ジ・エンドブレイカー

アックス☆アライ

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第一章 とても不思議な世界

28話 洗濯の機械⑥

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 天蓋から垂れ下がるレースカーテン。
 その隙間から差し込む太陽の光が顔に当たり、日々喜は目を覚ました。
 どうやら、ここはフェンネルのベッドの上、自分は部屋の中に戻って来たらしい。
 日々喜はベッドから身を起こした。すると、長時間の睡眠から目を覚ました時の様な、ズキズキ響く様な頭痛に襲われる。
 痛む頭を押さえながら、フェンネルはどこに行ったのか、日々喜は辺りを見渡し始めた。
 天蓋のカーテンは閉め切られており、部屋の中全てを確認する事はできない。だが、日々喜は直ぐに自分の隣でうつ伏せになっているフェンネルを見つける事が出来た。
 フェンネルは濡れたベッドの上、何事もなかったかのように、何故か全裸で眠っていた。
 静かに寝息を立てる彼女の姿に安堵しながらも、その格好の主人を見つめる事に抵抗を感じ、目のやり場を探し始める。
 するとその時、カーテンの外から、窓が勢い良く開かれる音が聞こえた。
 どうやら、部屋の雨戸が次から次へと開かれて行く様子で、乱暴な音を立て、部屋の中がみるみる明るくなっていくのがカーテン越しにも分かった。
 やがて、全ての雨戸が開け放たれると、濡れた床を踏みしめながらカーテン越しにこちらに近づく黒い人影が見え始めた。

 「目が覚めたか、日々喜」
 「コウミ……」
 「雨戸を開けたの良い判断だったな。逃げ道を確保しようとしたのだろうが……」

 コウミはカーテンの前に立つ。

 「おかげで、部屋に入れた。……顔を見せろ、平気か?」
 「頭が少し、痛い。それ以外は平気です」

 コウミはカーテンの中に手を刺し入れ、日々喜の事を見る。そして、安否を確認すると溜息を着いた。

 「危うかった。まさか、あんな形で魔法陣が展開されるとは……」
 「コウミ、一体何が……?」
 「魔法陣が重ね合った。二人掛けで魔導を行使し、寸分の狂い無く魔法陣が重なると起きる。稀な現象だ」
 「重ね合い……。二人掛けで魔導を? それじゃあ、僕が魔導を行使したと言う事でしょうか?」
 「いや……」

 コウミは答えに窮した。
 日々喜は異世界の人間では無い。魔力を溜められる臓器、アルテマを持ち合わせる理由がない。しかし、そうであるにもかかわらず、先程の現象は、日々喜自身が魔導を行使した様にコウミにも見えたからだ。

 「僕は、夢を見ていた様な……」

 コウミが答えるのを待たず、日々喜は先程見たフェンネルの過去の世界を思い起こし、そう呟いた。

 「夢じゃない。小娘の心の中を覗いたんだ」
 「お嬢様の、心の中を……」
 「何を見た日々喜?」
 「お嬢様の過去を、災厄の大魔法陣、それとシェリル・ヴァーサと呼ばれる女性を見ました」
 「シェリル? 青い髪をした女か?」

 日々喜は頷く。

 「この小娘、かかわりが合ったのか」
 「コウミは知っているんですか?」
 「……トウワ国の東隣にあった大国、ダイワと言う国を滅ぼした女だ。この国では英雄の再来と呼ばれてる」
 「それだけですか?」

 日々喜には、コウミとシェリルの間にもっと個人的なかかわりがあるように思えた。それは、ヴァーサ領のクレレ邸を出立した日。夢の中で自分に切りかかった人物が、彼女の名前を口にしたからであった。
 今の日々喜には、それがただの夢では無いように思えて仕方なかった。

 「それ以上の肩書があるか? それに、そんな女の事なんて今の俺達に関係無いだろ。問題はこっちの小娘の方だ」

 コウミはうつ伏せに倒れるフェンネルを指差した。

 「エリオットの奴、碌な下調べもしないで、とんでもない所を紹介してくれやがって。いいか日々喜。俺達は直ぐにここを出る必要がある」
 「ここって? お屋敷を出て行くんですか!?」
 「違う。イバラ領をだ。この小娘のそばはどこも安全じゃない」
 「そんな……」

 コウミの突然の言葉に、日々喜は動揺する。頭の中では混乱したかのように、これまでのフォーリアムの屋敷で過ごした日々の記憶が再生されて行った。

 「全員が寝静まった後が良い。お前は夜までに荷物を纏めておけ」
 「い……」
 「分かったな日々喜。夜中に迎えに来る」
 「い、嫌です!」

 コウミは驚いた様に白い眼を丸く広げた。

 「僕はお屋敷に残りたい、です」
 「何? お前、今さっきの事を忘れたのか? 部屋の中で溺れかけたんだぞ」
 「お嬢様は正気じゃありませんでした。病気なんです」
 「だから何だ。病気が治るまでつきっきりで居るつもりか? 何度殺されるか分かったもんじゃない」
 「助けを、必要としているんです」
 「お前が助ける必要が何処にあるんだ? 無関係な小娘一人。必要としてる人間が助ける事だ」
 「異世界から来たから。僕なら助けられる。そう言われました」
 「お前!?」

 コウミはフェンネルと日々喜の顔を確認する様に見返す。

 「喋ったのか? この小娘に!」

 日々喜は黙った。コウミはそんな日々喜の胸ぐらを掴みまくし立て始めた。

 「日々喜! 何故、俺の言う事を聞かない! ここに居る奴らはお前と違うと言っただろ! 全員違うんだ! そんな連中が、お前の事を知ったらどんな目で見ると思う? ちょっと変わった奴だなんて甘く考えるな。お前はよからぬ者と呼ばれて、ここで追い立てられながら過ごさなくちゃならなくなる。そうなりたいか? なりたくないだろ! だったら、俺の言う事だけを聞いていろ!」

 顔の直ぐそばで、その様に大きな声で言われ、日々喜は辛そうに表情を歪めた。

 「……コウミは、僕を連れて行きたいだけじゃないんですか?」
 「何の事だ?」
 「デーモンは子供をさらうと聞きました。僕はお嬢様の心の中で、デーモンを見たんです。コウミにそっくりでした」
 「お前、あんな負け犬共と、この俺が同じものに見えるのか?」

 胸ぐらをつかむコウミの手に力が籠められて行く。
 締め付けられる衣服を伝って、日々喜にもそれが分かり、思わず身体を強張らせた。

 「馬鹿が!」

 コウミはショックを受けた様に、胸ぐらをつかんでいた手を離した。そして、日々喜の居るベッドから距離を取り、背を向けてしまった。

 「……ここは異世界で、僕の知らない世界。だけど、それでも、不安を感じる事はありませんでした。ここに居る人達とは言葉が通じて、話をする事が出来たからです。そんな人達と僕とに、どんな違いがあるって言うんですか? コウミ、僕は良くしてくれた人達の手助けをしたいだけなんですよ」

 日々喜は鼻をすすりながらそう言った。

 「黙れ。何も知らない癖に。……言葉は誤解しか生まなかった」

 レースのカーテン越しに、コウミは背を向けながらそう言った。
 日々喜は悲しい面持ちでその様子をながめた。最早、どんな言葉を掛けても、コウミには届かないような気がした。
 そうして一時の間、日々喜とコウミの間に沈黙が流れて行った。

 「……今晩、また顔を出す。それまでに、頭を冷やしておけ」
 「コウミ!」

 コウミは一言そう吐き捨てると日々喜の返事を待たず、窓から身を乗り出し外へと飛び去って行ってしまった。

 「行けない……。僕はここに居たいんだ。それに、帰る場所なんてもう……」

 コウミの居なくなった窓辺を見つめながら、日々喜は呟いた。そして、天蓋のカーテンを括り、窓からの景色を見つめた。
 眼下にはイバラの森が広がっている。先に飛び去って行ったコウミの姿は森の中に消え、既に見て取る事は出来なくなっていた。
 日々喜は見えぬ相手の行く手を望む様に、その広大な森をながめた。
 そこからは、街道を挟んだ森の東側を見る事は出来ない。しかし、ルーラーが住むと言われ、後継者がいるかもしれないと言うその場所は、ここから見える森を大きく回り込み、ずっと先で繋がっている。

 「森へ、後継者を見つければ、まだ……」

 穏やかな春先の風が吹き、森の中の木々を揺らしてざわつかせた。
 窓からそれを見つめていた日々喜も、自分の身体をざわつかせる何かを感じた。

 「僕は森へ、行かなきゃいけない」

 日々喜はそう呟くと、胸中に沸いた気持ちを切り替える様に、再び鼻をすすった。

 「どこに行かなきゃいけないの、日々喜?」

 後ろから声を掛けられ、日々喜はそちらを振り向く。フェンネルが目を覚まし、うつ伏せの状態で顔だけをこちらに向けていた。

 「……鼻、血が出てるわ」

 フェンネルは、日々喜の鼻の下ににじませていた出血を指摘した。
 日々喜は慌ててズボンにしまったハンカチを取り出し、血を拭い始めた。
 目を覚ましたばかりのフェンネルは眠たげな表情を浮かべながら、そんな日々喜の仕草を見つめ続けた。

 「夢を見ていたの……」

 鼻の確認を終えた日々喜は、うつ伏せになり続けるフェンネルの方へと向き直り、姿勢を正し、話をちゃんと聞く態度を取った。

 「夢の中で、私は水の中へ深く深く沈み込んでいたわ。水面からは太陽の光が差し込んでいて、それを見ていたらお爺様やお父様、イバラの皆の事を思い出せた。でも、身体は言う事を聞かず、ゆっくりと沈んで行った。次第に辺りが暗くなって、私、皆の事を思い出せなくなって行った。でも、怖くはなかったわ。なぜだか大らかな気持ちになって、とても眠たくなっていったの。きっと、私はその時、水になってしまったのね。この世界を循環する大らかな流れの一部になってしまったんだわ。でも、それでもね、貴方の呼ぶ声が、私には届いたのよ……」

 フェンネルは朧げな意識の中で感じた事を思い返し、そのまま言葉にする様に話した。

 「ありがとう……、日々喜。私は……」

 フェンネルは何かを思い出したように口籠ると、そのまま枕に顔を押し付け、身体を震わせた。後には、しゃくり上げるような小さな声だけが聞こえて来る。

 「お嬢様……」

 その様子を心配そうに見つめながら、日々喜は声を掛けた。
 日々喜には、何となくフェンネルの気持ちが理解できた。
 自分の両親が死んだ直後、そして、新しい家族と離れて暮らす事が決まった時、直視できない現実から目を背ける様に、妄想や夢の世界に逃げ込んできた。
 目が覚めた時の朧げな意識の中では、これまでの事は悪夢であり、今ようやく目を覚ます事が出来たのだという、あり得ない考えが頭の中に膨らんで行く。
 死んだ両親も、別れた義理の弟、妹達も、全てが元に戻っているかもしれない。そんな淡い期待を毎朝、胸に描くのだ。
 そして、意識がハッキリとしてくれば、それこそが夢なのだと思い知らされる。

 「どうして……、私は、戻って来てしまったの……」

 弱々しく顔を埋めるフェンネルに対して、日々喜は話しかけた。

 「そちらに皆が居ないからです」

 目を赤くしたフェンネルが顔を上げ、日々喜の方を見た。

 「お嬢様の事が好きな人達はこちらにも居ます。皆、貴女の事が好きで、貴女の帰りを待ちわびて居たんです。その事を思い出せたから、貴女はイバラへ帰って来たんです」

 拙い言葉を重ね、何とか自分の考え伝えようと日々喜は話し続けた。

 「忘れないでください。また、行ってしまいそうなら思い出してください。ここが、貴女の帰る場所なんです」

 思いのたけを話し終わると、勢い良く鼻をすすった。ズズズッ、と不快に感じられる音が、日々喜の話を締め括る。
 日々喜の話とその行動を黙って見ていたフェンネルは、緩急を付けられたかのように気持ちが翻弄され、自分の中で張り詰めていたものが一気に緩んで行くのを感じた。

 「そう……、そうね、私は帰って来た。ここが私の帰る場所なのね」

 彼女は苦笑しながら、力なく呟く様に応えた。

 「ただいま、日々喜。ありがとう……」

 そう言うと、フェンネルは眠りに落ちる様に目を閉じた。

 「いいんですお嬢様。僕は約束を守っただけですから」

 再び眠りに落ちかけるフェンネルを見て、日々喜はそこで話を区切る事にした。

 「あ!?」

 っと、何かを思い出した様に、日々喜は声を上げた。

 「お休みになる前に一つだけいいでしょうか?」
 「うん……、なに?」
 「服を着てください。風邪を引きますよ」
 「服……? え!?」

 フェンネルは驚き、身を起こして自分の姿を確認する。
 全裸だった。
 上から下まで、何故か自分は全裸である事をその時初めて認識する。

 「やだ! なんで!?」
 「知りません。ですが――」

 急ぎ、慌てて、フェンネルは手近にあった枕で身体を隠す。

 「――服だけ水に流されたのかもしれませんね」

 顔を赤らめながら、フェンネルは構わず話し続ける日々喜の方を見た。
 日々喜は、先に起きた出来事を思い返していた。考えにふけるあまり、再び垂れ下がり始めた鼻血を気にする様子も見せない。

 「お嬢様は水になった後に、服をすり抜けて――」

 話している途中で、日々喜の額に何か固い物が飛んで来た。

 「痛い! ……これは、僕のアトラス」
 「馬鹿! アトラスはいいから、早く出て行きなさい!」
 「ちょ、ちょっと。アトラスを投げるなんて、それでも魔導士のつもりですか!?」
 「いいから、早く出て行って! 変態!」

 フェンネルは構わず、手近な物を投げつけ、日々喜の事を追い払おうとする。

 「痛! 出ます! 出ますから、物を投げないでください!」

 フェンネルに急かされ、日々喜は勢い良く部屋を飛び出す。足がもつれ、そのまま転がる様に対面の廊下の壁に背中を打ち付けた。
 扉の脇に佇んでいたサルヴィナは、逆立ちに失敗したような日々喜の格好を一瞥すると、部屋の中へと視線を移す。
 中では息を荒げるフェンネルが、枕を抱えながら仁王立ちでこちらを睨みつけていた。

 「お嬢様。お加減の程は?」
 「平気! 平気よサルヴィナ! 早くそこを閉めて頂戴!」

 サルヴィナは一領主の令嬢にあるまじき態度に呆れながらも、フェンネルに軽く会釈すると静かに部屋の扉を閉じる。そして、日々喜の方を見下ろしながら話し掛けた。

 「長岐、首尾よく事が運んだようですね。貴方は平気ですか?」
 「少し頭が痛みます。それ以外は問題ありません」

 日々喜はそのままの格好で応える。
 先程アトラスがぶつかった額は、僅かに赤らんでいる様にも見える。サルヴィナは日々喜の怪我の程度が大した事が無いと判断し、安堵した様に息をついた。

 「何時までそのような格好をしているのです。長岐日々喜。問題が無ければ直ぐに立ち上がりなさい!」

 サルヴィナの言葉受け、条件反射で動く様に日々喜は機敏に立ち上がった。しかし、上体は少しばかりふら付きを覚える。
 本人はそれを誤魔化す様に背筋を伸ばすが、サルヴィナは瞬時に日々喜が疲弊している事を見抜いた。

 「ご苦労様でした。長岐。後の事は私とタイムに任せ、午後は休みを取りなさい」
 「休み、ですか?」
 「大分疲れているのでしょう? 貴方はそういう所が鈍感すぎる。そして、この傷も後を引かぬように処置しておきなさい。よろしいですね」

 サルヴィナは、額の傷をちゃんと確認するように、日々喜の前髪をかき上げ指摘した。

 「わかりました」
 「結構。それでは、……ありがとうございました」

 日々喜はサルヴィナの言葉に、少し呆気にとられたような表情を見せた。

 「どうかしましたか、長岐?」
 「いえ、……失礼致します。サルヴィナさん」

 日々喜はそう言うと、ふら付きながらその場を後にして行った。
 サルヴィナの言われた通り、自分には少し休みが必要なようだと分かった。そして、コウミが再び屋敷に顔を出す前に、ここを出る必要がある。
 休みを取って、夜になったら森へ行こう。
 日々喜は、そのような事を考えながら自室へと向かった。
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