【完結】潔く私を忘れてください旦那様

なか

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アリー…………俺の愛する人

妊娠できないと言われて、悲泣していた君に対して俺がやってしまった行いは…酷い事だと思う。
後悔しない日はない、ずっと…今でもだ………
あの時の俺はどうかしていた、子を残せない君を価値の消えた宝石のように雑に扱ってしまった。

そして、離縁した後は君の事を暫し忘れていた

けど、日々を過ごしていくうちに気付いていった。
君が居なくなった代償は大きかったと…

初めに気付いたのは食事時だった
公務を終えて屋敷に帰り、使用人が用意した飯を口に付けた時に、思わず怒気を込めて叫んでしまった

「なぜ、スープが冷えているのだ!!」と

使用人は言った、俺の帰りがいつになるか分からないために必ず暖かい料理をお出しできるはずがないと、だけど君がいた時の料理はいつも暖かかった。

冬の寒さを乗り越える事ができたのは、帰ると必ずアリーが作ってくれた暖かな料理があったから。
その時に気付いたんだ、君はきっと俺の帰りを外で待っていたのだろう?
寒空の下でも笑顔で毎日出迎えてくれたのを思い出したんだ…俺が暖かな風呂に入っている間に、君は冷えた体で料理を暖めてくれていた……

そんな事にさえ、当時の俺は気づけなかったんだ。








君が居なくなってから、庭が荒れてしまった、咲いていた花は枯れてしまい
雑草で覆われて、公爵家の庭と呼ぶにはあまりにもお粗末だ。

理由は公爵家では庭師を雇っていなかったから、ならなぜ今まで綺麗な庭園を維持できたか……
簡単だ、君が花を世話してくれていたから。



他にも数え切れない事がアリーがいたおかげで成り立っていたのだと気付いた
離縁してから、君が俺を愛してくれていた事が多く見つけて、それは俺を支える重要な事だったのだと、今更気付いたんだ………………


君が居なくなった部屋に戻る日は寂しさで押しつぶされそうだった。
1人で眠る時間は苦痛にしか感じない、庭で花に水をやりながら、俺と目を合わせた時に笑う君の笑顔が俺の脳裏から離れない、ずっと四六時中、アリーの事だけを考えてしまう。


君に対して行った酷い仕打ちを許してもらえるなんて、思っていない。
だからこそ、一生をかけて償いたいんだアリー……


君を俺の人生すべてを捧げても、幸せにしてみせる。
もう悲しまるような事はしない、涙を流すことすら忘れる程に幸せにする。



君が行きたいと言っていた、隣国にも旅行に行こう
アリー……俺が君を必ず幸せにして、笑顔で溢れる人生にするから。
君の管理していた庭園も好きだった、また俺に見せてくれないか?

お願いだ………聞いてくれ、俺の言葉を…………
本心から、君に伝えたいこの想いを…









俺の気持ちを全てアリーに伝え、高鳴る鼓動を深呼吸をして抑える。
まるで、初めて君に告白した時のようだと、心の中で苦笑して、俺は君に言葉を告げる



「愛しているんだ、アリー……君のいない人生はもう考えられない、俺の行った全ての非道の償いのために………………俺と復縁してくれ、必ず…幸せにするから」






目の前の彼女は、暫しの沈黙で答えた
俺の鼓動だけが、高鳴り、隣に座っていたカミラ母様が見守っている。













ちらりと、アリーは客室の棚に置いていた花瓶に差された一輪の薔薇を見つめる。
俺がプレゼントした真っ赤な薔薇、色鮮やかな赤だった薔薇は時間の経過のせいだろうか……
萎れてしまっていた、でも俺の愛情は萎れてなどいない…




アリーの返事をただ、待ち続けた























「すぅ」と呼吸が聞こえ、彼女が言葉を返してくれるのだと分かった。
俺の全ての気持ちを伝えた、きっと理解してくれる

返ってくる返事は、きっと俺にとって良い返事のはず
彼女も本心では復縁を嬉しいと思っている、意地を張っていただけ。


俺はもう、そんな意地を気にしないから………
アリー、君も素直に答えてくれ








期待の視線を送る俺に、彼女はいよいよ口を開いた










「それで?話は終わりましたか?………最後まで聞きましたので帰ってください」

「え?」

虚を突かれる返事、動揺し聞き返した俺に畳み掛けるように彼女は冷たく返事を続けた

「何度も言いましたが私を幸せにしたいなら、もう忘れてくださいと言っているのです。」

「お、俺にできることをしようと………」

言い返そうと口を開いた俺に、彼女遮るように言葉を続けた

「行った非道を全て償う?本心?……本当に償う気なら、この場で真実を話すべきでしょう?」

彼女の含みのある言い方に、思わず動揺してしまう。
真実?………

「私が知らないと思っておりましたか?ベンジャミン様、知らなければ愛の言葉で懐柔できると思ったのですか?」

ここまでの言葉で、俺は理解してしまった
それと同時に、心臓が高鳴るのを感じる、先程までの恋心の甘い鼓動ではない。

危機感、絶望感から感じる鼓動であった

「私が不貞を行っていたと流した噂、あれはご自身の事ですよね?ベンジャミン様」

言われた言葉に、ただ目を泳がせてどのように言い訳するか、考えるしか出来なかった。

なぜ、アリーがその事を知っているんだ?
俺が君と離縁する前から複数の女性と関係を持っていた事を……
















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

予想を超える数の皆様に見ていただき、嬉しさと同時に日和って感想欄を閉じていましたが

ほぼ完結まで書き終わりどのような感想であろうと筆を止める心配がないため再度開きました…

今作は色々と作風を変えた作品でもあり不安な事も多くあります。

主に意識したのは

・胸糞展開をなるべく詳しく描写しない
・主人公優位に進む物語

です。

作風を変えたことで、読者様がどのように思って読んでくださっているのか掴めておりません
贅沢なお願いになってしまいますが…
宜しければこの作品を読んだ率直なご感想を頂けないでしょうか?

この作品には反映しませんが、自作品の参考になればと思います。
ご批判でも、お怒りのご感想でも貴重な意見として参考にさせていただければと思います。


長くなってしまいましたが今作は18話程の内容となります。
宜しければ最後までよろしくお願いします!
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