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「はあ、もう、なんなのよ」
奏多さんのデートは、大好きなものをお腹たくさん食べた時くらいに、すごく心が満たされた。
オルゴール美術館も、アンティークな建物が存在感を放っていて、もちろんオルゴール自体も素晴らしかったし、充実した1日だった。
本来なら、今頃今日の思い出にふけってにやにやとしているはずなのに。
奏多さんのいろんな表情を思い出してまた会いたいと願っていたはずなのに。
「なんであそこで涼が来るわけ? ほんと、タイミングもっと読みなさいよ。だいたい、なんであいつと一緒に居るのよ」
考えていることがつい声に出てしまう。
「桜さま、独り声が大きいですよ。まるで、涼さまが好きな様子ですね」
「は? 私が?」
「ええ、桜さまが、涼さまを、です」
そんなの有り得ない。確かにこっちの世界の涼はマイナスなところはほぼないけれど、そもそも私のタイプじゃない。
それにいくら性格が違うからって同じ顔をしているのだから、涼の顔を見るたびにあいつのことを思い出してしまう。
いやあな思い出を。
「絶対ないわ」
「それでは、どうしてそんなにも涼さまのことが頭から離れないのですか?」
「頭から離れないって、違うわ。そんなことないの。ただ…………」
ただ、の後の言葉が思いつかない。
「ただ、どうしたのですか?」
「もう、あなたはちゃんと仕事しなさい」
「桜さまのことを観察するのも仕事なので」
「と、とにかく、好きとかそんな感情はないの」
「分かりました。…………後悔だけはしないでくださいね」
後悔なんて、私が涼に対してということ?
そんなの、あり得ない、絶対…………。
絶対なんてある? 本当にあり得ない? 分からない。
奏多さんのことが好きで、なのに涼のことを考えると頭は涼一色に簡単に染まる。
あの人と一緒にいるのを見ると、もやもやとした気持ちになる。なんなの、私のことが好きなくせにって。
でもそれは本当に恋? 単にそういうふらふらした態度に腹が立つだけじゃなくて?
「なんでこんなに涼のことで悩まないといけないのよ」
「それはきっと、特別だからでは」
「だから、そんなんじゃないってば。涼は、ただの幼馴染よ……」
幼馴染って言ったって、こっちの涼は顔だけが同じの全くの別人。そう、別人なの。
幼馴染じゃなければ友達でもない。あえて言うなら元婚約者。それが私と涼の関係。
ああ、もう、よく分からなくなってきた。
奏多さんのデートは、大好きなものをお腹たくさん食べた時くらいに、すごく心が満たされた。
オルゴール美術館も、アンティークな建物が存在感を放っていて、もちろんオルゴール自体も素晴らしかったし、充実した1日だった。
本来なら、今頃今日の思い出にふけってにやにやとしているはずなのに。
奏多さんのいろんな表情を思い出してまた会いたいと願っていたはずなのに。
「なんであそこで涼が来るわけ? ほんと、タイミングもっと読みなさいよ。だいたい、なんであいつと一緒に居るのよ」
考えていることがつい声に出てしまう。
「桜さま、独り声が大きいですよ。まるで、涼さまが好きな様子ですね」
「は? 私が?」
「ええ、桜さまが、涼さまを、です」
そんなの有り得ない。確かにこっちの世界の涼はマイナスなところはほぼないけれど、そもそも私のタイプじゃない。
それにいくら性格が違うからって同じ顔をしているのだから、涼の顔を見るたびにあいつのことを思い出してしまう。
いやあな思い出を。
「絶対ないわ」
「それでは、どうしてそんなにも涼さまのことが頭から離れないのですか?」
「頭から離れないって、違うわ。そんなことないの。ただ…………」
ただ、の後の言葉が思いつかない。
「ただ、どうしたのですか?」
「もう、あなたはちゃんと仕事しなさい」
「桜さまのことを観察するのも仕事なので」
「と、とにかく、好きとかそんな感情はないの」
「分かりました。…………後悔だけはしないでくださいね」
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そんなの、あり得ない、絶対…………。
絶対なんてある? 本当にあり得ない? 分からない。
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「だから、そんなんじゃないってば。涼は、ただの幼馴染よ……」
幼馴染って言ったって、こっちの涼は顔だけが同じの全くの別人。そう、別人なの。
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ああ、もう、よく分からなくなってきた。
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