【完結】潔く私を忘れてください旦那様

なか

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「こっちだ、アメリア………」

「はい、お父様」

私はまだ月の見える、朝方……朝月夜の道をローマン父様と共に進んでいく。
ベンジャミン様とカミラ様が最後に屋敷に来てから数週間が経った、ローマン父様には相変わらずその事を伝えてはいない、侍女達や衛兵達に口止めをしている。

心配をさせないためにも、全てが解決してから話す事に決めた。

そんな中で、お父様と向かう先は私が教師として働く事になる学び舎…
すでに民達から教える子供達も募集している、希望者は早くに集まり、一か月後には私が教える立場となる。

お父様には感謝をしている、私がやりたいと言った事を叶えてくれた、これは私の力ではなくローマン父様の力であり、私は人生をかけてその期待に応えるように精進する。
絶対に後悔はさせない、私の夢を必ず叶えて見せる……その想いを持って

「見えてきたぞ、アメリア………あれだ」

「っ!?凄い………本当に」

見えてきたのは木造の建物、綺麗な建物で大きさもそこそこあった
正直、そこまで大きさを求めてはいなかったけど、想像以上で啞然としてしまう。

「最初は数人の生徒だが、お前が慣れたら生徒も増えるだろう?先に広めに作っておくように言っておいたんだ」

「お父様…本当に……」

私はお父様に向かって頭を下げる、この感謝の伝え方が分からない
どれだけ感謝の言葉を並べても、足りないだろう。

「どれだけ感謝をしても足りません、私のワガママに近い夢のために……ここまでして頂いて」

「違うぞ、アメリア」

お父様の否定の言葉に、顔をあげると肩を叩かれる

「お前にはローズベル家の使命を背負ってもらうんだ、お前の夢を叶えた時……民達が貴族達と変わらない力を持った時に必ずこの国は大きく良い方向に変わる、お前にその役目をローズベル家は託したのだ、この学び舎が出来て終わりじゃない………………始まりであるんだ」

「………………お父様…」

「任せたぞ、アメリア…お前の夢はローズベル家の夢だ…必ず叶えてくれ」

「はい……はい!!お父様…ローズベル家を背負って、必ずや」

嬉しかった、お父様は私をローズベル家の一員として見てくれていた事に。
娘として庇護する訳じゃない、子爵家を任せる1人として見てくれていたんだ…

「さて、実はアメリアに会わせたい人がいるんだ」

「え?」

歓喜を胸に感じていると、お父様はそう言って学び舎の中に入っていく
私の手を引きながら

「こっちだ、アメリア」

「あ、会わせたい人とは……誰ですか?ローマン父様」

「お前がいきなり教鞭をとるのは難しいと思ってな、共に教える立場に立ってくれる者を探していたんだ、お前の夢を伝えると是非ともと、志願してくれた者がな……前に会わせると言った協力者だ」

前に聞いていた、私の夢を共に叶えるために協力してくれる方………
まさか、このタイミングで会うことになるなんて、どのような方なのだろう?

期待、不安……混ざる感情と共にローマン父様と学び舎の中を進み
閉ざされていた扉をローマン父様が開いた瞬間、私は協力者がだれか一目で分かった。

「待たせたかな?」

「いえ、ローマン殿………僕も今来たとこです。」

ローマン様に応える声は心地よささえ感じる

肩まで伸びた黒い髪を後ろでまとめ、相変わらず優しい笑みを浮かべて私を見つめる真っ赤は瞳
社交場に立てば、令嬢達から注がれる視線は色が混ざり、盲愛する者までいる。

でも、私はそんな感情を彼には浮かべない。

だって、彼は家族のような方だから


「クロードお兄様………お久しぶりです!」


私は久々に会えた喜びの混じった声と共に声を出す。
その口調はまるで、子供のようにはしゃいでいるように感じて少しだけ恥ずかしさを感じるが、クロード兄様の前では思わず、童心に返ってしまう。

そんな私を昔と変わらずに、クロード兄様は笑いながら返事をしてくれた

「久しぶりだな、アメリア………まだ兄と呼んでくれて嬉しいよ」




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