3 / 21
第3話【ハーミット商会】
しおりを挟む
「エリスはご両親の行方に当てはあるのかい?」
ガルニエが無事に駐屯地から人を呼び、外れた車輪の応急処置が済んだおかげで、私たちは今、荷物と一緒に幌馬車の中で揺られていた。
馬車に乗るのは村から王都に行く時が初めてで、追放された時、そして今回が三回目になる。
どれも思ったのは、揺れが激しく気持ちが悪くなるし、おしりも痛くて、あまり快適ではないということだった。
一応ワタの入った布が敷かれているけれど、大した効果があるとは言い難い。
そんな中で私はアベルと話をしていた。
初めは丁寧な言葉遣いだったアベルだけれど、私が要らないと言った途端気さくな話し方に変えてくれた。
「それが……何も無いのです。おそらく隣国へ向かった、ということくらいしか。もしかしたらもう既に……」
「大丈夫! こう見えても俺のハーミット商会は顔が広いんだ。きっと見つかるよ!」
アベルの話では自分の父親が会主をしているハーミット商会は、隣国のマルメリアではそこそこ大きい商会らしい。
正直なところ、村に来るのは個人の行商人くらいだった私にとって、商会というものがどういうものなのかいまいち理解できていなかった。
『どーすんのさ。エリス。居もしない両親を探させるなんて』
『うーん。困ったなぁ。街に着いたら、死んだことが分かったことにしようかな。じゃないと、ずっと探してくれそう……』
そんなことを考えながらアベルと話を続けた。
大体は私が聞き役だったけれど、色々と旅をしていて私より少し上なだけなのに経験が豊富なアベルの話は、面白くそして興味深いものばかりだった。
もう一つの理由は話が上手い、ということによるものだろう。
私が始めに思った通りの商人のアベルは、人の興味を引き出す話術に長けていた。
その話に、私もすっかり興味を惹かれてばかりいる。
『そんなこと言ってさぁ。アベルが格好いいからじゃないの? 本当は』
『もう! 茶化さないでよ! って言っても、格好いいのは否定しないけど……』
向かい合わせに座るアベルの顔をしっかりと見つめる。
顔立ちが端正なのもあるけれど、話す度にころころと表情を変えるのが見ていて飽きない。
「そうだ! エリスは薬師と言ったね? うちの商会でも色々と薬を扱っているんだけれど、なかなか品薄が続いていてさ。良い薬が作れるなら、是非ともうちと契約して欲しいんだけど」
「え? 契約? えーっと、それは……その……」
突然のアベルの発言に私はしどろもどろになってしまう。
なぜなら薬なんて、今まで村の人たちが自前で作っていた痛み止めや化膿止めの薬などしか知らないからだ。
私を見つめるアベルの顔付きは、先ほどの柔和なままだけれど、何やら真剣さを感じる。
きっと商売が絡むと出てくる顔なのだろう。
『ほら。嘘っていうのは吐くとどんどん自分を困らせるんだよ』
『そんなこと言ってもー。エア。さっき言ってた錬金術で薬って作れるの?』
『もちろん。多分下手な薬なんかよりずっと凄い物が作れるよ。何? エリス。まさか本当に錬金術師になるの?』
『もちろん隠すけどさ。でもやっぱり職は探さないと。商会と契約って、よく分からないけど凄いことなんでしょ?』
よし。決めた。
私はまだよくわからないけれど、その錬金術というのを使って、薬師として生きていこう。
「逆にどんな薬が必要ですか? 薬と言っても沢山あるので」
「ああ。そう言われてみればそうだね。まぁ一番需要が高いのは傷や怪我、それに病気を治す薬だね」
「分かりました。それじゃあ、いくつか当てがあるので、街に着いて落ち着いたら作ってみます。それを見てもらっていいですか?」
「それは良かった。ガルニエが、ずっと困ってた腰痛が無くなって調子がいいと言っていたよ。エリスの作る薬はすごい効能があるのかもしれないね」
こうして、私は隣国で薬師として暮らすことを決めた。
しかし、そう思っていたのは私だけで、作った薬のあまりの効果に、錬金術師だと直ぐにバレてしまうことになるのだけれど。
☆☆☆
~その頃王都では~
「ちょっと! サラマンダー!? 何処へ行ったというの!?」
ローザは最近見かけなくなってしまった、自分のパルであるサラマンダーを探して、城中を歩き回っていた。
見なくなったのは、ちょうど目障りな自分よりも数倍も強い光を放ったエリスを追い出し、悦に浸っていた頃だ。
サラマンダーは気まぐれな性格で、今までにも時おり姿をくらますことがあった。
そのためローザは、今回もそのうち戻ってくるだろうとたかをくくっていた。
ところが――。
「もう! どこいったって言うのよ! あの子が居なきゃろくな力が出せないのに!!」
「きゃっ!?」
苛立ちながら目に付いた侍女に八つ当たりをする。
元々平民出のローザだったが、貴族の末娘であるこの侍女よりも、今は立場は大きく上だ。
王族に従える聖女、その立場は生来の清らかだった心を大きく蝕んでしまった。
素朴で誰にでも笑顔を振り撒いていた活発な少女はナリを潜め、代わりに表面を覆ったのは苛烈なまでの自尊心だった。
「とにかく! 早くサラマンダーを見つけないと! 今度は私が追放でもされたら洒落にならないわ」
長年連れ添ったパルを再び探すローザだったが、既に手遅れになっていたことを知るのはもう少し先の話だ。
原因はエリスに、いや、エリスのパルであるエアから話を聞いたサラマンダーにした仕打ちである。
人間界でもそうだが、精霊界ではそれとは比にならない程の明確な序列が存在した。
四大元素の一つである火の大精霊サラマンダーは、全ての火の精霊の上に立つ長である。
そんなサラマンダーがへりくだる存在。
その存在を、聞かれたわけでもなくわざわざサラマンダーから伝えたのにも関わらず、ローザはそれを無視した。
無視したどころか、その想い人であるエリスを辱めに合わせたのだ。
聖女という待遇に落ちぶれていくローザに、サラマンダーが愛想を尽かすのには十分すぎるほどの出来事だった。
精霊力というのは人が持つ器の大きさによって行使できる量が決まるが、器だけでは用をなさない。
サラマンダーに愛想を尽かされたローザが今後、火の属性の精霊力を使うことは出来ないだろう。
そして、それは相性が元々良くない別の精霊においても同じことが言えた。
ローザはあの日、精霊から見れば実にくだらない理由によってもたらした自らの行いによって、聖女としての力を、永遠に放棄したのだった。
ガルニエが無事に駐屯地から人を呼び、外れた車輪の応急処置が済んだおかげで、私たちは今、荷物と一緒に幌馬車の中で揺られていた。
馬車に乗るのは村から王都に行く時が初めてで、追放された時、そして今回が三回目になる。
どれも思ったのは、揺れが激しく気持ちが悪くなるし、おしりも痛くて、あまり快適ではないということだった。
一応ワタの入った布が敷かれているけれど、大した効果があるとは言い難い。
そんな中で私はアベルと話をしていた。
初めは丁寧な言葉遣いだったアベルだけれど、私が要らないと言った途端気さくな話し方に変えてくれた。
「それが……何も無いのです。おそらく隣国へ向かった、ということくらいしか。もしかしたらもう既に……」
「大丈夫! こう見えても俺のハーミット商会は顔が広いんだ。きっと見つかるよ!」
アベルの話では自分の父親が会主をしているハーミット商会は、隣国のマルメリアではそこそこ大きい商会らしい。
正直なところ、村に来るのは個人の行商人くらいだった私にとって、商会というものがどういうものなのかいまいち理解できていなかった。
『どーすんのさ。エリス。居もしない両親を探させるなんて』
『うーん。困ったなぁ。街に着いたら、死んだことが分かったことにしようかな。じゃないと、ずっと探してくれそう……』
そんなことを考えながらアベルと話を続けた。
大体は私が聞き役だったけれど、色々と旅をしていて私より少し上なだけなのに経験が豊富なアベルの話は、面白くそして興味深いものばかりだった。
もう一つの理由は話が上手い、ということによるものだろう。
私が始めに思った通りの商人のアベルは、人の興味を引き出す話術に長けていた。
その話に、私もすっかり興味を惹かれてばかりいる。
『そんなこと言ってさぁ。アベルが格好いいからじゃないの? 本当は』
『もう! 茶化さないでよ! って言っても、格好いいのは否定しないけど……』
向かい合わせに座るアベルの顔をしっかりと見つめる。
顔立ちが端正なのもあるけれど、話す度にころころと表情を変えるのが見ていて飽きない。
「そうだ! エリスは薬師と言ったね? うちの商会でも色々と薬を扱っているんだけれど、なかなか品薄が続いていてさ。良い薬が作れるなら、是非ともうちと契約して欲しいんだけど」
「え? 契約? えーっと、それは……その……」
突然のアベルの発言に私はしどろもどろになってしまう。
なぜなら薬なんて、今まで村の人たちが自前で作っていた痛み止めや化膿止めの薬などしか知らないからだ。
私を見つめるアベルの顔付きは、先ほどの柔和なままだけれど、何やら真剣さを感じる。
きっと商売が絡むと出てくる顔なのだろう。
『ほら。嘘っていうのは吐くとどんどん自分を困らせるんだよ』
『そんなこと言ってもー。エア。さっき言ってた錬金術で薬って作れるの?』
『もちろん。多分下手な薬なんかよりずっと凄い物が作れるよ。何? エリス。まさか本当に錬金術師になるの?』
『もちろん隠すけどさ。でもやっぱり職は探さないと。商会と契約って、よく分からないけど凄いことなんでしょ?』
よし。決めた。
私はまだよくわからないけれど、その錬金術というのを使って、薬師として生きていこう。
「逆にどんな薬が必要ですか? 薬と言っても沢山あるので」
「ああ。そう言われてみればそうだね。まぁ一番需要が高いのは傷や怪我、それに病気を治す薬だね」
「分かりました。それじゃあ、いくつか当てがあるので、街に着いて落ち着いたら作ってみます。それを見てもらっていいですか?」
「それは良かった。ガルニエが、ずっと困ってた腰痛が無くなって調子がいいと言っていたよ。エリスの作る薬はすごい効能があるのかもしれないね」
こうして、私は隣国で薬師として暮らすことを決めた。
しかし、そう思っていたのは私だけで、作った薬のあまりの効果に、錬金術師だと直ぐにバレてしまうことになるのだけれど。
☆☆☆
~その頃王都では~
「ちょっと! サラマンダー!? 何処へ行ったというの!?」
ローザは最近見かけなくなってしまった、自分のパルであるサラマンダーを探して、城中を歩き回っていた。
見なくなったのは、ちょうど目障りな自分よりも数倍も強い光を放ったエリスを追い出し、悦に浸っていた頃だ。
サラマンダーは気まぐれな性格で、今までにも時おり姿をくらますことがあった。
そのためローザは、今回もそのうち戻ってくるだろうとたかをくくっていた。
ところが――。
「もう! どこいったって言うのよ! あの子が居なきゃろくな力が出せないのに!!」
「きゃっ!?」
苛立ちながら目に付いた侍女に八つ当たりをする。
元々平民出のローザだったが、貴族の末娘であるこの侍女よりも、今は立場は大きく上だ。
王族に従える聖女、その立場は生来の清らかだった心を大きく蝕んでしまった。
素朴で誰にでも笑顔を振り撒いていた活発な少女はナリを潜め、代わりに表面を覆ったのは苛烈なまでの自尊心だった。
「とにかく! 早くサラマンダーを見つけないと! 今度は私が追放でもされたら洒落にならないわ」
長年連れ添ったパルを再び探すローザだったが、既に手遅れになっていたことを知るのはもう少し先の話だ。
原因はエリスに、いや、エリスのパルであるエアから話を聞いたサラマンダーにした仕打ちである。
人間界でもそうだが、精霊界ではそれとは比にならない程の明確な序列が存在した。
四大元素の一つである火の大精霊サラマンダーは、全ての火の精霊の上に立つ長である。
そんなサラマンダーがへりくだる存在。
その存在を、聞かれたわけでもなくわざわざサラマンダーから伝えたのにも関わらず、ローザはそれを無視した。
無視したどころか、その想い人であるエリスを辱めに合わせたのだ。
聖女という待遇に落ちぶれていくローザに、サラマンダーが愛想を尽かすのには十分すぎるほどの出来事だった。
精霊力というのは人が持つ器の大きさによって行使できる量が決まるが、器だけでは用をなさない。
サラマンダーに愛想を尽かされたローザが今後、火の属性の精霊力を使うことは出来ないだろう。
そして、それは相性が元々良くない別の精霊においても同じことが言えた。
ローザはあの日、精霊から見れば実にくだらない理由によってもたらした自らの行いによって、聖女としての力を、永遠に放棄したのだった。
34
あなたにおすすめの小説
偽聖女と蔑まれた私、冷酷と噂の氷の公爵様に「見つけ出した、私の運命」と囚われました 〜荒れ果てた領地を力で満たしたら、とろけるほど溺愛されて
放浪人
恋愛
「君は偽物の聖女だ」——その一言で、私、リリアーナの人生は転落した。 持っていたのは「植物を少しだけ元気にする」という地味な力。華やかな治癒魔法を使う本物の聖女イザベラ様の登場で、私は偽物として王都から追放されることになった。
行き場もなく絶望する私の前に現れたのは、「氷の公爵」と人々から恐れられるアレクシス様。 冷たく美しい彼は、なぜか私を自身の領地へ連れて行くと言う。
たどり着いたのは、呪われていると噂されるほど荒れ果てた土地。 でも、私は諦めなかった。私にできる、たった一つの力で、この地を緑で満たしてみせる。
ひたむきに頑張るうち、氷のように冷たかったはずのアレクシス様が、少しずつ私にだけ優しさを見せてくれるように。 「リリアーナ、君は私のものだ」 ——彼の瞳に宿る熱い独占欲に気づいた時、私たちの運命は大きく動き出す。
【完結】聖女レイチェルは国外追放されて植物たちと仲良く辺境地でサバイバル生活します〜あれ、いつのまにかみんな集まってきた。あの国は大丈夫かな
よどら文鳥
恋愛
「元聖女レイチェルは国外追放と処す」
国王陛下は私のことを天気を操る聖女だと誤解していた。
私レイチェルは植物と対話したり、植物を元気にさせたりする力を持っている。
誤解を解こうとしたが、陛下は話すら聞こうとしてくれない。
聖女としての報酬も微々たる額だし、王都にいてもつまらない。
この際、国外追放されたほうが楽しそうだ。
私はなにもない辺境地に来て、のんびりと暮らしはじめた。
生きていくのに精一杯かと思っていたが、どういうわけか王都で仲良しだった植物たちが来てくれて、徐々に辺境地が賑やかになって豊かになっていく。
楽しい毎日を送れていて、私は幸せになっていく。
ところで、王都から植物たちがみんなこっちに来ちゃったけど、あの国は大丈夫かな……。
【注意】
※この世界では植物が動きまわります
※植物のキャラが多すぎるので、会話の前『』に名前が書かれる場合があります
※文章がご都合主義の作品です
※今回は1話ごと、普段投稿しているよりも短めにしてあります。
【完結】公爵家のメイドたる者、炊事、洗濯、剣に魔法に結界術も完璧でなくてどうします?〜聖女様、あなたに追放されたおかげで私は幸せになれました
冬月光輝
恋愛
ボルメルン王国の聖女、クラリス・マーティラスは王家の血を引く大貴族の令嬢であり、才能と美貌を兼ね備えた完璧な聖女だと国民から絶大な支持を受けていた。
代々聖女の家系であるマーティラス家に仕えているネルシュタイン家に生まれたエミリアは、大聖女お付きのメイドに相応しい人間になるために英才教育を施されており、クラリスの側近になる。
クラリスは能力はあるが、傍若無人の上にサボり癖のあり、すぐに癇癪を起こす手の付けられない性格だった。
それでも、エミリアは家を守るために懸命に彼女に尽くし努力する。クラリスがサボった時のフォローとして聖女しか使えないはずの結界術を独学でマスターするほどに。
そんな扱いを受けていたエミリアは偶然、落馬して大怪我を負っていたこの国の第四王子であるニックを助けたことがきっかけで、彼と婚約することとなる。
幸せを掴んだ彼女だが、理不尽の化身であるクラリスは身勝手な理由でエミリアをクビにした。
さらに彼女はクラリスによって第四王子を助けたのは自作自演だとあらぬ罪をでっち上げられ、家を潰されるかそれを飲み込むかの二択を迫られ、冤罪を被り国家追放に処される。
絶望して隣国に流れた彼女はまだ気付いていなかった、いつの間にかクラリスを遥かに超えるほどハイスペックになっていた自分に。
そして、彼女こそ国を守る要になっていたことに……。
エミリアが隣国で力を認められ巫女になった頃、ボルメルン王国はわがまま放題しているクラリスに反発する動きが見られるようになっていた――。
捨てられた元聖女ですが、なぜか蘇生聖術【リザレクション】が使えます ~婚約破棄のち追放のち力を奪われ『愚醜王』に嫁がされましたが幸せです~
鏑木カヅキ
恋愛
十年ものあいだ人々を癒し続けていた聖女シリカは、ある日、婚約者のユリアン第一王子から婚約破棄を告げられる。さらには信頼していた枢機卿バルトルトに裏切られ、伯爵令嬢ドーリスに聖女の力と王子との婚約さえ奪われてしまう。
元聖女となったシリカは、バルトルトたちの謀略により、貧困国ロンダリアの『愚醜王ヴィルヘルム』のもとへと強制的に嫁ぐことになってしまう。無知蒙昧で不遜、それだけでなく容姿も醜いと噂の王である。
そんな不幸な境遇でありながらも彼女は前向きだった。
「陛下と国家に尽くします!」
シリカの行動により国民も国も、そして王ヴィルヘルムでさえも変わっていく。
そしてある事件を機に、シリカは奪われたはずの聖女の力に再び目覚める。失われたはずの蘇生聖術『リザレクション』を使ったことで、国情は一変。ロンダリアでは新たな聖女体制が敷かれ、国家再興の兆しを見せていた。
一方、聖女ドーリスの力がシリカに遠く及ばないことが判明する中、シリカの噂を聞きつけた枢機卿バルトルトは、シリカに帰還を要請してくる。しかし、すでに何もかもが手遅れだった。
「女のくせに強すぎて可愛げがない」と言われ婚約破棄された追放聖女は薬師にジョブチェンジします
紅城えりす☆VTuber
恋愛
*毎日投稿・完結保証・ハッピーエンド
どこにでも居る普通の令嬢レージュ。
冷気を放つ魔法を使えば、部屋一帯がや雪山に。
風魔法を使えば、山が吹っ飛び。
水魔法を使えば大洪水。
レージュの正体は無尽蔵の魔力を持つ、チート令嬢であり、力の強さゆえに聖女となったのだ。
聖女として国のために魔力を捧げてきたレージュ。しかし、義妹イゼルマの策略により、国からは追放され、婚約者からは「お前みたいな可愛げがないやつと結婚するつもりはない」と婚約者破棄されてしまう。
一人で泥道を歩くレージュの前に一人の男が現れた。
「その命。要らないなら俺にくれないか?」
彼はダーレン。理不尽な理由で魔界から追放された皇子であった。
もうこれ以上、どんな苦難が訪れようとも私はめげない!
ダーレンの助けもあって、自信を取り戻したレージュは、聖女としての最強魔力を駆使しながら薬師としてのセカンドライフを始める。
レージュの噂は隣国までも伝わり、評判はうなぎ登り。
一方、レージュを追放した帝国は……。
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
追放聖女の再就職 〜長年仕えた王家からニセモノと追い出されたわたしですが頑張りますね、魔王さま!〜
三崎ちさ
恋愛
メリアは王宮に勤める聖女、だった。
「真なる聖女はこの世に一人、エミリーのみ! お前はニセモノだ!」
ある日突然いきりたった王子から国外追放、そして婚約破棄もオマケのように言い渡される。
「困ったわ、追放されても生きてはいけるけど、どうやってお金を稼ごうかしら」
メリアには病気の両親がいる。王宮で聖女として働いていたのも両親の治療費のためだった。国の外には魔物がウロウロ、しかし聖女として活躍してきたメリアには魔物は大した脅威ではない。ただ心配なことは『お金の稼ぎ方』だけである。
そんな中、メリアはひょんなことから封印されていたはずの魔族と出会い、魔王のもとで働くことになる。
「頑張りますね、魔王さま!」
「……」(かわいい……)
一方、メリアを独断で追放した王子は父の激昂を招いていた。
「メリアを魔族と引き合わせるわけにはいかん!」
国王はメリアと魔族について、何か秘密があるようで……?
即オチ真面目魔王さまと両親のためにお金を稼ぎたい!ニセモノ疑惑聖女のラブコメです。
※小説家になろうさんにも掲載
国外追放ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私は、セイラ・アズナブル。聖女候補として全寮制の聖女学園に通っています。1番成績が優秀なので、第1王子の婚約者です。けれど、突然婚約を破棄され学園を追い出され国外追放になりました。やった〜っ!!これで好きな事が出来るわ〜っ!!
隣国で夢だったオムライス屋はじめますっ!!そしたら何故か騎士達が常連になって!?精霊も現れ!?
何故かとっても幸せな日々になっちゃいます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる