完結|ひそかに片想いしていた公爵がテンセイとやらで突然甘くなった上、私が12回死んでいる隠しきゃらとは初耳ですが?

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7章 これが魔法遣いたちの望みです

24話 ウケとセメのぽてんしゃる②

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 ソーマは律動しつつ何やら感心している。わたしは問い質すどころではない。

「ひっ、いちど、ぁ、止まってくださ、い」

 喘ぎまくる合間にどうにか頼むも、

「無理だよ。この体位、戯曲に十回書くくらい好きでしょ。おかげで君の解釈が深まった」

 とソーマは止まってくれない。戯曲を熟読されている。
 でも本当に、夢見たより苦しいのだ――過ぎて。下腹部がまたもむずむずしてくる。

「わたしだけ、達して……しまうのは、いや、で……っ」
「もう甘イキしてない?」

 ソーマがナカに居座ったまま、わたしごと起き上がる。引き剥がされた寝具は、一部分がぐっしょり湿って色が変わっていた。

「わ、わたしとしたことが……こんな、幼い子どものような」
「違う違う。お漏らしじゃなくて、気持ちいいと吹く潮だよ。うまく吹けて偉いね」

 赤面を通り越して蒼くなるわたしを、ソーマがゆらゆら揺れてあやす。
 何を言っているのかわからない。その間にも抱え上げられ、身体の向きを変えられる。

「あ、深、い――ぃ!」

 ソーマの屹立目掛けて座らされ、先ほどとは違う悦楽を味わわされた。
 今度は奥だ。内壁が少し括れているところがあって、ソーマの性器の出っ張りで弾くように擦られると、声が抑えられない。

「ひぅ、うぐ……っ、性感帯は、ひとつでは、ないの、ですか……っ?」
「いっぱいあるよ。というか、創れる」

 ソーマが、目の前の赤く色づいた乳首を咥える。もちろんわたしを持ち上げては落とすのもやめずに。寝そべっていたときよりわたしの体重ぶん結合が深くなる。奥をぐりぐり押し上げられ、高い声で叫ぶ。

「ソーマっ、そ……ま、ぁ」

 さらに双丘を長い指で揉まれ、中から外から気持ちよくされて、わけがわからない。わからないままソーマの黒髪を掻き抱く。

「ちょっと息苦しいけど、自分から腰振って可愛いからいっか」

 ソーマがくすりと笑う。
 わたしから? そんなはずはない、と頭では思う。でも実際は皺くちゃの寝具につま先をつけ、必死に臀部を上下させていた。無意識に八の字を描く動きも入れている。

「だって、気持ち、い……~っ」
「素直で可愛い。僕も攻めの身体に搭載されたテクニック、全開でいくね……!」

 ソーマが胡坐から膝立ちになる。わたしの頭を丁寧に寝具に着地させると、わたしの腰骨を掴んで荒々しく腰を振り始めた。

「んあぁ、また、角度が変わ、る」

 背中が浮いた状態でがくがく揺さぶられる。腰を何度も強く引きつけられた。痩躯のどこにこんな力を秘めていたのだろう。枕元の「始まりの魔法遣いたち」の絵が逆さまに見える。

「ユー、リィ……これ、悦いっ?」
「は、ぁあっ、……ぃ、……っ」

 返事すらままならない。ぱんっと肉のぶつかり合う音が響く。奥も腹側の性感帯もまとめて擦り上げられる。初夜にしてこんなに淀みなく責め立てられるなんて、話が違う。絶え間ない摩擦で結合部が泡立つ。

「ふふ、ぎゅってされるの、すごく好き」
「え……? では、もっと、します」

 ソーマが挿入ってくる度に、内壁がぎゅううっと収縮していた。実はそうしようと思わずともそうなっているのだが。

 ソーマはわたしの腰をいったん下ろし、足首を掴んで大きく開かせた。ソーマを食い絞めんと蠢く下の口を愛しげに見下ろす。

「ぁ……、や……」

 恥ずかしい体勢に、両手で結合部を隠す。でもすぐ、隅々まで見てほしい欲が上回った。
 ソーマの、薄っすらと線の入った鼠蹊部に手を添わせる。

 ソーマは腹筋を波立たせ、奥を捏ねるような動きをし始めた。
 わたしは律動がゆったりになっても嘆かず、じんわり汗ばむソーマを見つめる。

「えっちだ。ユーリィにも見える?」

 しばらく愉しんだ後、ソーマがわたしの足首から膝裏に手を移動させ、体重を掛けてきた。身体が折り畳まれて苦しいものの、ソーマが近くなったのが嬉しい。

「……はい。……ぁ、……んんっ」

 無花果のように赤くみずみずしく熟れ、少しめくれ上がった後腔に、ソーマの立派なものがしっかり挿入はいっている。
 誰にも譲らないし、渡さない。

「ソーマ」

 名を呼べば望みは伝わった。
 ソーマが首を伸ばしてくる。舌を絡ませ合い、より密着した。覆い被さられて身動きが取れない不自由さが、わたしには悦びだ。

 凪が一転、嵐のような抽送に変わる。腹の中のソーマのものは依然として熱く硬く、わたしを達させ尽くしてからでないと果てないのかもしれない。

「……っ、――! ……~っ」

 歓喜の叫びはソーマに呑み込まれる。戯曲では罪悪感もあって後ろから貫かれる描写を多用したけれど、向かい合って口づけながら奥を突かれるより悦いものはない。

 ぐちゅぐちゅ、ぱちゅんと、声の代わりに身体が喘ぐ。
 気づけばソーマに合わせて腰をくねらせていた。肉欲などまるで知らなかったわたしの身体が、ソーマに書き換えられていく。

(ソーマによってどれだけいやらしくなったか、ソーマには知ってほしい……)


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