氏はいなかったですし、それに何より、自分の親戚に同年代の男子がいなかったですし。」
「なるほど。まあ、今までのことは過ぎてしまったことなのでどうしようもありません。紗々さんの話を聞く限り、紗々さんが僕のことを嫌いでないことはわかります。残る問題は、紗々さんが男性との接触に慣れていくことだと思います。それと、自分の子供がいらないという考えを改めさせることも必要です。」
「だから、私は大鷹さんに子供が欲しいなら、他で作ってくれと頼んでいるでしょう。」
先ほどから話の論点がどこにあるのかわからなくなっている。私は自分が作った決まりの⑨⑩の理由を説明していたはずで、それについての話し合いをしていたはずだ。
「いえ、そもそもその考え方が間違っているのです。僕は紗々さんが好きだから結婚したのであって、それなのに当の本人が浮気を推奨しているのは、僕をバカにしているとしか思えません。あまり、僕を怒らせるようなことを言わないで欲しいのですが。」
どうやら、私は大鷹さんを怒らせてしまっているようだ。私は大鷹さんのことを思っての発言であり、怒らせるようなことを言ったつもりはない。しかし、大鷹さんの取り巻く空気が急に重くなったのは肌で感じた。
「何で僕が怒っているのか理解していないようですね。いいですか。好きな女性と結婚できたのに、その相手に浮気を進められているのですよ。怒りたくもなるでしょう。」
大鷹さんが私を好き。言葉の意味を理解すると同時に顔が赤くなる。そんなことを真正面から言われると、恥ずかしい。自分自身に対してそんな恋愛漫画みたいなことが起きているなんて信じられない。そんな経験は初めてなので、頭がパンクしてしまう。
「まったく、お仕置きですよ。もう二度と、浮気、離婚の言葉を口に出さないでくださいね。」
いきなり、私に近づいてきたと思えば、頬にチュッと柔らかく湿った感触がした。
「ななななななっ。」
思わず、後ろに退こうとして壁にぶつかった。ドンっと音がして背中をぶつけてしまった。その様子を見て、大鷹さんは機嫌をよくしたようだ。
「かわいいですね。紗々さんは。大丈夫ですよ。僕は紗々さんが好きなので、浮気も離婚もしません。なんなら、紗々さんが僕とセックスできるように努力しますから、安心して僕に身体をゆだねてくれて構いません。」
「ななななななっ。」
本日二回目の叫びである。
大鷹さんは本当に私のことが好きらしい。そして、トラウマを克服していこうと提案してきたのである。
こうして、私は大鷹さんにいいように丸め込まれて一緒に住むことになった。
大鷹さんと攻防が始まろうとしていた。
そう、BLで男同士のカップルでの一番の問題は同性同士ということである。同性同士で困ることは、子孫を残せないということだ。その問題に葛藤する男たちがBLの魅力でもあるのだが、あまりにもBL漫画での同性同士のカップルは多いので、少子化が進んでしまうのではないかといつも考えていたことだ。
私は独自に解決策を思いついた。それなら、先に異性、女性と結婚して子供を産んで、何かの理由で離婚すればいい。その後に同性同士、男同士の恋愛を始めればいいのではないかと考えた。
最初に子供を作っておけば、自分の子孫を残しているので、少子化にならないのではないかと思うのだ。だからこそ、それを現実世界で実現しようと思うのだが、いかんせん私はそれを実践することはない。
実践したいのだが、自分の子供はいらないからだ。そうなると、大鷹さんには申し訳ないが、先に女性を捕まえてもらい、私と離婚して子どもを作ってもらうしかない。ただし、大鷹さんは私より若いので、先に男性同士で恋愛をしてもいいかなと思ったのだ。
私は自分の価値観を思わず大鷹さんに押し付けてしまった。まあ、すでにいろいろ大鷹さんには私の秘密や性癖はばれているので、今更何を言おうと関係ない。少し、変な部分が追加されただけだ。
黙って話を聞いていた大鷹さんはここで、予想外のことを質問してきた。
「ところで、紗々さんは、学生時代、女子高、女子大で育ってきたのですか。いや、確かお見合いの履歴書は、公立の男女共学、大学も男女共学の名前だったと思いますが、念のため。」
いったい、この話になんの関係があるのだろうか。まあ、質問されたからには答えるしかない。
「それと、さっきは、宅配の人のせいで、話が途中でしたが、名前呼びをいい加減にして欲しいです。結婚したのにいつまでも苗字呼びは、悲しいです。それに、いつまでも敬語で話されるのも寂しいです。僕の方が年下なので、話すときは敬語でなくても大丈夫ですよ。」
「ぐっ。」
何か、いい言い訳はないだろうか。どうしても、大鷹さんのことを名前呼びするのは、気恥ずかしくて実行できない。それに、大鷹さんに敬語ではなく、タメ口で話すのも気が引ける。
「ええと、それはですね……。」
「言い訳はいいので、ちゃんと僕のことを名前で呼んで、敬語抜きで話して下さい。」
「そうだ。そう、私がコミュ障ボッチということは、すでに承知のこととは思いますけど、それが原因なんです。そう、それが私からいろいろと話し方に制約をかけているのです。」
こうなったら、コミュ障ボッチの恐ろしさを大鷹さんにわからせるまで。コミュ障ボッチだからといって、私が大鷹さんのことを苗字で呼ぶのも、敬語で話すのもあまり関係ないのだが、この際、仕方ない。
「長くなりそうですが、聞きましょう。」
大鷹さんはすでにあきらめたような表情をしていた。また、私の意味不明な持論が展開されることを予測しているのだ。それでも、聞いてくれるのが大鷹さんの良いところだ。
「コミュ障ボッチの私は、身を守る術として、相手の苗字呼びと敬語を身につけました。」
そうなのだ。今、大鷹さんに対する言い訳として話しているが、我ながら説得力ある内容だ。
「私は基本的に、相手を名前呼びしません。もちろん、家族や親せきのことは名前で呼びはしますが、それ以外ということです。だって、その方が、後々別れるときに後腐れがなくていいでしょう。ああ、でもさすがに小学校、中学校では名前呼びをしていましたよ。私も幼かったですし、周りが名前呼びが多かったですから。ああ、でも、呼び捨てとかはしたことないですね。さんとか、君はつけていました。」
「本当に長くなりそうですね。それで、敬語なのはなぜですか。」
「ええと、それは、そう。相手に不快感を与えないためです。だって、そうでしょう。普通、コミュ障ボッチが突然、タメ口で話しかけてきたら、不快でしょう。敬語なら大抵大丈夫なので、つい話すときに敬語になってしまうというわけです。」
エッヘン。どうだ、と言い訳を話しきった満足感に浸っていた私だが、その満足感はすぐに大鷹さんの言葉によってつぶされてしまった。
「わかりました。でも、僕はタメ口でも、敬語抜きでも不快に思ったりはしません。なので、僕限定でその話し方を辞めてもらえないでしょうか。」
「無理でス。イママデの話し方をスグにカエルことはデキマセン。アキラメテクダサイ。」
「はあ。」
なぜか、大鷹さんは、私の話を聞くたびにため息をついている。やはり、心の中では、私のことを軽蔑しているのか、あきれているのか。
「いや、努力はしますけど、そう簡単にかわ。」
「すいません。そうですよね。もう言いません。僕が言いすぎました。今度も大鷹さん呼びで、話し方もそのままでいいので、今まで通り話しかけてください。」
私の意見はあっさりと通ることになった。あまりにもあっけなく、今までの話し方を変えなくていいと言われて、疑問は残るが、言質は取ったので、大鷹さん呼びと話し方はそのままでいこう。
「話を途中で止めてしまってすいません。それで、話し方と呼び方の前に、質問した、学校が共学だったかということですが。」
話は戻って、大鷹さんの質問に答えていこう。
「いえ、別に女子だけの学校には通ったことはありません。幼稚園から大学まで、すべて男女共学の学校です。それに職場も女性だけでなく、男性も働いています。」
「そうですか。」
「何を聞きたかったのですか。」
「いえ、どうして、紗々さんがこんなにも自分の子供を欲しがらなかったり、他人との接触を嫌がるのかと思いまして。」
そこで思いついたわけです。と大鷹さんは続けた。
「もしかしたら、女子が多い環境で育ってきたので、男性恐怖症なのかと思ったのですが、違いますね。僕と話していても特に嫌悪感もなさそうですし。」
「はあ、多少の男性恐怖症はあると思いますよ。何せ、今まで彼氏はいなかったですし、それに何より、自分の親戚に同年代の男子がいなかったですし。」
「なるほど。まあ、今までのことは過ぎてしまったことなのでどうしようもありません。紗々さんの話を聞く限り、紗々さんが僕のことを嫌いでないことはわかります。残る問題は、紗々さんが男性との接触に慣れていくことだと思います。それと、自分の子供がいらないという考えを改めさせることも必要です。」
「だから、私は大鷹さんに子供が欲しいなら、他で作ってくれと頼んでいるでしょう。」
先ほどから話の論点がどこにあるのかわからなくなっている。私は自分が作った決まりの⑨⑩の理由を説明していたはずで、それについての話し合いをしていたはずだ。
「いえ、そもそもその考え方が間違っているのです。僕は紗々さんが好きだから結婚したのであって、それなのに当の本人が浮気を推奨しているのは、僕をバカにしているとしか思えません。あまり、僕を怒らせるようなことを言わないで欲しいのですが。」
どうやら、私は大鷹さんを怒らせてしまっているようだ。私は大鷹さんのことを思っての発言であり、怒らせるようなことを言ったつもりはない。しかし、大鷹さんの取り巻く空気が急に重くなったのは肌で感じた。
「何で僕が怒っているのか理解していないようですね。いいですか。好きな女性と結婚できたのに、その相手に浮気を進められているのですよ。怒りたくもなるでしょう。」
大鷹さんが私を好き。言葉の意味を理解すると同時に顔が赤くなる。そんなことを真正面から言われると、恥ずかしい。自分自身に対してそんな恋愛漫画みたいなことが起きているなんて信じられない。そんな経験は初めてなので、頭がパンクしてしまう。
「まったく、お仕置きですよ。もう二度と、浮気、離婚の言葉を口に出さないでくださいね。」
いきなり、私に近づいてきたと思えば、頬にチュッと柔らかく湿った感触がした。
「ななななななっ。」
思わず、後ろに退こうとして壁にぶつかった。ドンっと音がして背中をぶつけてしまった。その様子を見て、大鷹さんは機嫌をよくしたようだ。
「かわいいですね。紗々さんは。大丈夫ですよ。僕は紗々さんが好きなので、浮気も離婚もしません。なんなら、紗々さんが僕とセックスできるように努力しますから、安心して僕に身体をゆだねてくれて構いません。」
「ななななななっ。」
本日二回目の叫びである。
大鷹さんは本当に私のことが好きらしい。そして、トラウマを克服していこうと提案してきたのである。
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