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第二章 藍と学校
158. 貴方の唇には私の唇が似合う My Lips Suit Yours
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「……ナウチチェルカ・ジ・インビンシブルがそんな事をなぁ、彼奴只のとクソつえぇ奴じゃなかったんだな。」
「ええ、彼女の生徒のわたくしから見ても、本当に素晴らしい先生で、素晴らしい人間ですよ。」
「“人間”!……人間とくるかぁ……!
そいつぁいいなぁ……。」
「だからザミール、貴方も立ち止まることを恐れないでください。立ち止まることは時として、一歩歩き出すことよりも多くの勇気を必要とするのですから。もし今足踏みをしているように感じるなら、それは貴方に勇気がある証拠ですよ。」
「……あぁ……お前もな。」
「うふふっ……ありがとうございます。」
「ケケケッ……こちらこそってヤツだ。」
顔を見合わて笑い合う。親友のように――。
◇◆◇
おしりについた雪を払ってザミールが立ち上がる。
「そう言えば、ザミール。」
「ん?」
「最初男性体でわたくしに接触してきたのって……。正体がバレないようにするためですよね?」
「……ん、あぁ……俺ぁ大々的に男性体の面が割れてるし、ゲアーター・ミルヒシュトラーセには女性体すらの顔すらバレちまってるからな、そこであのガキの男性体の姿が丁度良かったってわけだ。」
「なるほど……今は?女性体でいいんですか?」
「あぁ、幸い何故か俺の女性体の面が割れてんのはゲアーターだけだ。軍には共有されてないらしい。それにこの雪景色だし、俺ぁ白い髪だしちょうどいいだろ?」
白髮を手で乱暴に撫でつける。
「……そんなものですかね?」
「あぁ、お前を見つけられたのだって互い黒髪が雪化粧に映えてたからだしな。」
「もしかして、口説いてます?」
「ばっっ!!ちげぇよ!?
……いや、でも“責任は取る”つったしな。
お前がその気なら今すぐにでも――。」
「――あははっ、冗談ですよ。顔を赤くして可笑しいですね。」
「……お前も真っ赤だぞ。」
「はーい、知りませ~ん。」
◇◆◇
「それで?今日はなんで危険を冒してまでスラムくんだりからここまで会いに来てくれたんですか?まさか愛の告白をしようってわけでもないでしょうに。」
「あ……あぁ……そらぁ――」
ザミールの瞳が猛禽類のようにギラリと光る。まずい、わたくしはこの感覚を知っている。しかし獣神体に睨まれては人間体は動けない。
首に獣神体の温かい息を感じる。首を噛まれる――!
「はっ……!うっ……!」
痛みは一瞬だった。しかし身体の力が抜けて立っていられない、ザミールが抱きとめてくれる。すぐに彼女がわたくしの項を舐めて癒す。痛みが引いていく。獣神体の唾液には人間体の傷口を癒す効果があるようだ。
……そういえば、ラアルさま、と番ったときもそうだったなぁ。なんて、どこか冷静に考える……雪のせいだろうか。
「な、にを、……。」
「あの夜、言っただろ。人間体の顔に瑕をつけた責任は取るって。」
「……心で瑕は治ったんですけど。」
「そういう問題じゃなねぇ。俺からしたら獣神体が人間体に暴力を振るうなんてのは一番許せねぇことだ。」
「……だからって。」
「これは“誓い”だ。
これから先お前が助けを求めたのなら、何処にいても、何時でも、俺が駆けつけて護ってやる。その……覚悟の証明だ。」
「……そう、てすか。」
「あぁ、何時でも俺を呼んでくれ。」
「敵なのに?」
「敵なのに、だ。それにお前俺を逃がしてくれた時に言ってくれただろう。エゴペー・ミルヒシュトラーセに、
『この人はミルヒシュトラーセの敵ではあっても、わたくしたちの敵ではない。』
ってな。ありぁうれしかったぜぇ。」
「……どういたしまして。」
「おう!いつでも、だぞ!」
「あの~……盛り上がってる所悪いんですが……。」
「あぁ?なんだよ?」
「えっと……わたくしもう番が二人いまして。」
「……。……?……はぁ!?」
「いや~、そうなりますよね。」
「いやだってお前がアニマ・アニマだってのは最上位秘匿案件だろう!?お前は対外的には稀代のこころをもつものでアニムス・アニムスの、ミルヒシュトラーセの……!?」
「え、ええ。」
「じゃあなんで、番が二人もいんだよ!?
人間体だってのは誰も知らねぇはずだろ?」
「えぇ~っと話せば長いのですが。」
◇◆◇
「――というわけでして。」
「……なる、ほどぉ?」
「……はいぃ。」
「つまり、俺があの夜お前のこころの中でみたいな聖別の儀の相手にはバレちまってる。そんで無理矢理、番われたと。まぁここまではギリギリ分かる。聖別の儀の相手には性別はモロバレだろうからな。」
「……はい。」
「……でも二人目の相手があのラアル・ツエールカフィーナ・フォン・ファンタジアだとはなぁ……。」
「……はい。」
「不知火陽炎連合の奴と?公王の娘である王女……そして反政府組織のリーダーである俺か……。
お前……人間体のフェロモン以外にもやべぇ獣神体を引き付けるなんか常に放出してんのか?」
「……さぁ……?」
「しっかし……すげーことになったなぁ。
一人ツエールカフィー公王の率いる“公王派の王女”、もう一人はその公王派と敵対する、エレクトラ辺境伯の傘下である“辺境伯派の側近”……んで最後は辺境伯派と敵対する“反政府組織のリーダー”とくらぁ……。マジでやべぇな。」
「えぇ……。まさかこの国で対立する三派閥の全員と違うことになるとは思いませんでしたよ……。ん……?……というか。ザミールと番ったことではるひくんとは番関係が解消されたのでは?」
「あぁ……?なんでだ?」
「だって両性具有者は男性体と女性体で二人と最大二人と番えるのでは……?
……まさか……最大で二人ではないのですか?」
「誰から聞いた?それ?」
「はるひくんのお母さんに先刻聞きました……でも確かに彼女も自信なさげで『あくまで一推測として聞いてね』って言ってました……。」
「だろうな。両性具有者の秘密主義の弊害がまたでてんな。先刻の両性具有者を殺す方法と一緒だ。奴らが隠してんのさ。
普通の人人間体なら相手は一人だけだが、アニムス・アニムスの場合は何人とでも番える。理由は分からん。両性具有者の中にはそれは俺らが天使……つまり、人間じゃなく天使だからって言うやつもいるが、本当のとこはわかんねぇ。
そもそも両性具有者は数が少ないし、両性具有者同士で他の奴らを下に見てアイツら同士でつるみたがるからな。どうしても研究が遅々として進まねぇ……。」
「……なる、ほど。でも何人でもって……虚弱なアニマ・アニマの身体でそんな事をしたら――」
「――あぁ、殆どのやつは身体が持たねぇから普通の人間体と一緒で番は一人だ。二人でさえ俺はほぼ聞いたことがねぇ。ましてや三人となるとな……。悪い、責任を取らないとと思って逸っちまった。ほんとうにすまねぇ。」
頭を深く下げられる。
「……いいんですよ、謝らないでください。
わたくしが知らない両性具有者の事について危険を冒してまで教えに来てくれましたし、それに……。」
「…………それに?」
うっ……追求してこないでほしい。
「……ぇえ……まぁ、貴方になら、まぁ……別に、何をされてもいいというか、初めてこころをさらけ出しあってぶつかった……その、“初めての相手”ですし。」
「……アイ……。」
ザミールが頬に手を添えてくる。
「あっ!ヘンな意味じゃないですよ!?
ほら!貴方の二つの二つ名の砂漠の黒死病と誠実な犠牲者の由来になった、フランス領アルジェリア系地獄人のアルベール・カミュ!!カミュの書いた『ペスト』の登場人物の!!リウーとタルーみたいなあんな“誠実な”信頼関係を持てたらと――」
わたくしは言葉を続けられなかった。
……唇をふさがれたからだ。
――もちろん相手の唇によって。
なんだか、くやしい。
「……許可してなんですけど……。」
そっぽを向いて愚痴をこぼす。
「あぁん?俺になら何をされてもいいんだろぉ?」
ニヤニヤしてる……!
「……ふんっ!知りませんっ!」
「ええ、彼女の生徒のわたくしから見ても、本当に素晴らしい先生で、素晴らしい人間ですよ。」
「“人間”!……人間とくるかぁ……!
そいつぁいいなぁ……。」
「だからザミール、貴方も立ち止まることを恐れないでください。立ち止まることは時として、一歩歩き出すことよりも多くの勇気を必要とするのですから。もし今足踏みをしているように感じるなら、それは貴方に勇気がある証拠ですよ。」
「……あぁ……お前もな。」
「うふふっ……ありがとうございます。」
「ケケケッ……こちらこそってヤツだ。」
顔を見合わて笑い合う。親友のように――。
◇◆◇
おしりについた雪を払ってザミールが立ち上がる。
「そう言えば、ザミール。」
「ん?」
「最初男性体でわたくしに接触してきたのって……。正体がバレないようにするためですよね?」
「……ん、あぁ……俺ぁ大々的に男性体の面が割れてるし、ゲアーター・ミルヒシュトラーセには女性体すらの顔すらバレちまってるからな、そこであのガキの男性体の姿が丁度良かったってわけだ。」
「なるほど……今は?女性体でいいんですか?」
「あぁ、幸い何故か俺の女性体の面が割れてんのはゲアーターだけだ。軍には共有されてないらしい。それにこの雪景色だし、俺ぁ白い髪だしちょうどいいだろ?」
白髮を手で乱暴に撫でつける。
「……そんなものですかね?」
「あぁ、お前を見つけられたのだって互い黒髪が雪化粧に映えてたからだしな。」
「もしかして、口説いてます?」
「ばっっ!!ちげぇよ!?
……いや、でも“責任は取る”つったしな。
お前がその気なら今すぐにでも――。」
「――あははっ、冗談ですよ。顔を赤くして可笑しいですね。」
「……お前も真っ赤だぞ。」
「はーい、知りませ~ん。」
◇◆◇
「それで?今日はなんで危険を冒してまでスラムくんだりからここまで会いに来てくれたんですか?まさか愛の告白をしようってわけでもないでしょうに。」
「あ……あぁ……そらぁ――」
ザミールの瞳が猛禽類のようにギラリと光る。まずい、わたくしはこの感覚を知っている。しかし獣神体に睨まれては人間体は動けない。
首に獣神体の温かい息を感じる。首を噛まれる――!
「はっ……!うっ……!」
痛みは一瞬だった。しかし身体の力が抜けて立っていられない、ザミールが抱きとめてくれる。すぐに彼女がわたくしの項を舐めて癒す。痛みが引いていく。獣神体の唾液には人間体の傷口を癒す効果があるようだ。
……そういえば、ラアルさま、と番ったときもそうだったなぁ。なんて、どこか冷静に考える……雪のせいだろうか。
「な、にを、……。」
「あの夜、言っただろ。人間体の顔に瑕をつけた責任は取るって。」
「……心で瑕は治ったんですけど。」
「そういう問題じゃなねぇ。俺からしたら獣神体が人間体に暴力を振るうなんてのは一番許せねぇことだ。」
「……だからって。」
「これは“誓い”だ。
これから先お前が助けを求めたのなら、何処にいても、何時でも、俺が駆けつけて護ってやる。その……覚悟の証明だ。」
「……そう、てすか。」
「あぁ、何時でも俺を呼んでくれ。」
「敵なのに?」
「敵なのに、だ。それにお前俺を逃がしてくれた時に言ってくれただろう。エゴペー・ミルヒシュトラーセに、
『この人はミルヒシュトラーセの敵ではあっても、わたくしたちの敵ではない。』
ってな。ありぁうれしかったぜぇ。」
「……どういたしまして。」
「おう!いつでも、だぞ!」
「あの~……盛り上がってる所悪いんですが……。」
「あぁ?なんだよ?」
「えっと……わたくしもう番が二人いまして。」
「……。……?……はぁ!?」
「いや~、そうなりますよね。」
「いやだってお前がアニマ・アニマだってのは最上位秘匿案件だろう!?お前は対外的には稀代のこころをもつものでアニムス・アニムスの、ミルヒシュトラーセの……!?」
「え、ええ。」
「じゃあなんで、番が二人もいんだよ!?
人間体だってのは誰も知らねぇはずだろ?」
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◇◆◇
「――というわけでして。」
「……なる、ほどぉ?」
「……はいぃ。」
「つまり、俺があの夜お前のこころの中でみたいな聖別の儀の相手にはバレちまってる。そんで無理矢理、番われたと。まぁここまではギリギリ分かる。聖別の儀の相手には性別はモロバレだろうからな。」
「……はい。」
「……でも二人目の相手があのラアル・ツエールカフィーナ・フォン・ファンタジアだとはなぁ……。」
「……はい。」
「不知火陽炎連合の奴と?公王の娘である王女……そして反政府組織のリーダーである俺か……。
お前……人間体のフェロモン以外にもやべぇ獣神体を引き付けるなんか常に放出してんのか?」
「……さぁ……?」
「しっかし……すげーことになったなぁ。
一人ツエールカフィー公王の率いる“公王派の王女”、もう一人はその公王派と敵対する、エレクトラ辺境伯の傘下である“辺境伯派の側近”……んで最後は辺境伯派と敵対する“反政府組織のリーダー”とくらぁ……。マジでやべぇな。」
「えぇ……。まさかこの国で対立する三派閥の全員と違うことになるとは思いませんでしたよ……。ん……?……というか。ザミールと番ったことではるひくんとは番関係が解消されたのでは?」
「あぁ……?なんでだ?」
「だって両性具有者は男性体と女性体で二人と最大二人と番えるのでは……?
……まさか……最大で二人ではないのですか?」
「誰から聞いた?それ?」
「はるひくんのお母さんに先刻聞きました……でも確かに彼女も自信なさげで『あくまで一推測として聞いてね』って言ってました……。」
「だろうな。両性具有者の秘密主義の弊害がまたでてんな。先刻の両性具有者を殺す方法と一緒だ。奴らが隠してんのさ。
普通の人人間体なら相手は一人だけだが、アニムス・アニムスの場合は何人とでも番える。理由は分からん。両性具有者の中にはそれは俺らが天使……つまり、人間じゃなく天使だからって言うやつもいるが、本当のとこはわかんねぇ。
そもそも両性具有者は数が少ないし、両性具有者同士で他の奴らを下に見てアイツら同士でつるみたがるからな。どうしても研究が遅々として進まねぇ……。」
「……なる、ほど。でも何人でもって……虚弱なアニマ・アニマの身体でそんな事をしたら――」
「――あぁ、殆どのやつは身体が持たねぇから普通の人間体と一緒で番は一人だ。二人でさえ俺はほぼ聞いたことがねぇ。ましてや三人となるとな……。悪い、責任を取らないとと思って逸っちまった。ほんとうにすまねぇ。」
頭を深く下げられる。
「……いいんですよ、謝らないでください。
わたくしが知らない両性具有者の事について危険を冒してまで教えに来てくれましたし、それに……。」
「…………それに?」
うっ……追求してこないでほしい。
「……ぇえ……まぁ、貴方になら、まぁ……別に、何をされてもいいというか、初めてこころをさらけ出しあってぶつかった……その、“初めての相手”ですし。」
「……アイ……。」
ザミールが頬に手を添えてくる。
「あっ!ヘンな意味じゃないですよ!?
ほら!貴方の二つの二つ名の砂漠の黒死病と誠実な犠牲者の由来になった、フランス領アルジェリア系地獄人のアルベール・カミュ!!カミュの書いた『ペスト』の登場人物の!!リウーとタルーみたいなあんな“誠実な”信頼関係を持てたらと――」
わたくしは言葉を続けられなかった。
……唇をふさがれたからだ。
――もちろん相手の唇によって。
なんだか、くやしい。
「……許可してなんですけど……。」
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