19 / 44
15話
しおりを挟む
ロドニーの拘束を終えた頃に、彼は目を開いた。
意識が戻るのが早いのは、流石は正騎士といったところだ。
「は、離せ! こんな事をしてどうなると思って……」
「さて、お嬢様……どうなされますか」
「ラツィア様、俺は王命により来たのです! こんな横暴が許されるはずがない!」
「その王命権限が効果を発揮するのは、王印の押された書状を提示した時のみよ。いまだそれを提示していない貴方を信用するはずがないわ」
王命には王の印が押された書状を最初に提示する必要がある。
今回、私が護衛兵に拘束を命じたのは……その規律をロドニーが忘れていたからだ。
書状が提示されていないのなら、王命は権限を持たないという隙を突かせてもらった。
まぁ、もうその書状も提示できないように拘束したから……ひとまずはこれで時間稼ぎを。
「書状? そんなの、イェシカからは渡してもらっていない」
「……え?」
書状を渡されていないって、そんな事はあり得ない。
「クドスとて国王として王命の重さを知っているわ。王印のない書状がないなどあり得ない」
「だが……イェシカは確かに、俺に陛下が命じたと」
まて、さっきから話を聞いていれば。
ロドニーに話をしていたのは、イェシカのみではないか?
妙な怪しさ、きな臭さを感じた私は護衛兵に目配せする。
「父の元へ連れていってください。ロドニー……及びその妹であるイェシカは、王命を偽った疑いがあります」
「っ! 分かりました」
私の考えが正しければ、イェシカは王命と偽ってロドニーをけしかけた。
権限なき王命を騙る事は重罪。
イェシカは法学にだって長けていたし、それを知らぬはずがない。
だとすれば、ここまで浅はかな手を講じた理由はなに?
「待ってください、ラツィア様! 俺とイェシカが王命を偽ったなど、そんなはずがない。話を聞いてください」
ロドニーが叫ぶが、私の意志決定に変わりはない。
婚約を申し込まれても受け入れる気は無いし、王命もないなら相手する理由もない。
真相も父が調べてくれるはずだ。
「連れていきなさい」
護衛兵達に連れて行かれそうになったロドニーは、抵抗しながら私に叫んだ。
「俺は本気で貴方を心配していたんです。廃妃された貴方の精神は辛く、俺の元で療養するのが最善のはずで
……」
「お言葉だけど、心配など必要ないし。婚約なんて無理無理!」
「なぜですか、俺は見目は決して悪くない。家格だってイェシカが王妃となって貴方に相応しくなる。なのに……」
「いや臭いから」
「な……」
驚いているけれど、当然ながら臭いがキツイ人は応対するのも難しい。
これは仕方ないことだ。
「俺は、俺は本気で貴方のためを想って」
「私の心配などする前に、自分の身体でも洗っておきなさい」
今や私と同様に、レルクや護衛兵達も湯浴みを行っている。
ゆえに私の「臭い」という発言に皆が同意の頷きをしながら、ロドニーは身体を引かれていく。
「ふ……ふざけないでください! 穢れた領主業をして……あまつさえ身を洗うなどという健康を害する異端を犯しながら健康だなんて! 貴方は乱心している!」
「いつか貴方も、その考えが間違いだと気付くわ」
「俺は、俺は陛下のご命令で来ている! このような邪魔立てをした事は反逆罪に問われ……」
ここにきてロドニーは、再び王命だという事を盾にして抵抗しようと喚く……
取り押さえられながら必死にもがいており、連行もままならない。
仕方なく、また気絶させてと護衛兵に指示をしようとした時だった、
「ラツィア様……俺は貴方をこんなにも想っているのに、どうして答えてくれな………………え?」
ふと、喚いていたロドニーの言葉が止まる。
目線を送れば、連れて行かれるロドニーの背後に男性が立っていた。
豪奢な身なりに加えて、銀色の髪が風になびく。
紅の瞳が真っ直ぐに私を見つめ、ロドニーは振り返って啞然としていた。
「どうして、貴方が……」
「どけ」
その人物が話せば、緊張が走る。
護衛兵達、レルクも身を正す威圧感。
喚いていたロドニーですら、無言になってしまう始末だ。
それも当然。
彼は……隣国、ルーテン大国の王太子であるジーニアス様だからだ。
何度か友好のために会った事はあるが、どうしてここに?
「ジーニアス……殿下?」
「邪魔だ」
困惑するロドニーに対して、ジーニアス様は目線すら向けずに呟く。
「ジ、ジーニアス殿下ですよね? どうしてここに? い、今はラツィア様と俺が話して––」
質問を投げかけようとしたロドニー。
瞬間、ジーニアス様の傍に控えていた黒い鎧の騎士が裏拳にて、ロドニーの顎を打ち砕いた。
「あぐっ!?」
豪快な音が鳴り、漆黒の騎士が甲冑の隙間から見える鋭い瞳で睨みつけ。
小さく呟く。
「殿下の御前だ。どけ」
漆黒の騎士が短く告げ、ロドニーの髪を掴む。
ロドニーはもはや気絶しており、私の護衛達が慌てて連行していく。
残る私の護衛達が、警戒しながら周囲を囲む中……ジーニアス様が私の前に立った。
「お、お久しぶりですジーニアス殿下。しかし何用でこんな場所まで」
「会いにきた」
「え……?」
「君が廃妃されたと聞いた。真実か?」
どうしてそんな事を尋ねに来たのか。
だが、そんな疑問を返せぬ程の鋭い眼光に、有無を言わずに答えなくてはならぬと思ってしまう。
事実として彼は……私が不敬をすれば処罰を与えられる絶対的な力を持つ。
なので大人しく、「おっしゃる通りに、廃妃されました」と答える。
「そうか」
間違いがあってはならない、ここから先の対応を間違えれば途端に全てが崩れる。
クドスよりも絶対的な権力を有すジーニアス殿下に警戒をする。
「ずっと待っていた、ラツィア嬢。俺は君を……」
なにかを呟きながら、ジーニアス殿下が近づいてきた時。
あと数歩の所で、彼の動きがピタリと止まる。
「……」
「え? ど、どうなさいました」
「……」
「ジ、ジーニアス様?」
無言で立ち止まった彼は、なぜか踵を返してその場を去っていく。
「ジ、ジーニアス殿下!? どちらへ!」
なにがあったの!? なぜどこかへいくの!?
ジーニアス様の護衛騎士ですら戸惑っている様子に、想定していた事ではなさそうだ。
私自身も戸惑っていた時、弟のレルクが袖を引いた。
「僕、なんであの人が姉さんから離れたか分かるよ」
「え? どうして?」
「たぶん、僕と同じだから。たしかめにいこ」
そう言って、レルクが私の手を引いて歩き出す。
去っていったジーニアス様を追いかけたのだ。
道の脇に歩いて行った彼を追っていけば、護衛騎士となにやら話している。
レルクが「隠れて聞こう」というので、盗み聞きは良くないと言おうとした時。
「どうしたんですか、せっかくの機会。絶対に手離せぬと言っていたではありませんか」
ジーニアス様と話す護衛騎士の声。
そして……続くジーニアス様の声も聞こえてしまった。
「言える訳がない……」
「どうなさったのですか。ラツィア様がおられたというのに」
「あ……」
「あ?」
「あんなに良い匂いがしているなんて想定外だ! 途端に自分自身の臭いが恥に感じて、みっともなくて言えなかった」
「匂いって、殿下。せっかくの機会だったのに」
「お前……あの可憐な姿に、あんなとんでもない良い芳香がするのだぞ!? そんな女性に言えるものか、俺の要求など……恥ずかしくて!」
なにやら話すジーニアス殿下の言葉は、先程の怖さはなくなっており。
どうやら、私を褒めてくれている?
「ほら、ぼくとおなじだ」
傍でレルクが、ボツリと呟いて同意するように頷いていた。
意識が戻るのが早いのは、流石は正騎士といったところだ。
「は、離せ! こんな事をしてどうなると思って……」
「さて、お嬢様……どうなされますか」
「ラツィア様、俺は王命により来たのです! こんな横暴が許されるはずがない!」
「その王命権限が効果を発揮するのは、王印の押された書状を提示した時のみよ。いまだそれを提示していない貴方を信用するはずがないわ」
王命には王の印が押された書状を最初に提示する必要がある。
今回、私が護衛兵に拘束を命じたのは……その規律をロドニーが忘れていたからだ。
書状が提示されていないのなら、王命は権限を持たないという隙を突かせてもらった。
まぁ、もうその書状も提示できないように拘束したから……ひとまずはこれで時間稼ぎを。
「書状? そんなの、イェシカからは渡してもらっていない」
「……え?」
書状を渡されていないって、そんな事はあり得ない。
「クドスとて国王として王命の重さを知っているわ。王印のない書状がないなどあり得ない」
「だが……イェシカは確かに、俺に陛下が命じたと」
まて、さっきから話を聞いていれば。
ロドニーに話をしていたのは、イェシカのみではないか?
妙な怪しさ、きな臭さを感じた私は護衛兵に目配せする。
「父の元へ連れていってください。ロドニー……及びその妹であるイェシカは、王命を偽った疑いがあります」
「っ! 分かりました」
私の考えが正しければ、イェシカは王命と偽ってロドニーをけしかけた。
権限なき王命を騙る事は重罪。
イェシカは法学にだって長けていたし、それを知らぬはずがない。
だとすれば、ここまで浅はかな手を講じた理由はなに?
「待ってください、ラツィア様! 俺とイェシカが王命を偽ったなど、そんなはずがない。話を聞いてください」
ロドニーが叫ぶが、私の意志決定に変わりはない。
婚約を申し込まれても受け入れる気は無いし、王命もないなら相手する理由もない。
真相も父が調べてくれるはずだ。
「連れていきなさい」
護衛兵達に連れて行かれそうになったロドニーは、抵抗しながら私に叫んだ。
「俺は本気で貴方を心配していたんです。廃妃された貴方の精神は辛く、俺の元で療養するのが最善のはずで
……」
「お言葉だけど、心配など必要ないし。婚約なんて無理無理!」
「なぜですか、俺は見目は決して悪くない。家格だってイェシカが王妃となって貴方に相応しくなる。なのに……」
「いや臭いから」
「な……」
驚いているけれど、当然ながら臭いがキツイ人は応対するのも難しい。
これは仕方ないことだ。
「俺は、俺は本気で貴方のためを想って」
「私の心配などする前に、自分の身体でも洗っておきなさい」
今や私と同様に、レルクや護衛兵達も湯浴みを行っている。
ゆえに私の「臭い」という発言に皆が同意の頷きをしながら、ロドニーは身体を引かれていく。
「ふ……ふざけないでください! 穢れた領主業をして……あまつさえ身を洗うなどという健康を害する異端を犯しながら健康だなんて! 貴方は乱心している!」
「いつか貴方も、その考えが間違いだと気付くわ」
「俺は、俺は陛下のご命令で来ている! このような邪魔立てをした事は反逆罪に問われ……」
ここにきてロドニーは、再び王命だという事を盾にして抵抗しようと喚く……
取り押さえられながら必死にもがいており、連行もままならない。
仕方なく、また気絶させてと護衛兵に指示をしようとした時だった、
「ラツィア様……俺は貴方をこんなにも想っているのに、どうして答えてくれな………………え?」
ふと、喚いていたロドニーの言葉が止まる。
目線を送れば、連れて行かれるロドニーの背後に男性が立っていた。
豪奢な身なりに加えて、銀色の髪が風になびく。
紅の瞳が真っ直ぐに私を見つめ、ロドニーは振り返って啞然としていた。
「どうして、貴方が……」
「どけ」
その人物が話せば、緊張が走る。
護衛兵達、レルクも身を正す威圧感。
喚いていたロドニーですら、無言になってしまう始末だ。
それも当然。
彼は……隣国、ルーテン大国の王太子であるジーニアス様だからだ。
何度か友好のために会った事はあるが、どうしてここに?
「ジーニアス……殿下?」
「邪魔だ」
困惑するロドニーに対して、ジーニアス様は目線すら向けずに呟く。
「ジ、ジーニアス殿下ですよね? どうしてここに? い、今はラツィア様と俺が話して––」
質問を投げかけようとしたロドニー。
瞬間、ジーニアス様の傍に控えていた黒い鎧の騎士が裏拳にて、ロドニーの顎を打ち砕いた。
「あぐっ!?」
豪快な音が鳴り、漆黒の騎士が甲冑の隙間から見える鋭い瞳で睨みつけ。
小さく呟く。
「殿下の御前だ。どけ」
漆黒の騎士が短く告げ、ロドニーの髪を掴む。
ロドニーはもはや気絶しており、私の護衛達が慌てて連行していく。
残る私の護衛達が、警戒しながら周囲を囲む中……ジーニアス様が私の前に立った。
「お、お久しぶりですジーニアス殿下。しかし何用でこんな場所まで」
「会いにきた」
「え……?」
「君が廃妃されたと聞いた。真実か?」
どうしてそんな事を尋ねに来たのか。
だが、そんな疑問を返せぬ程の鋭い眼光に、有無を言わずに答えなくてはならぬと思ってしまう。
事実として彼は……私が不敬をすれば処罰を与えられる絶対的な力を持つ。
なので大人しく、「おっしゃる通りに、廃妃されました」と答える。
「そうか」
間違いがあってはならない、ここから先の対応を間違えれば途端に全てが崩れる。
クドスよりも絶対的な権力を有すジーニアス殿下に警戒をする。
「ずっと待っていた、ラツィア嬢。俺は君を……」
なにかを呟きながら、ジーニアス殿下が近づいてきた時。
あと数歩の所で、彼の動きがピタリと止まる。
「……」
「え? ど、どうなさいました」
「……」
「ジ、ジーニアス様?」
無言で立ち止まった彼は、なぜか踵を返してその場を去っていく。
「ジ、ジーニアス殿下!? どちらへ!」
なにがあったの!? なぜどこかへいくの!?
ジーニアス様の護衛騎士ですら戸惑っている様子に、想定していた事ではなさそうだ。
私自身も戸惑っていた時、弟のレルクが袖を引いた。
「僕、なんであの人が姉さんから離れたか分かるよ」
「え? どうして?」
「たぶん、僕と同じだから。たしかめにいこ」
そう言って、レルクが私の手を引いて歩き出す。
去っていったジーニアス様を追いかけたのだ。
道の脇に歩いて行った彼を追っていけば、護衛騎士となにやら話している。
レルクが「隠れて聞こう」というので、盗み聞きは良くないと言おうとした時。
「どうしたんですか、せっかくの機会。絶対に手離せぬと言っていたではありませんか」
ジーニアス様と話す護衛騎士の声。
そして……続くジーニアス様の声も聞こえてしまった。
「言える訳がない……」
「どうなさったのですか。ラツィア様がおられたというのに」
「あ……」
「あ?」
「あんなに良い匂いがしているなんて想定外だ! 途端に自分自身の臭いが恥に感じて、みっともなくて言えなかった」
「匂いって、殿下。せっかくの機会だったのに」
「お前……あの可憐な姿に、あんなとんでもない良い芳香がするのだぞ!? そんな女性に言えるものか、俺の要求など……恥ずかしくて!」
なにやら話すジーニアス殿下の言葉は、先程の怖さはなくなっており。
どうやら、私を褒めてくれている?
「ほら、ぼくとおなじだ」
傍でレルクが、ボツリと呟いて同意するように頷いていた。
3,013
あなたにおすすめの小説
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる