婚約破棄され旅に出ましたが、迎えに来た婚約者は別人でした。

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婚約破棄され旅に出ましたが、迎えに来た婚約者は別人でした。<前>

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「お前とは婚約破棄こんやくはきだ。俺はお前の妹と、新しく婚姻関係こんいんかんけいを結ぶ。」

「そういうわけだから、お姉様は出て行ってくれる?」

 ある日突然とつぜん婚約破棄され、家を追い出された私。

 私はそのまま、放浪ほうろうたびに出た。
 
 あの家から少しでもはなれ、あのまわしい出来事できごとを忘れたかったのだ。

 それから半年ほどった頃、私がある宿屋やどやで休んでいた時だ。

 私に客人きゃくじんたずねて来たと、主人しゅじんばれた。

※※※

「君をむかに来たんだ。俺と一緒いっしょに、家に戻って欲しい。」

 そう言って微笑ほほえむ、目の前の男。

「…あなた、だれ?」

「俺?俺は、君の婚約者こんやくしゃだよ。」

 うそよ…あの人が、そんな事を言うはずがない。
 
 私をゴミの様に捨て、妹に走った男だもの。
 
姿形すがたかたちはあの人そっくりだけど、あなた、私の婚約者じゃないわよね?」

「俺は、君の婚約者だ。いや…俺こそが、君の本当の婚約者だ。」

※※※

「おい、お前少しは金の使い方を考えろ。でないと、この家はいつか破産はさんするぞ!」

「何よ、ウチのお金の事に口を出さないで!万一まんいちこの家が破産しても、あなたの家のお金で優雅ゆうがな暮らしができるわ。」

「…それは、まぁ。しかし、限度げんどってものがあるだろう?まったく、お前の良い所は顔だけだな。こんな事なら、あいつとの婚約を破棄するんじゃなかった。お前とは、遊んでるくらいが丁度ちょうど良かった…。」

今更後悔いまさらこうかいしてもおそいぞ。」

「お、お前、何でここに…!?」

「え!?同じ顔が、2人…?ど、どういう事?」

「それは、この方が本当の私の婚約者で、あなたのとなりに居るその男がただの影武者かげむしゃだからよ。」

「お姉様、もどってらしたんですか!?」

「久しぶりね。あなた私が居ない間に、ずいぶんこの家の資産しさんを食いつぶしてくれたわね。家の名義めいぎを自分に変えて、やりたい放題ほうだいして…。いい、その男は名家のご子息でも私の婚約者でもないの。優雅な暮らしなんて、できるわけないわ。」

「そ、そんな…!」
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