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3話
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「な、何を言っている?シャーロット?」
レオナード様はひきつった顔で問いかけてくるが
耳がこの一瞬で遠くなったのだろうか?
もう一度大きな声で答える
「さっさと婚約破棄してくださいと言ったのです、というより諦めてください、なにをされても言われても私の気持ちがあなたに傾く事はありません、嫌悪感しか感じないので」
「き!貴様ぁ!!」
手を振り上げたレオナード様だったが、私は目をそらさずに
淡々と言葉を投げかける
「手をあげるおつもりですか?どうぞお好きに、一国の王子が女性に振られただけで暴力を振るう、どうしようもない小さな男だと知られるだけですよ」
「ぐっ!……」
振り上げた拳は行き先を失い、呆然と立ち尽くすレオナード様を放置し
固まっているお父様へ顔を向ける
「お父様…いえ、今日からはもうお父様ではありませんね、グロウズ伯爵…今までお世話になりました勘当の件、喜んでお受けします」
「シャ…シャーロット!!」
「では、これで」
頭を下げ、部屋から出ていこうと歩きだした私に
レオナード様が声をかけてきた
「おい、シャーロット」
「…なんでしょうか?」
「もはや身寄りのないお前に頼れる場所などないだろう、俺は優しいのでな…お前のいない間に他の貴族達に手紙を出しておいてやったぞ、俺の手垢のついた女を誰か引き取らないかとな」
優しい?どの口が言うのか
私の評判を落とし、頼れる先を潰す気なのだろう
「…レオナード様…あなたは本当にどうしようもない人間だったのですね」
「はははは!!結果は皆が断ったんだ!お前などいらないとな!」
大きく笑うレオナード様を冷たく見つめる
なにがおかしいのだろうか?
私は1人で生きていく気だった、今更…他貴族の方々の手助けなど
だけど…あの人も…断ったのだろうか?
私の頭の中で浮かぶ彼
汗を流しながら、皆に笑われても動じずに
いつも優しい、あの人の事が思い浮かんだ
あの優しい方なら、もしかすればと淡い期待を持っていた
私の一方的な気持ちだったが少し心が落ち込んでしまう
突然
応接室の扉がノックされ、使用人が入ってきた
「なんだ?何があったのだ?」
「あの、シャーロット様宛にお手紙が………」
「…よこせ!!」
レオナード様は私に届いた手紙を奪い取ると乱暴に封を開ける
ビリビリと破れた封筒から一枚の紙が出てきた
上質な紙で丁寧に書かれた文字が少しだけ見える
「………」
じっくりと手紙を読み進めるレオナード様だったが
「ぶっ!!ははははははは!!これはいい!お前のお似合いの相手が結婚を申し込んできたぞ!」
レオナード様が手紙を私に投げる、床に落ちてしまった手紙を
私は大切に拾う
手紙には私との結婚を願う内容が書かれていた
丁寧で読みやすい文字そして文章は無理強いではなく、私の判断に任せるように書かれていた
書いた人物は私が頭によぎっていた人物
ウィリアム・イーロン公爵だった
「ふ…ふははは!あ、あの豚公爵だけがお前を引き取ってくれるらしいぞ?」
「………」
あの方は、ウィリアム様はよく肥えた方だった
パーティーに出席した際も、女性と話すのは苦手なのか私と話す時もよく目が泳いでいたのを覚えている
そんな彼を貴族達は馬鹿にした、太った身体を豚と揶揄し
醜い豚公爵と陰で呼んでいたのだ
そしてレオナード様に至っては本人に直接言っていた
だが、ウィリアム様はそんな状況でもパーティーの雰囲気を崩さないために道化を演じていた
あの人が私を引き取る?違う
私を助けるためにこの婚約を申し込んでくれたのだろう
レオナード様の手紙に返事をすることなく
わざわざ私に手紙を出してくれた、傷つかないための気遣いも
今はなんだか嬉しくて、手紙を胸で抱く
「いいか?シャーロット!お前にはあの醜い豚公爵しか相手をしてくれない、その程度の価値なんだよ!頭を下げれば、この俺と結婚できるんだ!よく考えて行動しろ!」
よく考えろ?考えるまでもない
答えは決まっている
「私の気持ちは変わりません!レオナード様とは婚約破棄いたします、私は本日よりウィリアム様の元へと嫁ぎます」
踵を返し、再び歩き出した私の肩をレオナード様が掴む
正直、もう触れられるのでさえ嫌悪感を感じる
なので肩を掴んだ手を払いのける
「い、いいのか?あの豚公爵だぞ?太っていて、いつも汗を流しているような汚らしい男だ、お前は俺のような男と結ばれる方がいい!」
「はぁ…」っと
思わずため息を吐いてしまった
この人はまだこんな思考なのか、この際だからはっきりと言ってしまおう
レオナード様の瞳を見つめる
「わ、わかってくれたか?そうだ、お前は俺の嫁になれば………」
「はっきりと言います、あなたの事は大嫌いですし魅力も感じません…ウィリアム様の事を蔑んでおられますが、私はレオナード様よりもウィリアム様の方が素敵な方だと思っています………では、もう関わらないでください」
吐き捨てた言葉に固まったレオナード様
父…いやグロウズ伯爵はショックで倒れていたが放置だ
ウィリアム様の領地、そして屋敷は少し遠い
徒歩で行けるだろうか?いきなり押しかけても大丈夫だろうか?
そんな事を考えながら私は歩いていった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふふ…ははははははは」
俺は立ち尽くしていたが、思わず笑いがこみ上げる
そしてそのまま椅子を掴み投げた
大きな音を立てて崩れた椅子を見つめながら
並んでいる様々な貴重な壺、骨董品を壊していく
応接室の飾り付けを一通り壊しつくすと少し頭が冷えて落ち着いてきた
シャーロットの言葉を思い出す
ふふ、そうだ俺が嫌われているはずがない
そうだろう?シャーロット………俺を好きなはずだ
この世の女性は俺が好きなはずだ、例外なんていなかった
「すぐに後悔して俺の下に戻ってくるだろうな………シャーロット」
冷静に考えれば簡単だった
俺を嫌いな女なんてこの世にはいないのだから
シャーロットが泣きついて来るのを落ち着いて待つとしようか
レオナード様はひきつった顔で問いかけてくるが
耳がこの一瞬で遠くなったのだろうか?
もう一度大きな声で答える
「さっさと婚約破棄してくださいと言ったのです、というより諦めてください、なにをされても言われても私の気持ちがあなたに傾く事はありません、嫌悪感しか感じないので」
「き!貴様ぁ!!」
手を振り上げたレオナード様だったが、私は目をそらさずに
淡々と言葉を投げかける
「手をあげるおつもりですか?どうぞお好きに、一国の王子が女性に振られただけで暴力を振るう、どうしようもない小さな男だと知られるだけですよ」
「ぐっ!……」
振り上げた拳は行き先を失い、呆然と立ち尽くすレオナード様を放置し
固まっているお父様へ顔を向ける
「お父様…いえ、今日からはもうお父様ではありませんね、グロウズ伯爵…今までお世話になりました勘当の件、喜んでお受けします」
「シャ…シャーロット!!」
「では、これで」
頭を下げ、部屋から出ていこうと歩きだした私に
レオナード様が声をかけてきた
「おい、シャーロット」
「…なんでしょうか?」
「もはや身寄りのないお前に頼れる場所などないだろう、俺は優しいのでな…お前のいない間に他の貴族達に手紙を出しておいてやったぞ、俺の手垢のついた女を誰か引き取らないかとな」
優しい?どの口が言うのか
私の評判を落とし、頼れる先を潰す気なのだろう
「…レオナード様…あなたは本当にどうしようもない人間だったのですね」
「はははは!!結果は皆が断ったんだ!お前などいらないとな!」
大きく笑うレオナード様を冷たく見つめる
なにがおかしいのだろうか?
私は1人で生きていく気だった、今更…他貴族の方々の手助けなど
だけど…あの人も…断ったのだろうか?
私の頭の中で浮かぶ彼
汗を流しながら、皆に笑われても動じずに
いつも優しい、あの人の事が思い浮かんだ
あの優しい方なら、もしかすればと淡い期待を持っていた
私の一方的な気持ちだったが少し心が落ち込んでしまう
突然
応接室の扉がノックされ、使用人が入ってきた
「なんだ?何があったのだ?」
「あの、シャーロット様宛にお手紙が………」
「…よこせ!!」
レオナード様は私に届いた手紙を奪い取ると乱暴に封を開ける
ビリビリと破れた封筒から一枚の紙が出てきた
上質な紙で丁寧に書かれた文字が少しだけ見える
「………」
じっくりと手紙を読み進めるレオナード様だったが
「ぶっ!!ははははははは!!これはいい!お前のお似合いの相手が結婚を申し込んできたぞ!」
レオナード様が手紙を私に投げる、床に落ちてしまった手紙を
私は大切に拾う
手紙には私との結婚を願う内容が書かれていた
丁寧で読みやすい文字そして文章は無理強いではなく、私の判断に任せるように書かれていた
書いた人物は私が頭によぎっていた人物
ウィリアム・イーロン公爵だった
「ふ…ふははは!あ、あの豚公爵だけがお前を引き取ってくれるらしいぞ?」
「………」
あの方は、ウィリアム様はよく肥えた方だった
パーティーに出席した際も、女性と話すのは苦手なのか私と話す時もよく目が泳いでいたのを覚えている
そんな彼を貴族達は馬鹿にした、太った身体を豚と揶揄し
醜い豚公爵と陰で呼んでいたのだ
そしてレオナード様に至っては本人に直接言っていた
だが、ウィリアム様はそんな状況でもパーティーの雰囲気を崩さないために道化を演じていた
あの人が私を引き取る?違う
私を助けるためにこの婚約を申し込んでくれたのだろう
レオナード様の手紙に返事をすることなく
わざわざ私に手紙を出してくれた、傷つかないための気遣いも
今はなんだか嬉しくて、手紙を胸で抱く
「いいか?シャーロット!お前にはあの醜い豚公爵しか相手をしてくれない、その程度の価値なんだよ!頭を下げれば、この俺と結婚できるんだ!よく考えて行動しろ!」
よく考えろ?考えるまでもない
答えは決まっている
「私の気持ちは変わりません!レオナード様とは婚約破棄いたします、私は本日よりウィリアム様の元へと嫁ぎます」
踵を返し、再び歩き出した私の肩をレオナード様が掴む
正直、もう触れられるのでさえ嫌悪感を感じる
なので肩を掴んだ手を払いのける
「い、いいのか?あの豚公爵だぞ?太っていて、いつも汗を流しているような汚らしい男だ、お前は俺のような男と結ばれる方がいい!」
「はぁ…」っと
思わずため息を吐いてしまった
この人はまだこんな思考なのか、この際だからはっきりと言ってしまおう
レオナード様の瞳を見つめる
「わ、わかってくれたか?そうだ、お前は俺の嫁になれば………」
「はっきりと言います、あなたの事は大嫌いですし魅力も感じません…ウィリアム様の事を蔑んでおられますが、私はレオナード様よりもウィリアム様の方が素敵な方だと思っています………では、もう関わらないでください」
吐き捨てた言葉に固まったレオナード様
父…いやグロウズ伯爵はショックで倒れていたが放置だ
ウィリアム様の領地、そして屋敷は少し遠い
徒歩で行けるだろうか?いきなり押しかけても大丈夫だろうか?
そんな事を考えながら私は歩いていった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふふ…ははははははは」
俺は立ち尽くしていたが、思わず笑いがこみ上げる
そしてそのまま椅子を掴み投げた
大きな音を立てて崩れた椅子を見つめながら
並んでいる様々な貴重な壺、骨董品を壊していく
応接室の飾り付けを一通り壊しつくすと少し頭が冷えて落ち着いてきた
シャーロットの言葉を思い出す
ふふ、そうだ俺が嫌われているはずがない
そうだろう?シャーロット………俺を好きなはずだ
この世の女性は俺が好きなはずだ、例外なんていなかった
「すぐに後悔して俺の下に戻ってくるだろうな………シャーロット」
冷静に考えれば簡単だった
俺を嫌いな女なんてこの世にはいないのだから
シャーロットが泣きついて来るのを落ち着いて待つとしようか
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