4 / 21
第4話【アベルの屋敷】
しおりを挟む
「ここがハーミット商会の支部、俺が任されているアベル・ハーミット商会だよ」
幌馬車が止まり、ガルニエの合図で痛むお尻を押さえて降り立った私に向かって、アベルはこともなげにそう言った。
しかし私の目と口は開いたまま塞がらない。
『え? 大きすぎじゃない? 何この建物。どうやって作ったの? なんで崩れないの!?』
『あー。もう。やめてよね。そういう田舎者丸出しの態度。見てるこっちが恥ずかしくなるから』
私が頭の中で呟いた独り言に、エアは律儀に突っ込みを入れてくれた。
エアだって初めて見る癖に、と思ったけれど、よく考えたらエアは私の知らないことをいくらでも知っている。
「さぁさぁ。アベル様もエリス様も。中へ入りましょう。特にエリス様は、長旅でさぞお疲れでしょうから」
「あ、ありがとうございます」
ガルニエの案内に従い真っ白な壁を持つ三階建ての建物に入っていく。
どうやら壁は、小さな手のひらより少し大きな面を切りそろえられた石のようなもので作られているらしい。
『もー。王都に行った時にも見たでしょ。ここより大きな建物。お、し、ろ! それと一緒だよ』
『あ、そういえば。でもあの時は緊張しててなんにも覚えてないもの』
そんな話をしながら中に入った私はさらに驚いた。
何にかと言うとそこで働く人の多さにだ。
『私の村より人多いんじゃない?』
『そうだねぇ。っていうか、エリスのところは村と言うより集落だからね。人より精霊の方が多かったし』
少しエアに馬鹿にされた気もするけれど、無視することに決めた。
私は行き交いながらアベルと私に向かって挨拶をする人たちに、挨拶を返しながら屋敷の中を歩いた。
やがて一つの扉の前に立つ。
ガルニエが扉を開けると、そこには夢のような部屋が広がっていた。
「ここは客室でね。遠方から買い付けなどに来てくれた人を泊めたり休んでもらったりする部屋なんだ。行くあても今のところないのだろう? しばらくはここを使うといいよ」
「え!? いや、あの! そんなこと、困ります!! 申し訳なくて……」
「いやいや。むしろできる限りのことをしても足りないくらいだよ。ガルニエから聞いたけど、危なかったんだって? 俺の命の恩人だ。これくらい受け取ってくれ」
「はぁ……そう言うなら、少しの間だけ……お世話になります」
アベルは私の返事にまだ不満があるようだ。
親指と人差し指の間に顎を乗せて少し考え込む。
「それと。今言った通り、君は命の恩人なんだ。その丁寧な言い方は、普段通りの喋り方じゃないだろう? 無理しないで普通に話してくれないかな?」
「それは……」
そう言われて私は言葉につまる。
そもそもアベルに同じことを言い出したのは私の方で、私だけこの喋り方を続けるのは確かにおかしい。
おかしいけれど、ついついこの話し方になってしまう威厳のようなものを、アベルから受けてしまうのだ。
正直、普段使わないのをバレているなら意味が無いかもしれない。
「そ、それじゃあ。とりあえず普通の口調で……」
「そう。良かった」
アベルは私の言葉を受けて屈託のない笑顔を見せた。
こんな笑顔を振りまけるなら、さぞかし女性客からの売上げが大きいだろう。
「それで……薬の件なんだけど、もし良かったらここにいる間でも作ってくれないかな? 材料はだいたい揃ってるし、言ってくれれば揃えるよ。器具もだいたい扱ってるからすぐに用意できる」
「あ、ああ! うん。分かった。じゃあ、後で必要なものを伝えるね! えーっと……誰に言えばいいのかな?」
「ああ、そうだ。俺も忙しいからいつも来るわけにはいかないから。あ、いいところに。カリナ! ちょっと!」
「はい。御用ですか?」
アベルに呼ばれて足を止め、こちらに来たのは侍女と思われる女性だった。
歳は私より少し上、アベルと同じくらいだろうか。
白い長袖のブラウスに黒のプリーツスカート。
その上に白いエプロンを腰に巻いている。
少し赤みを帯びた茶色の髪と深い焦げ茶色の瞳が愛らしい。
「この方はエリスと言って、俺の最重要のお客様だ。何か用がある時はカリナに言うようにお願いするから、よろしく頼むよ」
「かしこまりました。カリナと申します。身の回りの世話などをさせて頂きますので、なんなりとお申し付けください」
そう言いながらカリナは深々と頭を下げる。
私も釣られて頭を下げたら、アベルに笑われてしまった。
「あ、あの! エリスと言います。丁寧な言葉に慣れないので! 良ければ普通に話しかけてください!!」
「まぁ」
私が慌ててそういうと、カリナは右手を口の前に当て、目を見開いて驚いた顔をした。
そして直ぐにその大きな瞳を細め、優しい言葉でこう言った。
「それはありがたいお言葉ですが、この話し方がわたくしにとっての普通でして。ご希望に添えるかどうか分かりませんが、なるべくエリス様のお心持ちに合うように致しますね」
「は、はい! よろしくお願いします!!」
「あっはっは! あーおかしい。エリス。君こそ普通に話したらどうだ? カリナは俺が幼少の時からここの侍女をやってくれていてね。崩れた喋り方など、俺も聞いた事がない」
「まぁ。アベル様はもう少し普段の話し方を丁寧にされた方がよろしいかもしれませんよ」
どうやらカリナは主であるアベルに冗談めいた小言を言える仲らしい。
美男美女。何かよく分からないけれど、見ていてこっちがどぎまぎしてしまう。
「それじゃあ、エリス。悪いけど俺はこの辺で。薬、本当に頼むよ」
「うん。ありがとう。またね」
「まぁ。エリス様は薬師様でいらっしゃるんですか? まさか……錬金術師様だとか……」
「あ! ええと! 薬師! そう、薬師だよ。後で必要な材料を伝えるから、お願いね」
慌てた私に微笑みを返しながら、カリナは一言『かしこまりました』とだけ、言った。
そして用があれば机の上のベルを鳴らすように私に伝えると、一旦部屋の外へ出ていく。
こうして、アベルの好意により、私はアベルの屋敷に住み込みの薬師として暮らすことになるのだった。
幌馬車が止まり、ガルニエの合図で痛むお尻を押さえて降り立った私に向かって、アベルはこともなげにそう言った。
しかし私の目と口は開いたまま塞がらない。
『え? 大きすぎじゃない? 何この建物。どうやって作ったの? なんで崩れないの!?』
『あー。もう。やめてよね。そういう田舎者丸出しの態度。見てるこっちが恥ずかしくなるから』
私が頭の中で呟いた独り言に、エアは律儀に突っ込みを入れてくれた。
エアだって初めて見る癖に、と思ったけれど、よく考えたらエアは私の知らないことをいくらでも知っている。
「さぁさぁ。アベル様もエリス様も。中へ入りましょう。特にエリス様は、長旅でさぞお疲れでしょうから」
「あ、ありがとうございます」
ガルニエの案内に従い真っ白な壁を持つ三階建ての建物に入っていく。
どうやら壁は、小さな手のひらより少し大きな面を切りそろえられた石のようなもので作られているらしい。
『もー。王都に行った時にも見たでしょ。ここより大きな建物。お、し、ろ! それと一緒だよ』
『あ、そういえば。でもあの時は緊張しててなんにも覚えてないもの』
そんな話をしながら中に入った私はさらに驚いた。
何にかと言うとそこで働く人の多さにだ。
『私の村より人多いんじゃない?』
『そうだねぇ。っていうか、エリスのところは村と言うより集落だからね。人より精霊の方が多かったし』
少しエアに馬鹿にされた気もするけれど、無視することに決めた。
私は行き交いながらアベルと私に向かって挨拶をする人たちに、挨拶を返しながら屋敷の中を歩いた。
やがて一つの扉の前に立つ。
ガルニエが扉を開けると、そこには夢のような部屋が広がっていた。
「ここは客室でね。遠方から買い付けなどに来てくれた人を泊めたり休んでもらったりする部屋なんだ。行くあても今のところないのだろう? しばらくはここを使うといいよ」
「え!? いや、あの! そんなこと、困ります!! 申し訳なくて……」
「いやいや。むしろできる限りのことをしても足りないくらいだよ。ガルニエから聞いたけど、危なかったんだって? 俺の命の恩人だ。これくらい受け取ってくれ」
「はぁ……そう言うなら、少しの間だけ……お世話になります」
アベルは私の返事にまだ不満があるようだ。
親指と人差し指の間に顎を乗せて少し考え込む。
「それと。今言った通り、君は命の恩人なんだ。その丁寧な言い方は、普段通りの喋り方じゃないだろう? 無理しないで普通に話してくれないかな?」
「それは……」
そう言われて私は言葉につまる。
そもそもアベルに同じことを言い出したのは私の方で、私だけこの喋り方を続けるのは確かにおかしい。
おかしいけれど、ついついこの話し方になってしまう威厳のようなものを、アベルから受けてしまうのだ。
正直、普段使わないのをバレているなら意味が無いかもしれない。
「そ、それじゃあ。とりあえず普通の口調で……」
「そう。良かった」
アベルは私の言葉を受けて屈託のない笑顔を見せた。
こんな笑顔を振りまけるなら、さぞかし女性客からの売上げが大きいだろう。
「それで……薬の件なんだけど、もし良かったらここにいる間でも作ってくれないかな? 材料はだいたい揃ってるし、言ってくれれば揃えるよ。器具もだいたい扱ってるからすぐに用意できる」
「あ、ああ! うん。分かった。じゃあ、後で必要なものを伝えるね! えーっと……誰に言えばいいのかな?」
「ああ、そうだ。俺も忙しいからいつも来るわけにはいかないから。あ、いいところに。カリナ! ちょっと!」
「はい。御用ですか?」
アベルに呼ばれて足を止め、こちらに来たのは侍女と思われる女性だった。
歳は私より少し上、アベルと同じくらいだろうか。
白い長袖のブラウスに黒のプリーツスカート。
その上に白いエプロンを腰に巻いている。
少し赤みを帯びた茶色の髪と深い焦げ茶色の瞳が愛らしい。
「この方はエリスと言って、俺の最重要のお客様だ。何か用がある時はカリナに言うようにお願いするから、よろしく頼むよ」
「かしこまりました。カリナと申します。身の回りの世話などをさせて頂きますので、なんなりとお申し付けください」
そう言いながらカリナは深々と頭を下げる。
私も釣られて頭を下げたら、アベルに笑われてしまった。
「あ、あの! エリスと言います。丁寧な言葉に慣れないので! 良ければ普通に話しかけてください!!」
「まぁ」
私が慌ててそういうと、カリナは右手を口の前に当て、目を見開いて驚いた顔をした。
そして直ぐにその大きな瞳を細め、優しい言葉でこう言った。
「それはありがたいお言葉ですが、この話し方がわたくしにとっての普通でして。ご希望に添えるかどうか分かりませんが、なるべくエリス様のお心持ちに合うように致しますね」
「は、はい! よろしくお願いします!!」
「あっはっは! あーおかしい。エリス。君こそ普通に話したらどうだ? カリナは俺が幼少の時からここの侍女をやってくれていてね。崩れた喋り方など、俺も聞いた事がない」
「まぁ。アベル様はもう少し普段の話し方を丁寧にされた方がよろしいかもしれませんよ」
どうやらカリナは主であるアベルに冗談めいた小言を言える仲らしい。
美男美女。何かよく分からないけれど、見ていてこっちがどぎまぎしてしまう。
「それじゃあ、エリス。悪いけど俺はこの辺で。薬、本当に頼むよ」
「うん。ありがとう。またね」
「まぁ。エリス様は薬師様でいらっしゃるんですか? まさか……錬金術師様だとか……」
「あ! ええと! 薬師! そう、薬師だよ。後で必要な材料を伝えるから、お願いね」
慌てた私に微笑みを返しながら、カリナは一言『かしこまりました』とだけ、言った。
そして用があれば机の上のベルを鳴らすように私に伝えると、一旦部屋の外へ出ていく。
こうして、アベルの好意により、私はアベルの屋敷に住み込みの薬師として暮らすことになるのだった。
22
あなたにおすすめの小説
偽聖女と蔑まれた私、冷酷と噂の氷の公爵様に「見つけ出した、私の運命」と囚われました 〜荒れ果てた領地を力で満たしたら、とろけるほど溺愛されて
放浪人
恋愛
「君は偽物の聖女だ」——その一言で、私、リリアーナの人生は転落した。 持っていたのは「植物を少しだけ元気にする」という地味な力。華やかな治癒魔法を使う本物の聖女イザベラ様の登場で、私は偽物として王都から追放されることになった。
行き場もなく絶望する私の前に現れたのは、「氷の公爵」と人々から恐れられるアレクシス様。 冷たく美しい彼は、なぜか私を自身の領地へ連れて行くと言う。
たどり着いたのは、呪われていると噂されるほど荒れ果てた土地。 でも、私は諦めなかった。私にできる、たった一つの力で、この地を緑で満たしてみせる。
ひたむきに頑張るうち、氷のように冷たかったはずのアレクシス様が、少しずつ私にだけ優しさを見せてくれるように。 「リリアーナ、君は私のものだ」 ——彼の瞳に宿る熱い独占欲に気づいた時、私たちの運命は大きく動き出す。
「女のくせに強すぎて可愛げがない」と言われ婚約破棄された追放聖女は薬師にジョブチェンジします
紅城えりす☆VTuber
恋愛
*毎日投稿・完結保証・ハッピーエンド
どこにでも居る普通の令嬢レージュ。
冷気を放つ魔法を使えば、部屋一帯がや雪山に。
風魔法を使えば、山が吹っ飛び。
水魔法を使えば大洪水。
レージュの正体は無尽蔵の魔力を持つ、チート令嬢であり、力の強さゆえに聖女となったのだ。
聖女として国のために魔力を捧げてきたレージュ。しかし、義妹イゼルマの策略により、国からは追放され、婚約者からは「お前みたいな可愛げがないやつと結婚するつもりはない」と婚約者破棄されてしまう。
一人で泥道を歩くレージュの前に一人の男が現れた。
「その命。要らないなら俺にくれないか?」
彼はダーレン。理不尽な理由で魔界から追放された皇子であった。
もうこれ以上、どんな苦難が訪れようとも私はめげない!
ダーレンの助けもあって、自信を取り戻したレージュは、聖女としての最強魔力を駆使しながら薬師としてのセカンドライフを始める。
レージュの噂は隣国までも伝わり、評判はうなぎ登り。
一方、レージュを追放した帝国は……。
【完結】公爵家のメイドたる者、炊事、洗濯、剣に魔法に結界術も完璧でなくてどうします?〜聖女様、あなたに追放されたおかげで私は幸せになれました
冬月光輝
恋愛
ボルメルン王国の聖女、クラリス・マーティラスは王家の血を引く大貴族の令嬢であり、才能と美貌を兼ね備えた完璧な聖女だと国民から絶大な支持を受けていた。
代々聖女の家系であるマーティラス家に仕えているネルシュタイン家に生まれたエミリアは、大聖女お付きのメイドに相応しい人間になるために英才教育を施されており、クラリスの側近になる。
クラリスは能力はあるが、傍若無人の上にサボり癖のあり、すぐに癇癪を起こす手の付けられない性格だった。
それでも、エミリアは家を守るために懸命に彼女に尽くし努力する。クラリスがサボった時のフォローとして聖女しか使えないはずの結界術を独学でマスターするほどに。
そんな扱いを受けていたエミリアは偶然、落馬して大怪我を負っていたこの国の第四王子であるニックを助けたことがきっかけで、彼と婚約することとなる。
幸せを掴んだ彼女だが、理不尽の化身であるクラリスは身勝手な理由でエミリアをクビにした。
さらに彼女はクラリスによって第四王子を助けたのは自作自演だとあらぬ罪をでっち上げられ、家を潰されるかそれを飲み込むかの二択を迫られ、冤罪を被り国家追放に処される。
絶望して隣国に流れた彼女はまだ気付いていなかった、いつの間にかクラリスを遥かに超えるほどハイスペックになっていた自分に。
そして、彼女こそ国を守る要になっていたことに……。
エミリアが隣国で力を認められ巫女になった頃、ボルメルン王国はわがまま放題しているクラリスに反発する動きが見られるようになっていた――。
捨てられた元聖女ですが、なぜか蘇生聖術【リザレクション】が使えます ~婚約破棄のち追放のち力を奪われ『愚醜王』に嫁がされましたが幸せです~
鏑木カヅキ
恋愛
十年ものあいだ人々を癒し続けていた聖女シリカは、ある日、婚約者のユリアン第一王子から婚約破棄を告げられる。さらには信頼していた枢機卿バルトルトに裏切られ、伯爵令嬢ドーリスに聖女の力と王子との婚約さえ奪われてしまう。
元聖女となったシリカは、バルトルトたちの謀略により、貧困国ロンダリアの『愚醜王ヴィルヘルム』のもとへと強制的に嫁ぐことになってしまう。無知蒙昧で不遜、それだけでなく容姿も醜いと噂の王である。
そんな不幸な境遇でありながらも彼女は前向きだった。
「陛下と国家に尽くします!」
シリカの行動により国民も国も、そして王ヴィルヘルムでさえも変わっていく。
そしてある事件を機に、シリカは奪われたはずの聖女の力に再び目覚める。失われたはずの蘇生聖術『リザレクション』を使ったことで、国情は一変。ロンダリアでは新たな聖女体制が敷かれ、国家再興の兆しを見せていた。
一方、聖女ドーリスの力がシリカに遠く及ばないことが判明する中、シリカの噂を聞きつけた枢機卿バルトルトは、シリカに帰還を要請してくる。しかし、すでに何もかもが手遅れだった。
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
追放聖女の再就職 〜長年仕えた王家からニセモノと追い出されたわたしですが頑張りますね、魔王さま!〜
三崎ちさ
恋愛
メリアは王宮に勤める聖女、だった。
「真なる聖女はこの世に一人、エミリーのみ! お前はニセモノだ!」
ある日突然いきりたった王子から国外追放、そして婚約破棄もオマケのように言い渡される。
「困ったわ、追放されても生きてはいけるけど、どうやってお金を稼ごうかしら」
メリアには病気の両親がいる。王宮で聖女として働いていたのも両親の治療費のためだった。国の外には魔物がウロウロ、しかし聖女として活躍してきたメリアには魔物は大した脅威ではない。ただ心配なことは『お金の稼ぎ方』だけである。
そんな中、メリアはひょんなことから封印されていたはずの魔族と出会い、魔王のもとで働くことになる。
「頑張りますね、魔王さま!」
「……」(かわいい……)
一方、メリアを独断で追放した王子は父の激昂を招いていた。
「メリアを魔族と引き合わせるわけにはいかん!」
国王はメリアと魔族について、何か秘密があるようで……?
即オチ真面目魔王さまと両親のためにお金を稼ぎたい!ニセモノ疑惑聖女のラブコメです。
※小説家になろうさんにも掲載
【完結】聖女レイチェルは国外追放されて植物たちと仲良く辺境地でサバイバル生活します〜あれ、いつのまにかみんな集まってきた。あの国は大丈夫かな
よどら文鳥
恋愛
「元聖女レイチェルは国外追放と処す」
国王陛下は私のことを天気を操る聖女だと誤解していた。
私レイチェルは植物と対話したり、植物を元気にさせたりする力を持っている。
誤解を解こうとしたが、陛下は話すら聞こうとしてくれない。
聖女としての報酬も微々たる額だし、王都にいてもつまらない。
この際、国外追放されたほうが楽しそうだ。
私はなにもない辺境地に来て、のんびりと暮らしはじめた。
生きていくのに精一杯かと思っていたが、どういうわけか王都で仲良しだった植物たちが来てくれて、徐々に辺境地が賑やかになって豊かになっていく。
楽しい毎日を送れていて、私は幸せになっていく。
ところで、王都から植物たちがみんなこっちに来ちゃったけど、あの国は大丈夫かな……。
【注意】
※この世界では植物が動きまわります
※植物のキャラが多すぎるので、会話の前『』に名前が書かれる場合があります
※文章がご都合主義の作品です
※今回は1話ごと、普段投稿しているよりも短めにしてあります。
二周目聖女は恋愛小説家! ~探されてますが、前世で断罪されたのでもう名乗り出ません~
今川幸乃
恋愛
下級貴族令嬢のイリスは聖女として国のために祈りを捧げていたが、陰謀により婚約者でもあった王子アレクセイに偽聖女であると断罪されて死んだ。
こんなことなら聖女に名乗り出なければ良かった、と思ったイリスは突如、聖女に名乗り出る直前に巻き戻ってしまう。
「絶対に名乗り出ない」と思うイリスは部屋に籠り、怪しまれないよう恋愛小説を書いているという嘘をついてしまう。
が、嘘をごまかすために仕方なく書き始めた恋愛小説はなぜかどんどん人気になっていく。
「恥ずかしいからむしろ誰にも読まれないで欲しいんだけど……」
一方そのころ、本物の聖女が現れないため王子アレクセイらは必死で聖女を探していた。
※序盤の断罪以外はギャグ寄り。だいぶ前に書いたもののリメイク版です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる