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27.友人のこと2
しおりを挟む※エミリオサイド
「冬がくれば16だそうだ。」
持っていたグラスを落としそうになり、慌てて力を入れた。カイルもなんだか複雑そう。
「…えーと、そうだ!もしかして、彼の世界では数の数え方が違うとか。」
「いや、俺も確かめた。時間の単位も、1年の区切りも同じだ。ただハルカの国では20で成人らしい。だからハルカは子供だ。」
そんな子供を主張しなくても。
この国では16で成人とされている。一般的には仕事に就くのもそれくらいだ。軍の養成所は2年で、成人してからじゃないと入れないから、18で卒業して軍属になる。王宮に勤める文官系も似たような感じだ。
個人差はあるが、18.9位までに体は大きくなる。しかし、16でほとんどが大人と同じくらいに成長する。
11.2くらいかと思っていたが、まさか15だったとは。
「あ、じゃあさー、来年俺が嫁にもらおうか?」
「あぁ?」
いきなりブリザードが吹いた。さっきより怖い。
これ剣持ってたら手が掛かってたね。
「やだ、お父さん落ち着いて。ほら、俺、三男だから家継ぐとかないしー、一応貴族で少佐だし、優しいし、結構優良物件だと思うんだけどなぁ。」
軽く言い募ると、更に空気が冷たくなった。威嚇のオーラがすごい出てて、友人でも流石に怖いよ。尻尾巻いちゃいそうだよ?
「ま、考えといてよ。それよりさぁ。前に庭でお昼食べてたカモのあれ!ハルカくんはもちろん知らないんだよね?」
自分が蒔いた種だが、無理矢理話を変える。むっとした顔だけど、カイルの雰囲気が変わった。
「あれは美味かった。」
「いや、そうじゃなくてさー。にやけちゃって。
狼のオスが自分で狩った獲物を、想う相手に渡すのは求婚の意味であって、それを相手が自ら調理して、一緒に食べると承諾ってやつ。お前の獲物は俺が一生獲る!命を分け合う!みたいな。
確かに古いしきたりで、今はあまり知ってる奴も少ないけど。そんな意味なわけ?」
「……ただ気に入っているようだったから、食べさせてやりたかっただけだ。」
歯切れ悪いけど、無意識だったわけね、この友人は。まぁ、ハルカくんもそんなこと知らないだろうし、無効でしょ?
俺は苦笑して酒を飲んだ。
それから、彼があの料理を作ることになった経緯を根掘り葉掘り聞いて、自分では気付いてないカイルの表情を酒の肴にしてみた。面白くて酒が進むね。
かわいくてたまんない顔してますけど、お父さん自覚ないな。しかし、文化や風習が違うとはいえ、健気で胸を打たれちゃうね。
「かわいいねぇ。やっぱ嫁にちょうだい。」
そう言うと、案の定グラスを取り上げられ、もう帰れと追い出された。ひどい。
見送ってくれたマリアをデートに誘ったら、いつものように素気無くされた。
2人してひどい。
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